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曖昧さ回避

  1. 作品としての『大海獣』については、関連タグの「山田秀一」を参照。
  2. 類似したタイトルの項目⇒大海獣ビヒモス決戦!大海獣

概要

古代ので、ヒレの代わりに人間の様な手足のついた頭と胴体が大きな毛深い巨大生物鬼太郎が変化することで有名である。


初出は貸本版時代の『ないしょの話』編であり、シリーズ全体でも古参のキャラクターである。


ニューギニアが舞台なのは、鬼太郎メリーと結婚した時もそうだが、水木御大がトライ族に帰化する人生もあったかもしれないという御大にとっての永遠のテーマがあるのかもしれない。


4期版の制作には細田守氏も参加しているが、「クジラ好き」である細田氏のキャリアでも『遠い海から来たCOO』と共に鯨類を描いた作品としてはかなり古い部類に該当する。


呼称

「大怪獣」ではなくて「大海獣」であるが、これは海獣に因んだネーミングである。


他にも鯨神」「ゼウグロドン」「ゼオクロノドン」と呼ばれる。

  • 「ゼウグロドン」とはバシロサウルスの現在名であり、「ゼオクロノドン」に変更された理由は不明だが、読者が混同しないための配慮や、大人の事情があったのかもしれない。
  • ただし、公式では現在でも関連商品などで「ゼウグロドン」の表記を使うことがある(参照)。

『墓場鬼太郎』版では、当初は「ゼウグロドン」や「その子孫」と呼称されていたが、生態に既知の生物学からの逸脱した部分があるため、また、原住民が「鯨神」と呼んでいるため、主要な登場人物もそれに合わせて「鯨神」と呼んでいる。


外見

ヒゲクジラ、とくにセミクジラホッキョククジラのような特徴を持つホエリアン型である。


ヒゲクジラのヒゲが牙の様になったようなクジラヒゲ(または歯)を持つだけでなく、ヒゲクジラと異なり下顎にもあり、その意味では、名前の由来であるバシロサウルスよりも、ハクジラとヒゲクジラの中間である「マンマロドン」等に近いのかもしない。第4期では、咆哮した際にこの「歯」が曲がったり、光線が歯の間から漏れているあたりを見ると、歯よりもクジラヒゲに近いと思われる。


とくに初期の時代は、水木御大の描くヒゲクジラに見られる特徴的な口唇があり、パチンコ版を除く全世代に一応見られる。


尻尾は非常に小さく、遊泳や歩行にはほとんど機能しないと思われる。


目の角度や位置により、猫目に見えたり蛙の怪獣に見える場面もある。


大きさ

原作(『ゲゲゲの鬼太郎』)では、「クジラの6倍の大きさ」だとされることから、南半球シロナガスクジラ(「intermedia」種)を基準にすれば、身長は200メートル前後かそれ以上だと思われる。第4期でも、劇中での都庁舎との比較から、やはり似たような大きさがあると推測できる。アニメ第1期と第3期では、あくまで描写上の問題だが、『墓場鬼太郎』と同じくより小さく見える。


『墓場鬼太郎』時代は、具体的な大きさは示唆されていないが、おそらくは身長が20m 前後と思われる。この事は、海獣化した山田一郎が上陸して青森の実家にたどり着いても世間が騒いでいなかったことから、気づかれずに行動できる大きさであっただろうことからも推測できる。


その他

毛並みは、『墓場鬼太郎』の復興版(参照)と3期(青黒)、原作と1期(茶または黄土)、4期(緑)、パチンコ版(灰蒼または緑)と世代によってかなり異なる。


虹彩は白またはオレンジまたは赤であるが、正常な状態とそうでない状態で変色する場合もある。


鳴き声も、世代によってかなり違う。


なお、『墓場鬼太郎』時代の方が科学的な考証は後の作品よりも現実に近いものとなっている。


能力

数十万年から3億年前から生存し続け(後者は実際の新生代とかけ離れているのはご愛嬌)、人間の学者達からも「もはや妖怪の類」とされるほど神秘的で超自然的な生態を持つ。4期以外では、ニューギニアで確認された個体が3億年前「から」生存し続けると言われている。が、実際のところは不明である。


