概要
伝承として正しくは「手洗鬼」。
海をまたいで山に足をかけ、上半身が垂直にさかさまになるほどかがめた態勢で海で名前の通り手を洗う巨人。なぜ手を洗うのかは不明。たまたま手を洗っているところを人間が目撃したのかもしれない。
江戸時代の奇談集『絵本百物語』に姿と説明が記されている。その体は非常に大きく、四国の海で3里(12km)もの距離の山々をまたぎ、海で手を洗うとされる。この書物の挿絵に記された文章では、手洗鬼が手を洗う場所は讃岐(香川県)の高松から丸亀へ続く湾とされている。要するに現実の地形的に考えると瀬戸大橋よりデカい。下手すれば一歩で渡れる。
尚、「里」という単位は昔から現在の長さに換算すると国により微妙に誤差が存在する。日本では3.9kmだが、中国では500mなのである。よってこの巨人の身長も、どの長さを適用するかによってかなりバラバラになる。日本で書かれた巨人のため恐らくは日本の尺度ではあるが。
まぁぶっちゃけ「3里をまたぐ」という表現から推察すると、小さくても身長3km、デカければ身長20kmと、どのみち桁違いの大きさとなる。うっかりすると成層圏に届く。わざわざ体を大げさにかがめて手を洗うのも納得である。
このようなすさまじいまでの巨体であるため、かの有名なダイダラボッチの仲間であると考えられている。しかし『絵本百物語』以外ではその存在を知ることができない。
彼の地とされる香川県では、彼と思しき巨人の伝承が残されている。その巨人は島根県の飯野山と香川県の青野山を(つまり瀬戸内海を丸々)またいで瀬戸内海の海水を飲んだという。そう、手洗鬼は実は身長数百kmの可能性すらある。もし本当にそうなら頭がオーロラを越え、オーロラを見下ろすことができる。
もはや手を洗っている最中に巨大津波が発生しても何らおかしくはない。
以上の記述からわかるとおり、つまり手洗い鬼とはひたすらにデカい巨人の一人である。
容姿
無精髭を生やした成人男性の姿で描かれる。毛皮のようなこしみのの上からフンドシを履いている。「鬼」と名はついているが角は生えていない。体毛がかなり濃く、髪の毛はザンバラ、腕毛や胸毛、すね毛などは獣のように体表を覆っている。「手を洗う」というよりはおそらくその巨体ゆえ「手しか洗えない」ため、手以外はきれいにできないのかもしれない。
『ゲゲゲの鬼太郎』において
アニメ版での容姿は画像左側。髪型とか顔が何となく実写版のあの人に似ている。腕などの毛深さはなくなったもの、代わりに肩から上がとんでもないぐらいの毛でおおわれている。体毛なのか何かを羽織っているのかは不明。
漫画での見た目はもっと簡素で顔立ちもだいぶ異なる。
国盗り物語にて味方として登場するが、少々抜けているようだ(参照)。
TVシリーズ第五期にて、劇場版の『日本爆裂』に出演。最終決戦にて香川県代表の妖怪四十七士として覚醒し、左腕に紋章が現れた。戦いには参加せず、妖力を鬼太郎に送って力を貸した。ここでもやはり手を洗っている。
映画パンフレットの付録・妖怪カードによると「パワー:4、妖力:2(5段階評価)」らしい。ちなみに鬼太郎はパワー・妖力ともに5、ラスボスは測定不能。二人の底知れぬ強さが感じられる。
TVシリーズ第六期・第48話では畑怨霊に率いられ、人間との戦いに臨もうとする妖怪たちの一体として登場。伝承よりもはるかに小さいが、それでも登場した妖怪の中では一二を争う巨体であり、うずくまった状態でも二階建ての民家ほどの大きさであった。
ここでは肌が青色に近く、毛は緑がかっている。
『ぬらりひょんの孫』において
CV:斧アツシ
四国八十八鬼夜行の幹部・七人同行の一員として登場。坊主頭と突き出た顎が目立つ大柄な男。「四国一の怪力」を自称する。青田坊と対決し一時は優勢となるも、「剛力礼讃」で強化された彼に敗北。その後魔王の小槌の贄にされそうなところを助けられ、玉章と共に四国へ帰った。
その他
水木しげるも関係してきた「妖怪大戦争シリーズ」では、『妖怪大戦争ガーディアンズ』のスピンオフ小説『平安百鬼譚』にモブとして登場した。山本五郎左衛門の配下の巨大妖怪軍団の一角として巨大な鵺に対峙した。
関連タグ
ダイダラボッチ:仲間?