概要
基礎ポイントまたは努力値とは、ポケモンの強さを表すパラメータのうち、そのポケモンの能力の何を伸ばすかを決めるためトレーナーがポケモンに振る数値のこと。
公式での呼称は「基礎ポイント」であるが、一般的には「努力値」と呼ばれる。
第二世代以前
経験値と同時に基礎ポイントが溜まり、それに応じて対応したパラメータが強化される。
貰える基礎ポイントは撃破した相手の種族値に応じて決まる。
言い換えれば、その辺で捕まえたポケモンよりも手塩にかけて育てたポケモンの方が強いことを、ゲームで再現するためのシステムである。反映されるのは基本的にプレイヤーのポケモンのみで、NPCが繰り出すポケモンは基礎ポイント0である。
例えば初代四天王のポケモンは非常にLvが高い(60を超える)が、実際には基礎ポイント0であるため、プレイヤーのレベル50台のポケモンでも対等に戦えたりする。
戦闘を重ねるほど強くなっていくので、一種のやり込み要素とも解釈できる。
ちなみに最も効率的な稼ぎ方は、初代なら四天王周回である。
当然、対戦にもこの数値は反映されるのだが……
対戦において
しかし大会ルールだと、事情が変わってくる。
当時の大会はレベル制限がかかっており、当然だがそれを超えたら大会には参加できなかった。現在のポケモン対戦でいうLv50フラットという仕組みは当時なかったため、大会ルールに合わせる場合、四天王周回で基礎ポイントを稼ごうとするとLvが上がりすぎて制限に引っかかるという問題点があった。
そのため当時の対戦ガチ勢達は、序盤の野生ポケモンを倒すことで、獲得経験値を抑えながら基礎ポイントを稼ぐという地獄のような方法で育成を行っていた。どうせ最大まで稼ぐのだから種族値が平均的なポケモンがいいということで、22番道路のニドラン♂、第二世代では対象外のポケモンが出現しないためアルフの遺跡のアンノーンがターゲットにされた。
タウリン等のパラメータアップアイテムを使っても上限の半分以下しか稼げず、残りはニドラン♂またはアンノーンを狩って稼ぐ必要があり、その数なんと1,000体以上とされた。
(実際はそこまでいかなくてもいいらしい)
なおサンダーやフリーザー等元のレベルが高めで、ニドラン狩りでもレベルが上がってしまう恐れがある場合は、育て屋さんに預けて獲得経験値をリセットさせる工程も追加される。
第二世代であれば
第一世代ではそのような仕様がないため、経験値リセットなどいう甘えは許されなかったのだ。
これはレベル制限をしての対人戦大会というルールが、ゲームの人気が広まってからできた事を思えば考えるまでもないだろう。
人生をポケモンに費やしてきた猛者でも流石にこの作業は堪えるらしく、VC版をやり込んでいるガチ勢ですら「もうニドランは狩りたくない」と音を上げるほど。
なにしろ基礎ポイントを2倍にできるポケルスすら第一世代にはないのである。
第三世代以降
ポケモンはレベルが上がると能力が上がって強くなっていくが、その上昇具合に関わる概念として「基礎ポイント」がある。6つのパラメータごとに割り振られ、ポケモンのどの能力を伸ばすかはトレーナーに基礎ポイントの振り方で決まる。
トレーナーが対戦で使用するポケモンを決める際の行動は
1.どのポケモンを使うかを決める。→種族値を見て考察
2.対戦で使う個体を用意する。→個体値を厳選
3.そのポケモンを育成する。→基礎ポイント振り
と大きく3段階に分けられるが、基礎ポイントはこの3つ目の作業、「ポケモンの育成」の際に非常に重要になってくる要素である
1匹につき振れる上限は510まで、1つの能力につき252まで(第五世代までは255)である。
また少なくとも4振らないとステータスに影響しないため、実質を為すのは508までで、実質残りの2は切り捨て扱いになる。ガチの育成をするのなら当然基礎ポイント調整も後述の全振りを含めた8n+4前提で行われる事になる。
ちなみに1つの能力に252振る事を全振りもしくはぶっぱと言う。最も基本的な配分であり、初心者を抜け出したての人ほど敬遠するやり方だが、「必要な全振り」「不必要な全振り」を見極められるまではそこからは抜け出せていない証拠とも言われる。