4期では南方妖怪と(ほぼ一方的だが)繋がりがあり、彼等からは神聖な存在として扱われ、目玉おやじや他の一行も南方妖怪の仲間かどうか判断がつかないでいたが、妖怪からも神と崇められる偉容と力を持つことは想像できる。


なお、能力の一部は、鬼太郎だからこその能力の体現なのか、他の個体も同様にできるのかが不明である。


その血液を注入された者も大海獣になってしまい、劇中では鬼太郎山田秀一の計らいで海獣化してしまった。ただし、下記の通り、4期のみはどうやら状況が異なっているようであるが、白骨化したゼオクロノドンの影響がある可能性はある。


攻撃能力は怪力と噛みつき、潜航能力、高速で泳いで大渦を作ることもできる。そして有名な育毛ビームが有名である。


また、鬼太郎ゆずりの生命力はあるだろうが、それでも至近距離での核爆発を耐えながら口の中に人間を匿って無傷で済ませる防御力と筋力もある。つまり、口の中で人間が死なないように微動だにせずに踏ん張っていた。なお、直に浴びた大量の放射能は汗と一緒に流したらしい。


なお、人間の追跡が通用しなかったのは、何らかの能力なのか作用なのかは不明。


また、『墓場鬼太郎』では、大海獣が現れた時には黒雲が起こり、生暖かい風が吹いたとされているが、これが大海獣に関連して発生した現象なのかは不明である。


育毛光線

この毛生え光線に物理的な攻撃力はあるのかどうかは不明だが、照射された戦車が変形していた。媒体によっては、光線状だったり、フラッシュライトの様な描写がされている場合もある。また、第4期では、大きく吠えると咥内が光り光の粒子が見えることもある。


『墓場鬼太郎』とアニメ第三期では使用していないが、前者の時は変身したのが人間だったからなのかは不明。また、オリジナルのゼオクロノドンがこの光線を使用できるのかは不明。第4期の時は、自らの意思に関係なく吠え声と共に発射していた。


この能力も、「毛」に纏わる鬼太郎ならではの特徴とも言えるのかもしれない。


各作品での違い

各シリーズにおいて独自のキャラクター性を持つので、ここではその違いを解説する。


原案

貸本時代の今の原型(『鯨神』)ができる以前は、陰謀によって宇宙に放逐されて宇宙生物に寄生されて帰還した『ロケットマン』に登場する怪獣グラヤなどを経て、ほぼ同じ筋の『怪獣ラバン』という名で、なんと正真正銘ゴジラを投与された人間がゴジラそのものになっていくというものだった。

  • グラヤには、前年に公開されたイギリス映画『原子人間』の影響を指摘する声もある。

核爆発と放射能の下りが関係があるかは不明だが、『怪獣ラバン』に登場したゴジラはしっかりと放射火炎も吐く(参照)。


また、それ以降も「鯨の肉を食べていた者が次第に鯨の化け物と化していく」という後の牛鬼などの構図に近い話であった(参照)。


墓場鬼太郎

おそらくは神秘的な生態を含めてか、また、ゼウグロドンと同定できないためか、原住民の呼称である鯨神が使われることが多い。


科学的考証もあり、大きさも能力も姿も後の作品よりは(いくらか)現実味がある。後の作品よりも前傾姿勢であり、頭部の形状や尻尾の大きさも後の作品とは異なる部分があり、より現実のセミクジラやホッキョククジラに近い。


