概要
『ガメラ対深海怪獣ジグラ』の幻の次回作『ガメラ対双頭怪獣W』にて「W」という名前で登場する予定だったのだが、制作会社の大映が倒産してしまったため登場することなくお蔵入りしてしまった。
この没企画は1991年発売のレーザーディスク『ガメラ永久保存化計画』の映像特典にて原案者の高橋二三、デザインの井上章両名によってミニチュアとイラストによって映像化され、そこで「W」はガラシャープと改名されると共に鳴き声と外見が登場。タイトルも『ガメラ対大邪獣ガラシャープ』と改題された。
なお、未制作に終わってしまったアニメ作品『牙滅羅』に登場が予定されていた。
設定
- 昭和ガメラの敵でも最大級の大きさを持つ。
- 炎などの熱エネルギーが好物で、舌を使って吸引する。そのため、火炎噴射が効果を持たない。
- 口からは毒ガスを吐く。
- 尻尾の先端にはドリルが付いている。尻尾を震わせると超音波を発する。
- 2匹の子供がいる。ガメラに命を救われ、無人島に放流された。その際、ガメラは二匹の牙または角を何らかの理由で折っている。
- 間接的とは言え、人類の兵器によって倒される初のガメラ怪獣であり(人類による技術をガメラが利用して倒したのはジャイガー以来となる)、ガメラが爆発性の兵器を利用して倒した2番目の怪獣である(1番目はギロン)。
- 地球人類による架空兵器が登場するのもシリーズ初である。
近藤ゆたか版
高橋二三も協力している近藤ゆたかのバージョンでは、デザインが変更されているだけでなく、電撃系の能力も持ち合わせている(参照)。また、尻尾のドリルもガメラの甲羅を貫通するほどの威力になっている。
マット・フランク版
(商品として発売されているが、本編とはつながりのない作品なので注意)
アトランティスがマナを大量消費したことにより出現した地底怪獣の種族。群れを成してアトランティスを襲撃した。ガラシャープたちに対抗するために、ガラシャープを餌とするギャオスが生み出され、ガラシャープを駆除することに成功するものの、今度はギャオスが脅威となってしまった。
そこで、ガメラ達が生み出された。激しい戦いによってギャオスは退散したが、ガメラは最後の一体を残すのみとなってしまった。
後年、ふたたびギャオスがアトランティスを襲撃し、さらには巨大化したガラシャープまで現れた。勾玉によって人間とリンクした最後のガメラは敵怪獣たちと死闘を繰り広げるが、人類がマナを消費する限り平和は訪れないと判断し、ギャオスとガラシャープ諸共アトランティスを破壊した。
しかし、物語の最後には赤い石と卵が人知れず孵化することとなる。
余談
- 制作されていれば、ガラシャープの子供たちはシリーズ初のガメラと敵対しない怪獣になる予定だった。また、怪獣とは言え「子供」を助けるというガメラの趣旨に叶った描写である。
- 破李拳竜の漫画『マンガボーイズコミックススペシャル 大怪獣ガメラ』には、ガラシャープをモチーフにした「大蛇竜ガランシャープ」とは別の怪獣として、「W」をモチーフにしたと思われる「双頭怪獣ダブリュース」が登場している。
- 「爆弾を吞み込んで倒される」という構図は、『大怪獣バラン』の結末をも思わせる部分がある。
- マット・フランクは、上記とは別にガラシャープの子供たちとモンガの子供がガメラに保護されて共に生活しているというイラストを描いたこともある(参照)。