ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

むしタイプ

むしたいぷ

むしタイプ(Bug Type)とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するタイプの一種である。
目次 [非表示]

【注意】編集

ポケモンは沢山のキャラクターが登場するゲームですが、一部においてポケモンに対する扱いや能力、対戦での使用率を主観的、かつ過度になじる編集者が散見されます。


キャラ設定は今後のシリーズで変わること、対戦環境は変化を繰り返すこと、本サイトの性質上記事の内容もあくまで個々人の見解に過ぎない旨を理解し、全てを鵜呑みにしないようご注意下さい。


概要編集

ポケモンは種族ごとに1、2種類のタイプが、技には1種類のタイプが必ず付加されている。

そのタイプの相性でバトルの有利不利が決定される要素の1つ。


初代より登場するタイプの1つ。

むしタイプカテゴリーに分類されるポケモンの特徴としては、読んで字の如く、特に昆虫をはじめとする節足動物をモチーフとしたポケモンが多い。


日本語の定義的には「虫」というのは「哺乳類以外の小動物」のことを指すため、爬虫類や両生類も無脊椎動物ですらないのに広義では虫と呼べるのであるが、これらがモチーフという理由でむしタイプを付けられているポケモンは今のところいない。

  • 現在は陸生節足動物に限り虫ということが多い

甲殻類も「虫」に分類されるが扱いは曖昧であり、カニクラブ)やエビウデッポウ)はみずタイプに分類される一方で、ヤドカリイシズマイ)やワラジムシコソクムシ)はむしタイプに分類されている。モチーフ元が食用か否かで分けられているということであろうか。


昆虫をモチーフとしているためか、他タイプと比べて成長が早いことが利点として挙げられる。

ポケモンで最初に進化を経験させてくれるのは大体むしタイプポケモンである。

その関係上ゲーム序盤に1種類は必ずといって良い程出現する。

また、虫という『種族』をモチーフとしているためなのか進化等で別タイプが追加されたり、変わったりすることはあっても、むしタイプが追加、または変わることはほとんどない(例外はこの系統のみ)。

また、リージョンフォームも第9世代現在登場していない(地方限定の進化は存在する)。

第9世代時点で未登場の複合タイプはノーマルタイプドラゴンタイプの2つ。


その他ステータス的な特徴として、ある能力に極端に偏ったポケモンが多い。

特にすばやさは超高速帯を占めており、テッカニンを筆頭に、フェローチェメガスピアーアギルダーと、広く「高速ポケモン」として認知される130族すら及ばない素早さ種族値140すらをも超えるポケモンが4匹いる。

禁止級メガシンカを除くと、素早さランキング上位5匹中3匹がむしタイプという爆速一族である(ちなみにその内の2匹はでんきタイプマルマインレジエレキ)。

しかもレーティングバトルに参加可能なポケモン(メガシンカ含む)において、能力の高さランキングで6つのステータス中3つでむしタイプのポケモンが1位を取っている(こうげき:メガヘラクロス、ぼうぎょ・とくぼう:ツボツボ)。

攻撃と特攻が両方高い、いわゆる二刀流ポケモンが少ない点も特徴の1つ。


欠点としては、昆虫をモチーフとしているためか、ないし序盤に出て来る種族が多いためか、他タイプと比べてステータスが低いポケモンが多いこと。

特にHPは「虫の息」よろしく種族値3桁に届くポケモンがマッシブーンマルヤクデ(3位は種族値86のメガヤンマ)のみという有様。

ランキング1位を取れる程のステータスの高さを持つポケモンがいるのは良いが、同時に余り種族値合計に恵まれない種族であるため、極端に偏ったピーキーな性能のポケモンが多く、安定性に欠けてしまうのも問題。

加えて攻撃面では半減されてしまうタイプが7つもある(5世代までは6つ)ので、攻撃を当てられても倒しきれないことがしばしば。


弱点こそ3つと平均的だがそのタイプの使用率が高く、半減可能なかくとうタイプにはこっちの攻撃もイマイチ、なおかついわ技の採用率が高いため有利となりづらい。

じめんタイプにもこちらの攻撃は通るものの、ほぼ全ポケモンがサブウェポンにいわ技を搭載しているので、やはり有利かというと結局微妙という現実がある。

くさタイプに対しては攻守共に有利であるが……くさタイプは他にもいくつか弱点はあり、わざわざ優先してむしタイプ技を用いる必要性は余り感じられないといえる。そもそもむしタイプ技自体が前述したように半減されやすく、むしタイプの弱点を等倍に抑えてしまうくさタイプもザラであったりするため、これまた残念ながら優位性が必ずしも保証されていない。


これらの技を半減可能な3タイプの事情を考慮しても、とにかく圧倒的に「このタイプに有利!」という状況がむしタイプには余りないのが辛い所。

ただし、いわに耐性があるかくとう、はがねタイプとの複合であれば話は別。

かくとう複合になると途端にかくとう・じめん始め多くの物理アタッカーとの殴り合いに強くなれるし、はがねとの複合だとはがねの弱点であるかくとう・じめんを等倍で抑えられるようになる。はがね・むしタイプの弱点はなんとほのおタイプのみ(4倍弱点であるが)。

この辺りは「こおりに強いくさタイプが皆強い」という理屈に似ているかもしれない。


ひこうタイプは攻守両面で苦手。しかしでんきタイプいわタイプと複合のポケモンの場合はむしろ、ひこうタイプの防御力の低さや4倍弱点の多さを逆手に反撃可能な場合も多い。弱点のじめんタイプに対しても、むしタイプの複合によって攻撃を等倍に抑えられる利点がある。特にクワガノンイワパレスはひこうタイプに対してかなり有利なポケモンである。


