曖昧さ回避
- 歴代の映像化作品でのキャラクター→野沢鬼太郎・戸田鬼太郎・松岡鬼太郎・高山鬼太郎・沢城鬼太郎・ウエンツ鬼太郎(歴代鬼太郎も参照)
- 『墓場鬼太郎』および竹内寛行版の同名作品に登場したキャラクター→鬼太郎(墓場鬼太郎)
- 『続ゲゲゲの鬼太郎』に登場した際の別名→田中ゲタ吉
- 鬼太郎の仲間妖怪の中のレギュラー陣→鬼太郎ファミリー
演者
声優
- 野沢雅子:TVアニメ1・2作目、墓場鬼太郎、シャドウサイド、その他初代準拠のキャスティング
- 戸田恵子:TVアニメ3作目、CM「宝くじ ビンゴ5」
- 松岡洋子:TVアニメ4作目
- 高山みなみ:TVアニメ5作目
- 沢城みゆき:TVアニメ6作目
- かないみか:OV「水木しげるの妖怪画談」
- 松本梨香:ゲーム「異聞妖怪奇譚」
- 佐藤利奈:パチスロ「ブラック鬼太郎の野望」
俳優
- 六浦誠:月曜ドラマランド
- 和田求由:ビデオ映画「魔笛エロイムエッサイム」
- ウエンツ瑛士:劇場映画シリーズ
- 西畑大吾:なにわ男子)(P&G「レノア」2023年テレビCM
- 荒牧慶彦:舞台
- 小野正隆:戯曲「ゲゲゲのげ 逢魔が時に揺れるブランコ」
- 中川晃教:音楽劇「ゲゲゲのげ 逢魔が時に揺れるブランコ」
概要
『墓場鬼太郎』・『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの主人公で、『幽霊族』という妖怪。
異名は「ゲゲゲの鬼太郎」や「墓場の鬼太郎」など。この「ゲゲゲ」とは、水木しげるの幼少期のあだ名の「ゲゲる」に由来しているともされる。一方で、外見は水木しげるの甥っ子がモデルだともされている。
少年誌連載版やアニメシリーズでの活躍ぶりで「悪い妖怪から人間を守る正義の味方」というイメージが強いが、原作初期には怪奇物の主人公にふさわしく、不気味で不吉な少年であり、関わるものに不幸をもたらす存在として描かれていた。
- 紙芝居時代から空手のアクションなどは取り入れられていたが、数多の妖怪などと戦う、本格的なバトル物の主人公としての描写は竹内寛行によるバージョンが先行していた。また、勧善懲悪のストーリーや巨大なキャラクターの登場は「第一次怪獣ブーム」の影響を受けたドラマ版の『悪魔くん』の大成功が『ゲゲゲの鬼太郎』に影響を与えた。
『墓場鬼太郎』と『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの他に、『鬼太郎対悪魔くん』、『映画妖怪ウォッチ・シャドウサイド』、『虚実妖怪百物語』等にも登場しており、後述の通り『妖怪シリーズ』の世界にも鬼太郎が存在している可能性もある。
モデル
- 1933年の紙芝居『墓場奇太郎』(ハカバキタロー)の主人公の蛇人間「奇太郎」をモデルに水木しげる御大が創作したキャラクターで、御大は創作にあたり原作者・伊藤正美の了承を得ている。
- 御大の漫画作品にて初めて名前が登場したのは『恐怖の遊星魔人』に登場した「鬼太郎」(おにたろう)だとも言われている。
- 作画上のモデルは、雑誌連載時に6歳前後だった御大の甥御さん。貸本時代は怪奇物ということで、御大自らグロテスクと形容するほどの容姿で描かれていた鬼太郎だったが、その後誕生した甥御さんの愛らしい様子がインスピレーションを与え、ヒーローにふさわしく親しみやすい姿へと変わっていった。鬼太郎の欠損した左目が髪で覆われるようになったのも、甥御さんの顔が髪で隠れる様子がヒントとなっている。
キャラクター設定について
鬼太郎の設定には、その出生や性格、能力など、同じ部分に複数の異なる記述があり、ファンの間で認識の違いや混乱が見られる。
これは作品を発表する媒体が移り変わるにつれ、作風の変化や読者を意識した設定変更が行われたためである。
このため、鬼太郎の性格付けや設定には作品によって異なる点があるが、どれが正しくてどれが間違っているというわけではない。ファンとしては、作品ごとの違いを楽しむことが正しい姿勢だろう。
