概要
の非公式の総称である。名称の由来は、皆名前が「レジ(Regi)」から始まるため。
『ソード・シールド』ではピオニーによって「伝説の巨人」と総称されている。
レジ系には以下の特徴がある。
- 単タイプ
- レジギガス以外は「レジ〇〇〇」の〇〇〇に「それぞれのタイプに沿った3文字」が入る
- レジギガス以外は合計種族値が580
- レジギガス、レジスチル以外の種族値は200,100,100,80,50,50を並べ替えたもの
- レジエレキ、レジドラゴ以外はかくとうタイプが弱点
レジロック、レジアイス、レジスチルの3匹のみを指す場合は「レジトリオ」という俗称も使われる。
なお、レジエレキ、レジドラゴの2匹のみを指す俗称は今のところ特にない(ピオニーは「双子の巨人」と呼んでいる)。
一覧
入手方法
他の準伝説とは違い、レジ系捕獲の際には大抵の場合謎解きの要素が絡む。
初登場の第3世代からして、入手するヒントを得る為に点字を読む必要があった。
第8世代ではさすがに点字は読まなくてよくなったが、彼らの眠る石室を開けるために、扉に書かれた暗号を解読しなければならない(レジロックとレジアイスはなぞなぞレベルの簡単なものだが、レジスチルは条件に当てはまりそうな行動が多いためいろいろと試す必要がある)。
レジギガス、レジエレキ、レジドラゴは入手条件自体には謎解きは絡まないが、他のレジ系を連れて来ないと捕獲可能にならないので結局謎は解かないといけない。
しかもレジギガスが登場した第4世代以降、ほとんどの場合1つのソフトでレジ系を全種揃えることができず、通信や映画配布の特別なポケモンを必要とする。『剣盾』ではロック・アイス・スチルが1つのソフトで全部揃うため問題ないかと思いきや、新登場の2匹のレジが1つのソフトで片方しか手に入らない仕様のため結局通信が必要。全種コンプリートはなかなかに困難を極める。
例外はORASの2本及び『ウルトラムーン』。
『ウルトラムーン』は他のレジ系を連れて行かなくてもレジギガスと会えるという破格の条件ではあるものの、ウルトラワープライドへの挑戦という別の意味で面倒な作業を繰り返す必要がある。
そういう意味ではORASが一番レジを揃えやすいか。ただ、こちらでもレジギガスを出現させる条件は結構ややこしいので、事前にちゃんとネットで確認しておく必要はある。
ちなみにレジトリオは初登場の『ルビー・サファイア』をはじめ、『プラチナ』、『ブラック2・ホワイト2』、『オメガルビー・アルファサファイア』、『ウルトラサン・ウルトラムーン』『ソード・シールド(冠の雪原)』の6作品に登場しており、伝説ポケモンの中には過去作のBGMをそのまま流用しているケースがあるがレジトリオのBGMは世代が変わるごとに(第7世代を除き)アレンジされている等妙なところで優遇されている。
性能面
高種族値ポケモンによくある「分かりやすく強い」とは正反対の尖った性能の持ち主であることが多い。
特に最初に登場したレジトリオは全て耐久系の種族値が極端に高く、それまでスイクンやフリーザーしかいなかった耐久系準伝説が一気に3匹も増えたことでファンに衝撃を与えた。後発の3匹(レジギガス・レジエレキ・レジドラゴ)は種族値バランス自体は良好だが、特性や習得技の制限がかかり、万能型からは遠い。
このため第7世代までは対戦環境を席捲できず、登場した第3世代ですら他の伝説ポケモンやメタグロス・ボーマンダの陰に隠れていた。
第8世代になって、すばやさ200を手にしたレジエレキが特にダブルバトルで注目され、レジ系で初めてトップメタに躍り出た。他の種族もレジアイスを除いて躍進し、特にレジスチルはてっぺき+ボディプレスのコンボでシングル、ダブル共に大きな注目を集めている。特にポケモンジャパンチャンピオンシップス2021ではレジエレキ・レジドラゴ併用パーティが優勝、レジエレキ・レジロック併用パーティがベスト4と、これまでにない大活躍を果たした。
また、第8世代は歴代で最もレジ系が使用された世代であり、特にレジスチルやダブルのガス中毒レジギガスの躍進は有名。ただ、双方ともに一線級にまで至らず、結果的にシングルでもダブルでもレジエレキの独壇場となった。
ポケモンGOでは
他の伝説ポケモンと同様、レイドバトル限定のポケモンとして登場。2018年6月に一番手としてレジアイスが実装されており、その後7月、8月にレジスチル、レジロックの順で実装された。