2箇所に252振りすると、510-504で6余るため別の一箇所に振れる。これを「6振り」という。レベル50対戦で個体値が奇数の場合は6振りで実数値が1上がる。
第4世代以降は510全部を振り切っているか判断し「もっとがんばってみて」「がんばったね」のセリフで分かりやすく教えてくれたり、全部振り切ってるとがんばリボンをくれる人物が必ず登場する。
第6世代から振り具合が可視化されており、第7世代サン・ムーンでは強さをみる画面からYで種族値と併せて確認可能。
第9世代のアカデミーの授業では、キハダ先生が「どっちつかずのステータスだと勝負で力を発揮しにくいぞ!」と大まかに基礎ポイント振りについて解説している。
基礎ポイントの稼ぎ方
ポケモンと戦って倒す
最も一般的な方法。敵ポケモンを倒すと、その種類に対応したステータスの基礎ポイントが入る。
要するに戦った数だけ強くなるということ。努力値とも呼ばれるのはこのため。
倒して得られる基礎ポイントの種類や上がり具合はポケモンの種類にのみ依存するため、同じ種類のポケモンを倒し続けると上げたいステータスが上がりやすい。基本的には倒したポケモンの種族値で高い傾向にあるステータスに入り、進化後だと多く入る。
きょうせいギプスやパワー系を持たせる事で効率をさらに上げる事もできる。第6世代からはがくしゅうそうちの仕様変更により、育てたいポケモンは戦う必要すらなくなった。
第9世代では、ピクニックによるそうぐうパワー付加で、戦いたいポケモンとエンカウントしやすくなったほか、野生シンボルに接触~戦闘までのムービーが大幅に短縮されたため、野生ポケモンによる努力値稼ぎがしやすくなった。同じ個所の努力値を全振りをするポケモンを複数育成したいときにはオススメである(時給60万の学校最強大会だと、ポケモン1匹につき栄養ドリンクで約50万かかる≒1時間に1匹育成できるのに対し、同じ努力値振りのポケモンを複数育成する場合は、1度に最大5匹まで手持ちポケモンを約30~40分で一気に育成できるこちらの方が早くなるため)。
ちなみに、メイン画のヒトモシの基礎ポイントは特攻+1。第5世代のBWでは出現場所のタワーオブヘブンが他に同じく特攻+1のリグレーしかいないため、廃人達に絶好の特攻基礎ポイント稼ぎスポットとしてたくさん利用された。ヒトモシに限らず廃人達の間ではその場所の出現ポケモンや持ってる基礎ポイントなどの条件が整えば頻繁に発生しうる事態である。
特定のアイテム
特定のアイテムをポケモンに投与すると、対応するステータスの基礎ポイントが上がる。これらのアイテムは総称して栄養ドリンクと呼ばれている。
対応は以下の通り。
これらのドーピングで上がるのはあくまで基礎ポイントであり、ステータスそのものではない。
第7世代までは一つの能力につき10個まで(基礎ポイント100相当)しか使えなかったため、全振りしたい場合は残りの152は別の方法で上げるしかなかった。
第8世代からは252全てを栄養ドリンクのみで振り切ることが可能となった。これにより努力値振り作業の環境は大幅に変更されることとなり、資金さえ確保できれば容易に努力値振りを完遂することが可能となった。
これらはいずれも店で売られているが、一つあたり1万円近くすることがザラでありそこそこ値段が張るので注意が必要。
これにより剣盾ではゲーム内での資金確保の重要度が大幅に増しており、キョダイマックス可能な「ニャース」を使い、専用技「キョダイコバン」を連発して資金を確保することが多い。
他にも、ワイルドエリア内でランダムで販売されるゴージャスボールをW(ワット)で購入しポケモンセンターで転売する等の様々な資金確保法が存在するため存分に活用していこう。
更にDLC第1弾「鎧の孤島」では、一定数のW(ワット)をミツバに提供するとこれら栄養ドリンクが約半額でまとめ買いを可能とする自動販売機が道場内に配置されるようになるため、更に努力値振りの難易度は低下した。
