概要
第8世代『ソード・シールド』から登場するシステムの1つ。
ガラル地方で確認されている、ポケモンが巨大化する現象「ダイマックス」の内、特定のポケモンに確認される特殊なダイマックス現象。
普通、ダイマックスするとそのポケモンの一部の能力が上昇するが、このキョダイマックスはメガシンカの様に姿が大きく変化するのも特徴。
詳細
キョダイマックスした姿(フォルム)は「ポケモン名(キョダイマックスのすがた)」のように呼称される。
また、キョダイマックスポケモン専用の「キョダイマックスわざ」というダイマックスわざを使うことができる。
キョダイマックスが可能なのはマックスレイドバトルで捕獲したキョダイマックスポケモン・イベントなどでの配信で入手できる「特別なポケモン」のみ。該当する個体のステータスには、ダイマックスバンドにも描かれている漢字の『大』を記号化した様な赤い印が表示される。
キョダイマックスできる個体は姿も技も必ずキョダイマックス仕様になるため、通常のダイマックスはできない。
マックスレイドバトルでの入手難度は非常に高く、下記の仕様がある。
- 出現場所は特定の巣穴に限られ、ポケモンごとにその場所は異なる
- 巣穴から紫色の柱(レア)が出ている状態のみで、尚且つ5%
- ランク自体は星5つで、ダイマックスレベルも既に最大状態になっている
- 上記の「例外」及びピックアップ個体を除いて、出現するのはジムバッジを8個集めた後となる
ディレクター曰く「色違いよりも出にくい」とのことだが、流石に実際には色違いよりずっと出会いやすく、レイドでは彼らよりも更に出会いにくいポケモンがいたりする。
同時にバージョンの違いにより、遭遇するキョダイマックスポケモンの出現率も異なる(どちらか片方にしか登場しないポケモンもいる)。
また、発売後に特別なカビゴンやストリンダーが解禁されており、以降もフシギバナとカメックスが追加されている。
2022年11月1日にマックスレイドバトルの最後の更新が行われ、バージョン問わずキョダイマックスポケモンが出現するようになった。
また、キョダイマックスは特性や個体値等とは異なり遺伝しないので、キョダイマックス個体のタマゴを孵化させてもその個体はキョダイマックスできない(恐らく稀少性やゲームバランスを保つための調整と思われる)。
進化前のみキョダイマックスできるピカチュウ・イーブイ・ニャースについてはキョダイマックス個体の場合進化できない。かたやダンデから貰えるヒトカゲ等、「最終進化のみがキョダイマックスできるキョダイマックスマークつき進化前ポケモン」については進化が可能。
追加DLCである『鎧の孤島』では、ダイキノコを3つ消費することで通常の個体にキョダイマックスの適性を持たせられる「ダイスープ」と呼ばれるシステムが実装された。
これにより、レイドをこなさなくとも孵化厳選により自力で育成した、所謂”理想個体”に後天的にキョダイマックスを付与することも可能になり、キョダイマックス個体の入手難度は大きく下がった。
逆にキョダイマックス個体にダイスープを飲ませると、通常のダイマックス個体になる(ピカチュウ、イーブイ、ニャースの場合、通常の個体に戻るため、進化させることも可能となる)。
なお、ダイスープはキョダイマックスの姿を持つポケモンにのみ飲ませることができる。
このため、進化後がキョダイマックスの姿を持つ個体に進化前からキョダイマックスの適性を与えることはできない。キョダイマックスマークを持つ進化前個体(ヒトカゲ、マホミルなど)にダイスープを飲ませて通常個体に戻すこともできない。
ウーラオスはダイキノコの風味が苦手ということで、飲ませるには更にダイミツを1つ加える必要がある。
その他、メルメタルにはダイスープを与えられないため、キョダイマックス個体・ダイマックス個体の切り替えが出来ない。
ピカチュウ、ニャース、イーブイ、ジュラルドンのキョダイマックス個体はHOME経由でポケモンSVに連れていくことができない。どうしても連れて行きたい場合はダイスープを飲ませて通常の個体に変更する必要がある。
上記以外のキョダイマックス個体は普通に連れていくことができるため、恐らく進化前のポケモンであることがネックになっているものと考えられる(ジュラルドンはSVで進化系を獲得している)。
