「じじ じじじ」
基礎データ
全国図鑑 | No.0894 |
---|---|
カンムリ雪原図鑑 | No.200 |
ローマ字表記 | Regieleki |
ぶんるい | エレクトロンポケモン |
タイプ | でんき |
たかさ | 1.2m |
おもさ | 145.0kg |
せいべつ | 不明 |
とくせい | トランジスタ |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | レジエレキ | レジ+エレキ |
英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・イタリア語 | Regieleki | 日本語名に同じ |
韓国語 | 레지에레키 | 日本語名の音写 |
中国語 | 雷吉艾勒奇 | 日本語名の音写 |
ロシア語 | Реджилеки | 英語名の音写 |
タイ語 | เรจิเอเลคิ | 日本語名の音写 |
これまでのレジ系同様、世界的に読みが統一されている。
概要
『ポケモン剣盾』のDLC第2弾「冠の雪原」で新たに登場した伝説ポケモン。
所謂「レジ系」の系譜で、点字のようなもので構成される顔など多くの特徴を受け継いでいる。
電球のようなシルエットの体から、いかにも放電しているような枝分かれした腕が伸びるというでんきタイプのポケモン。見た目に違わずほとんどが電気エネルギーで構成されており、自身も電子を吸収して生きている。
そのためか、でんきタイプ随一の威力で電気技を放つことができるとされ、腕の内側には大量の電気エネルギーが溜まり光っている。
電球のように見える原因となっているリング状の部分は、レジエレキ本来の器官ではないらしい。
この部分は絶縁体でできており、レジエレキが撒き散らす雷電に苦しめられていた古代の人々が、その力を制限するために施した物ではないかという説が出ている。
体色は標準色が黄色に青色のリングで、色違いはリングの色が銀色に変わる。
なお、レジ系の中では最も小さく、顔の点字はアルファベットの「X」のような配置になっている。レジギガスに次ぐ大きさで、「Y」のような配置になっている同期のレジドラゴとは対照的である。
ゲーム上の特徴
「カンムリ雪原」の「三つまたヶ原」に存在する「定めの遺跡」にて、レジドラゴと共に眠りについている。
遺跡の扉を開けるには、まず他の遺跡でレジロック・レジアイス・レジスチルを捕獲し、それらを手持ちに加えた状態で、扉を調べる必要がある。
最後に遺跡内部の床にあるスイッチを、レジエレキの顔の点字の形と同じになるように踏んで光らせ、石像を調べると戦える。
ただし、1度戦うとスイッチが固定されてしまい、同じロムではレジエレキしか入手できなくなる。戦うまではスイッチは固定されないので、捕獲する前によく考えよう。
ちなみに、捕獲するまでは倒しても逃げてもスイッチを光らせるたびに復活するので、いわゆる「厳選」行為も可能。色違いも出る。
モーションでは小さな足でぴょんぴょん飛び跳ねる様子が印象的。
元々レジ系に妙な愛嬌を見出す向きは一部であったのだが、レジエレキは小さな体も相まって無邪気な子供みたいでかわいいという意見が特に多く見られる。
対戦での評価
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 | |
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レジエレキ | 80 | 100 | 50 | 100 | 50 | 200 | 580 |
レジドラゴ | 200 | 100 | 50 | 100 | 50 | 80 | 580 |
マルマイン | 60 | 50 | 70 | 80 | 80 | 150 | 490 |
レジドラゴとは大半のステータスが共通しており、「HP」と「すばやさ」のみが入れ替わる形になっている。その「すばやさ」に200という数字が入ったことが本種最大の特徴である。