設定の変更に関わる主な作品
鬼太郎が登場する作品や掲載誌の変遷は、主なものに限っても以下の通り多岐にわたる。
- 1954年(昭和29年)紙芝居物語「墓場の鬼太郎」
- 初期の鬼太郎はグロテスクなまさに「化け物」じみた容姿だった。しかし水木に甥が生まれると、その愛らしさを参考にして、次第に鬼太郎のデザインも可愛らしく改変されていく。鬼太郎が左目を髪で隠すようになるのも、この改変以降。
- 1960年(昭和35年)兎月書房発行の貸本漫画(雑誌形式の短編集)『妖奇伝』収録「幽霊一家」。同年、兎月書房より「墓場の鬼太郎」が独立した貸本漫画シリーズとして刊行(以下「貸本版」)。
- 1961年(昭和35年)三洋社(後の青林堂)に水木が移籍し『鬼太郎夜話』シリーズの刊行がスタート。
- しかし5冊目を発行する寸前に社長の長井勝一が病に倒れ、三洋社は倒産。混乱の中で5冊目分の原稿が紛失。
- 1964年(昭和39年)に佐藤プロダクションで「おかしな奴」など数本の短編が掲載(佐藤プロ版)。桜井昌一の東考社から「ないしょの話」など。
- このころから鬼太郎にヒーローとしての片鱗が見え始める。
- 1965年(昭和40年)『週刊少年マガジン』に読み切り短編「手」が掲載される。
- 1966年(昭和41年)『月刊漫画ガロ』3月号に「鬼太郎の誕生」が掲載。
- 1967年(昭和42年)『週刊少年マガジン』での正式連載がスタート(マガジン版)、貸本版のエピソードが多数リメイクされる。同年、『月刊漫画ガロ』で「鬼太郎夜話」のリライト版が連載開始(リライト版)。
- 1968年(昭和43年)マガジン版がアニメ化に伴い「ゲゲゲの鬼太郎」に改題。翌年連載終了。『月刊宝石』に「鬼太郎のベトナム戦記」が掲載。
- 1970年(昭和45年)の『別冊少年マガジン』7月号に『その後のゲゲゲの鬼太郎』が掲載。
- 鬼太郎が南の島に移住、メリーと平和な生活を送っている様子が描かれる。
- 1971年(昭和46年)2期アニメ化に合わせて『週刊少年サンデー』で、それまでのものとは設定の異なる新作が発表される(サンデー版)。
- 1976年(昭和51年)『週刊少年アクション』で「鬼太郎の世界お化け旅行」を連載。
- 鬼太郎が野球帽をかぶり、世界の妖怪と対決。単発作品として『鬼太郎対悪魔くん』も掲載される。
- 1977年(昭和52年)、『週刊実話』で『続ゲゲゲの鬼太郎』を連載。鬼太郎が高校生となり、アダルト要素満載の異色作。
- 1980年(昭和55年)、『月刊少年ポピー』で『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』連載。鬼太郎の妹、雪姫が主役格で登場。
その後も水木プロ作画の「最新版」を含め、古巣の『週刊少年マガジン』に戻っての『新編ゲゲゲの鬼太郎』や鬼太郎が母を求めて旅をする『ゲゲゲの鬼太郎 鬼太郎地獄編』など、多数のシリーズや単発作品が発表されている。
出身
人類以前に地上を支配していた先住民・幽霊族の末裔で、最後の生き残り。
直接の肉親は、本体が死んで目玉だけで生き延びた父親しかおらず、彼は現在「目玉おやじ」と呼ばれている。
祖先は紀元前3800年頃に、幽霊族の皇帝に即位していたので、鬼太郎親子は王族の末裔でもある(『続ゲゲゲの鬼太郎』より)。詳細はリンク先を参照。
容姿
外見は人間の少年と変わらないが、隻眼(左目がない)。
貸本版では誕生時から既に片目だった。
その後の佐藤プロ版では、鬼太郎の異様さに怯えた水木青年が、思わず突き放した(あるいは投げ捨てた)ときに墓石で目を打って片目となったとある(「新妖怪千物語」の図解によれば、左目の奥に親父のベッドがあるらしい…どんな設定だ)。
アニメ版『墓場鬼太郎』での誕生エピソードは基本的に貸本版をベースとしているが、墓石で目を打って片目になったという佐藤プロ版の設定も取り入れられている。
