概要
1999年4月30日に発売されたNINTENDO64向けソフト。『ポケットモンスター 赤・緑」の派生作品。前作『ポケモンスタジアム』の問題点を解消したある種「完全版」と言える作品。なお、このソフトは海外では「1扱い」されており、前作は発売されていない。次回作に『ポケモンスタジアム金銀』がある。
参加可能ポケモン
種類
当時存在していた全151匹が参加可能。
自分で育てたポケモン
GBパックをつなげばすぐに登録可能。前作と異なりボックスからでもエントリーできる。
なお、今作からピカチュウ版のピカチュウをエントリーしてバトルに参加させると、ピカチュウがアニメと同じく大谷育江ボイスになり、バトルモーションが通常のピカチュウと違っている。(ただし、とうろくさせてしまうと通常のピカチュウになってしまう。)
ポケモンの登録
登録も同様手持ちだけでなくボックスから可能。またレンタルポケモンとの混成チームで挑むこともできる。
レンタルポケモン
自分のポケモンを育てていなくても、ポケモンを借りることでトーナメントに挑める。
だが技が対戦向けでなかったり、使い勝手が悪かったりする場合がほとんどで、本気で挑もうと思ったらやはり自分で育てるしかない……のだが、下記のトーナメントのうち「表」についてはレンタルポケモンでも十分戦えるレベルになっているが、レンタルだけで「裏」をクリアした猛者も多い。
また「裏」トーナメントのうち「ウルトラカップ」は何とミュウがレンタルできる。戦力としては物足りないがチームを登録すれば「表」でも使える。
なお、ミュウツーはレンタルできない。
2のみの要素として、バトルで使ったポケモンでスタジアムもしくはジムリーダーのしろをクリアすると、「しょうりしゃのやかた」という場所に登録されて殿堂入りする。
同じポケモンを使った時は最後に使ったポケモンの情報を上書きする。
そして151匹殿堂入りさせると、ドわすれを覚えたコダックが貰える。(おやは『スタジアム』固定、IDは01999であり、これはポケモンスタジアム2の発売した年である。)
後述のNintendo Switch Onlineではレンタルポケモンのみでバトルをするが、上記の通りミュウツーはレンタルできないため、ドわすれコダックを貰うことができない。
対戦モードについて
完全版なだけあって、ルールが非常に多岐に亘る。
また、対戦モードの全てをクリアすると「裏モード」が出現し、よりレベルの高いトレーナー達に挑戦できる。
(ここでは便宜上裏でないモードのことを「表」と呼ぶ)
技について、一部ゲーム版と仕様が異なっている。主なものでは以下の通り。
- 「みがわり」中の相手に状態異常、「やどりぎのタネ」「こんらん」などが無効
- 技「はかいこうせん」で相手を倒しても、技が相手の「みがわり」を攻撃しても、技を外しても反動が来る
- 技「ふぶき」の追加効果発生率が3割ではなく1割
- 技「スピードスター」が必ず当たる
- 技「きあいだめ」の調整
- 急所(クリティカル)確率の調整
対戦モード1:カップ戦
8人勝ち抜きのトーナメントで、6匹から3匹選ぶ形式。今作から手持ちを一匹も倒されずに勝利するとパーフェクト勝ちとなり、負けても再戦できるコンティニューを獲得できる。
ニンテンドウカップ'97
最初に開催された公式大会のルール、「手持ちのポケモンはレベル50~55、出場させる3匹のレベル合計は155まで、ただしミュウは禁止」に基づく。
対戦相手のポケモンは全国大会で使用されたポケモンだけを繰り出してくる。前半戦は物理型フリーザーといったネタポケも目立つが、前作と違って努力値の上げ方が明らかになっているため、後半戦からは難易度が急激に上がり、初代メジャーポケモン達が容赦なく猛威を振るう。
「表」も「裏」も決勝戦では当時最強と謳われた「はかいこうせん」持ちケンタロスが君臨し行く手を阻む。当然「ふぶき」も覚えておりかなりの強敵。
ニンテンドウカップ'98
発売年の前年に開催された公式大会のルール「手持ちのポケモンはレベル1~30までかつ『ポケモンスタジアム』に出場できた33種のみ」に基づく。