これは過去最速であったデオキシス(スピードフォルム)の180を超え、全ポケモン中最速の地位に躍り出たことを意味している。
どれくらい速いかと言うと、無補正無振りでも『剣盾』のトップメタであった最速ドラパルトを抜いているほど。ギャラドス程度なら「りゅうのまい」を1回舞ったくらいではまだ追い付けない。準速なら1舞ボーマンダ、最速なら雨天下「すいすい」キングドラよりも速くなる。
逆に言えば、「トリックルーム」には最も弱くなる・・・と思いきや、特殊な処理が行われる関係で、レジエレキの足があれば「その先」に行けることが判明している。リンク先で解説されている通り、現実的に達成するのは厳しい条件ではあるが。
このポケモンの登場で、でんきタイプ全体の「すばやさ」平均が3も上がり、全タイプ最速のタイプになっていたりもする。
もちろん、一箇所にそんな極端な値を振り分けてしまった以上、他の能力はお察しである。特に耐久面は一般ポケモンと比べてもかなり低く、マルマインに負けるレベルである。
ただ、とくせいの「トランジスタ」の効果ででんき技に限っては火力も申し分ない・・・どころか、全盛期のカプ・コケコを僅かに上回るというこれまた規格外な値に達する。
しかも、これは単純に「10まんボルト」を放った場合で比較した話である。「ダイサンダー」にしたら言わずもがな。
様子見で「ボルトチェンジ」を使うだけでも耐性を持たない相手には非常に厄介なものになるため、パーティにいるだけで相手の選出を縛ることができる。
さらに、「サンダープリズン」という専用技も持つ。やや命中不安である代わり、相手にバインド効果とスリップダメージを与えるというこれまた優秀な技である。
ただし、追加効果の発動には使用者の生存が不可欠であり、低耐久なレジエレキとの相性は悪い。残念ながら普通に殴る方が優勢である。
でんき技以外は火力以前に選択肢にも恵まれない。ノーマル・ひこうと「ダメおし」「げんしのちから」のみと碌な相性補完になっておらず、使い勝手の良いサブウェポンを全く覚えないという明確な弱点も抱えている。
でんき技が通る相手には滅法強いが、逆にじめんタイプを始めとした通らない相手には滅法弱いという、かつてない程に役割が明確化したポケモンである。
「でんじは」「かいでんぱ」「エレキネット」「リフレクター」「ひかりのかべ」と変化技はそれなりに揃っているので、半ば消去法的にサポーターを兼ねることが多い。
それらの効果が高くなり、横から苦手な相手の牽制もできるダブルバトルの方が強みを活かしやすいと言える。
こんな速さであっても「こだわりスカーフ」で更に加速させる型も出現した。
冗談みたいな話であるが、仮にドラパルトあたりに同じことをされると流石に抜き返されてしまう上、「ダイジェット」で加速しながら戦うポケモンも当たり前のようにいたため、それらを牽制するためには決して無駄な行為ではなかった。
また、ダブルバトルでは「いたずらごころ」持ちのポケモンを横に据え、「すりかえ」で「ねらいのまと」を相手のじめんタイプに押し付けて強行突破するという荒業も編み出された。
シングルバトルでもレジエレキに化けたゾロアークでじめんタイプを呼び、そのまま「トリック」をして本物に繋ぐという形で試みるトレーナーはいた。
いかに本種のでんき技が強力無比であったかを物語るエピソードである。
使用率はレジ系でダントツに高く、シングルでは30位以内、ダブルに至っては1位経験もあるという目覚ましい戦績を残した。
ポケモンには「でんきタイプの『準伝説』は強い」というジンクスのようなものがあったのだが、本種も例外なく踏襲したと言える。
当初は特殊型が大半であったが、「禁止級」が解禁される頃になると「とつげきチョッキ」持ちや特殊耐久メタの「ワイルドボルト」「ダメおし」両刀型も登場し、メタがさらに進むと物理一本に絞った型も珍しくなくなった。
