概要
元ネタ?
1987年に発売されたゲーム『妖怪軍団の挑戦』に、鬼太郎が手に入れられる最強の武器として『地獄の炎』がある。しかもアイコンが巻物であり、まるで『奥義』を思い起こさせる物となっている。
第5期7話にて実際に『焦熱地獄の炎』が登場し、一時的に鬼太郎に武器として貸し出された。
『ゆる~いゲゲゲの鬼太郎 妖怪ドタバタ大戦争』でも、地獄の炎は獄炎乱舞の進化前である。
特徴
鬼太郎世界の日本の地獄の王・閻魔大王が開発したと思われる。端的に言うと、閻魔大王の権限の下、八大地獄等の地獄の特性を対外攻撃に転用する神聖な技。もはや神技と言っても過言ではない。
完成形は、古今東西霊力やマナ等を宿すとされる毛を媒体にして、八大地獄のエレメントを召喚する。
なお、特定の条件を満たせば地獄の関係者以外でも使用できる。その条件とは、『地獄の鍵』と呼ばれる秘宝の宿主になる事。
あまりに絶大な破壊力を持ち、使い方を誤れば世界を破壊してしまう。そのため、地獄の鍵をバックベアード達悪の西洋妖怪軍団が世界征服のために狙っており、何十年もアマミ一族・鬼太郎軍団と戦争を続けてきた。
地獄の鍵とそれを巡る攻防などは5期鬼太郎の根幹とも言えるテーマでもあり、アニメでは初であり漫画「新・ゲゲゲの鬼太郎」以来となる閻魔大王の戦闘、アニメでは初となり原作でも「鬼太郎の地獄めぐり」以来となる閻魔大王以外の地獄の十三王、アマミ一族などの概念等をシリーズに紹介するきっかけとなった。
西洋妖怪ばかりが狙っていたが、当然ながらぬらりひょん一味やチーなど他の悪役にも地獄究極奥義と地獄の鍵は知られている。つまり『日本爆裂!!』でも少し描かれ、本来なら番組の3年目に開かれる予定だった『世界悪妖怪サミット』にて例えばラクシャサや女夜叉や羽民などにもその情報が伝わる筈、…というかヤトノカミとの戦闘を目撃されているので、その後も世界中の悪役妖怪にも目を付けられる可能性がある。
何にせよ、胃液や体内原子炉・妖気冷凍・原作通りの一撃必殺の指鉄砲などを見せていないにも拘わらず5期鬼太郎が歴代最強と言われるのは、地獄究極奥義と妖怪四十七士の力があるからである。
使用者
開祖・閻魔大王はもちろん、五官王が鬼太郎に奥義の解説を行った事から、他の地獄の十二王も奥義の使用が可能なのかもしれない。西洋妖怪の襲来の際に十二王が奥義を発動しなかった謎が残るが、五官王と騒動中に救出された宋帝王は地獄の保持、他の十王は大規模結界を張っていたため、閻魔大王を差し置いて奥義を発動する理由は存在しなかったのかもしれない。
地獄の関係者以外だと、鬼太郎が唯一の使用者だが、理論上はミウとカイや2人の母親、生前の目玉おやじなど、アマミ一族や幽霊族、または幽霊族の近縁種も使用出来ると思われる。
別世界のキャラクターだが、幽霊族の可能性も指摘されている閻魔大王の護衛地獄童子も、3期の世界に地獄究極奥義が存在すれば使える様になったのかもしれない。
幽霊族の血が必要なのか、そうでなくても良いのか…発動条件には未知の部分がかなりある。
地獄の鍵
この世界には死の島、墓の下、邪魅や亡者が逃げ出したあの世の入り口など、この世とあの世、更には無間彼岸を繋ぐ場所や、この世とあの世の移動を可能とする手段がいくつも見られる。
だが、この地獄の鍵は宿主の肉体に隠させる霊体の秘宝であり、宿主が地獄の鍵の存在意義と解放の方法を知っていれば任意で地獄のエレメントを召喚し、自身の身体を滅する事なく行使出来るという戦略兵器のごとく危険な代物。そのため、閻魔大王の許可を超えた使用を行えば、いくら正義のために使用しても罰せられる。情状酌量の余地はあるだろうが。
歴代のアマミ一族の酋長達が受け継いできたが、ミウの代に(ミウを守ろうとして実戦初使用の指鉄砲を限界まで乱射したために)瀕死化した鬼太郎を救いたいミウの思いに反応したのか、鬼太郎に鍵が移動して鬼太郎を蘇生させた。なお、この移動は本人達も、そして五官王も最初は把握していなかったと思われる。
地獄の関係者以外では、現在判明している限りは幽霊族の血縁(アマミ一族と幽霊族)が地獄の鍵の宿主に選ばれている。これは、幽霊族の血縁の人類以前の歴史と神仏やあの世との信頼関係、アマミ一族と幽霊族の強さと関係があるのかもしれない。
地獄の鍵の存在を西洋妖怪がどうやって把握したのか不明だが、68話にて初代ドラキュラ伯爵が大コウモリを連れて、宋帝王を拉致・封印してスパイを行っていた判明している。宋帝王が「数十年ぶりに解放された」と語っているため、初代ドラキュラ伯爵が情報を得ていた可能性が高い。
