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むしタイプ

むしたいぷ

むしタイプ(Bug Type)とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するタイプの一種である。
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概要

ポケモンは種族ごとに、1,2種類のタイプが、技には1種類のタイプが必ず付加されている。
そのタイプの相性でバトルの有利不利が決定される要素の一つ。

むしタイプのカテゴリーに分類されるポケモンの特徴としては、昆虫の類をモチーフとしたポケモンが多い。
昆虫以外の虫もモデルにされることがある(クモやサソリ、ヤドカリなど)。
しかし、ヘビやカエル、カニなど、昆虫以外の虫がモデルのポケモンはむしタイプとして扱われていないこともある。


昆虫をモチーフにしている為、他のタイプと比べて成長が早いことが利点として挙げられる。
ポケモンで最初に進化を経験させてくれるのは大体むしタイプのポケモンである。
その関係上ゲームの序盤に一種類は必ずと言ってよいほど出現する。
また、虫という『種族』をモチーフにしている為なのか進化等で別のタイプが追加されたり、変わったりすることはあっても、むしタイプが追加、または変わったことは無く、(例外はこの系統のみ)リージョンフォームも全タイプ中唯一存在しない。

その他ステータス的な特徴として、ある能力に極端に偏ったポケモンが多い。
特にすばやさは超高速帯を占めており、テッカニンを筆頭に、フェローチェメガスピアーアギルダーと、広く「高速ポケモン」として認知される130族すら及ばない素早さ種族値140すらをも超えるポケモンが4匹いる。
禁止級メガシンカを除くと、素早さランキング上位5匹中3匹がむしタイプという爆速一族である。(ちなみにその内の2匹はでんきタイプマルマインレジエレキ。)
しかもレーティングバトルに参加可能なポケモン(メガシンカ含む)において、能力の高さランキングで6つのステータス中3つでむしタイプのポケモンが1位を取っている(こうげき:メガヘラクロス、ぼうぎょ・とくぼう:ツボツボ)。
攻撃と特攻が両方高い、いわゆる二刀流のポケモンが少ない点も特徴の1つ。

欠点としては、昆虫をモチーフにしている為か、ないし序盤に出て来る種族が多い為か、他のタイプに比べてステータスが低いポケモンが多いこと。
特にHPは「虫の息」よろしく種族値3桁に届くポケモンがマッシブーンマルヤクデ(3位は種族値86のメガヤンマ)のみという有様。
ランキング1位を取れるほどのステータスの高さを持つポケモンがいるのはいいが、同時にあまり種族値合計に恵まれない種族であるため、極端に偏ったピーキーな性能のポケモンが多く、安定性に欠けてしまうのも問題。

また、タイプ耐性に難があり、半減にできるかくとうタイプにはこっちの攻撃もイマイチ、尚且ついわ技の採用率が高いため有利になりづらい。
じめんタイプにもこちらの攻撃は通るものの、ほぼすべてのポケモンがサブウェポンにいわ技を搭載しているので、やはり有利かというと結局微妙という現実がある。
くさタイプに対しては攻守ともに有利だが……くさタイプは他にもいくつか弱点は有り、とにかく圧倒的に「このタイプに有利!」という状況がむしタイプにはあまり無いのが辛い所。
ただし、いわに耐性のあるかくとう、はがねタイプとの複合であれば話は別。
かくとう複合になると途端にかくとう・じめん始め多くの物理アタッカーとの殴り合いに強くなれるし、はがねとの複合だとはがねの弱点であるかくとう・じめんを等倍で抑えられるようになる。はがね・むしタイプの弱点はなんとほのおタイプのみ(4倍弱点だが)。
この辺りは「こおりに強いくさタイプが皆強い」という理屈に似ているかもしれない。

ひこうタイプは攻守の両面で苦手。虫は鳥の捕食対象であるからだと思われる。しかしでんきタイプいわタイプと複合のポケモンの場合はむしろ、ひこうタイプの防御力の低さや4倍弱点の多さを逆手に反撃できる事も多い。弱点のじめんタイプに対しても、むしタイプの複合によって攻撃を等倍に抑えられる利点がある。特にクワガノンイワパレスはひこうタイプに対してかなり有利なポケモンである。

むしタイプの技は今でこそ、物理・特殊共に安定したものが揃っているが、第3世代まではとことん技不足に悩まされていたタイプでもあった。
加えて攻撃面では半減されてしまうタイプが7つもある(5世代までは6つ)ので、攻撃を当てられても倒しきれないことがしばしば。
反面、変化技はちょうのまい」「いかりのこな」「ねばねばネットなど固有かつ強力な効果を持つものが多い。この辺はくさタイプに似ているが、むしタイプはくさタイプのような状態異常よりも妨害や自らの強化ができる技が主となっている。
第8世代現在では攻撃面でも、威力命中とも安定していて確実に相手の攻撃を下げる追加効果がある「とびかかる」、第7世代で大幅強化されたドレイン技「きゅうけつ」、音の技なのでみがわりを貫通する「むしのさざめき」など、優秀な性能を持つ技が増えてきている。