むしタイプが複合であると弱点が多くなる場合もあるが、上記複合によっては防御面において優秀な組合わせにあるバリエーションも少なくはない。


むしタイプの攻撃技は今でこそ、物理・特殊共に安定したものが揃っているが、第3世代まではとことん技不足に悩まされていたタイプでもあった。

変化技はちょうのまい」「いかりのこな」「ねばねばネットなど固有かつ強力な効果を持つものが多い。この辺はくさタイプと似ているが、むしタイプはくさタイプのような状態異常よりも妨害や自らの強化が出来る技が主となっている。攻撃しながら確定で相手能力を下げる技も多く、攻撃を下げる「とびかかる」、特攻を下げる「はいよるいちげき」と「むしのていこう」、素早さを下げる「とびつく」と揃っている。

第9世代現在では攻撃面でも、威力命中とも安定していて前述の追加効果があるとびかかる、第7世代で大幅強化されたドレイン技「きゅうけつ」、音の技なのでみがわりを貫通する「むしのさざめき」など、優秀な性能を有する技が増えて来ている。

タイプや特性で無効化されることがないことも相まって、サポート方面の活路が開けて来ているといえよう。


むしタイプ技ではないがバトンタッチを覚えるポケモンも多い。

有名なテッカニンの「かそくバトン」を筆頭に、ちょうのまいほたるび等の優秀なむしタイプ積み技を他ポケモンへ受継げるむしポケモンもいる。


このタイプに属するポケモンは植物食から肉食と幅広い食性が確認されているが、『LEGENDSアルセウス』ではもちもちキノコ、きらきらミツ、いきいきイナホ、ころころマメの4つが好物として設定されている。

元々、ポケモンはきのみを食べる設定なので問題はないと思われる(ポケモンというゲームが狩猟ゲームでない以上、肉類を餌にすることが難しいという事情もあるのだろう)。


むしタイプのポケモン一覧編集


第1世代編集


第2世代編集


第3世代編集


第4世代編集


第5世代編集


第6世代編集

No.初期No.中間No.最終
0664コフキムシ0665コフーライ0666ビビヨン

第7世代編集


第8世代編集


第9世代編集


メガシンカポケモン編集


フォルムチェンジ編集

No.ポケモン形態名
0493アルセウスたまむしプレート
0773シルヴァディバグメモリ

タイプ相性と特性編集

タイプ相性編集

攻撃側タイプ
抜群(2倍)くさ、エスパー、あく
今ひとつ(0.5倍)ほのお、かくとう、どく、ひこう、ゴースト、はがね、フェアリー
効果なし(無効)-
防御側タイプ
抜群(2倍)ほのお、ひこう、いわ
今ひとつ(0.5倍)くさ、かくとう、じめん
効果なし(無効)-

攻撃面編集

食料である(勿論純肉食性の虫モチーフもいるが)くさタイプには強い。この点は虫のイメージに合致した相性であるが、一方でむしタイプが弱点を突けるタイプにエスパータイプあくタイプが入っていることには疑問を覚える人も少なくない。「虫が嫌いな人は多いため、人間がモチーフのエスパータイプやあくタイプには強い」という説、「某特撮ヒーローをリスペクトしたもの」という説などが囁かれている。(その割には第一号モデルの虫が第9世代のマメバッタまでポケモンとなっていなかった。また、エスパータイプに対抗できる点ではこのヒーローがリスペクト元ともいえなくはない)

前者の説では、エスパータイプとあくタイプはどちらも心を表すタイプである点、特性びびりの対象にむしタイプが含まれることなどから、むしタイプの攻撃には「心を乱す」要素が少なからず含まれているものとも考えられる。

むし技「とびかかる」「きゅうけつ」「まとわりつく」などは最たるもので、こんな攻撃を受けてしまっては「めいそう」や「わるだくみ」なんてしていられないであろう。


むし技を半減されるタイプは7つで、これは全タイプ(ワースト)1位の数である。

かくとうタイプは修行で鍛えた心があり、ゴーストタイプは元々が得体のしれない存在であるから、虫が飛びついたくらいでは何にも感じないのかもしれない。幽霊屋敷にクモの巣が張っているイメージなどとも関係があるかも。はがねタイプに半減されるのは、いわずもがな鋼は牙や針を全く通さないからであろう。フェアリータイプは心を浄化させる力があったり、蝶が関連付けられるモチーフだから半減ですむのかもしれない。イメージ的には接点こそあれど強弱関係はなさそうに思えるが、光属性としての側面が強いフェアリーに走光性のむしは抗えないということなのであろうか。

高熱で焼き尽くしてしまうほのおタイプ、虫より大きく高いところを飛ぶひこうタイプには攻撃を半減されるだけでなく防御面でも不利を取る。


防御面編集

虫を引寄せて焼き尽くしてしまうほのおタイプ、捕食者である鳥ポケモンが多く(ただし、むしタイプにはひこうタイプを併せ持つものも多い)風で小さな虫を吹き飛ばしてしまうひこうタイプ、大きさと重量で押し潰してしまういわタイプには弱い。捕食という意味では動物モチーフが多いノーマルタイプ、潰すという意味でははがねタイプにも弱そうに思えるが、これらのタイプは弱点ではなかったりする。また、ほとんどの虫は冬眠するためこおりタイプも弱そうに思えるが、そのタイプも弱点ではない。


かくとう技を半減してしまう理由は不明だが、潰した時に粘液などのイヤな感触が残るからという説がある(ハエやトンボなどは捉えどころのない動きで打撃を回避してしまうからだろうか?)。

じめんタイプを半減してしまうのは、昆虫には地面を掘って生活する種類が多く存在するからだと思われる。高いところより虫を地面に落としても何ともない(体が小さい程転落に強くなる)こともあるかもしれない。

