概要
種族値は、ポケモンの強さを表すパラメータのうち、そのポケモンの「種族としての」能力の伸びやすさを表した数値のこと。
あくまでも通称であり、公式に認められているわけではないことは覚えておこう。
だがインタビュー等で時々使われる(インタビュー側が使う)ので一応認知はされている様子。
当然数値についても公式な公表はされておらず、攻略サイトでは有志の解析によるものが掲載されているが、公式サイトの図鑑ページや攻略本等にて、棒グラフや六角チャートを使いその能力がどの程度になるのかについては公開されている。なお、第一世代のみ公式攻略本で完全な数値が公開されていたが、この頃は特攻と特防が特殊で統一されているため、微妙にアテにならない。
一応「基礎ポイント」という名称がある努力値と違ってコレといった正式名称が無い(精々がポケモンの種類ごとの能力と呼ばれる程度)ので結局この名前で通っているのが現状である。
例としてピカチュウの種族値を見てみると、このようになっている。
HP(H) | 攻撃(A) | 防御(B) | 特攻(C) | 特防(D) | 素早さ(S) |
---|---|---|---|---|---|
35 | 55 | 30 | 50 | 40 | 90 |
これから言えることは、ピカチュウは素早さのパラメータが最も伸びやすく、ついで物理攻撃、特殊攻撃の順に成長しやすいということである。
進化後や伝説ポケモンはこの数値が高いが、つまりはそれだけ伸びやすいということでもあり、種族値はそのポケモンの得意分野を表している数値といっていいだろう。
種族値が全てではない
ただし、数値を底上げしたり逆にダウンさせたりする特性を持っているポケモンも居たりするので必ずしもこの値が能力値の全てというわけでもない。
また、実際のステータスには他の三値である努力値、個体値といったパラメータや、各性格ごとにステータスの上昇幅に差が出る「性格補正」などが影響する。ポケモンをプレイした事がある人は多くても、ガチ勢になる際のハードルを大きく引き上げている要素が、これらを踏まえた育成作業の難易度である。
これらがステータスに与える影響がどれほどかと言うと、例としてLv50だと個体値厳選と努力値の振りかた次第で、同じポケモンでも50~60前後のステータスの数値差が出る場合もある。旅パなどで厳選や努力値振りに拘らずにプレイして育てたポケモンと、本格的に対戦用の個体を育てた時に数値を比べると非常にわかりやすい。
目的に合わせたアタッカーを育成する場合はこれを目安にするといいので、初心者から中級者へのステップアップ時には誰もが種族値のことを考えるだろう。
稀にこの値に真っ向から反発した奇抜な型を考え、育成する人も居る。
合計種族値が600に達しているポケモンの内伝説や幻のポケモンを除いたものが600族という言葉で括られることがあるように、合計種族値が強さの指標の一つとなっているのは確かだが、必ずしも種族値が強さに直結しているという訳ではない。
例えばこうげきがとくこうより高くぶつりわざがのレパートリーがとくしゅわざより豊富なポケモンは、とくしゅわざを覚えさせる戦術が殆ど考案されないため、とくこうが多少高くてもその値は意味を成さず無駄な配分になるといった具合である。
具体例として種族値合計は460しかないにもかかわらず配分に無駄がなく技や特性の優秀さゆえに要注意ポケモン扱いされているキノガッサのような種族もいれば、種族値合計540にもかかわらず配分の無駄さ(微妙な素早さや低い耐久面)、特性との相性の悪さから種族値ほどの能力を生かし切れていないブーバーンのような種族もいる。
また、チャーレムのヨガパワーや各ちからもち所有者、しんかのきせき持ちのポリゴン2など、強力な特性やアイテムの影響で本来の種族値以上の数値を叩き出す所謂種族値詐欺をしている種族も少なくない。ギルガルドやヨワシのように、対戦中に特性の影響で種族値そのものが変動するポケモンすら存在する。特性の中にはふしぎなまもりやばけのかわのように相手の攻撃を無効化してしまうもの、いたずらごころやはやてのつばさのように素早さに関わらず先制できるようにしてしまうものなど、数字では計測不可能な強さを持つ物も多いため、一概に種族値の寡多のみでポケモンの強弱を論じることはできない。
前述したように伝説のポケモンは合計種族値が高く設定されている傾向にあり、通常対戦で使用可能な準伝説と呼ばれるグループはだいたいが570~600。
使用不可の禁止級になると670~680にも及び、中には700を超える数値を持つ者もいる。
また、非伝説で合計種族値600のポケモンは600族と呼ばれており、一般ポケモンにおける最高峰、厨ポケの代名詞とも言える強力なポケモンが揃っている。
