概要
名前の由来は定かではなく、「大太郎法師」だとも、タタラ式製鉄の製鉄者の名に由来するともされる。それ故に幾つかの名前を持っており、有名なものにデイダラボッチがある.
各地の民話や昔話では共通して山や川、湖などの地形を作ったといわれる。
茨城県では、筑波山山頂が二つに分かれているのは、富士山との大きさ比べを承諾したダイダラボッチが紐を通して持ち上げた際に割れたからで、千波湖や涸沼は足跡、大串貝塚で見つかった大量の貝は食べ跡とされる。
三重県波切大王崎の伝説でも有名。
ここはかつてウバザメ漁(いまではウバザメは日本で目撃される事自体が極めて稀)や陸から見られたクジラの群れで知られ、角川ガメラもここを舞台にしたなど、なにかと巨獣と関連がある。
表記揺れ
代表的な伝承
ダイダラボッチが人間にとって住みよい環境に変えてくれる良い関係の物語もあれば、敵対関係となる物語もある。後者の場合では、人間がダイダラボッチと戦って知恵で追い払うものが多い。
暴れるダイダラボッチによって村が荒らされても、村人は対抗策が打ち出せず困っていたが、老人(または子供)のアイディアでダイダラボッチよりも大きな草履や魚篭、網などを作ってそれをダイダラボッチに見せて、自分よりも大きな巨人がいると思わせて怯えさせ、退散させたというもの。各地に似た伝承が存在するが、巨人に害意があったか否かでは説が分かれる。
三重県の大王町にも長老の閃きで大きな草履を作ってダイダラボッチを追い返した伝承があり、現在でも大王町には巨大草履を海に流して安全を祈願する(=ダイダラボッチが舞い戻らないように願を掛ける意味合いがある。)わらじ曵き神事が実在する。
フィクションにおけるダイダラボッチ
ゲゲゲの鬼太郎
原作「ダイダラボッチ」を脚色した2期鬼太郎第29話「ダイダラボッチ」、3期鬼太郎第60話「巨人妖怪ダイダラボッチ」、4期鬼太郎第29話「巨人伝説ダイダラボッチ」、6期鬼太郎第85話「巨人ダイダラボッチ」に登場。
巨大な目玉から始まり、鼻、口、頭、胴体、手足などのパーツが次々と現れ一つとなり蘇った。
その正体は、かつて日本を支配していた巨人で、ダイダラボッチを神とあがめるダイダラ教団によると、それを妬み怖れた人間達にバラバラにされ封印されていたとされている。
しかし、誰も逆らえない力と巨体を持っているのを良い事に欲望のままに大地を喰らっている様子からも、実際は日本を滅ぼされ兼ねない程の危険性から封印されるに至ったと思われ、人間側が全面的に悪いとは言い切れない部分もある。
4期ではたとえば野槌やこそこそ岩の悪魔共や大なまず同様、古代の神々が直に対処しなければならないほどの存在だった。
作中ではダイダラ教団(3期ではダイダラボッチ教団、4期では金儲けをたくらむねずみ男、6期では七人同行)によって封印が解かれ、日本の国土そのものを食糧とし桜島の溶岩から始まり、鹿児島県をおやつがわりに食ってしまった。
原作では当時の社会情勢からか日本政府がアメリカ軍に助けを求めるものの「自分の糞は自分でふけ」と過激な返答をされてしまう。
復活はしたものの、その目的は2期は人間への逆恨みからの復讐、3、6期はぬらりひょんの陰謀による破壊、4期では平和の神として争いを続ける人間を食い尽くすことだった。
鬼太郎は止めようと攻撃するが、毛針も指鉄砲も一切通用しなかった。
2期ではオーソドックスな巨人の姿をしているが、巨大な黒人にも見せる姿の為、海外からしてみれば黒人差別に引っ掛かり兼ねない物となっている。
3期以降は原作漫画に準拠した餓鬼のように腹の膨れたデザインになっている。ちなみに4期のEDでは皆勤賞である。
また余談だが6期でダイダラボッチを演じた江川央生氏は『忍者戦隊カクレンジャー』でもダイダラボッチを演じた経験がある。
地獄先生ぬ~べ~
第82話「ビルだと思ったらダイダラボッチだった!の巻」に登場。
天地創造の神の生き残りで、ビルに紛れて誰にも気づかれることなく童守町の地形を変えていた気のいい妖怪。
取り壊し予定の鉄塔に巣を作ったツバメを助けようとした美樹を救出、鉄塔を町外れに移動させた。
アニメ版では美樹が「学校がなくなればテストをしなくて済む」とダイダラボッチに命じたことで危うく学校が消える事態になりかけた。この関係上、学校を守るためにぬ~べ~がダイダラボッチと戦うという独自展開もある。
おまもりひまり
第4話「野井原の白いネコ」に大太法師として登場。
身長が数十メートルもある大妖で、明夏羽に鬼斬り役の天河優人を殺すために呼ばれたが、優人が重傷を負ったことから暴走した緋鞠に右手を切り飛ばされた。
実は緋鞠と勝負したいだけで邪悪な妖ではない。
モチーフは作者によるとイタクァであるが使徒のような姿になってしまったという。
忍者戦隊カクレンジャー
地球儀をモチーフにした妖怪大魔王の弟ダイダラボッチとして登場。 →ダイダラボッチ(カクレンジャー)
手裏剣戦隊ニンニンジャー
パワーショベルを素体にした妖怪として登場。 →妖怪ダイダラボッチ
メタルサーガ砂塵の鎖
賞金額50,000Gの巨人の谷に住む賞金首。
巨大すぎる半透明の巨人で、最初はそれほど強くないが時間が経つごとに地震や破壊光線などで暴れまわる。HPポイントが少なくなると逃走までする。正体不明だが、『メタルマックス2リローデッド』に登場する賞金首「サンディ・ダンディ」の正体同様の周囲の物質を纏う金属コア型の装置である可能性もある。
足洗邸の住人たち。
かつてバラバラにされて封印された、秀真國を創った巨神と噂されているが直接的な名は語られない。
元々はただの人間だったが、後の世の言い伝えにより国津神とされるようになった者たちが各部位とされている。
名はとうに失われていたが、全てが一体化し巨神として蘇ることは「中央」によって危険視されており、封印を強固にするために似た伝承を持つ妖怪や歴史上の人物の名を与えた結果、それぞれが新たな実体を得た大太解体魔人(だいだらかいたいまじん)として復活してしまった。
妖怪百姫たん!
一血卍傑
妖怪ウォッチ
ウルトラマンA
関連タグ
レジギガス:一部説話がダイダラボッチの逸話と酷似している。
ポール・バニヤン:よく似た伝承が語られているアメリカのほら話に登場する巨人。
デイダラボッチ:ダイダラボッチの呼び方の一つ。もののけ姫に登場したシシ神の夜の姿。
デエデエボウ:山形県羽黒山の伝承で一本足である。
ケルヌンノス(Fate):リンク先超ネタバレ。直接的な関係はないが、「超がつく程巨大」、「とある土地と関係がある」等妙に共通点がある最大最凶の呪いの神。公開された設定画が上記のデイダラボッチに似ているという声もある。