くさタイプを半減してしまう理由は不明だが、上記のひこうタイプとむしタイプの相性から考察してみると、タイプモチーフが「捕食者と被捕食者」の関係の場合は攻撃面でも耐性面でも有利と不利の関係になるように設定されているものと思われる。


第1世代ではどくタイプが弱点に据えられていたが、恐らくは殺虫剤からの連想だと思われる。むしタイプの不遇さが問題になったのか、等倍に改められた。一方で、第1世代ではむしタイプの攻撃がどくタイプの弱点を突けるという相性であったのが逆の半減に変更された(プログラミングミスという説もあるが真偽は不明)


タイプ特性編集

特になし


世代別の特徴編集

第1世代編集

初登場にして虫の息の不遇時代。


上記のように、初代では他のタイプに比べてステータスが低いポケモンが多く活躍は難しかった。

しかし相性面では優秀な方であり、特にエスパータイプの弱点を突ける唯一のタイプであった。ちなみにこの世代ではどくタイプとは互いに効果ばつぐんの関係となっていた(ただし、当時の攻略本の相性表では、どくタイプポケモンにむしタイプ技は普通と表記されているため、上述の通りバグの可能性がある。虫だけに)。


しかし、肝心のむしタイプ技が枯渇同然のバリエーションで、当時の攻撃技は「きゅうけつ」(威力20)、「ダブルニードル」(威力25×2)、「ミサイルばり」(威力14のみ

致命的なまでにまともな技がなく、ほぼ戦力にならない。

しかもダブルニードル」を唯一覚えるスピアーがエスパータイプに弱点を突かれるせいでまるで意味をなさなかった。

ミサイルばり」は辛うじてサンダースのサブ技として、例えばナッシー相手にぶつけることができはしたが……。

まともなステータスを持っていたはずのストライクカイロスもむしタイプの技を一切覚えられないという有様で、他のタイプのわざを使う方が威力が高くなる。


むしタイプがもっとまともな強さであればエスパーキラーとなり得たはずであった……のだが、致命的な程の欠陥のせいで(ドラゴンタイプなどを除く)他タイプポケモンと比べ、非常に不遇なタイプであった。

こういった事情から、むしタイプのポケモンだけでパーティーを組む、というプレイは縛りプレイとなる。


当時むしタイプを敢えて使うなら全むしタイプの中で耐性が1番マシであるカイロスをノーマルメタの「じごくぐるま」型として使うぐらいか。同じ使い方が出来るカイリキーとは耐性が違うため、一応差別化は可能であった。


こうなってしまった背景には、元々『赤・緑』の対戦機能自体が納品2週間前に急遽実装されたという事情がある。要するに、むしタイプは対戦向けのタイプとして設計されていなかったという意味である。


第2世代編集

不遇時代はまだ続く。


新規組として、ひこう複合のレディバ系統とヤンヤンマ、どく複合のイトマル系統、クヌギダマ系統、ストライクから進化したはがね複合のハッサム、いわ複合のツボツボ、かくとう複合のヘラクロスが登場した。


ヘラクロスの メガホーン!シザークロスチョキチョキ

念願の一線級ポケモンであるヘラクロス、ハッサムの参戦によって、不遇な傾向は多少改善するかのように思われた。

しかしこの二匹だけ別格扱いで、他のむしタイプのポケモンの待遇は変わらなかった。

別格の二匹も無条件に強いかと言われればそうでもなく、ヘラクロスは専用技メガホーンこそ強いがかくとう技がきしかいせい」しかないことからほぼ「こらえる」とのコンボをせざるを得ず、しかも「きしかいせい」は当時何故か急所に当たらない仕様であった。

ハッサムはむし技をほとんど覚えられず、耐性を活かしたサポーターとしてしか使いみちがなかった。

逆をいえばむしの耐性が買われたということとなるのであるが……。

フォレトス×ミサイルばり

この他、極端なステータスで話題を呼んだツボツボや、「まきびし」の仕掛け人フォレトスなどが個性を買われて使われていたが、耐久を活かした戦法が中心でタイプ一致技は2匹共に(当時は)ほとんど覚えられなかった。


むしタイプ技追加も上記「メガホーン」を除けば癖が強いれんぞくぎり」のみ

幸い「めざめるパワー」の登場で、頑張ればむしタイプの威力70の技を得ることは出来た。

それも結局根本的な改善とはなっていなかったが……。


第3世代編集

不遇時代はまだまだ続く。


この世代の新規勢は、進化先が2通りあるケムッソ系統、アメタマ系統、じめん複合のツチニンバルビートイルミーゼ、いわ複合アノプス


テッカニン  ヌケニン

この世代の新規追加ポケモンで最も強力なのはツチニンの進化系であるテッカニンヌケニンの2匹であろう。

テッカニンは伝説を除く全ポケモンの中で最も「すばやさ」が高いポケモン(160)で、かつ特性「かそく」により毎ターン「すばやさ」が上昇する。

そこから「バトンタッチ」で後続のポケモンを大幅に強化することが出来た。

いわゆる鉄火バトンである。

ヌケニン「ツチニンを進化させる際、手持ちに空きが1つでも空いていたら自動的に入手」という特殊な入手条件(第4世代以降では「モンスターボール」を1つでも持っていないとダメ)も去ることながら、特性ふしぎなまもりにより、弱点以外の攻撃技を全て無効化してしまう。

変化技や天候、罠などは効いてしまうが、それらの対策がないとヌケニン1匹に全滅させられるという事態もしばしばあった。

アーマルド

この他、高い攻撃力と中々の物理耐久を持ち、弱点も少なめなアーマルドが登場。

だが当時むしタイプの攻撃技はほとんど覚えなかった。

その他の新規勢は、技が多彩でとくせい「いかく」を有するアメモースや、当時「メガホーン」以外でまともな攻撃技であった「シグナルビーム」を唯一覚えるバルビートがごく稀に使われる程度であった。