「ゼウグロドンは水棲と陸生の中間に位置する」とされており、これは部分的に正解であるが、バシロサウルスはほぼ完全に水棲生活を送っていたことを留意。


原住民には知られた存在であり、「ラド湖」という湖に棲息している。ねずみ男が血液採取器を撃ち込んだ事に怒り、「ウワハハハ」と哄笑ながら探検隊を壊滅させた。


変化するのは山田一郎であり、後の作品とは異なり善人である。


自身をライバル視する村岡に、大海獣の血液を注入されてから数日かけて変化した。


後のシリーズとは異なり、小型の段階で頭部などが既に大海獣に近い形状になっていた。海に落ちる際、山田は猛烈に水に飛び込む衝動に駆られており、海水に浸かった途端に巨大化が始まった。

  • 八郎潟の八郎』など、日本の昔話には、人間が禁忌を犯してに変化する際に、猛烈なのどの渇きに耐えられずに水に飛び込むという描写が散見される。

この時にねずみ男も一緒に落ちており、悲嘆に暮れて半ば諦めムードの山田を励ましながら鬼太郎の助力を請うために、苦難の道ながらも日本へ向かう。


そして、無事に実家にたどり着き、干物となった目玉おやじを迎えに来た鬼太郎と出会う。鬼太郎は大海獣の魂が人間のものであることを認識し、すぐさま治療法を提唱し、数日かけて山田を元に戻す。


この時の鬼太郎は、ねずみ男が自分で購入して食べようとしていた人魂の干物を略奪して貪った結果身体が骨と皮になり、その治療のためにねずみ男が恐山まで連れて行ったりなどの苦労に付き合わされる、あげくの果てに無事に復活できたのにねずみ男に「日本一の無責任男とはもう会いたくない」と宣っていた。


なお、「目玉おやじに三つの願いを叶える力がある」という噂が立ったのはこのエピソードである。


漫画版ゲゲゲの鬼太郎

国盗り物語』には、相撲の観客として小型の個体も見られた。当然ながらあぐらをかける。


アニメ第一期

変身時に陸上動物のような尻尾が見られ、鬼太郎に戻る際には毛のない部分の尾が見られえる。(おそらく)一番の特徴は、頭部のシルエットがヒゲクジラというよりはモンストロに近いことと、尻尾の身体に対するサイズ比が他に比べて大きいことである(水木御大の描くナガスクジラ科も似た頭部のシルエットを持つことがある)。また、山田に注射されて船上で変身が大きさ以外はある程度完了しているのも特徴(動画)。作画の不安定性が起因して、特に頭部の形状やプロポーションがかなり変化していたシーンも見られる。


アニメ作品では、第6期までの時点で唯一「鉄の大海獣/ロボット大海獣/ラジコン大海獣」と戦っている。この時のロボット大海獣は、目に虹彩がなく、頭の形状は大海獣共々、原作とは若干の差異がある(もっとも、大海獣とロボット海獣は、他のキャラクターと同じように、原作でも初版とそれ以降だけでなく、後に書き下ろした毎にけっこう姿に違いがある)。


アニメ第三期

ご覧の通り、3期版にだけ畝のような毛並みがある(頭部の形状もどこかナガスクジラ科を思わせる部分がある)。また、全体的に青黒く、この黒々しさは他には見られない。目は通常時はオレンジ色で、薬で凶暴になった時は赤化する。この時は牙も爬虫類っぽくなり、どこか「怪獣」っぽい顔つきになる。海獣化の際には手に鋭い爪が生えて居たり、歴代で唯一毛生え光線も未使用である。毛並みと能力では、『墓場鬼太郎』時代にアニメでは最も近いのかもしれない。


元の大海獣は鳥を手で追い払おうとしていたが、最初の注射器攻撃と自分の血を見ても悲しげな表情を浮かべて人間を攻撃しようとしなかった等、やはり優しい生き物である。


アニメ第四期

1996年公開の劇場作品に登場(同時上映は『ぬ~べ~』)。ストーリーと登場妖怪は原作の『大海獣』と『妖怪軍団』を合わせたものであり、山田一家や探検隊等、登場しないキャラクターもいる。ただし、モブのテレビキャスターが山田秀一のデザインを踏襲している。