カントー御三家とガラル御三家はそれぞれキョダイマックスわざの効果が統一されている。カントー御三家はターン毎の追加ダメージ、ガラル御三家は特性無視かつ他のダイマックスわざより威力が高く設定されている。
キョダイマックス技のエフェクトは同タイプのダイマックス技のアレンジとなっており、主にヒット後のヒキの部分に差異が発生する。
一覧
※掲載順は全国図鑑ナンバーの昇順。
※いずれもタイプや特性は変化していない。
No | ポケモン | 技 | タイプ | 効果 |
---|---|---|---|---|
003 | フシギバナ | キョダイベンタツ | くさ | くさタイプ以外に4ターン追加ダメージ |
006 | リザードン | キョダイゴクエン | ほのお | ほのおタイプ以外に4ターン追加ダメージ |
009 | カメックス | キョダイホウゲキ | みず | みずタイプ以外に4ターン追加ダメージ |
012 | バタフリー | キョダイコワク | むし | 相手全体をどく/まひ/ねむり状態のいずれかにする |
025 | ピカチュウ | キョダイバンライ | でんき | 相手全員をまひ状態にする |
052 | ニャース | キョダイコバン | ノーマル | 相手全員をこんらん状態にする、バトルの賞金が爆発的に増える |
068 | カイリキー | キョダイシンゲキ | かくとう | 味方全員の急所ランクを1段階アップ |
094 | ゲンガー | キョダイゲンエイ | ゴースト | 相手全員をかげふみ状態にする |
099 | キングラー | キョダイホウマツ | みず | 相手全員の素早さを2段階ダウン |
131 | ラプラス | キョダイセンリツ | こおり | 味方の場にオーロラベールを展開する |
133 | イーブイ | キョダイホーヨー | ノーマル | 性別の異なる相手全員をメロメロ状態にする |
143 | カビゴン | キョダイサイセイ | ノーマル | 味方が消費したきのみを確率で復活させる |
569 | ダストダス | キョダイシュウキ | どく | 相手全員をどく状態にする |
809 | メルメタル | キョダイユウゲキ | はがね | 相手をいちゃもん状態にする |
812 | ゴリランダー | キョダイコランダ | くさ | 威力160固定相手のとくせいを無視する |
815 | エースバーン | キョダイカキュウ | ほのお | 威力160固定相手のとくせいを無視する |
818 | インテレオン | キョダイソゲキ | みず | 威力160固定相手のとくせいを無視する |
823 | アーマーガア | キョダイフウゲキ | ひこう | 場の設置技、壁、フィールドを全て解除 |
826 | イオルブ | キョダイテンドウ | エスパー | 場にじゅうりょくを展開する |
834 | カジリガメ | キョダイガンジン | みず | 相手の場にステルスロックを展開する |
839 | セキタンザン | キョダイフンセキ | いわ | いわタイプ以外に4ターン追加ダメージ |
841 | アップリュー | キョダイサンゲキ | くさ | 相手全員の命中率を1段階ダウン |
842 | タルップル | キョダイカンロ | くさ | 味方全員の状態異常を治す |
844 | サダイジャ | キョダイサジン | じめん | 相手全員をすなじごく状態にする |
845 | ストリンダー | キョダイカンデン | でんき | 相手全員をどく/まひ状態のどちらかにする |
851 | マルヤクデ | キョダイヒャッカ | ほのお | 相手全員をほのおのうず状態にする |
858 | ブリムオン | キョダイテンバツ | フェアリー | 相手全員をこんらん状態にする |
861 | オーロンゲ | キョダイスイマ | あく | 相手を確率であくび状態にする |
869 | マホイップ | キョダイダンエン | フェアリー | 味方全員のHPを回復する |
879 | ダイオウドウ | キョダイコウジン | はがね | 相手の場にステルスロックのはがね版を展開する |
884 | ジュラルドン | キョダイゲンスイ | ドラゴン | 相手が最後に使ったわざのPPを2減らす |
892 | ウーラオス(いちげきのかた) | キョダイイチゲキ | あく | ダイウォール含む全ての守る技を貫通 |