毛髪の色は、銀と茶のどちらかで描かれる。
身長は約130cm で、体重は約30kg 。
- アニメは3期まで及び5期では同じ設定だが、4期と6期では、これより背が高めに設定される(具体的なサイズは不明。同様に体重も不明)。
頭骨に三つの穴があり、公式図鑑によると「火星人説が唱えられる場合がある」らしい。
服装
ほぼ全編にわたって学童服と縞模様のちゃんちゃんこというスタイルで、足には下駄を履いている。ちゃんちゃんこは先祖の幽霊族が死の際に残した“霊毛”で編んだモノで、強い霊力が篭っている。下駄も念力でリモートコントロールできる。
生活環境
貸本版およびリライト版では、誕生から小学1年生程度までの期間を水木青年の実家、後には下宿先に同居して過ごしていた。
マガジン連載初期には決まった棲み処はなく、気ままに引っ越しや旅をしているという設定だった。
サンデー版では砂かけ婆の運営する妖怪アパートに住んでいたが、昭和60年代以降の作品では「ゲゲゲの森」に住むという設定が多い。
依頼人とは「妖怪ポスト」に手紙を出すことで連絡が取れるようにしている。
当初は彼を知る人々からも「墓場の鬼太郎」と呼ばれていたが、やがて「ゲゲゲの鬼太郎」と名乗るようになり、人々の認識もそのように変化している。
一見、現代文明とは縁遠く見えるが、作品によっては石で作られた霊界テレビ(マガジンでの雑誌設定、実写版、5期など)や5期では目玉おやじが好むラジオが置いてあったり、百目の目玉が変化した携帯バケローがあったりと文明的なものを所持している作品も存在する。
また、自動車を操縦する技術があるとする作品もあり、「妖怪ラリー」ではクラシックカーに乗って参戦したり、『鬼太郎国盗り物語』では朧車(元ネタをベースに4輪でハンドルのあるデザインになっている)を愛車として所持している。
これら鬼太郎の乗った自動車の中でも最もポピュラーなのは、恐竜の骸骨をベースに輪入道をタイヤに据え付け、鬼火をヘッドランプに戴く「妖怪自動車」だろう。しかし、この自動車が必ずしも鬼太郎の持ち物として登場するとは限らない。
- 3期ではフォルムが人間の自動車そっくりに、タイヤも6輪となっている。その名も「妖怪戦車」で、主砲として据えられた野槌の吸引力で妖怪達を蹴散らしていく。物語の終盤や劇場版第四作で度々登場している。
- 4期では原作通りのデザインで登場しているが、こちらでは夜行さんの持ち物という設定であり、子供とドライブする約束を果たせなかった死者に貸し与えている。
- 『妖怪千物語』版の「妖怪ラリー」では鬼太郎の愛車として登場。こちらでは目玉の親父がカーナビ代わりを務め、バックベアードの妨害で半壊した際には体内電気でハイブリッドカーへとパワーアップして優勝をもぎ取った。
…とはいうものの、作中での移動手段は専ら一反木綿やカラスヘリコプターなど飛行できる手段が殆どである。『鬼太郎のベトナム戦記』に至ってはペルシャの霊鳥シームルグを乗り物として利用している。「クジラの飛行船」も比較的に有名である。
ちなみに、5期第48話では自分の住居(ゲゲゲハウス)が一時的に意思を持った事があり(CV:千葉繁)、鬼太郎の装備を借り受けて土転びと戦ってみせた。
性格
貸本版などの初期作品では泣く子も黙るほどドス黒い部分が前面に出ており、「ゲゲゲの鬼太郎」以降も喫煙もしたり鬼太郎とねずみ男の金銭欲のせいで死人が出たりしていた。また、妖怪・人間を問わず美女に弱く、実際に色仕掛けの罠に落ちることもままあり、女性ファン達の黄色い声に照れたりもしている。
人間と妖怪の共存を望み、妖怪に悩まされている人間の依頼を受けて妖怪退治をする。
しかし、やはり妖怪であるが故なのか、問題を起こしている妖怪の事情を知ってしまったりするとその妖怪を擁護してしまう傾向が目立つ。また、シリーズの初期では、父親の目玉おやじを気味悪がられて拒絶されたとはいえ、妖怪の被害に遭っていた少女への協力を拒絶するだけでなく、「人間共より僕達妖怪の方がずっと清潔なんだ」という、妖怪至上主義にも似た選民思想的発言をした事もあった(当の目玉おやじは、自分を気味悪がる少女の気持ちを理解し、席を外そうとする等、鬼太郎よりも寛容さを見せている)。