この世代では新要素「とくせい」が追加されたが、大半のむしタイプが十把一絡げに「むしのしらせ」を追加されたせいで個性もへったくれもない有様だった。

だが優秀なとくせいをもらえたポケモンももちろんおり、バタフリーふくがんを手に入れ、「ねむりごな」の命中率を97まで引き上げることに成功した。

またヘラクロスこんじょうを手に入れて状態異常に強くなり、「こだわりハチマキ」「カムラのみ」などの新アイテムや「かわらわり」などの技追加の手助けもあって一躍メジャーポケモンに上り詰めた。

特に「こんじょう」or「むしのしらせ」発動+「こだわりハチマキ」+「メガホーン」は(能力強化なしで)当時の物理攻撃最高火力を誇った。

ハッサムは特性こそ平凡な「むしのしらせ」であったが、念願のむしタイプ技ぎんいろのかぜを獲得した。


しかし新要素や新勢力追加もあったものの、環境でまともに使われたのはヘラクロス、テッカニン、ヌケニン(ダブルバトル)程度で、この世代でも総括してみれば不遇といわざるを得ない状態だった。


第4世代編集

3世代に渡る不遇より一転、ようやくスタートラインへ。


この世代ではコロボーシ系統、性別で進化先が変わるミノムッチ系統、ひこう複合のミツハニー系統、進化後はむしタイプがあくタイプとなるスコルピ、ヤンヤンマの進化系であるメガヤンマが新たに追加。


技が大幅に整備され、威力60(ただし、テクニシャンで強化可能)ながらきのみを奪ってその場で消費する「むしくい」、威力80の安定した物理技シザークロス威力90の特殊技むしのさざめきなど強力な技が次々と追加された。

中でもとんぼがえりは70と低くない威力に加えて手持ちのポケモンと入替われるという強力な追加効果があり、わざマシンで多くのポケモンが覚えられる点も相まって、現在に至るまで多くのポケモンで高い採用率を誇っている。

技が整ったことで「自分のタイプと同じタイプで攻撃する」「相手の弱点を突いて攻撃する」という当たり前のことがようやくまともに出来るようになり、全体の使用率は大幅に上昇した。


メガヤンマ の むしのさざめき!!

特に新規組メガヤンマは、強過ぎて対策必須といわれるレベルにまで到達していた。

テッカニンと同じ強力な特性「かそく」ですばやさを上げてからさいみんじゅつ(当時命中率70、最低でも2ターン「ねむり」に出来た)を撃つ戦法がとにかく強力で、攻撃をさせても当時むしタイプ最強の「とくこう」種族値(116)より放たれる「むしのさざめき」「エアスラッシュで大ダメージを与えることができ、数多の対戦相手を次々にひんしにして行った。


「プラチナ」では、「さいみんじゅつ」の弱体化で勢いを失ったメガヤンマに代わってハッサムが大幅強化を受けた。

この時に追加された特性テクニシャンの恩恵を受けられる新技バレットパンチ」「むしくい(HGSS)」を獲得し、「ダイヤモンド・パール」から覚えられるようになっていた「とんぼがえり」と合わせて火力と小回りを両立出来る強力なポケモンへと変貌を遂げた。

また、前世代から活躍していたヘラクロスインファイト」「ストーンエッジなど優秀な高火力技追加と安定した命中率の「むしくい(HGSS)」で、よりそのパワーに磨きをかけられるようになった。

カイロスは第2特性としてかたやぶりを獲得、「かたやぶり」で「ハサミギロチン」を使用出来るという個性を得た。


しかし、同時に弱点であるいわタイプとの相性の影響を受ける設置技「ステルスロック」が追加。むしタイプの中でも、特にいわタイプを4倍弱点とするポケモンは登場しただけで瀕死に追い込まれるリスクを常に背負ってしまうこととなった。

さらにはフラットルールでのバンギラス解禁とカバルドン登場により砂パが、ユキノオー登場により霰パが環境に登場。強力なポケモンであったヌケニンが倒されやすくなってしまった。


第5世代編集

最盛期到来。


むしのしらせ

新規勢はくさ複合クルミル系統、どく複合フシデ系統、いわ複合イシズマイ系統、お互い通信交換することで進化するカブルモチョボマキ、初のでんき複合であるバチュル系統、同じく初のほのお複合となるメラルバ系統、はがね複合のアイアント、そしてむしタイプ初の伝説級ポケモンでよりどりみどりの攻撃技を使いこなすゲノセクトが登場した。


攻撃技強化は前世代より始まっていたが、この世代で「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」が1段階上昇するという破格の性能の積み技ちょうのまいが登場。

この技を引っ提げて、メガヤンマを超えたむしタイプ最高の「とくこう」種族値(135)を誇るウルガモスがシングル・ダブルを問わず大活躍を見せた。

また、多くの蝶や蛾モチーフのポケモンも「ちょうのまい」を習得し、活躍の場を広げた。


ウルガモス以外でも新登場組は軒並み強力で、ハッサムを凌ぐ火力を持つ物理アタッカーシュバルゴラティオスを抜く素早さから「メガホーン」を撃てるペンドラー、テッカニンに次ぐ「すばやさ」と豊富な妨害技で相手を錯乱するアギルダー、特性「がんじょう」で1発耐えてからの「からをやぶる」で高火力を発揮可能なイワパレス、非伝説のはがねタイプの中では当時最速ではりきりによる高火力とタイプによる高耐性を両立するアイアントと、個性あふれる頼もしい面々。

種族値合計が最下位のデンチュラでさえこれまでの序盤虫よりは種族値合計が上であり、無駄がない種族値分配と攻撃範囲に優れた複合タイプ、さらに優秀な特性により不遇ポケモンとはとてもうえない。


