概要
「ポケモンGO」で導入されたダイマックスに対応する新たなレイドバトル。
ジムの要領で各地に点在する「パワースポット」から「マックスポケモン」のボスに挑戦でき、勝利するとマックスポケモンやアイテムなどの報酬を受け取れるバトルである。
ポケモンGOでは「ダイマックス」できるポケモンと「キョダイマックス」できるポケモンを、あわせて「マックスポケモン」と呼んでいる。
パワースポットの選定場所は数日単位で代わり、少なくともポケストップやポケモンジムに該当しない箇所が指定されているが、中には明らかな私有地や物理的に近づけない場所に設定されていることもある。一方、農地のような本当の意味で何も無い場所には出現しない。
マックスバトル時のBGMは『剣盾』のマックスレイドバトルで流れるBGMのアレンジとなっている。このアレンジは株式会社ポケモン チーフ・クリエイティブ・フェローの増田順一が手掛けている。
参加
パワースポットから入手する「マックス粒子」を消費して参加する。消費するマックス粒子(MP)はランクに応じて変動する。
レイドバトルとは異なり課金アイテムのレイドパスを消費しないのが特長。低ランクのマックスポケモン相手なら少ないMPで参加することができ、1日に入手できるMPの上限内であれば複数回バトルできるのがメリットで、参入の敷居自体は低い。
裏を返せばリモートレイドパスが使えず、現状ではスポットに直接集合する以外の参加方法が無いので、どちらかと言えばシャドウレイドやエピックレイドに近い。
参加人数は1~4人まで。ポケモンは1人3匹までで、参加できるのはマックスポケモンのみという制約がある。
幸いマックスポケモンそのものはパワースポット周辺にランダムで湧くことがあり、マックスポケモンを確定入手できるスペシャルリサーチもあるので、マックスポケモンを入手できずに詰むということはまずありえない。
星1なら無進化・無育成の1匹だけでもクリアできる程簡単だが、仕様上ランクが上がる程求められる収集と育成のハードルは他レイド以上に厳しくなる。幸い交換が可能なので、フレンドにお裾分けして貰うのも大いにアリ。
ロビーに入った直後から好きなタイミングで残り時間をスキップすることができる(他のレイドのように残り90秒まで待たなくてもスキップ可能)。
無論、制限時間内なら他のレイドのようにスキップせずに選出の調整をしても良い。
攻略
基本的には従来のレイドバトルと同じだが、こちらのポケモンもダイマックスして戦う事になる。
ただし原作のマックスレイドバトル同様、ソロだろうと他の参加者が居ようと、初手からダイマックスを行うことはできない。
攻撃したり、画面中に出現するアイコン(マックスチャージ)にスワイプしたり、手持ちが全滅したトレーナーから応援されたり(3つ星以上限定)することで「マックスゲージ」と呼ばれるメーターが貯まり、満タンになることで初めてダイマックスできる。
溜まると自動的にダイマックスを行う画面に入り、最初の選出時の3匹の内1匹を選んでダイマックスを行う(選ばない場合は場に出していたポケモンが選ばれる)。
ダイマックスすると、1回のダイマックスにつき「攻撃技(タイプは通常技依存)」「ダイウォール」「ダイリカバリー」3つのダイマックス技を計3回まで選んで放てる。例えば通常技が「たいあたり」なら、ダイマックス技はノーマルタイプの「ダイアタック」となる。
ちなみにダイマックス技は通常のゲージ技より威力が高くなるだけで追加効果は無く、エフェクトは原作から描写が簡略化されている。
3回の技を放ってダイマックスが終わった場合でも、マックスゲージを溜めれば再度ダイマックスが行える。又、ダイマックス中ボスは一切攻撃してこないが、マックスポケモンの交代はできない。この辺りはマックスレイドバトルとの最大の相違だろう。
ボスの攻撃について、先ず通常攻撃は一切してこず、時間経過でゲージ技での攻撃のみとなるが、攻撃方法が1チーム(4匹)のうちの1匹を対象とする個別攻撃と、チーム全体が対象となる全体攻撃の2種類がある。