むしタイプの技ではないがバトンタッチを覚えるポケモンも多い。
有名なテッカニンの「かそくバトン」を筆頭に、ちょうのまいほたるび等の優秀なむしタイプの積み技を他のポケモンに受け継げるむしポケモンもいる。


世代別の特徴

第1世代

初登場にして虫の息の不遇時代。

上記のように、第一世代では他のタイプに比べてステータスが低いポケモンが多く活躍は難しかった。
しかし攻撃面では優秀なほうで、特にエスパータイプの弱点を突ける唯一のタイプだった。ちなみにこの世代ではどくタイプとは互いに効果ばつぐんの関係になっていた。(ただし当時の攻略本の相性表では、どくタイプにむしタイプの技は等倍と表記されているため、プログラムミスの可能性がある)。

しかし、肝心のむしタイプ技が枯渇同然のバリエーションで、当時の攻撃技は「きゅうけつ」(威力20)、「ダブルニードル」(威力25×2)、「ミサイルばり」(威力14のみ
致命的なまでにまともな技がない。
しかもダブルニードル」を唯一覚えるスピアーがエスパータイプに弱点を突かれるせいでまるで意味をなさなかった。
ミサイルばり」は辛うじてサンダースのサブ技として、例えばナッシー相手にぶつけることができはしたが……。
まともなステータスを持っていたはずのストライクカイロスもむしタイプの技を一切覚えられないという有様。

むしタイプがもっとまともな強さであればエスパーキラーになり得たはずであった……のだが、致命的なほどの欠陥のせいで(ドラゴンタイプなどを除く)他のタイプのポケモンと比べ、非常に不遇なタイプであった。
こういった事情から、むしタイプのポケモンだけでパーティーを組む、というプレイもあまりに非現実的とされてしまうような状況だった。

第2世代

不遇の時代はまだ続く。

新規組として、ひこう複合のレディバ系統とヤンヤンマ、どく複合のイトマル系統、クヌギダマ系統、ストライクから進化したはがね複合のハッサム、いわ複合のツボツボ、かくとう複合のヘラクロスが登場した。

ヘラクロスの メガホーン!
シザークロスチョキチョキ


念願の一線級ポケモンであるヘラクロス、ハッサムの参戦によって、不遇な傾向は多少改善するかのように思われた。
しかしこの二匹だけ別格扱いで、他のむしタイプのポケモンの待遇は変わらなかった。
別格の二匹も無条件に強いかと言われればそうでもなく、ヘラクロスは専用技メガホーンこそ強いがかくとう技がきしかいせい」しかないことからほぼ「こらえる」とのコンボをせざるを得ず、しかも「きしかいせい」は当時何故か急所に当たらない仕様だった。
ハッサムはむし技をほとんど覚えられず、耐性を活かしたサポーターとしてしか使いみちがなかった。
逆を言えばむしの耐性が買われたということになるのだが……。

フォレトス×ミサイルばり


この他、極端なステータスで話題を呼んだツボツボや、「まきびし」の仕掛け人フォレトスなどが個性を買われて使われていたが、耐久を活かした戦法が中心でタイプ一致技は二匹とも(当時は)ほとんど覚えられなかった。

むしタイプの技の追加も上記「メガホーン」を除けば癖が強いれんぞくぎり」のみ
幸い「めざめるパワー」の登場で、頑張ればむしタイプの威力70の技を得ることはできた。
それも結局根本的な改善にはなっていなかったが……。

第3世代

不遇の時代はまだまだ続く。

この世代の新規勢は、進化先が2通りあるケムッソ系統、アメタマ系統、じめん複合のツチニンバルビートイルミーゼ、いわ複合のアノプス

テッカニン  ヌケニン


この世代の新規追加ポケモンで最も強力なのはツチニンの進化系であるテッカニンヌケニンの2匹だろう。
テッカニンは伝説を除くすべてのポケモンの中で最も「すばやさ」が高いポケモン(160)で、かつ特性「かそく」により毎ターン「すばやさ」が上昇する。
そこから「バトンタッチ」で後続のポケモンを大幅に強化することができた。
いわゆる鉄火バトンである。
ヌケニン「ツチニンを進化させる際、手持ちに空きが1つでも空いていたら自動的に入手」という特殊な入手条件(第4世代以降では「モンスターボール」を1つでも持っていないとダメ)もさることながら、特性ふしぎなまもりにより、弱点以外の攻撃技を全て無効化してしまう。
変化技や天候、罠などは効いてしまうが、それらの対策がないとヌケニン1匹に全滅させられるという事態もしばしばあった。