人間との共存を望みながらも、彼等の政治や社会事情についてはあまり関心が無い為か、妖怪の起こした問題において人間の方に原因があれば、妖怪によって生じた被害を半ば無視する形で批判したり突き放した態度に出てしまう等、人間側の事情をあまり考慮しない短慮な行動や言動に出る事も多い(皮肉にも、何度も裏切るねずみ男や敵対するぬらりひょんの方が、鬼太郎よりもずっと人間の政治や社会事情について理解している)。
これらの部分もあってか、自らの行動の結果として一部の妖怪からは「妖怪の裏切り者」と蔑まれる事も少なく、特に反人間派の筆頭と言えるぬらりひょんからは、自然を守るために人間と戦って滅んだ先祖を裏切り、喫煙、悪人を見逃す事もあるのに被害者を全く助けようとしない事さえもある自らの矛盾さを痛烈に批判されており、「とんでもないぶりっ子妖怪」と評されて反論出来なくなってしまう場面もあった。
その後はクールで飄々としているが、心の内には強い正義感と情熱を秘めたヒーローへと変化していく。ただし悪辣な人間には冷徹な態度を見せるなど、勧善懲悪な正義の味方ではない。
口調は基本的に丁寧だが、時折崩れる。
神仏や閻魔大王など地獄の関係者、人間界では総理大臣など幅広い面々から信頼され、昆虫や多くの生物からも慕われており、日頃の行いから窮地の際には助けてもらえることも多い。
妖怪のほか、人々が気味悪がるような虫やカエルなどの小動物も、鬼太郎の友人である。中でもカラス達は、妖怪ポストに投函された手紙の伝達や「カラスヘリコプター」など、鬼太郎の活動に協力してくれている。
一人称は基本的に「僕」だが、アニメ2期・3期は「オレ」「オイラ」と一定していなかった。また実写映画版でも「俺」となっており、アニメ4期以降は「僕」で統一されている。
年齢
2010年に調布市が発行した鬼太郎の住民票には、昭和29年誕生と書かれている。ただし、これは紙芝居で水木しげるが墓場鬼太郎を発表した年であり、あくまでも作品としての誕生年である。
同様に、上記住民票の本籍地は水木しげるのもの、住民になった年は水木しげるが調布市に移住した年であって、作中での設定ではない。
貸本版『鬼太郎夜話』では、昭和30年前後の東京郊外で誕生した様子が描かれ、昭和36年に小学1年生として学校に通っている。しかし正確な生年月日については言及されず、その後にも外見は殆ど成長した様子が見られないままである。
TVアニメゲゲゲの鬼太郎シリーズでは以下の通り。
- 1期では、1960年代またはそれ以前の現行のたんたん坊事件で、120歳の人物が「昔に鬼太郎の事を本で読んだ」と証言している。また、2月30日生まれという発言がある。
- アニメ3期と漫画読み切り、実写映画シリーズでは少なくとも江戸時代から生きている。
- ハカバキタローの原点ともいえる関西のとある伝承や子育て幽霊も江戸時代前後の話である(子育て幽霊の原型は12~13世紀の中国大陸に由来している)。
- 4期も、妖怪たちの反応から、おそらくかなり昔から生きていることが窺える。
- 目玉おやじの基準で「昔」に封印された見上げ入道が鬼太郎を知っていた。
- 5期では、最低でも50年以上は今と変わらない姿で活躍していることが人間に確認されており(もうりょう事件や日本爆裂)、ミウ達(と「地獄の鍵」)を守る為にかなりの年月に渡って西洋妖怪と戦ってきたことも示唆されている。アマミ一族の事例があるため一概には言えないが、十代中盤の見た目の猫娘が「あと200年ほどすれば美人になる」と目玉親父から言われているため、完全な妖怪の可能性がある鬼太郎が今の姿になるまで年数が掛かった可能性もある。
- 実写映画シリーズでは350歳である。