原典同様伝説ポケモンの中では攻撃力が低めであることから、実装当初は攻撃力の高さが重視されやすい(本作にすばやさやとくせい等のシステムはない)本作のゲームシステムとは噛み合わないと言われ、プレイヤーからの人気はイマイチであった(特にレジスチルは都市部のジムに襲来しても全くと言っていいほど人が集まらずにレイドが成立しないことも珍しくなく、伝説ポケモンのレイドの中ではぶっちぎりの不人気となってしまった)。
しかし、トレーナーバトルの実装後は、攻撃力の低さが逆に幸いして、リーグの制限内で高耐久を維持しやすいことからプレイヤーの間で一定の需要が生まれるようになった。特にレジスチルは交換でCPを落とさず、即戦力としてスーパーリーグで使用可能な数少ない伝説ポケモンの1匹として有名。
そして、翌年にGOロケット団およびその手持ちであるシャドウポケモンが実装されると、その優れた耐久性の高さが再評価されるようになり(シャドウポケモンは通常の個体と比べて攻撃力が異常なまでに強化されており、こちらの繰り出すポケモンに相応の耐久性の高さが求められるため)、特にひこう・ドラゴンの弱点をつけるレジロックとレジアイスの需要が高まっている。
2019年11月には遂にトリオマスターに当たるレジギガスが正式実装され、それにちなんだイベントも実施された(この時3匹の色違いおよび専用技の「ロックオン」も実装)ことで、レジ系に再び注目が集まることになった。
2022年の上半期に第8世代の本格実装に先駆け、エピックレイドのレイドボスとしてレジドラゴ(3月11日実施)、レジエレキ(4月9日実施予定)が登場。
これにより現時点で実装されているレジ系は全員ゲーム内に登場することとなった。
ポケモンレンジャーシリーズでは
どのシリーズでも伝説のポケモンという肩書きの割にはストーリーにそこまで深く関わって来ない。
初代ではエンディング後のダンジョンにある扉の奥(レジロック:シクラさんみゃく/レジアイス:パヌラのどうくつ/レジスチル:クロッカトンネル)でキャプチャする事が出来るが、ブラウザの完成に必要というだけで旨味はない。
続くバトナージでは高威力のフィールドわざを使ってターゲットクリアする石像を壊すと出現するようになる。更に、ブラウザを完成させ、この三匹を連れた状態でカバルドンしんでんの奥地に向かうと第4世代さながらにレジギガスキャプチャに挑戦する事が出来る。ちなみに、まともに伝説のポケモンとして掘り下げられたのがこの作品だけである。
光の軌跡では例の3体はリストラされ、彼らのボスであるレジギガスが怪盗団「ティーパーティー」のメンバーアックスに操られるという形で登場。キャプチャ後は伝説のポケモンの癖にレンジャーサイン獲得イベントもなく、出番が終了する…レジギガスさんマジレジワロス。一応、「いつでもなんどでもキャプチャにトライできるんだマシン」で再度キャプチャは出来るが、それにしたってあんまりな扱いではなかろうか?
ちなみにこの中でレジスチルは鉄球を落とすという本家では使って来ない技を持っていたりする。
伝承について
レジギガスを除くレジ系はレジギガスが造ったポケモンとされ、氷山(→レジアイス)、岩石や粘土(→レジロック)、マグマ(→レジスチル)を材料に自分に似た姿のポケモンを造ったという図鑑説明が存在する。レジドラゴもまた、レジギガスがドラゴンエネルギーの結晶から造ろうとした存在とされている。そのため未完成であり、にもかかわらず強大な力を秘めていたため、完成を恐れた古代の人々はレジドラゴを封じたとされる。
ホウエン地方においては人々に恐れられたことで遺跡に封印されたという伝承が残っている。
強大な力を持っていたことが原因なのか、それともその無機質性ゆえなのか、はたまた何らかの原因で人間と対立したことがあったのかは現時点では不明である。
その伝承を今に伝えるおふれのせきしつやレジ系が出現する各ダンジョンの碑文は点字で描かれており、レジ系の目もさながら点字を模したようなデザインだが、レジ系はアンノーン文字の文化圏(シンオウ)やイッシュ地方、ガラル地方など点字の文化圏以外でも別個体が多数存在しており、文化圏を超えて崇められた存在である事を窺わせている(尤も、レジエレキとレジドラゴが封印されている遺跡は世界広しと言えど、現状はガラル地方だけである)。
レジギガスは、その巨大さや各種プレートの裏に書かれていた記述を見るに、アルセウスとの関連性が指摘されている。