アーマルド


この他、高い攻撃力と中々の物理耐久を持ち、弱点も少なめなアーマルドが登場。
だが当時むしタイプの攻撃技はほとんど覚えなかった。
その他の新規勢は、技が多彩でとくせい「いかく」を持つアメモースや、当時「メガホーン」以外でまともな攻撃技であった「シグナルビーム」を唯一覚えるバルビートがごく稀に使われる程度だった。

この世代では新要素「とくせい」が追加されたが、大半のむしタイプが十把一絡げに「むしのしらせ」を追加されたせいで個性もへったくれもない有様だった。
だが優秀なとくせいをもらえたポケモンももちろんおり、バタフリーふくがんを手に入れ、「ねむりごな」の命中率を97まで引き上げることに成功した。
またヘラクロスこんじょうを手に入れて状態異常に強くなり、「こだわりハチマキ」「カムラのみ」などの新アイテムや「かわらわり」などの技の追加の手助けもあって一躍メジャーポケモンに上り詰めた。
特に「こんじょう」or「むしのしらせ」発動+「こだわりハチマキ」+「メガホーン」は(能力強化なしで)当時の物理攻撃最高火力を誇った。
ハッサムは特性こそ平凡な「むしのしらせ」だったが、念願のむしタイプ技ぎんいろのかぜを獲得した。

しかし新要素や新勢力の追加もあったものの、この世代でも総括してみれば不遇と言わざるを得ない状態だった。

第4世代

3世代に渡る不遇から一転、ようやくスタートラインへ。

この世代ではコロボーシ系統、性別で進化先が変わるミノムッチ系統、ひこう複合のミツハニー系統、進化後はむしタイプがあくタイプとなるスコルピ、ヤンヤンマの進化系であるメガヤンマが新たに追加。

技が大幅に整備され、威力80の安定した物理技シザークロス威力90の特殊技むしのさざめきなど強力な技が次々と追加された。
技が整ったことで「相手の弱点を突いて攻撃する」という当たり前のことがようやくまともにできるようになり、全体の使用率は大幅に上昇した。

メガヤンマ の むしのさざめき!!


特に新規組のメガヤンマは、強過ぎて対策必須と言われるレベルにまで到達していた。
テッカニンと同じ強力な特性「かそく」ですばやさを上げてからさいみんじゅつ(当時命中率70、最低でも2ターン「ねむり」にできた)を撃つ戦法がとにかく強力で、攻撃をさせても当時むしタイプ最強の「とくこう」種族値(116)から放たれる「むしのさざめき」「エアスラッシュで大ダメージを与えることができ、数多の対戦相手を次々にひんしにしていった。

「プラチナ」では、「さいみんじゅつ」の弱体化で勢いを失ったメガヤンマに代わってハッサムが大幅強化を受けた。
この時に追加された特性テクニシャンの恩恵を受けられる新技バレットパンチ」「むしくいを獲得し、「ダイヤモンド・パール」から覚えられるようになっれいた「とんぼがえり」と合わせて火力と小回りを両立できる強力なポケモンへと変貌を遂げた。
また、前世代から活躍していたヘラクロスインファイト」「ストーンエッジなど優秀な高火力技の追加で、よりそのパワーに磨きをかけられるようになった。
カイロスは第2特性としてかたやぶりを獲得、「かたやぶり」で「ハサミギロチン」を使用できるという個性を得た。

だが、同時に弱点であるいわタイプとの相性の影響を受ける設置技「ステルスロック」が追加。むしタイプの中でも、特にいわタイプを4倍弱点とするポケモンは登場しただけで瀕死に追い込まれるリスクを常に背負ってしまうこととなった。
さらにはフラットルールでのバンギラス解禁とカバルドンの登場により砂パが、ユキノオーの登場により霰パが環境に登場。
強力なポケモンであったヌケニンが倒されやすくなってしまう。

第5世代

最盛期の到来。

むしのしらせ


新規勢はくさ複合のクルミル系統、どく複合のフシデ系統、いわ複合のイシズマイ系統、お互い通信交換することで進化するカブルモチョボマキ、初のでんき複合であるバチュル系統、同じく初のほのお複合となるメラルバ系統、はがね複合のアイアント、そしてむしタイプ初の伝説級ポケモンでよりどりみどりの攻撃技を使いこなすゲノセクトが登場した。