892 | ウーラオス(れんげきのかた) | キョダイレンゲキ | みず | ダイウォール含む全ての守る技を貫通 |
特殊な入手手段
リザードンに関しては、殿堂入り後にダンデからキョダイマックス可能なリザードンへと進化できるヒトカゲを貰えるので、ゲームを進行していけば確定で1匹は入手できる。フシギダネとゼニガメも、マスター道場にて特殊個体が選択で貰える。
ただし、隠れ特性持ちが欲しい場合はマックスレイドバトルをこなすか「とくせいパッチ」を使うしかない。進化させるとキョダイマックスが使用できるようになるという個体は、稀にイベントで入手する機会があった。
特別なピカチュウ・イーブイは『Let'GO! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』のどちらかのプレイ記録を持っている場合、それぞれのソフトに対応した特別な個体を受け取ることができる。
特別なニャースは過去の「バシャーモナイトを持ったアチャモ」や「カビゴンZを持ったゴンベ」などと同様早期購入特典となっていた。
また発売日当初より、マックスレイドバトルで一部のキョダイマックスポケモンが大幅に出会い易くなるキャンペーンも実施されていた。
対戦において
以上のように、入手や厳選の難易度が非常に高く、ライトユーザーが満足に入手する事が難しいためか、キョダイマックスは当初ダイオウドウを除きランクマッチでは使用する事ができなかった。
言わば禁止級と同様の扱いで、キョダイマックスできないだけでなく「可能な個体」そのものが参加を禁止されていた。
その後、2020年1月3日「シリーズ2」以降、直前までピックアップ対象に選ばれていたキョダイマックスを中心に少しずつ対戦で解禁されていき、現在は実装されている全てのキョダイマックスを使用できるようになっている。
だが、キョダイマックスわざの性能自体は必ずしもダイマックスの完全な上位互換とは限らず、追加効果の殆どが通常版のように火力・耐久・素早さのいずれかを補填してくれるものではなくなっており、汎用性という面では逆に下位互換になりがち。
完全に弱体化していると評される者や、そもそもダイマックスさせての運用に向かないポケモンもいるため「禁止されていたとしても一部を除いて大した影響がない」という状態でもあったことは事実である。
勿論、ピカチュウ、キングラー、カビゴン、エースバーン、セキタンザン、オーロンゲ、マホイップのように独自の構築を組めるポケモンも存在する。ニャースは完全な例外として、金策面において絶大な有用性を発揮できる。
他にもラプラスとブリムオンのようにキョダイマックスの方が有用なポケモンや、ゲンガー、ダストダス、ゴリランダー、ウーラオス(いちげきのかた)のように通常のダイマックスわざが種族値や特性とあまり噛み合っていないポケモンもいるため、そういったポケモンを採用するのであれば厳選の余地がある。
ダイスープによるキョダイマックス適性の付与も、(スープの材料となるダイキノコはそれなりに貴重なので)まずは上記のポケモンたちを中心に行っていくのが望ましいだろう。また、全体的にダブルバトル向けの効果を持つ技が多く、ダブルバトル環境においてはキョダイマックスを採用する傾向も多く見られる。
特に2022年の世界大会においては、フシギバナ、リザードン、カメックスが「まもる」で防げないダメージソースを買われ、三者ともに決勝まで上り詰める大躍進を果たした。
ポケモンGO
2024年10月末のイベントにて、カントー御三家を皮切りに実装。
ダイマックスポケモンと同様にパワースポットから出現し、星6マックスバトルに勝利後のゲットチャンスで捕獲できる。
姿が変化する以外には以下の利点がある。
- キョダイマックス技の威力はダイマックス技の1.4倍程度に相当する
- スポットに配置するとマックスポケモンが野生出現する場合がある
一方、使用できる技はタイプ一致のキョダイマックス技で固定されるため、通常技に応じてカスタマイズできるダイマックスには汎用性で劣るが、高火力による一点集中型として差別化されていると言える。
ただし、複合タイプであってもキョダイマックス技と同じタイプの通常技しか覚えない種(例:フシギバナ)に関しては、実質的にダイマックスポケモンの上位互換となる。
タイプ不一致含むスペシャルアタックも使ってくるので、運もある程度は絡む。また、体力が減ってくると攻撃技も強化され、人によっては半減技で7割の体力を持って行かれた報告もある程。