個別攻撃は対象となったポケモンにマークが出て、マークが出ている間に左右にスワイプすればダメージを軽減できる。後述の理由とも併せて、個別攻撃の対象に選ばれた場合はなるべく避けたほうが良い。
全体攻撃は「〇〇の全体攻撃!」とメッセージが表示され、その数秒後に攻撃が飛んでくる。なお、この攻撃は回避できない。
どのゲージ技を出すかは攻撃方法ごとに1種類の固定だが、厄介なことにゲージ技の抽選にはハードプラントやブラストバーンといったレガシー技も含まれており、しかも挑戦するたびにゲージ技が再抽選される。おまけにバトル中の攻撃方法の選択もランダムとなっているため、運が悪いと威力の高い全体攻撃が連続で飛んでくることもあり、このパターンを引いてしまったら一旦離脱して再挑戦するという選択もありうる。
特に育成環境が整っていない中での星6以上のマックスバトルは、ダイウォールやダイリカバリーも駆使しつついかに被弾を避けて生き残るかが勝負の重要な鍵となる。
なお「GO」ではマックスポケモンもメガシンカが可能なため、関連作品で初めて同一個体でメガシンカとダイマックスを両立する事が可能になった。
その場合、メガシンカ中の個体はマックスバトルには参加出来ず、選択時に除外されるので注意。
事前にバトルパーティに編成してからメガシンカする事でレイド準備画面まではメガシンカポケモンが表示されるが、バトル開始時にエラー表示と共に入口に戻されてしまい結局バトルは出来ない。
報酬
勝利すると参加者全員に報酬が送られ、バトルしたマックスポケモンボスのゲットチャレンジに移行する。
星1の時点で、経験値(星1ても5000EXP)、ゲットチャレンジ用プレミアボール10個と倒したマックスポケモンに相当するアメXL(PL31以上)は確定で入手でき、ランダムできんのズリのみ(高確率)げんきのかけら(高確率)、ふしぎなアメ(低確率)、ふしぎなアメXL(低確率)を入手でき、星6ともなると経験値15000EXP、ほしのすな15000、倒したマックスポケモンに相当するアメ30個、倒したマックスポケモンに相当するアメXL3個、ふしぎなアメXL2個を確定で入手できる。
また、200ポケコイン消費することでこれらの入手量を倍化させることも可能だが、多くの場合星6で使うことになる。
マックスポケモンを捕まえる時に使用できるボールは現状プレミアボールのみ(これは他のレイドバトルと同じ仕様)だが、原作同様にボールが巨大化した状態で捕まえることになる。
なお、原作のマックスレイドバトルと同様必ず捕まえられる訳では無い。
そして参加したパーティーの中から1匹、ジム置きの要領でマックスポケモンと戦ったパワースポットにマックスポケモンを設置できる(設置数には上限あり)。
設置したポケモンは後に挑む他のトレーナーのマックスバトルのダメージを上げる役割につく。ダメージのアシスト数が一定数に達する、又はパワースポットが消滅した場合、設置したポケモンは対応するアメと共に帰ってくる(ちなみに全くアメを貰えずに帰ってくることもある)。
なお、パーティーが全滅すると回復・再挑戦ができないため、高難易度に挑む場合は確実に勝てる準備を固めてからにするべし。幸い勝てなかった場合、マックス粒子は消費されずに返還される。
2024年10月現在、「レイドバトルに勝つ」系のフィールドリサーチとガラルデスマス・ヒスイハリーセンの進化条件、ジム関連のフィールドリサーチの条件は満たすことができない。マックスバトルはイベントで専用のフィールドリサーチである「マックスバトルに勝つ」「パワースポットからマックス粒子を集める」系のみに対応する模様。
マックスポケモンを相棒に設定しハートが集められる状況なら、マックスバトルを行うことでも「一緒にバトル」のハートを稼ぐことができる。
余談