- 6期では第23話において、数十年以上昔から現在と同じ姿で活躍していたことが具体的に描かれた。ただし、自分の年齢について聞かれた鬼太郎は「数えたことないなあ」と独り言ちており、正確な生年月日は不詳のままである。ただ後に公開された『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』から、昭和31年以降の生まれ(70歳未満)であることは判明した。
学歴
最初人間の小学校に通っていたが転校し、猫娘と妖怪小学校の同窓だった。
名門・妖怪学習院ではねずみ男と同窓だった。
- 高校生になったシリーズでは、田中ゲタ吉として墓の下高校に通っている。
- 実写映画では墓の下中学を中退している。こちらでは猫娘が400歳で、350歳の鬼太郎と半世紀の年齢差があるが、妖怪界では同世代なため猫娘はやはり同窓で墓の下中学を卒業している。ただし、ねずみ男は1000歳なため、さすがに妖怪界でも600歳以上年齢が離れている鬼太郎や猫娘とは同窓でない可能性がある(さらに卒業できたかどうかも不明)。
血縁について
家族
両親ともに妖怪の中でも名門とされる「幽霊族(第一期人類)」の末裔であり、鬼太郎の先祖は幽霊族の皇帝だったともされている。
両親の姓名は不詳であり、不幸にも鬼太郎の出生前は夫婦共に重い病に罹っていた。
母は鬼太郎を身ごもったまま亡くなり、水木青年によって葬られた直後に墓の中で鬼太郎を産み落とす。
父も前後に病死し、その屍は水木も埋葬を諦める程溶解した状態となっていたが、我が子の身を案じる執念が左目に宿り、目玉に胴と手足が生えたような姿となって蘇った。この姿から、父は後に「目玉おやじ」と呼ばれる(名乗る)こととなる(『墓場鬼太郎 鬼太郎の誕生』などより)。
さらに初期の貸本版では、幽霊族と妖怪は近い関係ではあるが別物という設定もあった。
母親
鬼太郎の母は大部分の作品では幽霊族として扱われるが、『鬼太郎地獄編』では岩子という人間であり、お岩さんの親戚だとされる。
妹
鬼太郎は、父親を除けば幽霊族の唯一人の生き残りとされているが、『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』シリーズでは雪姫という妹が登場している
妻
1970年に別冊少年マガジンで掲載された『その後のゲゲゲの鬼太郎』では、鬼太郎はニューギニアの「幸福の島」の酋長の娘・「メリー」と相思相愛になり、メリーは鬼太郎の子供を身籠る。その後の混乱を経てメリーは正式に鬼太郎の「妻」になった。
水木しげるは本作を「事実上の最終回」として描いたとされており、その後にメリーは登場しておらず、鬼太郎のガールフレンドとされることがある猫娘も、現在までメリーの存在について言及していない。しかし、現在でも「水木しげる記念館」にて正式な配偶者として紹介されている。
- 「猫娘が鬼太郎のガールフレンド」というのは、設定上では見られるが、実際に作中で鬼太郎と猫娘が恋愛を展開する話はほとんど存在しないし、存在するとしても死神に連れ去られるなどバッドエンドに終わることが多い。
親類
『最新版』では「海の霊類」が登場し、アニメ第5期では「アマミ一族」も登場している。
また、『地獄編』では岩子の親戚としてお岩さんがいることが判明しており、『ベトナム戦記』限定だが毛目玉も親戚とされている。
その他
- 『最新版ゲゲゲの鬼太郎』での地獄童子も、幽霊族の末裔だと推測されていた。地獄童子は水木しげるが関わっていない「最新版~」のキャラであることに加え、水木プロ出身の森野達也が独立した作品の主人公として後に漫画を描いたため、アニメ3期以外では存在を触れられることもなく、現在まで原作にも登場していない。
- 「国盗り物語」にて兄だと紹介された「寝太郎」が登場するが、こちらは実の兄ではなくてムー大陸の王子だった。
- 「東京のおばさん」と「従妹のモモ子」と名乗る吸血鬼が登場したこともあった。
歴代アニメ・映像作品