「表」はレベル上限にすら達していない相手が多く非常に楽だが「裏」トーナメントが狂気そのもの。説明に研究しつくされた手強いカップとあるが、そんな生易しいものではなく研究は育成システムの最深部にまで及んでいた。
何と1戦目以外前年に出場したトレーナーとそのポケモン達が似顔絵入りの実名で登場する。立ち回りの精度も半端なく高い。
何せ全てのチームに「はかいこうせん」「じしん」「こおり技」「でんき技」を覚えたケンタロスがいる上に大半のチームにサンダース・スターミー・ゲンガーがいるというヤバさ。そして誰がどの順番で出て来るかはランダム。
信じられないかもしれないが、98年時点ではまだ「コツコツ育てば強くなる」程度しか発表されていなかった「努力値」システムまでもほぼ完全に理解したうえで、ポケモン対戦における「種族値」、さらにやり直し不可の「個体値」の限界に対する理解および厳選まで行った、レベル30のポケモンが理論上到達できる最強最速の個体まで登場する。
まともに勝ち上がるのは至難の業と言える。
ちなみに大会以降も続けられた某番組の対戦では、努力と全力を尽くした達人同士のポケモンバトルが毎回繰り広げられる。サイクル戦の祖に当たる巧みなポケモン交代やタスキ無しHP1限界での勝利をはじめとした、いくつもの名勝負が生まれた。
イエローカップ
「手持ちのポケモンはレベル15~20、出場させる3匹のレベル合計は50まで、ミュウは使用禁止」というかなり特殊なルール。野生でレベル21以上しか存在しない種族は出られない(一応『ポケットモンスター 金・銀』経由で連れて来ることで無理矢理出る手はあるが)。
『ポケットモンスター ピカチュウ』を中心に、各地のNPC達と交換したポケモンは、交換する自分のポケモンと同じレベルになる仕様を十二分に生かし、わらしべイベントのようにバージョンをまたいで交換することでレベル15~20以内で参戦できるポケモンも多く、思わぬ顔ぶれによるサプライズも魅力。最小レベル3で加入可能な「おマル」のマルマインは有名。
最もレベルが低いトーナメントなのでレベル差による能力値の差が非常に大きい。特にレベル15と20の対決では、先手の効果抜群が軽々受け止められ、反撃の高火力タイプ一致技で易々落ちてしまうケースもあり、相性有利でさえ強引に押し切られてしまうことも。
一見するとかなりテクニカルな戦略を要するように見えるが、相手のHPが極端に少ないのでレベル20のポケモンが「りゅうのいかり」を覚えていれば連発するだけで勝てる。トーナメントに出て来るどんな相手も確定1~2発。
勿論相手もそれは承知の上なので決勝戦では「りゅうのいかり」合戦になる。
ちなみに続編を使うと今作の主役やプテラを参戦させられるという恐ろしい状態になる。
なお、このカップでのレンタルポケモンはレベル20までで野生入手できるポケモンがレベル15で統一されているが、ピカチュウ版でレベル15でゲットできる一部のポケモンが選べなかったり、初代のどのバージョンでもレベル20以下で入手できないポニータが何故か選ばれてた。
ファンシーカップ
「手持ちのポケモンはレベル25~30、出場させる3匹のレベル合計は80まで、進化前で身長2m以下・体重20kg未満のポケモンのみ出場可能、ミュウは使用禁止」というこれまたかなり特殊なルール(進化前と一部オンリールールだとただのヒトデマン無双になる)。
後付けで進化前が追加されている種族(ピカチュウなど)もこの時は当然出場可能。
某番組では『ポケモンスタジアム2』の先行体験を兼ねてこのルールでの対戦が行われた。
耐久力の低いポケモンが大半を占めるだけでなく、前作以上に「かげぶんしん」による持久戦をはじめとした、一部の強力な技や戦術に対するバランス調整が施された『ポケモンスタジアム2』の洗礼を浴びることに…。改めて強力な技の有用性や「だいばくはつ」の威力が注目された。
そしてここでも「りゅうのいかり」が大活躍だったりする。流石に全員確定2発というわけにはいかないが。
これに2発耐えるプリンの凄さが分かる。
ここでは未進化のカモネギが出場可能になるが、ここでの出場可能は後の世代の進化を予知していたのか?