上記の攻撃技強化の例を見ても察せられる通り、攻略難易度は伝説レイドが目じゃないくらいに極めて難しい。
具体的には
- LV40のダイマックスポケモンが3体必要
- ダイウォールとダイリカバリーの解禁は必須
- 計アメ100個(ポケモンにより変動)とマックス粒子800MPが必要
- 上記の条件を整えた30人前後のトレーナーが必須
- それらが物理的に1か所のスポットへ集まる必要がある
- 勝てても捕獲率は伝説ポケモン並に高い
等という、極悪な難易度であった。
実装直前の告知では「10人から40人必要」との触れ込みだったが、LV40のポケモンが3体揃っている状態で40人、LV50のポケモンを3体揃えた上で受ける攻撃技の相性が良ければ10人でも勝てるため、決して嘘ではない。
弱点を突けるマックス技・ダイウォール・ダイリカバリーをダイマックス時に1回ずつ使っていけば、攻撃速度こそ落ちてしまうが、こちらの被弾を最小限に抑える立ち回りが可能となる。
また、強化が十分でないプレイヤーであってもひたすらダイリカバリーを連打するなどのようなチームプレイによる対策も可能。
総じて既存レイドのように「味方が倒れても相手に速くダメージを与える」戦術ではなく、「味方ポケモンを可能な限り生かして立ち回る」といった対策が要求される。
…しかしマックスバトル実装から2か月未満で、種類も少なく育成のコストも極高なダイマックスポケモンをフル強化できたプレイヤーは少数派であり、あまつさえ大都市でも中々揃わない人数設定という高すぎるハードルへの批判は大きく、実装前後にはかつてない炎上となった。
事前告知の内容から、プレイヤー全体に「未強化でも勝てるかもしれない」と淡い期待感が広がっていたのも拍車をかけたと言えよう。
この影響を受けてNianticは難易度調整を発表。僅か5日後のキョダイマックスゲンガーからはライト層含む20数人程でも勝てる様に難易度・捕獲率が軽減された。
とは言えライト層の割合や相手の攻撃パターン次第では普通に負けることもあるので、30~40人が集まる見込みのあるスポットではなるべく多く人を集めるに越したことはない。
「ライト層だが参加したい」場合は、無育成の個体は使わず「ダイウォール・ダイリカバリーを最低でもレベル1、可能ならばそれ以上まで解放」「相手の弱点を突けるか、相手の攻撃を半減以下で受けられる」「最終進化している」の3つの条件を満たす個体を揃えるのがよいだろう。
味方がピンチの際に補助技を要求される場面があるが(ボタンがはっきりと点滅するので判別できる)、そういうタイミングにすかさず壁張りや回復を行えるならば足手まといにならずに済む。
なお、相手が使う技はキョダイマックス技を除き戦闘開始時点でランダムに決定する仕様となっており、戦闘を開始してから相手の技を見てバトルを離脱して再挑戦することで、勝てるパターンを厳選できるという対策が一応ある。
勿論、少人数で情報を共有して挑む場合の対策であり、野良で40人集まって行う場合は離脱しないで支援に徹していた方が味方にとっては間違いなく有難い。混同せぬよう注意。
余談
いずれのポケモンも正式名称は「ポケモン名(キョダイマックスのすがた)」であるが、長い上に語呂が悪いため、リージョンフォームの「地方名+ポケモン名」的な略称はイマイチ根付いていない。
- 「カビゴン(キョダイマックス)」
- 「KM(キョダイマックス)カジリガメ」
- 「キョダイマックスニャース」
- 「キョダイピカチュウ」
- 「G-MAXアーマーガア」
…等々、ピクシブ百科事典を始めとした各界隈でも人によって呼称がぶれ易く、タグの錯綜や意見の対立といった問題が起こってしまっている。
なおキョダイマックスわざの殆どは漢字変換できるようで、キョダイホウマツは「巨大泡沫」、キョダイバンライは「巨大万雷」、キョダイコウジンは「巨大鋼刃」といった具合。
ダイマックス自体が巨大化をウリにしているという事もあり、一部のキョダイマックスポケモンは特撮作品へのオマージュではないかという説があり、バタフリーはモスラ、カイリキーは初代ウルトラマンなのではないかと言われている。
ちなみに英語ローカライズでの名称は「Gigantamax」。偶然にも頭のギガが第6世代のメガシンカと第9世代のテラスタルの間に収まるネーミングとなっている。