1期と2期は共通した世界観を持つ地続きの作品で、3期以降はリメイク作品となり、世界観や鬼太郎の設定などがそれぞれで異なっている。
詳細については各リンク先ページも参照。
1期・2期
野沢鬼太郎を参照。
3期
戸田鬼太郎を参照。
4期
松岡鬼太郎を参照。
5期
高山鬼太郎を参照。
6期
沢城鬼太郎を参照。
墓場鬼太郎
鬼太郎(墓場鬼太郎)を参照。
コナミゲーム版
性格としては第4作目に似ているが、原作準拠なため、のんびりした面が描かれる。戦闘時の掛け声は松本氏らしく熱い。基本的にはお人好しで、敵のあからさまな罠にあっさり騙されたりすることも多い。『異聞用怪奇譚』では人間と妖怪のハーフという設定になっているが、それ以外のコナミゲーム作品では概ね原作通り幽霊族という設定である。
実写映画
ウエンツ鬼太郎を参照。
友情出演
映画妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活
キャラクターデザインは原作と第二作目の中間といったところ(面影こそないが、2期がモデルらしい)。劇中の助っ人としてファミリーともども登場する。作画に3期の主要メンバーが関わっていたためか、一部のシーンでは3期バリに鋭い目付きが見られることも。妖怪ウォッチの世界観と合わせるため、身長なども原作の設定から離れ、すらりとしたスタイルになっている。
30年後の世界が舞台であるため彼を知る者はごく限られているようである。
しかしねずみ男が人間を騙そうとすると、従来通り背後から下駄の音を響かせながら現れて咎めにくる。
戦闘には参加しないものの、霊毛ちゃんちゃんこを使って鬼眼ギアを妖怪ウォッチオーガに変化させ主人公を救出する手助けをする。
従来よりミステリアスな雰囲気を放ち、必要以上には人間に干渉しない一方で、鬼太ニャンになってはしゃいでいるジバニャンの無邪気さには比較的柔らかい態度を見せ、エンディングでは一緒に踊ってあげたりとノリの良い一面も見せる。
妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている
コラボにより登場し、目玉の親父を探すクエストがある。
妖怪シリーズ
水木しげる自らが携わってきたが(妖怪大翁も参照)、中でも2005年版の『妖怪大戦争』の描写を基にすると鬼太郎も「妖怪シリーズ」の世界に存在する可能性がある。
虚実妖怪百物語
京極夏彦による小説シリーズであり、「妖怪シリーズ」と『帝都物語』の影響を強く受けている。
多数の有名キャラクターたちが節操もなく大量に登場するカオスな作品。
鬼太郎も一反木綿や丸毛やつるべ火と共に登場。3期鬼太郎や5期鬼太郎の召喚が検討されたが、隠密性を意識したため漫画版の鬼太郎が登板した。
能力
あまりにも能力や戦法が多いため、本項にないものは外部リンクを参照してほしい。だが、とくにパチンコ版など、あちらに記載がなくてこちらにあるものも一部ある。
非常に高い生命力と日本妖怪トップクラスの妖力を持つが、目玉親父いわく「(火車など)鬼太郎よりも強い妖怪はいくらでもいる」らしい。ちゃんちゃんこも含め、その毛髪に強さの核があるとされ、毛髪を一時的に喪失したり奪われたりすると途端に弱体化してしまう。
強力な身体能力を持ち、優れたジャンプ力や走力、手刀や怪力やスタミナ (例、人間では不可能と思われるほど大きな岩を長時間担ぐこともできる)。設定が活かされない場合もあるが、一応は水中や真空でも呼吸ができ、体内の臓器にエネルギーを貯蔵できるため、一カ月の絶食や極限の寒冷地でも生存でき、そのエネルギーを使って驚異的なパワーを発揮することができる。頭部には「妖怪計算装置」があり、敵を知ることもできる。視力も凄まじく、地表にいながら火星の生き物が見れる。
そのしぶとさは敵からしたら本当にタチが悪く(仲間内からゴキブリ以上と称されるほど)、鬼太郎を一時的に倒したり封印できても、何だかんだで復活し逆に攻略されるのだ。