攻撃技の強化は前世代から始まっていたが、この世代で「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」が1段階上昇するという破格の性能の積み技ちょうのまいが登場。
この技を引っ提げて、メガヤンマを超えたむしタイプ最高の「とくこう」種族値(135)を誇るウルガモスがシングル・ダブルを問わず大活躍を見せた。
また、多くの蝶や蛾モチーフのポケモンも「ちょうのまい」を習得し、活躍の場を広げた。

ウルガモス以外でも新登場組は軒並み強力で、ハッサムを凌ぐ火力を持つ物理アタッカーのシュバルゴラティオスを抜く素早さから「メガホーン」を撃てるペンドラー、テッカニンに次ぐ「すばやさ」と豊富な妨害技で相手を錯乱するアギルダー、特性「がんじょう」で1発耐えてからの「からをやぶる」で高火力を発揮できるイワパレス、非伝説のはがねタイプの中では当時最速ではりきりによる高火力とタイプによる高耐性を両立するアイアントと、個性あふれる頼もしい面々。
種族値合計が最下位のデンチュラでさえこれまでの序盤虫よりは種族値合計が上であり、無駄のない種族値分配と攻撃範囲に優れた複合タイプ、さらに優秀な特性により不遇とはとても言えない。

既存ポケモンにしても、バルビートイルミーゼが隠れ特性でいたずらごころを獲得し、サポーターとして大きく強化された。

今までの不遇ぶりがウソのように改善された。

だが、中でも一番の活躍を見せたのはやはり前世代からの強化が実ったハッサムだろう。
ドラゴン隆盛の時代、ドラゴンを半減で受け止められ、「とんぼがえり」「バレットパンチ」で相手の攻撃タイミングをかわしつつ戦える性能が評価され、シングルダブル問わず最メジャーポケモンの認定を受けた。

この世代こそ、むしタイプが最も輝いていた時期といっても過言ではない。

第6世代

通算4度目となる不遇時代。

こふきむし こふーらい びびよん


新たに追加されたのはコフキムシ系統のみ。
だが、最終形態ビビヨンは「すばやさ」89からの「ふくがん」+「ねむりごな」に加え、「ふくがん」+「ぼうふうふんじんといった強力な技を使いこなすなど侮れない性能をもつ。
ただ、そのせいでバタフリーが大変に可哀想なことになってしまったが……。

既存ポケモンではバタフリー、アゲハント、ペンドラーの種族値が若干の上方修正を受け、カイロス、ヘラクロス、ハッサム、スピアーにはメガシンカが与えられた。
加えて、ペンドラーは隠れ特性がまさかの「かそく」に変更された。むしタイプの「かそく」持ちとしては3匹目である。

技方面では「ミサイルばり」の威力が25に強化、「むしのさざめき」はみがわり」を貫通するようになった。
ねばねばネット」という場に出てきたポケモンの「すばやさ」を下げられる強力な設置技も登場した。

しかし、前世代で暴れ過ぎたツケが回ったのか、新登場のフェアリータイプに攻撃を半減されることになってしまった。
イメージ的には接点こそあれど強弱の関係はなさそうに思えるが、光属性としての側面が強いフェアリーに走光性のむしは抗えないということなのだろうか。
これによってむしタイプの技が半減されるタイプは7つになり、くさタイプと並んでワーストになってしまった。
ハッサムなど一部のはがねやどく複合組は逆にフェアリーの弱点を突いてやれるものの、それすら軽減するやつらもいるのがもどかしく、こいつらが環境に多いこともふまえるとかなり手痛い弱体化である。
加えて、ただでさえひこうタイプが弱点なのに、先制でひこうタイプの技をぶっ放してくる怪鳥が登場。
こいつの前には「かそく」も「ちょうのまい」も「バレットパンチ」も形無しで、多くのむしポケモンが為す術もなく屠られていった。
ORASでは超火力・高速・高耐久を完全に両立したひこうタイプのメガボーマンダまで出てくる有様。

追い打ちをかけるように、有利を取れるくさタイプがファイアローに追いやられて衰退し、そのファイアロー対策にいわタイプ技や「ステルスロック」の使用率が増加するというとんでもない三重苦状態に陥った。
弱点をつけるエスパータイプもゴースト、あくの2タイプがはがねタイプに半減されなくなるという強化を受けたことで衰退してしまっており、ますます弱点を突ける相手が減ってしまっていた。
上記のとおりあくタイプが前世代よりも増えたことで、あくタイプの弱点を突く機会が(若干)増えたのがせめてもの救いではある。