ニンテンドウカップ'99
「レベルは1~50、それまでの2つの全国大会に出場していたポケモンとミュウは使用禁止」というルール。要はメジャーポケモン総出禁ルールである。同年の公式大会はこのルールで行われた。
「きりさく」ペルシアン・「ドわすれ」ヤドラン・「はっぱカッター」ウツボットといった様々なポケモン達の可能性が花開いた画期的なルールと言える。
さらに「サイコキネシス」と「10まんボルト」を両方使えるエレブー・バリヤード、前作スタジアムを経由して「なみのり」を覚えさせたライチュウ・非常に多彩な技構成と耐久力を両立するピクシー・超火力「ハイドロポンプ」の使い手ドククラゲ等がピックアップされた。
進化前だが、出場ポケモントップクラスの特殊を持つユンゲラーと、ノーマル対策に特化しているゴーストは候補に入り、フーディンとゲンガーが禁止されてもなお、十分強かった。
ちなみに当時ほのおタイプは全員このルールに出場でき、従ってファイヤーは伝説のポケモンなのに唯一'99カップにお目見えしていた(要は皆に使ってもらえなかった)という……
なお、このトーナメントと下のウルトラカップのみ「モンスターボール」「スーパーボール」「ハイパーボール」「マスターボール」の4つのカップをクリアしなければならない。
'99カップ全国大会本戦 知られざる熱闘の軌跡
実際にスタジアム2を通して行われた全国大会では98カップをさらに上回る、個体値&努力値の両方をほぼ限界まで育て上げたポケモン同士による初代最大最後の大会となった。97年からポケモンの大会に大きく貢献してきた某番組…64マリオスタジアムからも、本戦トーナメント出場枠が一つ設けられ、番組代表を決める予選大会が数週に渡って放送された。幸いなことにプライバシーも含めて恒例だった本戦出場者達だが、スタジアム金銀や以降も一切登場しない。
ただ当時の希少な記録や結果から見えてくるのは、一緒に出場したポケモン達だけでなくトレーナー自身の作戦指揮や立ち回り方のレベルも高く、単に強いポケモンを育てただけでは翻弄されてしまい、戦い慣れていないと手も足も出ない実力なのがうかがえる。
今大会は特に『赤・緑』のバージョン間を通信で行き来しないと手に入らないポケモン(例:『赤』エレブー・『緑』ペルシアン・『緑』ウツボット)も多いのだが、もはやバージョンを隔てる大きな壁は関係なかった。
加えてCPU戦で4つの難易度、様々な戦術に対応して勝ち抜けるようなチームが最強ではなく、まだ99年の時点で昨今のオンラインPvPに見られる様な、'99カップ全国大会本戦出場者のポケモンは完全な対人戦及び環境を意識したチームと技構成となっている。
そして続編の『ポケットモンスター 金・銀』にて「ほのおタイプ1弱兼エスパータイプ1強」時代は終止符を迎えた。
ウルトラカップ
「レベルは1~100、全ポケモンが出場可能」というルール。対戦相手はモンスターボールの1回戦からレンタルポケモンまで、出てくる全てのポケモンが最大レベル100同士で激突する圧巻のバトル。
当然ミュウツーも出場可能で、困ったらとりあえず「サイコキネシス」を使っておけば大体勝てるという異常なまでのスペックを誇る。
当時のCMに「やっぱりミュウツーよね!」という台詞まであったほど。
最後の最後でマスターボールの決勝戦では対ミュウツーを想定しているのか、幻のポケモンのミュウを必ず繰り出してくる。
対戦モード2:ジムリーダーのしろ
ゲーム中に出て来るジムリーダー戦と四天王+チャンピオン(ライバル)戦をより強力にしたモード。パーフェクト勝ちしてもコンティニューは貰えない。
全4戦(四天王戦のみ5戦)で構成され、相手のレベルは「こちらが50以下の場合50、50以上の場合は一番高いポケモンに合わさる」というしくみ。またカップ戦同様手持ちの6匹から3匹を選ぶ。
各ジムはタイプ統一というわけではなく、少しずつ別のタイプのポケモンも混ざる。また、タケシがロコン系列を、カスミがコダックを、サカキがペルシアンを使ってくるなど、当時のアニポケの影響が見られる。
何故かエスパータイプのヤマブキで火事場泥棒が、グレンでサイキッカーが登場する。ジムを一つ間違えてしまったシステムの配置ミスに見えるが、これは恐らくバランス調整によるものと思われる。今作のサイキッカーは99カップでも難敵として立ちはだかり、初代において最強とまで言われたエスパータイプ最盛期を物語っている。
四天王戦は4戦クリアするとすぐライバルとの戦いになる。当然能力も技もより実戦向きになっており苦戦必至。
ただ、ワタルがカイリューを使わない(それでいて表にてハクリューは使う)、ライバルは何故かナッシー大好き人間になっているなどの謎現象が起きている。まあ当時の実戦面を考えるとそうした方がいいのかもしれないが。
ライバルに勝つと、通常プレイでは1度しか又はどれかしかゲットできない、フシギダネ・ゼニガメ・ヒトカゲ・イーブイ・カブト・オムナイト・エビワラー・サワムラーの内1匹をランダムでもらえる。勝つたびに何度ももらえるので、タマゴシステムが無い当時の廃人達は何度も通ったであろう。(レベルは御三家は5、サワムラー・エビワラー・カブト・オムナイトは20、イーブイは25、おやは『スタジアム』、IDは01999固定。)
対戦モード3:ミュウツーをたおせ
レベル100のミュウツー1匹を6匹がかりで倒すというとんでもないモード。
当然相手の能力や技は本気そのもので、「サイコキネシス」はおろか「ねむる」、挙げ句裏では「ドわすれ」まで入っている。生半可な作戦は一切通用しない。特に裏ではドわすれがあるため、サイコキネシスと10まんボルトを両方半減できる上にHPと特殊の高いナッシーの耐久力をもってしても焼け石に水感が強い。フルアタパーティーでは倒すのはまず不可能。
というのも手ではある。
チビッコクラブ(ミニゲーム)
名前の通り未進化ポケモンが多く登場する。(トランセルとコクーンは1回進化している。)
本作屈指の人気モードの1つ。
全9種類。
- 「コイキングのはねるでポン」 タイミングを取ってカウンターを押せ。
- 「ピッピのゆびふりきょうしつ」 初見に優しい記憶力対決?