既存のポケモンにしても、バルビートイルミーゼが隠れ特性でいたずらごころを獲得し、サポーターとして大きく強化された。


だが、中でも1番の活躍を見せたのは、やはり前世代からの強化が実ったハッサムであろう。

ドラゴン隆盛の時代、ドラゴンを半減で受け止められ「とんぼがえり」「バレットパンチ」で相手の攻撃タイミングをかわしつつ戦える性能が評価され、シングルダブル問わず最メジャーポケモンの認定を受けた。


今までの不遇ぶりが嘘のように改善された。この世代こそ、むしタイプが最も輝いていた時期といっても過言ではないであろう。


第6世代編集

通算4度目となる不遇時代。


こふきむし こふーらい びびよん

新たに追加されたのはコフキムシ系統のみ。

だが、最終形態ビビヨンは「すばやさ」89からの「ふくがん」+「ねむりごな」に加え、「ふくがん」+「ぼうふうふんじんといった強力な技を使いこなすなど侮れない性能をもつ。

ただ、そのせいでバタフリーが大変に可哀想なことになってしまったが……。


既存ポケモンではバタフリー、アゲハント、ペンドラーの種族値が若干の上方修正を受け、カイロス、ヘラクロス、ハッサム、スピアーにはメガシンカが与えられた。

加えて、ペンドラーは隠れ特性がまさかの「かそく」に変更された。むしタイプの「かそく」持ちとしては3匹目である。


技方面では「ミサイルばり」の威力が25に強化、「むしのさざめき」はみがわり」を貫通するようになった。

ねばねばネット」という場に出て来たポケモンの「すばやさ」を下げられる強力な設置技も登場した。


しかし前世代で暴れ過ぎたツケが回って来たのか、新登場フェアリータイプに攻撃を半減されることになってしまう。これによってむしタイプの技が半減されるタイプは遂に7つとなり、くさタイプと並んでワースト1位となってしまった。

毒・鋼複合組なら問題ないように見えるものの、どくタイプの方も技の通りが良いとはいえず(攻撃面でむしタイプと被り気味)、はがねタイプも今作から守備面で弱体化する(特にゴーストタイプに押し負けやすい)などを踏まえると根本的な解決策にはなっていない。


加えて、ただでさえひこうタイプが弱点なのに、先制でひこうタイプの技をぶっ放して来る怪鳥が登場。

こいつの前には「かそく」も「ちょうのまい」も「バレットパンチ」も形無しで、多くのむしポケモンがためす術もなく屠られて行った。

ORASでは超火力・高速・高耐久を完全に両立したひこうタイプメガボーマンダまで出て来る有様。


追打ちを掛けるように、有利を取れるくさタイプがファイアローに追いやられて衰退し、そのファイアロー対策にいわタイプ技や「ステルスロック」の使用率が増加するというとんでもない三重苦状態に陥った。

ゴーストタイプが強化を受けたことで、エスパータイプの方も衰退してしまっており、ますます弱点を突ける相手が減ってしまっている状態であった。

あくタイプの技もはがねに半減されなくなったことや前世代よりも系統が増えたことで、あくタイプの弱点を突く機会が(若干)増えたのがせめてもの救いではある。


また、新たなルールのさかさバトルでは抜群7・半減3・弱点3・半減3と優秀なタイプ性能なのだが……、こおりタイプとくさタイプが猛威を振るっていたせいで、むしタイプは影が薄くなりがちだった。


こういったもろもろのむしタイプに不利な出来事が重なっていった結果、むしタイプは再び不遇の時代へと転落してしまっていた。

とはいえ他タイプと比べて不遇というだけであり、勿論強化されているところも沢山ある。

……それでも他タイプが強化され過ぎていて、結局虫の息なことに変わりはなかったが……。


第7世代編集

逆境からの新勢力参入。


サン・ムーン』のストーリー上で大きなカギを握るウルトラビーストのうち、マッシブーンフェローチェの2匹がむしタイプに参入する。

マッシブーンは「イマイチ耐久に乏しい」というむしタイプイメージを真っ向より否定するようなガチムチ仕様で、対照的にフェローチェはある意味むしタイプらしいといえるような尖ったステータスを持つ。

ウルトラビースト扱いは準伝説級なので、通常レート戦で使えるむしタイプの伝説ポケモンが初めて登場したともいえる世代。


また、UBを除く一般ポケモンとして、新たに4系統が登場。

オニシズクモアブリボンちゃん

中でも目を引くのは、アメタマ以来、そして最終進化形態で初めてのむし・みずの組み合わせであるグソクムシャオニシズクモの二体。

グソクムシャは典型的な耐久型の物理アタッカーで、新技であいがしらと専用特性「ききかいひ」によるトリッキーな動きも得意とする。

オニシズクモは専用特性「すいほう」を持ち、「みずタイプの技の威力が2倍、ほのお技半減、やけどにならない」という、メリットてんこ盛りのチート性能である。

この他脅威の「とくこう」種族値145を誇るでんき複合クワガノン、高いすばやさでドラゴンタイプを上から叩けるフェアリー複合アブリボンが登場。

どちらも序盤に出て来るポケモンであるが、とても序盤に出て来るとは思えない強さを見せてくれる。


前世代から行われていた種族値修正は今世代も続き、アリアドス、アメモース、バルビート、イルミーゼ、イワパレスが強化を受けた。

特にアメモース「とくこう」「すばやさ」の2つが20も上がっている。

おかげでアゲハントがアメモースに種族値で完敗とより悲惨なこととなるが……。


技の面では、登場したターンにしか使えないものの「しんそく」同様の優先度でありながら威力90という先制技トップクラスの威力を誇る「であいがしら」が登場。上記のグソクムシャの専用技だったが、『USUM』ではカモネギも覚えられるようになった。