第4世代のリメイク作であるBDSPでも252全てを栄養ドリンクのみで振り切る仕様は引き継がれている(発売直後に、一時期上限が100に戻されてしまっているという情報が出回ったこともあったが、有志の検証の結果その情報は誤りであったことが判明している)。
ただし、剣盾と比べると資金確保の手段が限られているため、こうしたドーピングアイテムをまとまった数購入するのもかなり大変になってしまっている点には注意が必要。
なお、初代(赤緑)のみマックスアップは非売品である。キトサンに至っては初代が特殊が特攻・特防分離前、旧金銀は特攻・特防分離されたがリゾチウムで両方とも上がる為、互換の切れた第3世代からの登場である。
第5世代では○○のハネが登場。こちらは上がる基礎ポイントが1となっているが、振る上限が存在しない。とはいえ1では上げきるまでの必要数がとてつもなく多く、端数調整に用いるのが主用途になる。
道場(ジョインアベニュー)
ポケモンBW2にのみ登場。金額が高ければ高いほど特定の能力に努力値を多く振ってもらえる。すれ違ったロム(ブラック、ホワイト、ブラック2、ホワイト2)によりどの能力にどれほどもらえるかのメニューが大きく異なる。なお、ホワイトとはすれ違ってもメニューが補完されないので注意。
スパトレ
第6世代から登場。
スパトレでは上がるステータス別にステージが用意されており、ミニゲームをこなすことで基礎ポイントが入る。
またガンバロメーターではそのステータスに入る基礎ポイントの最大値に対しどのくらい基礎ポイントが入っているか確認できる。
フェスサークル
サン・ムーンに登場。
スパトレ同様、ミニゲーム形式で基礎ポイントを上げられる。
ポケリゾート
サン・ムーンに登場。
預けておくだけで基礎ポイントがたまるようになっている。また、複数ポケモンを同時に基礎ポイント振り可能。
ポケジョブ
剣盾に登場。
ジムバッジが4つ以上になると「〇〇ゼミ」と称した「ナックルシティユニバーシティ」からの依頼で、能力値ごとに計6種類のポケジョブが登場するようになる。
努力値がもらえるポケジョブには一度に10匹まで送り出すことができ、いつでも募集されているので繰り返し引き受けることができる。
送り出した各ポケモンには1時間あたり努力値が4ずつ入る。パワーリストなどの得られる努力値を上げる持ち物やポケルスとの併用も可能。
なお、経験値は一切得られない。
…が、上でも書かれているように本作では条件さえ満たせば金に物を言わせてドーピングアイテムをまとめ買いできるようになっているため、ポケモン廃人からの需要はほぼ皆無なのが残念なところ。
基礎ポイントの振り方の工夫が必要な事例
岩タイプが4倍弱点のポケモンがステルスロックを警戒する場合や、とびげり/とびひざげりを使うポケモンを対戦で使う場合、割合ダメージを考慮して最大HPが奇数調整されたり、みがわりを駆使してHPが減ると消費される木の実を安定させて発動させるために最大HPが4の倍数に調整されたりすることがあるが、この際は基礎ポイントの割り振りを工夫して最大HPを調節する。
覚醒値
『Let's Go! ピカチュウ・イーブイ』では基礎ポイントの機能が実装されておらず、代替として取り入れられた独自のシステム。
0~200の値で評価され、ステータス画面でどれくらい伸びたかが大まかなグラフで確認できる。この値はレベルアップでも伸び、性格によって伸びやすい項目が変わって来る。
各ステータスに対応したアメを与える事でそのステータスを伸ばす事が出来、大きくステータスを伸ばす為にはLサイズのアメやXLサイズのアメが必要となる。但しこのサイズのアメを使用する場合、Lサイズは使用するポケモンのレベルが最低30以上、XLともなるとレベルが最低60以上必要となる。
また、ポケモンのアメも存在する。使用出来るポケモンはそのポケモンの名前に対応したポケモンとその進化系にしか使えないが、此方は1つ与えるだけで全てのステータスの覚醒値が+1される。レベル制限が無い為、後述の通り一気に200個フル投入する事でレベル1桁台なのに各能力が200を越える公式チート状態のポケモンに仕上げる事も出来たりする。