緑色の体毛が目を引いており、目が隠れることもある。


全体的に、歴代でも最もがっちりとしており、頭部も(個人的に見れば)ヒゲクジラの特徴をアニメ版では最もよく捉えている。だが、牙が人間の歯のようになっていたり、正面からの風貌が異なっていたりなど、特に目の位置などが安定していない。


  • 鬼太郎海獣が大きく吠えたシーンでは、喉が発光して光の粒子が吐息となっていたが、その際には風圧と共に「牙」が揺れている事からすると、やはりセミクジラやホッキョククジラと同じ様に、クジラヒゲが変化した可能性がある。

声のエフェクトは、後に5期の妖怪四十七士栃木県代表の雷獣にも使われた。


目は最初から赤く、これは実際のセミクジラの目が太陽光に当たった時の色に近い。歴代にあった、水木作品に特有のクジラの口のデザインがある場合もあるが常にではなく、また、それに近い模様が変身シーンに目の周りにできていた。


鬼太郎を変化させる媒体も血液ではなくて、「命の水」と呼ばれる妖力または霊力または生命力を含んだ水である。


我々の知る「大海獣」の姿が妖怪の性質を帯びた状態であるのがハッキリしているという点では、『墓場鬼太郎』版に近いのかもしれない。


大海獣

細田守氏も担当した変身シーンはトラウマものとされている)


4期では、化け鯨も味方である事から、(厳密には違うが)超巨大なクジラ型の存在が2体も仲間サイドにいたことになる(化け鯨も百数十m ~数百m 級の大きさがある)。


シロナガスクジラの英語名が「Blue Whale」というのは、水中で美しい蒼色に輝くからであり、本作でもよく再現されていた。


アニメ第五期

三条陸氏は鉄の大海獣を5期に登場させる気でいたがそれが叶わなかったとしている。よって、大海獣も5期に登場する予定があったのかもしれない。その代わり、ティラノサウルスや使用予定だった巨人には変化しており、それらを大海獣の代わりだと思ってみている視聴者もいる。


ちなみに、劇場版『日本爆裂』での夜刀神の声の一部は、4期版の海獣化鬼太郎の声に似ているが、声を再利用しているのかは不明。


アニメ第六期

登場ならず。


その他

一部の書籍では、因縁性が強い蛟龍と組み合う場面もある(参照)。


パチンコ版の外見はバージョンごとにずいぶん姿が異なっている。

  • 『地獄からの使者』版では、『墓場鬼太郎』版を基にしたような灰蒼だが、より明るい色調である。正面からの顔は某味仙人にも見え、短い牙と幅の広い口はどこか見覚えがある。なお、尻尾の先まで毛に覆われているのは歴代初である。
  • 『ブラック鬼太郎の野望』版はもはや妖怪獣蛟竜を思わせる姿になっており、しかもなぜか鬼太郎と敵対する役になっている。毛は4期以来の緑色である。

妖怪か否か

変化した鬼太郎ではなく、元の「ゼオクロノドン」が妖怪や自然神のような存在だったのかは不明である。


明確に妖怪だと示唆されたのは、ねずみ男が鋭い妖気を感じ取ったりしていた『墓場鬼太郎』のみであるが、他の時も「超自然的」や「神秘的」であるとされている。


原作で人間が鬼太郎に探検隊の同行を依頼したのも、そういう部分が大きい。国盗り物語の個体は、他の妖怪達に混じって相撲を観戦していたため、もしかしたら妖怪なのかもしれない。


『墓場鬼太郎』の時にも、「一体の生物が何十万年も生きながらえる事」「同じ形態を保つならば同族がいなければ辻褄が合わない事」「ゼウグロドンの子孫ならば水棲型のクジラに進化しているはずであろう事」「該当する陸海の中間型の化石が発見されていない事」など、もっともな疑問が提示されていた。