通常対戦で使用可能にもかかわらず、素で種族値が600を大きく上回るケッキングやレジギガスといったポケモンも存在するが、これらはその種族値を抑えるハンデとして、大きなデメリット特性を与えられている。
実は意外と御三家の種族値合計もバラバラだったりする。特にどの世代でも草御三家の扱いは酷く、今まで一度も炎・水御三家の合計を上回った事がない。
具体的に言えば、最高はラグラージの535、最低はフシギバナ・メガニウム・ドダイトスの525。見事に草御三家ばかりである。
三匹の合計種族値が統一されていたのは第一世代(この頃は特攻・特防が特殊で統一されていたため)と第五世代、第七世代、第八世代、第九世代であり、約半数に格差が生じている。
種族値の目安
「ポケモンの強さは、様々な要因が絡み合って決まるものである」事は上述通り。とはいえ、種族値が強さの指標の一つである以上、どれくらいあればいいのか分からないというユーザーも少なくない。
「どのラインが高いか・低いか」についてはトレーナーの感性や対戦環境(世代やソフト・対戦ルール等)によっても変わってくるため、一概にこうとは言い切れないが、おおよその目安として「(最終形態や無進化の場合)種族値は80が普通(平均的)」という説が有力である(因みに、全種族値80のポケモンが2匹存在する)。
以下は大まかな目安であるため、あくまでも参考程度に。
- 120台以上:かなり高い。ハリテヤマの物理攻撃(120)・マスカーニャの素早さ(123)等。
- 100台:やや高い。リザードンの素早さ(100)・ミミッキュの特殊防御(105)等。特に素早さはここが激戦区となる。
- 80台:平均的。ケンホロウの物理防御(80)・オーダイルのHP(85)等。
- 60台:やや低い。エンペルトの素早さ(60)・オーロットの特殊攻撃(65)等。
- 40台以下:かなり低い。サメハダーの物理防御(40)・イオルブの物理攻撃(45)等。ここまで低いと、補強するのは最早諦めた方がいいレベル。ただし、数値の低さを利用した戦術もある。
ちなみに、ポケモン公式ページ内のポケモンずかんでは15段階で能力が表示されているが、種族値では次のように換算されている。
ポケモン公式ページ内での段階 | 種族値換算 |
---|---|
1段階目 | ~19 |
2段階目 | 20~34 |
3段階目 | 35~54 |
4段階目 | 52~68 |
5段階目 | 69~85 |
6段階目 | 86~102 |
7段階目 | 103~119 |
8段階目 | 120~136 |
9段階目 | 137~156 |
10段階目 | 157~172 |
11段階目 | 173~189 |
12段階目 | 190~210 |
13段階目 | 211~222 |
14段階目 | 223~249 |
15段階目 | 250~ |
各能力の最高・最低種族値ポケモン(メガシンカ等の形態変化の場合を除く)
最高種族値のポケモン
能力 | ポケモン | 種族値 |
---|---|---|
HP | ハピナス | 255 |
攻撃 | カミツルギ | 181 |
防御 | ツボツボ | 230 |
特攻 | デオキシスアタックフォルム(デンジュモク) | 180 (173) |
特防 | ツボツボ | 230 |
素早さ | レジエレキ | 200 |
合計 | アルセウス(ケッキング、レジギガス) | 720(670) |
最低種族値のポケモン
能力 | ポケモン | 種族値 |
---|---|---|
HP | ヌケニン※ | 1 |
攻撃 | ラッキー、ピンプク | 5 |
防御 | ラッキー、ピンプク | 5 |
特攻 | ツボツボ、ヒンバス、ウソハチ | 10 |
特防 | キャタピー、ビードル、コイキング、ププリン、キバニア、デオキシスアタックフォルム、イシヘンジン | 20 |
素早さ | ツボツボ、ゴンベ、ナマコブシ | 5 |
合計 | ヨワシ(たんどくのすがた) | 175 |
※ヌケニンは正確には「HP種族値が1」なのではなく「HPが1で固定」という特殊なポケモンである。
どれだけ個体値や努力値、レベルなどを上げようとも1より上の数値になる事はない。
余談
なお、メガシンカやゲンシカイキ除く合計種族値(特殊分離後)が最も高いポケモンはアルセウスの720、最も低いのはヨワシ(たんどくのすがた)の175となる。
また、使用こそ出来ないものの、敵専用では剣盾で合計種族値が1125という数値になってしまうケースが存在する。ただ、あくまで敵専用な為、基本的には含まれないと見て良い。
関連タグ
ポケモン ポケモン廃人 三値 努力値(基礎ポイント) 個体値 格差社会
ふくろだたき:威力が種族値によって決まる唯一の攻撃技。