野生ポケモンを捕獲した際に入手出来るアメは、そのポケモンが最も得意とする能力に対応したもの(例えばプリンの場合だとHP)である。
ポケモンのアメやサイズの大きいアメほど落とす確率が低くなる傾向だが、入手数も含めて連続ゲットボーナスで上昇補正が掛かる。
ちなみにアメ強化をLサイズでの上限に留めた場合、旧初代や旧金銀よりも若干高い程度で概ね常識的なステータスとなる。
この覚醒値は入った分の値がそのままステータスに反映される為、大量のアメを与えて覚醒値を最大にすれば他作品と比較してとんでもないステータスのポケモンが出来上がる。
しかしクリア後に戦う事となるマスタートレーナー達も覚醒値を上げた強力なポケモンを使用してくる為、マスタートレーナー達に勝利するならばこの強化はほぼ必須となる。
登場する技に「イカサマ」があるので、抜群で通ってしまうエスパータイプやゴーストタイプのポケモンは基本的に攻撃最低をキープする必要があるが、ポケモンのアメだと上げたくない能力値も一緒に上げてしまう為、対戦用の育成に制約が生じる落とし穴もある。
がんばレベル
『LEGENDSアルセウス』で、基礎ポイントの機能の代替として実装されている独自のシステム。
こちらは0~10までの値で評価され、ステータス画面で確認ができる。野生の個体は0~3までの数値が任意で割り振られており、オヤブンや伝説ポケモン等の強力な個体は最低3か所のステータスに3の数値が予め割り振られている(これは本編の個体値を意識した仕様と思われる)。
「がんばりの〇〇」(〇〇はすな→じゃり→いし→いわが入る)というアイテムを使うとがんばレベルを上げることができ、ポケモンを逃がした時などに入手ができる。基礎ポイントとは異なり、上限などはなく、やろうと思えばすべてのステータスを最大に上げることも可能(ただ、物理技しか使わないポケモンの場合、とくこうのがんばレベルをあげても意味がない(その逆も然り)ため、両刀型で運用する場合でもない限り、攻撃面は物理と特殊のどちらか片方を上げ、もう一方は未強化のまま据え置きという形が殆ど。がんばり系アイテムの節約にもなる)。
ただ、「がんばりのいし」「がんばりのいわ」は高レベルのポケモンを逃がした時にしか手に入らないため入手難易度が高く、なかなか気軽に使えないのがネック。特に「がんばりのいし」は需要に反して入手手段が限られているため油断していると枯渇しやすい。一方、「がんばりのいわ」は消費数が少なく、オヤブンを逃がせば必ず1個は貰えるため、こまめにオヤブンを捕まえて逃がす作業を繰り返していればそこまで不足することはなかったりする。
なお、最終盤に戦闘することになるあるキャラクターたちは、このがんばレベルによる強化の有無で攻略難易度が激変する他、アップデート「ヒスイの夜明け」で追加される「夢天連戦」や「いっぴき道」といったバトル関連のコンテンツも、基本的にはこのがんばレベルが全振りされていることが前提の難易度設定になっている。
このため、ストーリー攻略の過程でもこまめにポケモンを捕獲したり逃がしたりしてがんばり系のアイテムを集めて手持ちのポケモンを強化しておくことをお勧めする。
基礎ポイントに関する改造行為
上記の通り、第3世代以降では極振り出来る能力が2種類までに減らされている。
これに関連する改造ポケモンに該当する行為として第3世代以降の作品で、第1世代や第2世代と同じ要領で全能力極振り出来るように改造するものがある。(所謂「俺TUEEE」プレイ)
特にFRLGやHGSSは基礎ポイントが第3世代以降準拠へ変更されたのが原因で、元々可能だったプレイスタイルをリメイクで不可能にされた改悪とも見られやすく、原作再現を成立させる為に改造に手を染めなければならない矛盾が生じていた。
2016年に全能力極振り可能なリメイク前の作品が3DSのVC配信で復刻販売されたが、3DS各種サービス終了に伴う配信終了で現在は購入不可。
前述の通り多少形を変えたものの、現在ではほぼ同じ事が可能な新作やリメイクも発売されており、奇しくも当該作品は前二者との何らかの接点がある。正規の手段で実践したいならそれらを選ぼう。