また、大海獣が現れた時には黒雲が起こり、生暖かい風が吹いたとされているが、これが大海獣に関連して発生した現象なのかは不明。


第4期版について

この世界の状況は歴代でも特殊で、南方妖怪が崇める「ゼオクロノドン」と鬼太郎が変化した「大海獣」、変化した鬼太郎を見た人間が認識している「ゼオクロノドン」が同一の存在とは思えないのだ。


  • 南方妖怪が神と崇めるゼオクロノドンは、白骨化した状態でバルル島の山奥のプールに鎮座している。骨格の見た目は、大海獣の元ネタの一つでもあるバシロサウルスのそれを現生のヒゲクジラかマッコウクジラ等に寄せたような見た目であり、(あくまでも一部の場面にて)頭骨と手の骨が直接繋がっているという特異な部分以外はリアルな部分がある(大海獣の上半身のプロポーションに寄せたのだろうか?)。この時点で「大海獣」とは別の存在であることが確認できる。また、骨格が水底に沈まずに静止しており、現生のナガスクジラ科のような霊体を纏っており、いることから、妖怪化/神化していたり意識を持った存在である可能性もある。「命の水」にゼオクロノドンの霊力/妖力が込められているのかは不明。
  • 初めは、鬼太郎を海獣化させるのではなくて、ゼオクロノドンを直接復活させようとしたが、世界中の膨大な量の妖気を必要とするらしく、骨格の周囲にシルエットが浮かんだだけでもアカマタ・チンポ・やし落とし・キジムナーのリーダーは疲弊して諦めた。
  • 大海獣化した鬼太郎を見ても南方妖怪が驚いていなかったことから、過去に同様の存在がいた/過去に変化した者がいた/こうなると予想できていた可能性がある。
  • 井戸仙人が治療方を知っていた理由も興味深いが、ココの実の効果が変化全般や体内の物質の対処に効くのか、それとも過去に同じような事態、つまり大海獣化した者がいたのだろうか。
  • 人間にはしっかりと「ゼオクロノドン」と認識されていたが、理論上は「大海獣」と同じ骨格をした化石等の情報が見つかっていないとこのような結論には至らないはずである。DNA調査をしても、鬼太郎のDNAが完全に書き換えられていない限りは人間の認識する種類とは違いが生じるはずである。
  • 「大海獣」の姿は「ゼオクロノドンの血と妖気/生命力等を投与されて変化した妖怪「だけの姿」だと考察してもおかしくない。「毛」にまつわる特性と能力を体現していたり隻眼であるなど、鬼太郎らしい特徴がみられたが、体毛などの特徴(育毛光線は不明)は「人間の認識するゼオクロノドン」とも共通していたのだろうか。

ゼウグロドンと大海獣

上記のことから推測されるに、以下の仮設も成り立つ。以下のどちらかまたは両方が当てはまるのかどうかは不明。

  • 南方妖怪の認識するゼオクロノドンと人間の認識するゼオクロノドンは別の存在
  • 過去に(一名または複数以上の)者が「命の水」を使って「大海獣」に変化したことがあり、そのまま命を落として化石などが発見されている

南方妖怪との和解の鍵となったシロナガスクジラの群れは、東京を破壊してしまって意気消沈した海獣鬼太郎を助けており、鬼太郎は彼らをゼオクロノドンの子孫だとしている。だが、鬼太郎自体が動物に好かれているので、クジラ達は鬼太郎だと認識して助けた可能性もある。実際問題、上記の問題を踏まえると、鯨達が見た目だけではご先祖様と判断できるかどうか疑問ではある。もしくは、ゼオクロノドンの霊が子孫に呼び掛けて鬼太郎を助けた可能性もあるのかもしれない(つまり、化け鯨が関連していた可能性もある)。なお、この時に来たシロナガスクジラ達は、(作画の関係上?) 頭頂部の形状がセミクジラかホッキョククジラにも似ているが、大海獣や周囲と比較すると、とんでもなく大型である。人間の追跡が効かなかったのも、ひょっとしたら何かがあるのかもしれない。