また、『墓場鬼太郎』時代では、大海獣になった山田一郎が人間であることを「魂の形状」から判別したり、変化の理由に大海獣の血液が混入していることをすぐさま認識してその対処法もその場で提唱するなど、優れた眼力と博識を持っているとされている。
妖力・技
別名「妖気アンテナ」。
妖怪の気配を察知すると髪の毛がそれに反応して一部が逆立つ。
通称「毛針」。自身の髪の毛に霊力を溜めて飛ばす技。3期では実際に毛針が発光している。
霊気の篭った下駄を飛ばして相手を攻撃する。鬼太郎の脳波で自在にコントロール可能。
文字通り、自身の指を飛ばす消耗技であり、原作時代からの鬼太郎の切り札の一つ。放送コード的な問題から1期・2期以降はこの指そのものを飛ばすバージョンの出番はない。
5期や『妖怪千物語』以降は妖気や空気を飛ばす形となり、水中での使用ができなくなったが、自分の妖力を犠牲に数百もの敵を全滅させるなどができるようになった。連射タイプや同時発射、単発タイプで撃ち分けが出来るようになり、毛槍などを載せることも可能。
体内で発電した強力な電気を対象に発射したり流し込む技。
先祖の霊毛で編んだ特別なちゃんちゃんこ。相手のエネルギーを吸収したり締め付けたりすることが出来る。霊的なものを一時的に封じ込める、飛行などといった芸当も可能。
アニメ版3期4期で登場した(オカリナ組)、鬼太郎初の(髪の毛とは異なる)手持ち武器。別名「妖怪笛」。
- 不死身性
おそらくは最も驚異的な能力である。
銃で撃たれようが、コンクリート漬けになろうが、ドロドロに溶かそうが、数億年もの時間が経て風化しようが、死なない。
この生命力は5期において妖怪横丁の妖怪からゴキブリ以上と評されている。
とくに、鬼太郎を捕食したり呑みこむのは死亡フラグである。極めて高い確率で内側から何かされたり、体を乗っ取られたりする(このフラグは目玉のおやじにも言えることである)。
他にも、大海獣の時に水爆を至近距離から食らったが口の中に山田一家を囲い、山田家が無事に済ませるように安全を確保し、さらには大量の放射能を汗と一緒に流し出した。封印されても手首や毛だけを外界に逃がしてそこから戦況を逆転する、身体を液体状にして敵の毛穴から脱出する、などなど、できる芸当はあげればキリがない。
雷撃に丸一日晒され続ける程度では傷一つつかないことも。
しかし、自身の力だけではどうにもならない状態になることも少なくなく、他者の助力ありきなら、牛鬼憑きからの解放 (by 迦楼羅様)、霊界からの帰還(by 御先祖様方)、妖怪反物からの復活 (by 井戸仙人など)、などもあった。また、「妖怪に効く」とされるサラマンドラの毒に苦しんだこともある。
肉体が消滅したが、嫁の胎内の自分の子供の肉体となる予定の胚に宿り、嫁の息子として復活したこともある(メリーを参照)。
アニメ版5期に登場した、今期限定の大技。ミウから譲り受けた「地獄の鍵」を用いて発動する必殺技的な能力。髪の毛を炎化させる「獄炎乱舞」、毛針や毛槍を鋼鉄化させる「武頼針」、最終奥義「烈闘星覇」という三つが明かされている。設定上は八大地獄に合わせて八つの地獄の鍵が存在するが、先の三つ以外の内容は不明。
- 前段階の技として、いくつかのゲーム作品にも登場した「地獄の炎」がある。
- 胃液
おそらく、単純な威力に関しては全ての能力において最強。(場合によっては)自身ごと敵を丸ごと溶かすため、巨大な敵に食われても倒せる。そして、この胃液にも耐えられる蛇を体内に飼っている。この蛇は、とっさに飛び出たり、体内に入ってきた敵を倒すこともある。似たような存在だと、同じく体内で飼育している3匹の蚤がいる。
- 1期では、通常の蛇が鬼太郎のお供をして協力する回がある。
胃液と唾液を混ぜ合わせて風船を作り、その中に入って空を飛んだり敵の攻撃を防ぐ事もできる。4期では自ら液体化することが可能であり、妖怪獣を自分ごと溶かした後に自力で復活していた(原作では自力での復活はできていなかった)。
