概要
「宇宙氷人」とは、ガメラシリーズの準備稿に登場を予定していた怪獣である。
一作目の『大怪獣ガメラ』が大入りで、半年後にガメラの二作目が製作・公開される事になった。
その際に、ガメラと戦う相手として想定されていたのが、本項で解説する「宇宙氷人」である。
内容
宇宙氷人とは、地球侵略のためにやってきた、氷の宇宙人たちである。
地球上に「新たな氷河期」を作り出すため、彼らは地球上の、複数の火山を噴火させはじめる。そこから人類を地下に移住させるとともに、自分たちに地上の支配権を譲り渡させるように計画していた。
しかし計画はうまくいかず、地球人は地下に向かわなかった。業を煮やした氷人たちは、計画を変更。人類の奴隷化を決定する。
その頃ガメラは、前作「Zプラン」の火星行きロケットから解放され、地球へと帰還。宇宙氷人たちへと戦いを挑む。
しかし宇宙氷人は、自分たちの擁する巨大な怪人「氷巨人」を解き放ち、ガメラへと差し向けるのだった。
設定
準備稿の怪獣であるため、外見や詳細は一切が不明。デザイン画の有無も不明。ただし、ヒューマノイド形態ではあったらしい。
宇宙氷人、および氷巨人のビジュアルイメージは、大映のもう一つの特撮シリーズ『大魔神』に登場する大魔神こと「阿羅羯磨」へと流用され、受け継がれることになる。そして、大魔神の影響によって『妖怪大戦争シリーズ』における「吸血妖怪ダイモン」も完成した。
また、「氷・冷気を武器として用いる」点は、ガメラシリーズ二作目『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』登場の敵怪獣「バルゴン」へと流用された。
余談
- 宇宙氷人は、もしも実現していたら、初の「ヒューマノイド体型のガメラ対戦怪獣」となっていた。
- 実現していれば、『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』に登場した「バイラス人」に先んじた、ガメラシリーズ初の宇宙人の敵にもなっていた。なお、バイラスは逆に低温に弱い。
- ガメラと戦う予定だった、宇宙氷人が擁する「氷巨人」は、一部の海外の怪獣・特撮研究家から「モデルは、北欧神話に登場した霜の巨人族ヨトゥンおよびユミルではないか」という説が唱えられている。
関連タグ
バイラス ジグラ バーベラ/フローベラ パイラ星人:大映特撮シリーズにおける宇宙人の例。