アルセウスのタイプを変えるアイテムである「プレート」は元々「たおしたきょじんたちのちから」を封印したものであり、更にプレートにはノーマルタイプが第八世代まで存在していなかった。
つまりノーマルからはがね(第4世代当時フェアリーはないが何故かプレートは後から登場している)までの17の巨人のうち16をアルセウスが倒したということになる。
とすればレジギガスは「アルセウスが倒さなかった(倒せなかった)唯一の巨人」なのでは?というものである。
そして、『LEGENDSアルセウス』にてついにノーマルタイプのプレートである「まっさらプレート」が登場し、全てのタイプのプレートが揃うことになる。
加えて、このまっさらプレートはレジギガスを捕獲したすぐ後に入手するアイテムとなっており、その関連性はより深くなっている。また、神殿の地下で人間を襲うことなく、じっとしていたレジギガスは王の器だとの意見も。
特性のスロースタートも、アルセウスと戦って力を消耗したためと考えられる。
そして、倒された巨人達を懐かしんで自らに似せた姿を造ったとするならば、何とも切なくなる話である。
とはいえそれだけの力がある(命を創造できる)ということはレジギガスはアルセウスに匹敵する力を持っていることになる。
ゲームの分類上準伝説とされる(使用制限がかけられない)が、実はポケモン神話の根幹を担う物凄いポケモンなのかもしれない。
また、レジギガス実装から8年ぶりに新たに2匹のレジ系が登場したため、いずれ全タイプのレジ系が登場するかもしれない。
ちなみに、レジギガスが複数地方(今のところシンオウ、イッシュ、ホウエン、ガラル)に鎮座しそれらは別個体だと思われるので、「巨人たちはタイプの力を奪われただけで生きている=ノーマルタイプのレジギガスと化している」という考察も存在する。
この考察が正しいとすれば、レジギガスはポケモンのタイプの数(=18)だけ存在するのかもしれない。
モチーフについて
モチーフは諸説あるが、ホウエン地方での出現場所が九州の古墳に対応しているのではないか?というファンの指摘や、容姿や出自からユダヤの伝承に伝わるロボットゴーレムあるいは埴輪なのではないかと言われている。
加えて第4世代でレジギガスが登場した事で世界各国の巨人伝説の要素が付加されるようになり、「冠の雪原」ではレジ系は「巨人」だとカテゴライズされており、公式でも「巨人」だと認識されていることが窺える。
特にレジギガスの国を引っ張ったという神話は日本伝承の巨人ダイダラボッチ(※)、主神との大戦争に敗れたという伝承はギリシャ神話のティタン神族やギガースに共通するものがある。第8世代の舞台であるガラルのモデルイギリスにもゴグマゴグやコーモラン、イスバザデンの伝承が残されている。
(※)より厳密には国を引いたのは淤美豆奴神という神である。尤も、ダイダラボッチ自体がそうした国作りの神を由来としているという説もあったりするが。
余談
- 「レジ系」「レジトリオ」に比べるとマイナーだが、かつては3鳥、3犬の流れから「3王」という総称が用いられることもあった。後の世代でメンバーが加わったことで「4王」「6王」と派生している。
- レジ系には少なからずファンもいる。好む理由としては、やはり専用bgmが存在していることが大きいだろう。レジ系ポケモンを愛する人と言っても好むものは人それぞれであり、このbgmを好く人もいれば、無機質なデザインを好んで愛でたり、バトルでの性能を評価しての好みだったりと様々である(性能に関しては、レジエレキが好まれることが多い)。
- レジロック、レジアイス、レジスチルは山下たかひろのポケモン4コマ大百科でも登場している(ただし、出番は殆ど無い)。ネタの中では何故か作中でのジュゴンのようにダジャレをひたすら言うキャラクターと化しているものがあり、そのダジャレの内容としてはこの3体の性質に因んだものを叫んでいた。インパクトが弱いせいか、ジュゴンのように周りをリアルに凍りつかせる程ではなかったが。
関連イラスト
関連項目
ポケットモンスター ポケモン RSE DPt HGSS ポケモンBW2 ORAS ポケモンUSUM ポケモン剣盾
ジンダイ:レジ系の内レジトリオを使用するトレーナー。ゲーム以外の他媒体でも「三匹を統べる者」として描かれ、アニメではレジギガスとも出会うなどかなり関わりが深い。