基本的に妖怪らしくどんなゲテモノや汚物も食べられるし原作ではゴミ漁りが日課だが、上述の不死性でも述べた通り薬や毒は普通に効く上に(毒素をためる「毒まんじゅう」などの技として応用可能であり、普通の毒は平気だが神経毒などが苦手という場合もある)、6期では食中毒で倒れてしまっている。5期ではピーマンが苦手だった(後に克服)。
また、大抵の妖怪は家に「再生粉末」を所持しているらしく、鬼太郎も妖怪獣戦後に使用している(参照)。
他、使用頻度は上記よりも劣るが、
- 口から暴風や水鉄砲を吐く
- つるべ火に息を吹きかけて火炎放射にする
- 相手の音波攻撃をカウンターで反射する「共鳴反射の術」(のどちんこの鍛錬が必要らしい)
- 相手を地獄送りにする「地獄流し」
- 首や舌や手足を伸ばす (「カメレオン舌」) や身体の伸縮、風船化も可能 (「空気ポンプの術」や「妖怪風船」)
- 体内のガスで自らをバルーン化
- 透明になる (「カメレオンの術」)
- 脱皮
- 憑依(「鬼太郎憑き」)
- 毛や手首や顔だけで移動(「リモコン手」など。墓場鬼太郎ではこの能力にフォーカスした「手」というエピソードがある)
- 吸血、吸精、吸電など
- 自発的または間接的に火を吹く
- 火を吹くと同時に身体の鋼鉄化
- 妖気の放射
- 発熱、熱線、口からの熱光(体内に原子炉を持っている)
- 冷凍波
- 敵を操って極海に封印する「氷流し」
- 水柱 (水上に水の柱を作り足場とする)
- 毒まんじゅう
- コブ落とし
- 体内に蛇を飼っていて瞬時に出す
- 排毒(おしっこ)や汗による放射能の排出
- テレパシーや糸電話
- 金縛り(触った対象を金縛りにさせる器官が腕部にある)
- 八幡まき (一年に一度使う術らしい)
- 様々の封印術
- 対魔術(「魂金縛りの法」や秘法「絵封じ」など)や催眠術/幻術(「霊電」や「夢じらせ」など)
- 仙術や魔法や逆魔法
- 敵の放った岩石を纏って竜巻となるなど
- 妖怪風船
- エクトプラズム
- 実体を伴う分身の術
- 仲間と共に、雷撃に乗って移動
などなど、可能な能力は枚挙しきれない。
『妖怪千物語』では「外道殲封」や一反木綿を武器にするなど、原作にない攻撃方も数多く披露している。
『鬼太郎のベトナム戦記』にて言及された「アメリカ式魂金縛りの法」とは、操られた鬼太郎が取り付かれた観念であり術ではない(いわゆる金遁)。
変化すると戦闘力も変わり、大海獣になった際には圧倒的なフィジカルと育毛光線を得、(化け猫として最強の証である)三尾の猫になった際には全ての技が猫化するために「猫招きの術」を使用、牛鬼になってしまった際には5期のみ鬼太郎の能力を使えるが、大イカの際には特に何もなかった。
『最新版ゲゲゲの鬼太郎』では、一度だけ左目が開いて妖気が全開に解放され、ぬらりひょんの刺客である砂男を倒したこともある。
余談
- 鬼太郎ファミリーの好物は(他の妖怪ですら仰天する)「人の魂の天ぷら」。
- 『続ゲゲゲの鬼太郎』では、鬼太郎の血は美肌効果を持つとされている。
- 全てのシリーズで見られる設定ではないが、鬼太郎の布団等は他者が触れると痺れさせる効果を持つ。
- 悪魔くんとは公式コラボで戦争をしたことがある。力では妖怪が悪魔を上回るが、知恵を駆使した戦いによっては互角に持ち込まれ、和解した後も悪魔くんは腹に一物ありそうな雰囲気だった。
- 『ペルソナ3』の主人公がキタローと呼ばれている。理由は、主人公の髪型が鬼太郎にそっくりであることと、登場キャラクターのイゴールのCVが目玉親父を演じた田の中勇だったため。
- 『うしおととら』に登場する主人公の片割れのとらの能力やしぶとさは、鬼太郎の能力をより少年漫画チックにしたようなものが多い。両者は『虚実妖怪百物語』で実際に共演している。
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