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概要

本項では、便宜的に「妖怪シリーズ」に登場したも解説する。

日本妖怪でも知名度の高いであるが、意外にも『ゲゲゲの鬼太郎』や「妖怪シリーズ」への登場はかなり少ないし、主だった登場は2000年代の後半になってからであった。

また、他の水木しげる作品でも特に主立った描写がされていないなど、知名度の割には扱いが少ない。「妖怪シリーズ」にも後述の通り2021年の(水木の没後の初のシリーズ作品である)『妖怪大戦争ガーディアンズ』のスピンオフ小説にまで大々的には登場していないので、水木しげるがとくに鵺という妖怪にこだわりがなかったのかもしれない(鵺のイラストは描いている)。

もっとも、これは5期鬼太郎版の鵺のモデルである麒麟にも言える事であり、3期鬼太郎の劇場版『最強妖怪軍団日本上陸』では亜種の角端獣が、2005年版の『妖怪大戦争』でも亜種の「麒麟獅子」が登場している程度などである。ただし、水木しげるによる漫画版とは異なり、劇場版では本家の麒麟と大差ない姿で描写されていた。

5期鬼太郎

CV:野田圭一

5期では本来の鵺伝承に近く、「本来の姿が分からないが特徴的な声を持っている」という面が強調されており、これまでの鵺のイメージと大きく異なる斬新なアプローチがされていた。

何と善玉の伝説の大妖怪として登場しており、良くも悪くも妖怪にも人間にも有名な大妖怪だとされている。後世に誤って伝わっていた姿とは異なり、本来の姿は麒麟龍馬の様である。

化け灯籠の力を宿し、陰陽師式神をも操るかなりの手練れ)の策略で妖怪や人間を人質にとられ、封印されてしまっただけでなく、後世には悪の妖怪として伝わってしまった。

だが、残った力で鬼太郎と目玉おやじを現代の京都に呼び、更に平安時代にタイムスリップさせ、解放後は残った力で京の大火事を鎮圧し、百鬼夜行を取り戻し、鬼太郎目玉おやじを再び現代に戻した。

直接戦ってはいないが大妖怪に相応しい力を持ち、姿に違わぬ徳の高さも持つ。

また、自分の誤ったイメージが拡散されてしまっても、妖怪や人間や生き物達が平和で過ごせるなら汚名を被っても気にせず、騒動の解決後も、他の妖怪や人間が怖がるとよくないと姿を見せずにすぐに去り、影から平和を喜ぶ。そのため、本当の姿は後世には伝わらなさったが、歴史が変わったので、妖怪からも人間からも敬愛される憧れの存在に変わり、鬼太郎目玉おやじ絵馬に姿が残された。

6期鬼太郎

6期では「大逆の四将」と呼ばれる敵方の妖怪(声:辻親八)として登場。詳細は「大逆の四将」を参照。

過去の悪行から地獄に封印されていたが年号の改正による影響でぬらりひょんが封印が解き、むじなやトラツグミなどを使役し人々から生気を奪い暴れわまっていた。四将の中でも唯一鬼太郎を圧倒できても鬼道衆の生き残りの少年・石動零との戦いに敗れてしまい、どこか強さが名前負けしていた。

その後は、石動零が鵺の能力を戦闘に活かす場面があり、本家が使わなかった音波攻撃を使用していた。

妖怪シリーズ

妖怪大戦争ガーディアンズ』には登場しなかったが、そのスピンオフ作品である『平安百鬼譚』に登場。5期と同様に、やはり平安時代京都に出現している。

擬妖怪獣」として登場し、実質的なラスボスの一角であった。身の丈40メートルという怪獣サイズの巨大な妖怪であり、体の各部をヤトノカミ刑部狸猿神虎人といった強力な存在のパーツで構成されている。「DAEMON」こと安倍晴明などの強力な存在の影響を受けており、多数の手下と共に現れた。やはり不気味な鳴き声が特徴的である。圧倒的な巨体とパワーを持ち、空中に浮遊しているために攻撃を与えにくい強敵であった。

しかし、鬼太郎ファミリー一反木綿ぬりかべ砂かけ婆子泣き爺)やぬらりひょん朱の盆をふくむ「鬼太郎シリーズ」でおなじみの妖怪たちの助力によって手下が抑え込まれた。

鵺自身も空中にいるために手が出せないかと思われたが、山本五郎左衛門の指示で巨大妖怪たち(大首手洗い鬼がしゃどくろ見上げ入道)に取り囲まれた。しかし、これらの巨大妖怪たちでも鵺を抑えることができずにいたが、大天狗太郎坊)が「あの方がお見えになるから安心しろ」と言った直後に、突如として大江山から「玄武ガメラ)」が出現した。鵺は「玄武」に簡単に粉砕されて小型化し、止めを主役達に刺されるなど、6期鬼太郎と同様に鳴り物入りとして仰々しく登場した割には簡単に倒されている。

ただし、鵺の生死に関しては「お化けは死なない」という説明がされ、後に同一または別の存在が「歴史上」の鵺の伝承に関わり後世に伝えられるなど、5期鬼太郎の鵺の回をも思わせる描写になっている。

余談

  • 平成版の『妖怪大戦争』でもヨモツモノが「ガメラ」と呼ばれたり、ヨモツモノの鳴き声にガメラの鳴き声のエフェクトが一部使用されていたり、大魔神への言及もあったなどの細かい言及はこれまでにいくつか見られてきたが、ガメラと大魔神がキャラクターとして「直接」登場したのは今回が初である。
  • 5期鬼太郎の鵺と同様に、このガメラも「本名は劇中で明かされなかった」「シャイであえて普段は姿を隠している」「謙虚で名声を気にしない」が「高貴で強力」で「いつの間にかいなくなっている」存在として描かれており、平安京という設定からも、5期鬼太郎の鵺を意識していると思われる。
    • アヴァンガメラリバースガメラの様に卵を残す事例こそあれど、「」や「」と明確に定義されたガメラは今回が初であり、やはり5期鬼太郎の鵺と同様に「これまでのイメージと違う」存在として描かれている。
      • 一方で、2015年の小説である『聖獣戦記 -白い影-』の日蓮と契約した「玄武」も神の可能性がある。
    • 太郎坊はこのガメラを「玄武であって玄武だけではないお方」と表現しており、ガメラ自身も「昔は玄武と呼ばれた事もあった」と述べており、絶妙な表現で本名に触れていない。
  • 鵺がガメラに対応されるのは、劇場版では大魔神妖怪獣に対応したのと呼応した描写になっているが、哀しい悪役であった妖怪獣と異なり、今回の鵺(偽妖怪獣)はもっと普通の悪役寄りであった。
  • 京都を決戦地とするのは『ガメラ3』と同じであり、『ガメラマーチ』や『ガメラの歌』や『神話』や『ゲゲゲの鬼太郎の歌』の全てに関連付けられた描写が複数回挿入されている。
  • ガメラ2』や『GAMERA』におけるプラズマ火球火炎噴射を意識した「空気を大きく吸い込んで強化した火球」で鵺が撃墜されている。
  • 大江山を舞台にするのは1960年に公開された大映特撮の『大江山酒天童子』を意識していると思わしい。上記の『聖獣戦記 -白い影-』も1958年の『日蓮と蒙古大襲来』を意識している。

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