また、新たなルールのさかさバトルでは抜群7・半減3・弱点3・半減3と優秀なタイプ性能なのだが……、こおりタイプとくさタイプが猛威を振るっていたせいで、むしタイプは影が薄くなりがちだった。

こういったもろもろのむしタイプに不利な出来事が重なっていった結果、むしタイプは再び不遇の時代へと転落してしまっていた。
とはいえ他のタイプと比べて不遇というだけであり、もちろん強化されているところもいっぱいある。
……それでも他タイプが強化され過ぎていて、結局虫の息なことに変わりはなかったが。

第7世代

逆境からの新勢力参入。

Beauty and Expansion


サン・ムーン』のストーリー上で大きなカギを握るウルトラビーストのうち、マッシブーンフェローチェの2匹がむしタイプに参入する。
マッシブーンは「イマイチ耐久に乏しい」というむしタイプのイメージを真っ向から否定するようなガチムチ仕様で、対照的にフェローチェはある意味むしタイプらしいと言えるような尖ったステータスを持つ。
ウルトラビーストの扱いは準伝説級なので、通常レート戦で使えるむしタイプの伝説ポケモンが初めて登場したとも言える世代。

また、UBを除く一般ポケモンとして、新たに4系統が登場。

グソクムシャ [ポケモンカード風fanart]
オニシズクモ
アブリボンちゃん


中でも目を引くのは、アメタマ以来、そして最終進化形態で初めてのむし・みずの組み合わせであるグソクムシャオニシズクモの二体。
グソクムシャは典型的な耐久型の物理アタッカーで、新技であいがしらと専用特性「ききかいひ」によるトリッキーな動きも得意とする。
オニシズクモは専用特性「すいほう」を持ち、「みずタイプの技の威力が2倍、ほのお技半減、やけどにならない」という、メリットてんこ盛りのチート性能である。
この他脅威の「とくこう」種族値145を誇るでんき複合のクワガノン、高いすばやさでドラゴンタイプを上から叩けるフェアリー複合のアブリボンが登場。
どちらも序盤に出て来るポケモンだが、とても序盤に出て来るとは思えない強さを見せてくれる。

前世代から行われていた種族値修正は今世代も続き、アリアドス、アメモース、バルビート、イルミーゼ、イワパレスが強化を受けた。
特にアメモース「とくこう」「すばやさ」の2つが20も上がっている。
おかげでアゲハントがアメモースに種族値で完敗とより悲惨なことになるが……。

技の面では、登場したターンにしか使えないものの「しんそく」同様の優先度でありながら威力90という先制技トップクラスの威力を誇る「であいがしら」が登場。上記のグソクムシャの専用技だったが、『USUM』ではカモネギも覚えられるようになった。
相手に突撃し攻撃力を必ず下げる物理技とびかかる、攻撃技だが味方に使うと回復するという特殊な技かふんだんごも登場、さらにトリッキーな戦術を展開できるようになっていった。
また、それまで威力20ぽっちだったきゅうけつが、ここに来て威力80になるというとんでもない強化をされている。
ついでにこれまで「あなをほる」をだったはずの「わざマシン28」がこの技に変わるという謎の待遇まで受けている。

対戦環境では、メガボーマンダメガカイロスの「スカイスキン」、ファイアローの「はやてのつばさ」が弱体化したことでむしタイプが少しずつ息を吹き返すようになっていた。
しかし、ハッサムは「サイコフィールド」「じょおうのいげん」「ビビッドボディ」などの先制技を封じる手段の増加で相対的に弱体化を受けている。
特に得意なはずのフェアリータイプ相手に「バレットパンチ」が封じられるのはかなりの痛手。
しかし全体的に見れば前化環境よりも立場は大きく改善された。何よりファイアローの弱体化が大きい。

余談だが、『サン・ムーン』における悪の組織・スカル団ボスのグズマはむしタイプを中心としたパーティを使ってくる。
悪の組織のボスがタイプ統一パーティを使ってくるのは実にサカキ以来のことである。

第8世代

虫の息となるか、それとも逆境からの下剋上か。

イオルブ
モスノウ
🔥マルヤクデ🐛


新規はエスパー複合のイオルブ、こおり複合のモスノウ、ほのお複合のマルヤクデの3系統。
イオルブとモスノウは両方とも唯一無二の固有タイプ複合である。
新要素のキョダイマックスはバタフリー、イオルブ、マルヤクデの3匹に与えられた。
むしタイプのダイマックス技「ダイワーム」は「とくこう」を下げる効果を持ち、「むしのていこう」の上位版となっている。

この世代では、前世代に登場した「かふんだんご」がわざレコードに収録され、花に関係するポケモンを中心に覚えられるようになった。
そしてこれがマックスレイドバトルと第2弾DLCで追加された「ダイマックスアドベンチャー」において、非常に使い勝手の良い技として見出されている。
相手のダイマックスポケモンに攻撃するのも勿論だが、味方に使うことで最大HPの1/2を回復できるため、攻撃役兼即時回復役としてこの技を覚えているアブリボンバタフリーが重宝されるようになった。

今世代は使えるポケモンが著しく制限され、DLCによって段階を経て増えていくという形式を採っているため、同世代内でも段階によってむしタイプの地位は絶妙に変化している。

剣盾初期

燃えさかれ!