幻のポケモンが解禁されても、史上稀に見る「でんじは」が飛び交う環境にあって、無効にできるアタッカーということでそこそこ善戦した。このレギュレーションにおいてスイ-パーとして活躍していた最速「こだわりスカーフ」ビクティニを、準速でも抜けていたのも大きかった。
第9世代
「すばやさ」は変わらず首位をキープしたものの、前世代での暴れっぷりから「トランジスタ」の倍率が1.5倍から1.3倍へと低下するナーフが入ってしまった。
対でありタイプ違いのレジドラゴの「りゅうのあぎと」は1.5倍のまま変わっていないため、完全にレジエレキピンポイントの調整である。
理由として考えられるのは未来パラドックスを扱う都合上、トランジスタとエレキフィールドとテラスタルのシナジーが他の特性以上に噛み合っていることだろうか(ドラゴンタイプにはない利点である)。
第8世代の火力であれば今世代トップメタのパオジアン等を「10まんボルト」で確定1発にできるはずであったところ、これによって確定2発になってしまっている。
レジエレキは耐久を犠牲にしているポケモンなので、1発で倒し切れる相手が減少するというのはかなり手痛い。
また、ただでさえ乏しいサブウェポンから「ダメおし」と「とびはねる」が消されたため、ノーマル技と「げんしのちから」「アクロバット」しか残らないという酷い有様にまで陥ってしまった。
もっともどちらも前作では「ダイマックス技の補完」という面でしか使われておらず(特にダメおしはダブルでも相性が悪かった)、消されなくても使われたのかは疑問。それはそれとして技範囲の狭さが悪化したのも事実だが。
一応、新システムのテラスタルは追い風であり、セットで実装された「テラバースト」を活かすことでこの惨憺たる技範囲を補えた。元々耐久に期待できないポケモンであるため、耐性劣悪なこおりタイプになっても問題なく立ち回れる。
ただ、1試合1回しか切れないテラスタルを使うほどの価値はあるのかという疑問は付き纏う。
元々、レジエレキの火力は「トランジスタ」ありきであり、それが適用されないサブウェポンの火力は凡庸もいいところである。等倍ではまず1発で落とせず、反撃で致命傷は免れない。明確な有利対面を作れない限りはどのみち詰むのである。
そしてこれは電気タイプ全体の問題なのだが、本作は地面タイプが環境に蔓延しており、さらに地面タイプの流行や胞子無効のために草テラスタルが伝説級以降特に流行っており、電気の通りが非常に悪い。
レジエレキに限らず電気タイプそのものが伝説を除けば一部の強力なポケモンくらいしか使われていないほどである。前作トップメタもひどく落ち込んでいるほど。
そもそもトランジスタのナーフがなくともレジエレキの耐久の低さはダイマックスで誤魔化せていた部分もあるため、「ナーフがなくても厳しかったのではないか」という意見も多い。
パワーインフレも進んでおり、高速帯でも火力や耐久を兼ね備えることが前提になってきた。
先制技も目立ち、それをテラスタルで強化して放つこともザラになった。
こうなると、一致技ですら弱体化したレジエレキの肩身はますます狭くなってゆく。
先述のパオジアンにしても、強力な「ふいうち」を持つので、実際には弱体化の有無を問わず「きあいのタスキ」が手放せなかった。流石に持ち物補正がないなら無振りでも耐えられるが。
タスキは向こうも持っていることが多かったので、一周回って「サンダープリズン」が評価されたりもした。
サポーターとしての力は衰えておらず、テラスタルの必要性も薄いため、こちらの路線が基本になるだろうか。
ダブルバトルではエレキネットによる全体素早さ低下を最速で行えることから下がったといってもそれなりに使われていた。
ちなみにレジ系のお約束でだいばくはつを習得するので、「ノーマルジュエル+ノーマルテラスタル大爆発」で等倍以上なら伝説級でも先手を取ってほぼ一掃できる。守られりゴーストテラスタルで透かされた場合はお察しください。
藍の円盤では電気版とびげりのサンダーダイブが追加されたため、物理型は総合的な火力はナーフ込みでも剣盾の頃より上昇。