4期版を踏まえた上で

これまでに我々および鬼太郎シリーズの世界の人間が認識してきた「ゼオクロノドン」とは、実は「種」という概念よりも、「個体の集合体」と言った方が正しいのかどうかは不明である。「種」として存在していたのならば、4期版以外の世界で、なぜ(少なくとも)1体が3億年も生存できたのか、他にも同様の姿で生息していたはずなのに、なぜ他には現代まで生存していないのか、等の疑問が残る。


以下の説等が考えられる。


  • 元々あの姿で元々個体数が少ない
  • 元は普通の生物または違う特徴の種族だったが、個体数の減少と共に姿を変えていった
  • 元々あの姿で生息数も確保されていたが、彼らを激減させる何かが発生した(恐竜と共存していた時代があるのならば、恐竜を絶滅させた環境の変化だろうか?)
  • ニューギニアの個体は海獣化した何者かであり、人間達が発見してきた化石も海獣化した存在達の遺骨である(つまり、本来のゼオクロノドンは別の存在)

他の怪獣作品との関連性

ゴジラ

言わずもがな、前身の作品の『怪獣ラバン』にはゴジラが直接登場するだけでなく、メカニコングメカゴジラビオランテなどを先行する設定がみられた。


少年マガジンオリジナル版の漫画文庫に掲載されたコラム「妖怪紳士録」には、「人間ゴジラ(巨人ゴジラ)」という紙芝居が元になっていると記されている。


ゴジラの名前が「ゴリラ+クジラ」という由来だが、大海獣は「クジラ+ゴリラ」をイメージ的に体現したような姿である。ただし、ゴジラと違って放射能には強くないが、最終的には体外に排出している。


『ゴジラ』の最初期の企画されたストーリーは「クジラの化け物が東京を襲う」や「巨大なタコインド洋で日本の捕鯨船を襲う」というものであり、また、「ゴジラ」の名付けの由来が、「鯨肉を好むゴリラのような男」という意味の「グジラ」と呼ばれた綱倉志郎だともされている。後述の通り、『化け鯨』も貸本時代に執筆が予定されていた時代には、「鯨の肉を好んで食べた男が変化する」という話がある。


伊藤氏による最初の鬼太郎は『キングコング』と同じ年から出版され、アニメ第一作の鬼太郎は『ゴジラ』の公開された1954年生まれであるが、この1954年生まれという設定には矛盾している部分があり、複数の材料から判断すると江戸時代には生まれていたと解釈する場合が正しい場合もある。


なお、何かの因果なのか、姿が非常に近い『モンスターファーム』シリーズのグジラは英語では「Zilla」と呼ばれる。


大映特撮

大映特撮と水木しげる作品の関係性は非常に強い参照)。


漫画版における「鯨神」という呼称とセミクジラホッキョククジラのような見た目、そしてこのシーンから、大映の『鯨神』がモデルになっている可能性がかなり高い。そして、ガメラシリーズにおいても『鯨神』を意識した描写が見られる。

  • 大映の『鯨神』の音楽を担当した伊福部昭は、後述の大魔神シリーズの音楽も担当しており、伊福部の教え子の一人は4期鬼太郎の音楽を担当した和田薫である。

また、鬼太郎の動物や自然界との絆を描写するという意味では、ゴジラではなくガメラ(やモスラガッパなど)に近いキャラクター性でもある。


妖怪大戦争シリーズ」と昭和ガメラシリーズはタイアップして公開される事が多かっただけでなく、同じ俳優が出演していたり、大魔神吸血妖怪ダイモンに影響を与えたり、劇中でもガメラと大魔神が言及されている。