- 「はしれコラッタ」 パネルを踏みながらダッシュ!
- 「スリープのさいみんがっせん」 振り子の真ん中をじーっと見よう。
- 「ビリリはつでんきょうそう」 Aか?Bか?見極めて連打。
- 「ベロリンガのぐるぐるずし」 当該項目参照。人気モードの中でも特に人気の高いミニゲーム。
- 「アーボでわなげ」 アーボでディグダを囲め。金のディグダもいるよ
ちなみにここでのディグダの顔は何故か進化先のダグトリオの顔になっている。
CPUと戦うもよし、コントローラーを複数用意して友たち戦うもよし。対戦が下手でもGB版を持っていなくても誰でも楽しめるとあって大人気を博した。
(ちなみにトップイラストもミニゲームのもの)
平和組の実況動画。
しょうりしゃのやかた
所謂「殿堂入りの部屋」。トーナメント(4種類ある場合マスターボールカップのみ対象)・ジムリーダーの城を勝ち抜いたポケモン達の像が飾られる。
151匹全てを殿堂入りさせると、当時覚えさせる方法のなかった「ドわすれ」を覚えたコダックが手に入る(なお後に遺伝技化)。
当然ミュウも条件に含まれ、持っていない場合は上記レンタルを頼って勝ち抜く必要がある。
GBプレイモード
64GBパックに初代ポケモンシリーズを接続していて、かつポケモンセンター内でセーブしてある場合、そのソフトをプレイすることができる。
また、「ウルトラカップ」と「'99カップ」のうちどちらかをクリアすることで「ドードーGB」が、両方をクリアすることで「ドードリオGB」モードが追加され、ドードーGBでは2倍速、ドードリオGBでは何と4倍速でプレイ可能。
そのあまりの高速ぶりに、当時を知るプレイヤーは「現在でもこの機能があればいいのに」と思っているとかなんとか。
このドードリオGBを使ったRTAも存在する。
Nintendo Switch Online
2022年9月13日に公開されたニンテンドーダイレクトにて2023年に「Nintendo Switch Online+追加パック」で本作と「金銀クリスタルバージョン対応」が配信される事を発表され、オールドユーザーから歓喜を上げた。しかし、当然ながらゲームボーイシリーズのポケモンシリーズとの連動は不可能で(注意書きもされている)、VC版とSwitchでは通信が出来ないが、2022年2月9日に配信されたNintendoDirectで、「Nintendo Switch Online」加入者特典として、GBとGBA(こちらは追加パック)が配信されることが決定された。…しかし、今の所各本編のポケモンシリーズは発表されてないが…?
どのみち現時点ではレンタルポケモンのみを使って勝ち抜かねばならない。……どこでもセーブを使って一撃必殺技や影分身でゴリ押し出来るけど。
今の所はポケモンホーム待ちである。
配信日は、2023年4月12日。なんの因果か、2日後には、アニメの新シリーズの初回放送である。
大乱闘スマッシュブラザーズ
『大乱闘スマッシュブラザーズX』『大スマッシュブラザーズ_for_Wii_U』『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にステージとして登場。基本的な構造やギミックは「ポケモンスタジアム」と同様だが、このステージでは「でんき」「こおり」「ひこう」「じめん」に置き換わっており、変化後の背景に当時の最新作である『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』までのポケモンが数匹登場する。
余談
発売当時は知るすべが無かったが、本作でゲットしたポケモンを金・銀・クリスタルに連れて行くと、特別なアイテムを持っている。
関連タグ
ケンタロス/ミュウツー:ケンタロスは前作に引き続き、ミュウツーは今作でダブル主人公のポケモンである。