なお、アマミ一族が何故地獄の鍵の管理者として選出されたのか(純粋な幽霊族が絶滅寸前だからかもしれないが)、何故鬼界ヶ島に隔離されたのか、何故自衛の必要もあるのにアマミ一族は(下手したら幽霊族以上のポテンシャルかもしれない)自身の戦闘力や地獄の鍵の存在理由を知らなかったのか(リスク防止のために隠蔽されたのだろうか?)、以前の戦に地獄の関係者は関わっていたのか、何故罪人を罰する地獄の関係者である五官王は万が一の場合にミウの殺害を選択肢に入れていたのか(西洋妖怪の手に渡るくらいなら壊した方がいいという考えである可能性があり、ミウ自身も覚悟の上だった)、何故閻魔大王以外の地獄の関係者は奥義を使用しないのか、それらの事も不明のままとされる。
種類
八大地獄にちなんだ特性を持つため、本来なら八種の基本奥義が存在する事になる。また、5期当時のスタッフブログには番組の3年目の予定がいくつか書かれており、そこには「次の奥義」や「烈闘星覇とは別の特別な奥義」も含まれていた。
だが番組が打ち切られてしまったため、現在判明しているのは以下の3つのみ。
これらは、鬼太郎がこれまでのシリーズにて使ってきた能力の上位互換とも言える。
- 髪の毛針/鼻毛ミサイル、髪の毛槍(1本の毛が槍になるタイプと髪の毛全体が巨大な槍になるタイプ)
- 火炎放射(自力で吐くタイプ/自力で吐くのと同時に全身が鋼鉄化するタイプ/化火に暴風を吹きかけて代用するタイプ)
- 体内原子炉を用いた発熱と発光ブレス、火炎放射、熱線
- 鋼鉄化
- 妖力波、指からのビーム、ちゃんちゃんこからの妖力大砲、指鉄砲
獄炎乱舞
武頼針
烈闘星覇
その他
後期EDの1つである『スターフルーツ』に見られる、松明丸や水龍丸が巨大化した様な敵達と戦う、辻から現れる巨人化した鬼太郎は体内電気の様なエフェクトが見られるが、これが3年目に放送される予定だった特別な地獄究極奥義なのかは不明である。
3年目に構想されていた『大海獣』との関連性を見る人もいるとか。というか、古参の鬼太郎ファンで妄想した人も少なくない大海獣への自在な変化を連想させるとして、巨人化が放送されなかった事を残念がる人もいるらしい。
灼熱地獄と針山地獄の他に、作中で名前と実態が判明している地獄は血の池地獄、極寒地獄、無間地獄、釜茹で地獄の4つ。ちなみに第88話での地獄横断クイズ大会の説明の際に、叫喚地獄や竜巻地獄(?)なるものが確認される。
余談
外国の地獄にも、同様または類似性を持つ技が存在した/している、または今後作られるのかは不明。理論的に考えると、リスクマネージメントとして、日本の地獄の鍵が悪用されてしまった場合への対抗手段は他の地獄に存在しても不思議じゃない。
更に幽霊族の血縁以外にも使い手の素質を持つ種族がいても不思議ではないし、幽霊族は昔世界中に存在し、また幽霊族と他種族の交配を裏付ける存在達は過去にも見られた。
だが、なぜこの様な大規模攻撃方法が用意されたのか、しかもそれを地獄の関係者以外にも許されているのかというと、厳密な理由は不明。しかし、いくつかの考察要素はある。
1つに、対ヤトノカミ戦の様に閻魔大王が神レベルの敵と直接戦うとこの世に大ダメージをもたらしてしまう。
その次に、閻魔大王が奥義を発動するには地獄の保持を五官王と宋帝王、または他の十二王に交代する必要がある。
そして、ヤマタノオロチ、ヤトノカミ、プルート、ルシファー、ダイダラボッチ(4期)、野槌(4期)、なまず神、ブエル、ソロモン72柱、タイタンボウ、こそこそ、辻神、貧乏神、水神、長壁姫と亀姫(後に味方)、牛鬼、5期のゴーゴン、ジャイアントの様に神々が直に対処せざるを得ない存在や魔神、荒神、大悪魔、堕天使、悪に与した神類、数万年前に地上を支配して神々に退散させられた魔物の軍勢など、世界を支配したり破滅させられる存在などがけっこう多い事、その気になればより格下の妖怪でも地獄に攻め入ったり地獄から脱出する事が出来る事がある。迦楼羅天達二十八部衆が千手観音を守護した様に、神仏を狙う存在もいるのかもしれない。実際、サタン達は大日如来に反逆した。
この世界では妖怪化した人間も多いが、化け灯籠の様な付喪神、仙人や道士や陰陽師(竜仙人、雷虎仙人、糞仙人、茶伊那道士、一刻堂など)、ヒー族の様に、その気になれば道具や生前の人間も強力な力を得る事が可能であり、初代ドラキュラや大コウモリの様に地獄の力を利用して自分の力に悪用させるなど、神仏以外の存在が力で成り上がる余地があるため尚更危険である。
上記以外でも、玉藻前、チー、ラクシャサ、刑天、刑部狸、団三郎狸、大天狗・黒雲坊、大百足、ベルゼブブ(後に味方になる)、悪に走った死神、蛟龍、夜叉や女夜叉、手足の神など、原典では神仏レベルの力を持つ敵は他にもごまんといる。
天狐の部下の九尾狐、大天狗・赤嵐坊、蛟/蜃や出世法螺、味方の牛鬼、良い死神等、味方や敵でない存在にも上記の敵の同種や類似種がおり、バックベアード、ベルゼブブ、長壁姫と亀姫、隠神刑部や団三郎の様に後に味方になる場合もある。
武頼針は、企画構想にあった鬼太郎の武器「父の骨」のアイディアと似ているかもしれない。