相手に突撃し攻撃力を必ず下げる物理技とびかかる、攻撃技だが味方に使うと回復するという特殊な技かふんだんごも登場、さらにトリッキーな戦術を展開出来るようになっていった。

また、それまで威力20ぽっちであったきゅうけつが、ここに来て威力80になるというとんでもない強化をされている。

ついでにこれまで「あなをほる」であったはずの「わざマシン28」がこの技に変わるという謎の待遇まで受けている。


対戦環境では、メガボーマンダメガカイロスの「スカイスキン」、ファイアローの「はやてのつばさ」が弱体化したことでむしタイプが少しずつ息を吹き返すようになっていた。

しかし、ハッサムは「サイコフィールド」「じょおうのいげん」「ビビッドボディ」などの先制技を封じる手段の増加で相対的に弱体化を受けている。

特に得意なはずのフェアリータイプ相手に「バレットパンチ」が封じられるのはかなりの痛手。

しかし全体的に見れば、前環境よりも立場は大きく改善された。何よりファイアローの弱体化が大きい。


余談だが、『サン・ムーン』における悪の組織・スカル団ボスのグズマはむしタイプを中心としたパーティを使って来る。

悪の組織のボスがタイプ統一パーティを使って来るのは実にサカキ以来のことである。


第8世代編集

虫の息となるか、それとも逆境からの下剋上か。


イオルブモスノウ🔥マルヤクデ🐛

新規はエスパー複合のイオルブ、こおり複合のモスノウ、ほのお複合のマルヤクデの3系統。

イオルブとモスノウは両方とも唯一無二の固有タイプ複合である。

新要素のキョダイマックスはバタフリー、イオルブ、マルヤクデの3匹に与えられた。

むしタイプのダイマックス技「ダイワーム」は「とくこう」を下げる効果を持ち、「むしのていこう」の上位版となっている。


この世代では、前世代に登場した「かふんだんご」がわざレコードに収録され、花に関係するポケモンを中心に覚えられるようになった。

そしてこれがマックスレイドバトルと第2弾DLCで追加された「ダイマックスアドベンチャー」において、非常に使い勝手の良い技として見出されている。

相手のダイマックスポケモンに攻撃するのも勿論だが、味方に使うことで最大HPの1/2を回復できるため、攻撃役兼即時回復役としてこの技を覚えているアブリボンバタフリーが重宝されるようになった。


今世代は使えるポケモンが著しく制限され、DLCによって段階を経て増えていくという形式を採っているため、同世代内でも段階によってむしタイプの地位は絶妙に変化している。


剣盾初期編集

燃えさかれ!

新規勢の内イオルブマルヤクデキョダイマックス持ちだが、いずれもキョダイマックス技はむしタイプではなく複合タイプの方の技である。

モスノウ専用の隠れ特性「こおりのりんぷん」は「ファーコート」の特殊版にあたる特性で、タイプ不一致であれば4倍弱点でも耐えられることも。


むしタイプにはダイマックス技として「ダイワーム」が与えられたが、その効果が「相手のとくこうを1段階下げる」という何とも地味な効果。当然というか何というべきか、「とんぼがえり」以外のむし技の採用率は依然低いままであった。


既存勢は過去作のトップメタが軒並み不在であったためか非常に地味で、今一力不足感が否めなかった。

クワガノンアブリボンなど、前作からの実力者もいるっちゃいるのだが。

バタフリーのキョダイマックス技「キョダイコワク」は、相手全体に「どく」「まひ」「ねむり」のいずれかの状態異常を付与するという性能となっている。

テッカニンじたばたアクロバットを覚え、アタッカー性能が強化された。


しかし対戦環境を見てみると、強力な技が追加されたゴーストタイプが蔓延しており、さらにひこうタイプもダイジェットの強力さから数を増やしていた関係上、ただでさえ良くないむし技の通りはさらに悪くなっていた。

ひこう・はがねタイプを対策するためのほのお技やいわ技採用も増えており、環境にむし技が効きづらい相手も多いことから、非常に厳しい立ち位置となっていた。

数少ない抜群が取れる相手のくさタイプエスパータイプも、ダイジェッの流行、ゴースト対策のあくタイプ増加により、特にシングルではほとんど見られなかったことも向かい風。ダブルでならまだ一定数見られたが、他のタイプでなんとかなるケースが多く出番が取られがちであった。


唯一目立っていたのがアイアントで、特性「はりきり」とダイマックスの相性が非常に良い上にはがね複合でダイジェットを等倍で受けられることから、広い攻撃範囲も相まった高火力アタッカーとして初期環境では大暴れしていた。


鎧の孤島編集

『鎧の孤島』ではストライク系統、カイロス、ヘラクロス、フシデ系統が現場復帰。

新技として「はいよるいちげき」が追加されたが、とくこうを下げる効果はともかく、なぜか威力が70、命中が90しかない。むしタイプ以外ではノコッチ、ミロカロス、トリトドンといった水や砂に潜むポケモンや、一部あく・ゴーストが主に覚えられる。


過去作のトップメタ筆頭だったハッサムは「メガシンカ」「むしくい」を、ウルガモスは「あさのひざし」「めざめるパワー」を、さらに両者共に「はねやすめ」を奪われてしまっており、以前ほどの活躍は出来ていない。

カイロスとヘラクロスメガシンカ没収によって第一線から退いた。

一方でペンドラーはバトン要員として相変わらず優秀で、地味に剣盾で使用可能なポケモンでは唯一のどく・むし複合である。

「ダイジェット」の影響もあって依然として対戦環境での立ち位置は改善されていなかったが、それでもトップメタが復帰したことは大きなアドバンテージであり、多少なりとも勢いを取り戻した。