『剣盾』のマックスレイドバトルは元々『GO』のレイドバトルを本編に輸入したものという解釈があるが、マックスバトルは更にその逆輸入と解釈するプレイヤーもいる。
その裏付けとしては、ポケモンGOの本来のレイドに無い特徴として
- 自陣のポケモンも条件を満たすことで巨大化できる
- 巨大化した際に特別な技を3回放つことができる
- キョダイマックス戦を除き、参加枠が4人分
- 戦闘後、巨大化したままのポケモンを捕獲する演出が入る
といったものがあり、これらは確かに剣盾のマックスレイドバトルの特徴を引き継いでいる。
しかし如何せん、ポケモン本編とポケモンGOという媒体やバトルシステムの違いが足枷になり、マックスレイドバトルとマックスバトルには相違点も多い。
ポケモン剣盾 | ポケモンGO |
---|---|
マックスレイドバトル | マックスバトル |
どの難易度でも4人1組のみ | 基本的には4人1組で1チーム。ただし星6のみ最大10チーム(40人)で参加可能 |
ポケモンは各1匹 | ポケモンは各3匹 |
インターネットで世界中のトレーナーと場所を問わずマッチできる | 設備は不要だが、特定の場所かつ近くのトレーナーとしかマッチ出来ない |
ねがいのかたまり(1日に集められる個数の制限なし)を1個消費して参加 | 相手のランクに応じて変動するマックス粒子(フィールドでは1日800MPまで集められる。その際の余剰分は加算)を消費して参加 |
ほぼ全てのポケモンがダイマックス可能 | 現状マックスポケモンしかダイマックス出来ない |
すべてのポケモンが参加可能 | マックスポケモンのみ参加可能 |
ダイマックスの有無に関わらず、手持ちの交代はできない | ダイマックス中以外なら、手持ちを交代できる |
ターン制 | リアルタイム制 |
ダイマックスできるのは1バトルにつき誰か1回のみ | 全員が1バトル中何回でもダイマックスできる |
エネルギーが溜まっている時、権利が回ってきたプレイヤーが任意でダイマックスを行う | マックスゲージが最大になれば強制的にダイマックスする |
選出が1体なのでダイマックス出来るのは場に出ているポケモンのみ | 控えの交代込みでどのポケモンをダイマックスするか指定可能 |
参加ポケモンが持つ4つの技の種類やタイプに応じて、最大4つのダイマックス技が使える | 通常攻撃技依存のダイマックス技+ダイウォール+ダイリカバリー固定 |
全ての技に固有の追加効果がある | 特に追加効果は無い※1 |
ベース技の威力に応じて細かく威力が決まる | ベース技に関係なく威力は固定(ゲージ技より数倍強い) |
ダイマックスアメでHPのみ強化可能 | マックス粒子とアメの消費で、技の性能を強化可能 |
※1:キョダイマックス技は対キョダイマックスポケモンへの特効があり、ダイマックス技より威力が1.4倍ほど高くなる。
『剣盾』のマックスレイドバトルや『SV』のテラレイドバトルでは当たり前の立ち回りである「参加する味方のポケモンを生かす」戦略について、実はレイドバトルの本家である『GO』ではあまり定着していなかった。
というのも『GO』の場合、伝説レイドやメガレイドは世界中の最大20人のトレーナーが共闘する上、こちらの使用ポケモンも少なくとも3体以上を用意できる他、何より報酬の等級に撃破速度を要求してくるシステムのため、味方を生かすよりむしろ素早く高火力攻撃を叩き込みいかに速く倒すかが重点に置かれた戦い方が普及していた。
しかし、詳細はキョダイマックスの記事に譲るが、星6として実装されたキョダイマックスのマックスバトルは、「参加者がパワースポットの近くに居る人のみ」「伝説レイドとは比べ物にならないほどキョダイマックスポケモンが強すぎる」「支援技であるダイウォール・ダイリカバリーの存在」が重なり、マックスバトルもまた「参加する味方ポケモンを生かす」戦略が必要と、GOのプレイヤー間で認識が変わっていった。