また、姿こそ違うが大魔神は『悪魔くん』に登場したり、3期鬼太郎に登場した鎧武者のデザインのモデルになっている(大魔神はそもそもガメラの敵としてデザインされていた)。ペロリゴン(4期鬼太郎のEDにも登場している)の腹部のデザインには、昭和ガメラの影響が見て取れる。


『怪獣ラバン』におけるゴジラの登場のシークエンスは、昭和ギャオスのそれとかなり近いが、『怪獣ラバン』の方が先行している。


また、マンモス・フラワー草体の関連性、ガメラの鳴き声が牛鬼(水木しげるが『化け鯨』の執筆を中止する前は、牛鬼に近いストーリーだった)や野槌に流用されている、ガメラ大魔神と鬼太郎達が『虚実妖怪百物語』で共演している、『妖怪大戦争 ガーディアンズ:平安百鬼譚』でもガメラと大魔神が登場して、『ガメラマーチ』の替え歌と『ゲゲゲの鬼太郎の曲』が関連付けられている事からすると、モデルとなったゴジラよりもガメラとの関係性が強い。


他にも、大映が徳間書店の傘下だった時代にはスタジオジブリと同期であり、『平成狸合戦ぽんぽこ』には水木しげるの影響が強い。また、宮崎駿も子供時代にガメラ作品を劇場で観ていたと著作で書いていたり、ジブリ作品平成ガメラが配給面で調整し合う関係だったり、『巨神兵東京に現わる』は直接的に平成ガメラからの影響を受けている。


類似するキャラクター


余談

  • 水木しげるの世界幻獣事典、には大海獣のような二足歩行をしたセミクジラ科またはコセミクジラのような頭を持つ存在が収録されており、毛や足がない事以外は大海獣にかなり似ている(参照
  • 実物が写真に収められたことがある
  • 映画『クローバーフィールド』の怪獣は、公開以前はヒゲクジラ型だったと噂され、「実写版大海獣ではないか」と騒いだ人もいたとかいなかったとか。
  • 「ロボット大海獣」はメカニコングよりも先に出た初の巨大怪獣型ロボットである。モデルの生物と戦うのは、後のメカニコングやメカゴジラなどにも見られる。見た目は大海獣よりも元ネタに近い。ちなみに、『ラバン』時代のそれはオリジナルのそれとも全く似ておらず、アヒルのような顔をしていた(参照)。
    • 目つき以外は『鉄腕アトム(ミドロが沼の巻)』に出てくるトカゲが、人間を洗脳して作らせたロボットによく似ている(参照)。ラバン自体も、ゴジラそのものよりはこのトカゲに似ている。というか、『怪獣ラバン』は手塚治虫の作画をトレースして描かれている。
    • どちらにしろ、国産ロボットとしては火器こそ無いものの、かなり巨大な部類の代物であり、こんな物を一人でごく僅かの日数で建ててしまう山田の方が妖怪じみている。また、首相などもロボットが完成してから初めて全容を知ったような素振りをしていた(実際は不明)。
    • シン・ゴジラが大海獣に似ているという声もちらほらとある(おかげでこんな企画も)。
  • 『大海獣』以外にも、『大怪獣』や『ラジコン大怪獣』などいくつかの異なるタイトルがある。つまり、後者の場合は敵キャラの名前が主題であった。
  • 海獣化した鬼太郎を洋上で処分する際に使われた護衛艦は、「うらなみ」の可能性があるらしい
  • インドの大怪獣「ゴゴラ」が、ロボット海獣に似ているとの声も

関連動画


外部リンク


関連タグ

鬼太郎 南方妖怪 山田秀一

クジラ 鯨神 化け鯨

巨大生物 古代生物 海獣 怪獣 ホエリアン

ゴジラ ガメラ 鯨神(大映作品)


ローペンミゴー/マサライ/マッサライカボ・マンダラット:水木しげるがイラストに残しているオセアニアのUMAや精霊や霊獣。

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