なお、シリーズ6で禁止となったポケモンは1体もいなかった。つまり、シングル・ダブル共に使用率でトップ10に入ったむしポケモンは1匹もいなかったということである。

喜んだら良いのやら悲しんだら良いのやら……。


冠の雪原編集

『冠の雪原』では化石ポケモンのアノプス系統、ウルトラビーストのマッシブーンとフェローチェが復帰。

対戦ではフェローチェが大暴れしており、「インファイト」に加えひこうタイプの弱点を突ける「トリプルアクセル」を手に入れて、シングルで八面六臂の活躍を見せている。ダブルでは「コーチング」「スピードスワップ」を活かしたサポートまでこなす。

マッシブーンも念願の「インファイト」を習得できるようになり、火力と汎用性が大きく上昇した。


ランクバトルの「竜王戦ルール」では禁止級ポケモンが1匹だけ使用可能になった。……が、むしタイプで該当するのは幻枠のゲノセクトのみで、実質禁止級は不在である(現在禁止級が(実質)不在のタイプはノーマル・くさ・むし・いわの4タイプのみ)。

代わりにトップメタのザシアン対策として、ヌケニンが多く使われるようになった。あつぞこブーツ追加も大きい。


DLC解禁を通じてドラパルトなど一部ゴーストタイプの勢いは弱まったものの、逆にひこうタイプが勢い付いて躍進し、結果としてむしタイプの地位は大して変わっていない。

フェローチェが何とかシングル環境に食らいつけているのが、せめてもの救いといえるか。


環境の外では、むしタイプ界隈には無視出来ない快挙が起きていた。

モスノウの進化前ユキハミである。

2020年の「Pokemon Day」より投票企画『ポケモン・オブ・ザ・イヤー』において、新規勢でありながらまさかの総合票数30位を記録したのである。これを契機にむしタイプへの関心が募るかどうか、注目すべきものはあるであろう。


全体的に見てみると、「ダイジェットの流行」「ゴーストタイプの増加」「エースバーンザシアンサンダーなどむしタイプに有利なポケモンの増加」など諸々の理由が重なった結果、不遇となった時期が最も多く、最底辺に近いタイプであることは否めないであろう。

それでもを見せているポケモンも存在しており、他タイプと同じく世代を重ねるに連れて強化されているのは勿論である。これからのむしタイプがどうなるか、決して油断出来ない。



BDSP編集

パワーアップした第4世代フェアリータイプ参戦後の世界で・・・。



第9世代編集

ダイマックス環境から一新された環境ではひこう・いわタイプの隆盛も落ち着いたため、以前よりは動かしやすくなった。


新規は序盤虫ポジションのワナイダー、あく複合のエクスレッグ、エスパー複合のベラカスの3系統と、パラドックスポケモンのチヲハウハネの4種類。

新技はむしタイプ版がんせきふうじの「とびつく」と、ワナイダー専用のまもる系列「スレッドトラップ」と少なめ。


テラスタイプとしてはやはり攻撃面の貧弱さから不人気。耐性そのものは悪くないものの、やはりくさやフェアリー、ひこうなどで十分という評価が与えられることが多い。ただし、攻防一体となっている場合はまた別で、特に相性を覆し、ミサイルばりを覚えられるテツノイバラはむしテラスが多い。


SV初期編集

ワナイダーは先述のスレッドトラップを始め補助技を豊富に揃えるが、いかんせん種族値の低さが際立つ。


ベラカスはエスパーとの複合タイプで弱点が多いが、特攻と特防に優れ、補助技を中心として多彩な技を扱える上に味方を蘇生可能希少な「さいきのいのり」を使えるという強い個性を持つ。


エクスレッグはむし技との相性補完がよいあくタイプとの複合がそこそこ優秀で、多くの相手をカバー可能な技を覚えていけるのが利点。効果がいまひとつの相手にもいろめがねで強引にダメージを与えることが出来、相手のテラスタルを考慮しない場合、であいがしらでサザンドラやマスカーニャを上から確定1発に出来るという独自の立場を築き上げている。


しかし環境に目をやると、ゲンガーラウドボーンコノヨザルなどのゴーストタイプの蔓延など、前作初期と似たような構図が作られている。

更に、既存勢は前作に続き過去作のトップメタが軒並み不在だったためかまたしても非常に地味。新規むしポケモンの数の少なさ・不甲斐なさを含め、前作よりも増して厳しい立場といえる。

前作との相違点としては、ひこうタイプがダイジェットを失った影響でそこまで多くないこと。ただ、環境にはひこうタイプのカイリューとはがね・ゴーストタイプのサーフゴーがはびこっており、攻撃を半減されるタイプが多いというむしタイプの弱点が露骨に出る形となってしまっている。

優遇されているあくタイプに対して優位に出られるので、活路を見出すならそこになる。

くさ・あくタイプのマスカーニャには有利に出られる……かと思いきや、高いすばやさで上からタイプを変えられてしまうので実際はそうでもない。はがね複合のドドゲザンあたりも厳しい。

テラスタルされることも多いが、敢えて挙げるならサザンドラ四災辺りが狙い目か。


むし不遇の環境の中で2匹だけ輝いているのが、ウルガモスハッサム

前者はフェアリータイプにテラスタルすることで環境に多いドラゴンポケモンに優位に立てたりなど、強力な積み技のちょうのまいを活かした積みアタッカーとして一定の地位を築いている。ほのお複合なので、前述のサーフゴーやドドゲザンなどのはがねタイプ、ドラゴン対策のこおりテラスタイプのポケモンなどに有利な点も大きい。

後者ははがねテラスタルで強化された「バレットパンチ」が強力で、相変わらず優秀な耐性で多くのポケモンを相手に出来る。こうげきに特化させてこだわりハチマキを巻けば、体力に少し振った程度のマスカーニャならテラスタル+テクニシャンで強化されたバレットパンチで確定1発に仕留め、弱点を突ける相手であれば耐久自慢のセグレイブであろうと確定1発で屠ってしまう。環境にほのおタイプが少ない点も大きな追い風となっている。