新規勢の内イオルブとマルヤクデはキョダイマックス持ちだが、いずれもキョダイマックス技はむしタイプではなく複合タイプの方の技である。
モスノウ専用の隠れ特性「こおりのりんぷん」は「ファーコート」の特殊版にあたる特性で、タイプ不一致であれば4倍弱点でも耐えられることも。

既存勢は過去作のトップメタが軒並み不在だった為か非常に地味で、いまいち力不足感が否めなかった。
クワガノン、アブリボンなど、前作からの実力者もいるっちゃいるのだが。
バタフリーのキョダイマックス技「キョダイコワク」は、相手全体に「どく」「まひ」「ねむり」のいずれかの状態異常を付与するという性能になっている。
テッカニンはじたばたとアクロバットを覚え、アタッカー性能が強化された。
アイアントは特性「はりきり」とダイマックスの相性が非常によいことから、広い攻撃範囲も相まった高火力アタッカーとして最初の環境では大暴れしてした。

しかし対戦環境を見てみると、強力な技が追加されたゴーストタイプが蔓延しており、さらにひこうタイプもダイジェットの強力さから数を増やしていた関係上、ただでさえ良くないむし技の通りはさらに悪くなっていた。
ひこう・はがねタイプを対策するためのほのお技やいわ技の採用も増えており、環境にむし技が効きづらい相手も多いことから、非常に厳しい立ち位置となっていた。
数少ない抜群が取れる相手のくさタイプエスパータイプも、ダイジェットの流行、ゴースト対策のあくタイプの増加により、特にシングルではほとんど見られなかったことも向かい風。ダブルでならまだ一定数見られたが、他のタイプでなんとかなるケースが多く出番が取られがちだった。

鎧の孤島

『鎧の孤島』ではストライク系統、カイロス、ヘラクロス、フシデ系統が現場復帰。
新技として「はいよるいちげき」が追加されたが、とくこうを下げる効果はともかく、なぜか威力が70、命中が90しかない。
とくこうを下げるだけなら「ダイワーム」で済むため、追加技の中では最も使い道が迷子な技になってしまっている。もちろん、ダイマックスを切らずともダイワームの効果を使用できるというのは利点だが。むしタイプ以外ではノコッチ、ミロカロス、トリトドンといった水や砂に潜むポケモンや、一部のあく・ゴーストが主に覚えられる。

過去作のトップメタ筆頭だったハッサムは「メガシンカ」「むしくい」を、ウルガモスは「あさのひざし」「めざめるパワー」を、更に両者とも「はねやすめ」を奪われてしまっており、以前ほどの活躍はできていない。
カイロスとヘラクロスメガシンカ没収によって第一線から退いた。
一方でペンドラーはバトン要員として相変わらず優秀で、地味に剣盾で使用できるポケモンでは唯一のどく・むし複合である。
「ダイジェット」の影響もあって依然として対戦環境での立ち位置は改善されていなかったが、それでもトップメタが復帰したことは大きなアドバンテージであり、多少なりとも勢いを取り戻した。
なお、シリーズ6で禁止となったポケモンは1体もいなかった。つまり、シングル・ダブルともに使用率でトップ10に入ったむしポケモンは一匹もいなかったということである。
喜んだらいいのやら悲しんだらいいのやら……。

冠の雪原

『冠の雪原』では化石ポケモンのアノプス系統、ウルトラビーストのマッシブーンとフェローチェが復帰。
対戦ではフェローチェが大暴れしており、「インファイト」に加えひこうタイプの弱点を突ける「トリプルアクセル」を手に入れて、シングルで八面六臂の活躍を見せている。ダブルでは「コーチング」「スピードスワップ」を活かしたサポートまでこなす。
マッシブーンも念願の「インファイト」を習得できるようになり、火力と汎用性が大きく上昇した。

ランクバトルの「竜王戦ルール」では禁止級ポケモンが1匹だけ使用可能になった。……が、むしタイプで該当するのは幻枠のゲノセクトのみで、実質禁止級は不在である(現在禁止級が(実質)不在のタイプはノーマル・くさ・むし・いわの4タイプのみ)。
代わりにトップメタのザシアン対策として、ヌケニンが多く使われるようになった。あつぞこブーツの追加も大きい。

DLC解禁を通じてドラパルトなど一部ゴーストタイプの勢いは弱まったものの、逆にひこうタイプが勢いづいて躍進し、結果としてむしタイプの地位は大して変わっていない。
フェローチェが何とかシングル環境に食らいつけているのが、せめてもの救いと言えるか。

環境の外では、むしタイプ界隈には無視できない快挙が起きていた。
モスノウの進化前ユキハミである。
2020年の「Pokemon Day」より投票企画『ポケモン・オブ・ザ・イヤー』において、新規勢でありながらまさかの総合票数30位を記録したのである。これを契機にむしタイプへの関心が募るかどうか、注目すべきものはあるだろう。

全体的に見てみると、「ダイジェットの流行」「ゴーストタイプの増加」などが重なった結果不遇となった時期が最も多く、最も最底辺に近いタイプであることは否めないだろう。
それでもを見せているポケモンも存在しており、世代を重ねるにつれて強化されているのは勿論である。これからのむしタイプがどうなるか、決して油断できない。

外伝作品

ポケモンGO

現状、ほとんどの面において不遇なタイプの一つ。

ジムバトル・レイドバトルにおいては、「むしのさざめき」等一部を除いてむしタイプのゲージ技が総じて弱いのが大きな問題であり、ラインナップは他のタイプに比べて大きく遅れを取っている。
そのため、むしタイプで弱点を突くくらいなら他のタイプの技を使ってしまった方が早く終わるため、出番はせいぜいむしタイプの二重弱点を抱えているポケモン(ナッシーダーテング等)の相手をする程度に限られる。
トレーナーバトルでは技の性能が全く違うため多少はマシな戦いができるが、こちらは技の性能よりも紙耐久やタイプ相性が問題となりがちであり、ここでもあまり目立った活躍はできていない。

捕獲面でもプレイヤーの苛立ちを誘い、不快感を与えるポケモンが少なくない。
遠い・動き回る・低捕獲率と面倒な点の多いヤンヤンマ、かつてイベント期間と雨天が重なるごとに大量発生していたバルビート、CPに対しての捕獲率が異様に低い上に個体数の少ない♀でなければ進化させられない等育成面でも問題が多いミツハニーなどが挙げられる。

一応、レア度が低いポケモンが多いため、たくさんゲットしやすい・アメを集めやすい点は評価できる。
特にカイロスは①雨天に出現しやすく、②技がなかなか強力で、③進化でアメを消費しないため強化もやりやすく、初期の戦力としてはうってつけとして評価が高い。
ミュウツーレイドの要員が足らないのでシザークロスを覚えたカイロスを入れていたというプレイヤーも多かったことだろう。

そんなわけで現在は不遇であるが、カイロスハッサムヘラクロスメガヤンマゲノセクトのようにステータス自体は優秀な種族もいるため、技の追加・仕様変更等のテコ入れ次第で輝く可能性は十分ある。今後に期待しよう。


タイプ相性と特性

タイプ相性

攻撃側タイプ
抜群(2倍)くさ、エスパー、あく
今ひとつ(0.5倍)ほのお、かくとう、どく、ひこう、ゴースト、はがね、フェアリー
効果なし(無効)-
防御側タイプ
抜群(2倍)ほのお、ひこう、いわ
今ひとつ(0.5倍)くさ、かくとう、じめん
効果なし(無効)-


言わずもがな虫を引き寄せて焼き尽くしてしまうほのおタイプや捕食者であるひこうタイプ、重量で押しつぶしてしまういわタイプには弱い。
一方で、捕食対象であるくさタイプには強い。ここら辺は連想ゲームがしやすい部類であるが、むしタイプが弱点を突けるタイプにエスパータイプあくタイプが入っていることに疑問を覚える人も少なくない。「虫が嫌いな人は多いため、人間がモチーフのエスパータイプやあくタイプには強い」という説、「某特撮ヒーローをリスペクトしたもの」という説などが囁かれている。(第一号のモデルのが未だにポケモンになっていないのは内緒である。また、エスパータイプに対抗できる点ではこのヒーローがリスペクト元とも言えなくは無い)
前者の説では、エスパータイプあくタイプはどちらも心を表している点、特性びびりの対象にむしタイプが含まれることなどから、むしタイプの攻撃は「心を乱す」要素が少なからず含まれているものとも考えられる。
むし技の「とびかかる」「シグナルビーム」「まとわりつく」などは最たるもので、こんな攻撃を受けてしまっては瞑想や悪だくみなんてとてもしていられないだろう。

かくとうタイプは修行で鍛えた心、フェアリータイプは心を浄化させる力があったり、蝶が関連づけられるモチーフだから半減ですむのかもしれない。ゴーストタイプはもともとが得体のしれない存在であるから、虫が飛びついたくらいでは何にも感じないのかもしれない。幽霊屋敷に蜘蛛の巣が張っているイメージなどとも関係があるかも。はがねタイプに半減されるのは、言わずもがな鋼は牙や針を全く通さないからであろう。

じめんタイプを半減してしまうのは、昆虫には地面を掘って生活する種類が多く存在するからだと思われる。高いところから虫を地面に落としても何ともないこともあるかもしれない。
かくとうを半減してしまう理由は不明だが、潰した時に粘液などのイヤな感触が残るからという説がある。(ハエやトンボなどは捉えどころのない動きで打撃を回避してしまうからだろうか?)。

第1世代ではどくタイプが弱点に据えられていたが、恐らくは殺虫剤からの連想だと思われる。むしタイプの不遇さが問題になったのか、等倍に改められた。一方で、むしタイプの攻撃をどくタイプが半減するという相性はそのままとなった。

タイプ特性


むしタイプのポケモン一覧

※剣盾(ポケモン剣盾に登場するか否か)が◎になっているものは追加DLCで出現しポケモンホーム開始とともに剣盾に送れるもの、△になっているものは今後のDLCで登場予定となっていることを表します。
伝説のポケモン幻のポケモン太字で記載。

第1世代

No.初期No.中間No.最終剣盾
010キャタピー011トランセル012バタフリー
013ビードル014コクーン015スピアー
046パラス047パラセクト--
048コンパン049モルフォン--
123ストライク--
127カイロス----


第2世代

No.初期No.中間No.最終剣盾
165レディバ166レディアン--
167イトマル168アリアドス--
193ヤンヤンマ--
204クヌギダマ205フォレトス--
212ハッサム--
213ツボツボ----
214ヘラクロス----


第3世代

No.初期No.中間No.最終剣盾
265ケムッソ266カラサリス267アゲハント
268マユルド269ドクケイル
283アメタマ284アメモース--
290ツチニン291テッカニン--
292ヌケニン--
313バルビート----
314イルミーゼ----
347アノプス348アーマルド--


第4世代

No.初期No.中間No.最終剣盾
401コロボーシ402コロトック--
412ミノムッチ413ミノマダム--
414ガーメイル--
415ミツハニー416 ビークイン--
451スコルピ--
469メガヤンマ--


第5世代

No.初期No.中間No.最終剣盾
540クルミル541クルマユ542ハハコモリ
543フシデ544ホイーガ545ペンドラー
557イシズマイ558イワパレス--
588カブルモ589シュバルゴ--
595バチュル596デンチュラ--
616チョボマキ617アギルダー--
632アイアント----
636メラルバ637ウルガモス--
649ゲノセクト----


第6世代

No.初期No.中間No.最終剣盾
664コフキムシ665コフーライ666ビビヨン


第7世代

No.初期No.中間No.最終剣盾
736アゴジムシ737デンヂムシ738クワガノン
742アブリー743アブリボン--
751シズクモ752オニシズクモ--
767コソクムシ768グソクムシャ--
794マッシブーン----
795フェローチェ----


第8世代

No.初期No.中間No.最終
824サッチムシ825レドームシ826イオルブ
850ヤクデ851マルヤクデ--
872ユキハミ873モスノウ--
900バサギリ--


メガシンカポケモン

ポケモン
メガスピアー
メガカイロス
メガハッサム
メガヘラクロス


フォルムチェンジ

No.ポケモン形態名
493アルセウスたまむしプレート
773シルヴァディバグメモリ


むしタイプポケモンの主な使い手

ツクシ
リョウドラピオン
ツクシリョウ
ジムリーダー(ジョウト)四天王(シンオウ)
森の人気者
ビオラさん
アーティビオラ
ジムリーダー(イッシュ)ジムリーダー(カロス)
ポケモンSM グズマとグソクムシャ
グズマ
スカル団


その他のタイプ

ノーマルタイプほのおタイプみずタイプ
でんきタイプくさタイプこおりタイプ
かくとうタイプどくタイプじめんタイプ
ひこうタイプエスパータイプむしタイプ
いわタイプゴーストタイプドラゴンタイプ
あくタイプはがねタイプフェアリータイプ


関連タグ

ポケモン ポケモン一覧 ポケモンのタイプ一覧 ポケモン技絵
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