…が、前述した通りこの時点で地面・草がテラスタル含めて流行って電気タイプはほとんど死滅状態だったため、全く話題にならなかった。
「禁止級」解禁戦でも変わらず不振は続いたが、並み居る超速に対抗できる足を活かしたスイ-パーなどとして、どうにか環境の末席には残っていた。
余談だが、『SV』では「レッツゴー」というフィールド上で使える指示があり、これを行うと手持ちの先頭が野生ポケモンに向かっていって勝手にバトルをしてくれる。
最速のポケモンであるレジエレキは、さぞものすごい勢いで倒してくるのだろう・・・と思いきや、ぴょんぴょんする動きが優先されて到底期待の持てる速さではなかったため、この面でも残念に思ったトレーナーも一定数いたりする(レッツゴーの挙動と種族値の素早さが関係ないのは実はブロロンの時点でわかってはいたことだが)。
使用トレーナー
アニメ版
番外作品
ポケモンユナイト
2022年9月2日の「テイア蒼空遺跡」実装と共に登場。同マップの一番上(画面奥側)に出現する。
役割的には従来のロトムに準じており、当初は中立のポケモンとして双方を攻撃し、倒された後は最後にダメージを入れたポケモンが所属するチームの味方に付いて相手チームのゴールを破壊しに行く。
強さはロトムより格段に上で、単独で挑むと返り討ちにされかねないほど。
ポケモンGO
2023年4月9日にエピックレイドとして実装され、以降通常のレイドバトルにも登場している。
本作では素早さの種族値が攻撃と防御の補正値に変換され、一般的に素早さが最も高いポケモン、両刀型の種族値のポケモンはこの時点で種族値が低くなってしまう傾向があるが、レジエレキは素早さが異常に高いため攻撃種族値は250とまだ使えるレベルには達している。但し、デンジュモク、ゼクロムには全て負けている。
レイドバトルに於いてアタッカーとして活躍するには当然攻撃種族値の高いポケモンで戦うことになるため上述の理由で採用されることは少ない。一方、種族値の低いポケモンはトレーナーバトルのCP制限のあるリーグで採用されやすい。採用の基準として防御・HPが高い種族、攻撃が高くても通常技の威力が大きい種族といった傾向にある。レジエレキはこの基準に微塵も釣り合っていない。
また、威力の高いゲージ技を撃つためには通常技を撃つことによるチャージが必要だが、これに関してもチャージ力の高い「ロックオン」を覚えているためゲージ技を速いスパンで繰り出せる。ゲージ技は「かみなり」「でんじほう」「はかいこうせん」と全てフルゲージであるものの、前述のおかげで使いにくさは解消している。但し、原作で鈍足だったレジロック、レジアイス、レジスチルも覚える。
このように、レジエレキは強いには強いが、他のポケモンと比較するとどうも微妙な立ち位置になってしまう。2023年秋に「ボルトチェンジ」を覚えたが、状況は大して好転していない。
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
ゴウのレジエレキ
- 新無印113話で野生の個体として初登場。プロジェクト・ミュウにおける最後のトライアルミッションの一つとして捕獲を課せられたゴウ達と対決。
- 先手で出したゴウのフライゴンの前では、相性の不利関係無く伝説に相応しい強さで追い詰めたが、最後はゴウのエースバーンとシゲルのカメックスの連携プレーを前に敗れ、ゴウに捕獲された。捕獲後はそのままゴウのポケモンとなっており、「準伝説」としてはスイクンに次ぐ二匹目となる。
- 新無印本編においては、ゴウが最後にゲットしたポケモンでもある(最終話でもポケモンゲットの描写があるが、何のポケモンか映されていないのでカウント不能)。
- 136話でも少しだけ登場し、OPにも登場している。
- なお、ゲーム中とは異なり2人同時にスイッチ操作をしたためレジドラゴと共に出現している。レジドラゴの方はシゲルが捕獲している。