また、パラドックスポケモンが使えるようになったシーズン3からは、むし・かくとうタイプのチヲハウハネが環境に参戦。インファイトじしんフレアドライブといった高火力・広範囲な技組合わせが自慢で、であいがしらで先制技も揃っていると隙がない技レパートリーの強力なポケモン。ちょうのまいを覚えない点でウルガモスとの差別化が成されており、替わりに「ビルドアップ」を覚えることもあって、チヲハウハネはウルガモスをさらに脳筋にしたようなかくとうタイプらしい型が主流のようである。

余談であるが、ウルガモスのもう1体のパラドックスポケモンであるテツノドクガは、名前に反しむしタイプを持っていない。残念。


災厄ポケモンが解禁されたシーズン5ではあくタイプに対して抜群を取れるであいがしらを搭載したチヲハウハネの使用率がまぁまぁ上昇。であいがしらの搭載率自体も上がっている。


シリーズ4での目ぼしい解禁ポケモンはバサギリ。こちらは独特のスペックを買われてシーズン8にそこそこ使われたが、環境トップのウーラオスに弱すぎたため、徐々に環境から姿を消していった。


碧の仮面編集

碧の仮面の配信に伴い、クワガノンが解禁。テラスタルと相性の良い特性「ふゆう」と特殊超火力を活かしてそこそこ活躍。逆にいえばこのシリーズ5の解禁組でクワガノン以外の有望なむし枠がいないのが悩ましいところ。


ウルガモスの使用率は下がっており、使用率ベスト30でいうとシングルではハッサムが孤軍奮闘している状況。ダブルではそのハッサムすらほとんどおらず、全滅状態となった。


藍の円盤編集

藍の円盤の配信に伴い、オニシズクモが解禁。オニシズクモは「すいほう」によるみず超火力もあり、ねばねばネット役として一定数使われるに至った。


伝説ポケモンが1体だけ使用可能となったレギュレーションGでは、ハッサムの使用率が大きく上昇。伝説ポケモンにテラスタルを切りたいパーティの多い中、テラスタルで耐性を変えづらくなったハバタクカミパオジアンに有利を取れる点が評価されている。しかしそれはバレットパンチの性能を買われてのことであり、むし技の通りはますます悪くなっている。

また、バドレックスコライドンミライドンの参戦によるすばやさのインフレーションを受けてねばねばネットの需要が増加。オニシズクモがねばねばネット役として、若干の採用を見せている。


準伝説・パラドックスポケモン以上が使用不能なレギュレーションHでは、ウルガモスの使用率が大幅に上昇。しかしこれはほのおの競合であった炎オーガポンやイーユイがいないためという部分があり、むし枠として評価されているわけではない。ハッサムもそれなりの使用率となっている。

ダブルではウルガモスがむし枠として孤軍奮闘。やはりむし枠として利用されているわけではない。

外伝作品編集

ポケモンGO編集

現状、ほとんどの面において不遇なタイプの一つ。


ジムバトル・レイドバトルにおいては、「むしのさざめき」等一部を除いてむしタイプのゲージ技が総じて弱いのが大きな問題であり、ラインナップは他タイプと比べて大きく遅れを取っている。

そのため、むしタイプで弱点を突くくらいなら他タイプ技を使ってしまった方が早く終わるため、出番はせいぜいむしタイプの二重弱点を抱えているポケモン(ナッシーダーテングフーパ等)の相手をする程度に限られる。

トレーナーバトルでは技の性能が全く違うため多少はマシな戦いが出来るが、こちらは技性能よりも紙耐久やタイプ相性が問題となりがちであり、ここでも余り目立った活躍は出来ていない。


捕獲面でもプレイヤーの苛立ちを誘い、不快感を与えるポケモンが少なくない。

遠い・動き回る・低捕獲率と面倒な点の多いヤンヤンマ、かつてイベント期間と雨天が重なるごとに大量発生していたバルビート、CPに対しての捕獲率が異様に低い上に個体数の少ない♀でなければ進化させられない等育成面でも問題が多いミツハニーなどが挙げられる。


一応、レア度が低いポケモンが多いため、沢山ゲットしやすい・アメを集めやすい点は評価できる。

特にカイロスはサービス開始当初からしばらくの間は、①雨天に出現しやすく、②技が中々強力で、③進化でアメを消費しないため強化もやりやすく、初期の戦力としてはうってつけとして評価が高かった(現在はポケモンの全体的な種数が増加したことや季節制が導入されたこともあって出現率は大幅に引下げられている)。

ミュウツーレイドの要員が足らないのでシザークロスを覚えたカイロスを入れていたというプレイヤーも多かったことであろう。


そんな訳で現在は不遇であるが、上記のカイロスを始め、ハッサム、ヘラクロスメガヤンマゲノセクトクワガノン、ウルガモスのようにステータス自体は優秀な種もいるため、技の追加・仕様変更等のテコ入れ次第で輝く可能性は十分ある。今後に期待しよう。


むしタイプポケモンの主な使い手編集

若者の比率が多く、現在の所、中年や老人で主なむしタイプの使い手は存在しない(イッシュ地方のチャンピオンであるアデクは比較的むしタイプポケモン使い寄りではあるが)。

男性の比率が高く、女性の使い手は第8世代まではビオラだけであった。

むしタイプの弱点の多さからか、使い手は、物語の序盤辺りで立ち寄るジムリーダーが多い。

緑色の髪や服を着用している人物が多い。また、むしとりしょうねんなど、虫ポケモンが好きであったり、虫ポケモンが好きなことを誇りに思っている人物が多い。


その他のタイプ編集


関連タグ編集



関連記事

親記事

ポケモンのタイプ一覧 ぽけもんのたいぷいちらん

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 3256756

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました