プロフィール
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概要
『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』に登場する敵怪獣。
ニューギニアの孤島にある魔境「虹の谷」に隠されていたオパールに似た卵から誕生した現地で「千年に一度誕生する」と言い伝えられている伝説の怪獣。
鼻先から前方へ伸びる大きな角を持つワニとカメレオン、オオトカゲを合わせたような外見の四足歩行生物である。また、後ろ足だけで立ち上がることもできる。
外見と異なり、かなりのジャンプ力を持ち、ガメラとの闘いでも披露する場面があった。
カメレオンのような長い舌を持ち、これを宝石を持った人間に巻きつけて捕縛、そのまま丸呑みする。他に、強烈な舌の突きで、建造物を破壊することもできる。劇中では舌を用い、神戸港の神戸タワーを破壊した。
舌の先端からは零下100度の霧状の冷凍液を噴射する。その威力は絶大で、戦車隊や戦闘機隊ガメラの火炎放射とぶつかり合っても一方的に打ち消してしまった。さらには、北極出身で、宇宙空間にも耐えるガメラを凍結させてもいる。
冷凍液を放たずとも、バルゴンの歩き回った周辺を凍結させる事も可能な様子。ラジオのニュースでは、『料亭旅館やその周辺が、バルゴンが通過しただけでものの数秒で凍結した』と報道されている。
さらに背筋に並ぶ光り輝くトゲから「悪魔の虹」と恐れられる虹色の殺人光線を放つ。
この光線はあらゆる物質を破壊、消滅させ、周囲の人間を焼き尽す威力を秘めており、バルゴンを見た者がない島民達から「悪魔の虹」と恐れられる所以となっている。
またこの虹は、ガメラを誘引するほどの凄まじい熱量を持ち、赤道直下で噴火している火山にいたガメラがバルゴンの虹のエネルギーを求めてわざわざ大阪まで飛んできていた。
射程距離も長く、長距離からのミサイル攻撃を試みた鈴鹿ミサイル基地も、攻撃前にこの光線を受けて全滅してしまっている。
ただし、この光線は鏡に反射する性質で、表面が鏡面上になっている物体を破壊することはできない。
バルゴンはガメラの火炎放射ではほとんどダメージを受けなかったのに対し、後述の「バックミラー作戦」で自分の虹が反射された時は大火傷を負っていたことからも、その威力がうかがえる。
当時の書籍などでは、この虹は「殺人虹光線」、もしくは「ウルトラ七色光線」と呼称された。
また、優れた動物的本能や感覚を有しており、自分の身に何かしらの危険が迫ると、その殺気を敏感に感じ取り、警戒するようになる。
大阪から遠く離れた鈴鹿の基地で、自身を攻撃するミサイルの発射準備が完了しかけた時。その事を感知し、虹で先制攻撃し全滅させている。
他に劇中で、巨大な鏡面パラボラを利用した「バックミラー作戦」にて。自らの虹色の殺人光線を跳ね返されて体表を負傷した際、相当なダメージを受けてしまった。そのため、以降は動物本来の本能に従って、虹光線を死の間際まで出さなかった。
弱点は、生物としてはあまりにも奇抜だが、なんと水(真水)である。冷気を武器にするバルゴンが水に弱いという原理も不明である。
この弱点のため、長い間水中に留まると体組織が溶け出してしまい、死に至る。たとえ雨が降った程度でも行動不能になり、舌先からの冷凍液が噴射できなくなってしまう。また、注意深く見ると、神戸港に上陸した際も流血していることがわかる。
- このため、ネット上では「悪魔の谷で虹がよく目撃されていたのは、バルゴンが殺人光線で雨の原因となる雲を蒸発させていたのではないか」という説を唱える人が複数いた。
本来バルゴンは孵化から10年近い年月を経て成長するが、劇中のバルゴンは、卵に照射された医療用の赤外線の影響で、特異体質の突然変異種と化している。その影響により、孵化からわずか数時間で巨大化した。
もともとはダイヤモンドの放つ光に引き寄せられる習性を持ち、バルゴンを知るニューギニアの部族には水辺へのバルゴン誘導にダイヤモンドを用いる方法が伝わっており、劇中でもその部族により掌大もの巨大なダイヤが用意され、自衛隊の誘導作戦に用いられた。しかし上記にあるように変異種であるため、赤外線を当てて増幅されたダイヤの光でなければ認識できなくなっている。
その他の作品
- 寺沢健一郎と破李拳竜による漫画『大怪獣ガメラ』にも、ほぼ昭和版と同じ描写がされた。
- 近藤和久による平成三部作の外伝漫画『大怪獣激闘ガメラ対バルゴン-COMIC VERSION-』にもメインの敵として登場した。時系列的には『2』と『3』の間の話で、ガメラたちと同様に超古代文明が生み出した人造生命体という設定になっている。
- デザインは全身から無数の結晶体を生やしたイグアナに近い細身の身体に、頭頂部に巨大な真紅の結晶体を覗かせたドラゴンのような頭部が特徴となっている。古代にスーパーギャオスやイリスやジャイガーやジグラなどと戦っていた個体は、頭部のデザインが大きく異なる。
- 基本的な能力はオリジナルと同じだが、舌からの冷凍液は広い範囲の海面を瞬時に凍らせ、虹光線に至っては海を叩き割って大津波を引き起こすなどとんでもない威力を誇っていた。また、目を合わせた生物の欲求や本能を刺激して狂暴化させたり失明させるという能力も持っている。なお、劇中では完全体になる前に倒されたが、まだ亜成体の段階でもガメラと変わらない大きさであり、完全体は更に巨大だったであろうことが推測できる。
- 井上伸一郎の小説『聖獣戦記 白い影』でも、コミックと同様に青龍に該当する存在としてバルゴンが登場。勾玉で操られ、白虎に該当するジャイガーと戦った。日本海上で戦っているので、こちらのバルゴンが水に強いのかどうかは不明。
- 何の因果か、この二体はどちらも昭和版にて大阪城を襲撃している。
- 『小さき勇者たち』の小説『ともだち』でも、オリジナルギャオスの肉片を食べて怪獣化した生物の連合が登場し、そのメンバーはジーダスと昭和怪獣であった。バルゴンもG-バルゴンとして登場している。最初はガメラを狙って現れた烏合の衆であり、互いに攻撃したりする場面があったが、最終決戦ではジーダスに率いられている。
その他
- ガメラの名ライバルであるギャオスの陰に隠れがちだが、実際はガメラ(炎)のライバル(氷)として先に作られた存在である。この「氷」の属性は当初の敵として構想されていた「宇宙氷人」から受け継がれたものである。
- そのビジュアルイメージは、後の大魔神に流用された。
- 当時のパンフレットには、「舌の打撃力は、ファイティング原田(当時のボクシング世界チャンピオン)の20万倍」や「嫌いなものは、ニンジン、タマネギ」という記述がある。
- 昭和ガメラの嫌いなものもやはりタマネギとニンジンとされているため、両者のプロフィールがどこかの段階で混同された可能性がある。
- その奇抜な能力と弱点、そして何よりもイッちゃっている不気味な目で有名な怪獣である。トカゲとワニを掛け合わせたようなフォルムは怪獣としてはありがちで地味ではあるが、この爛々と輝く焦点の合っていない眼と大きく裂けた口、そこから伸びるグロテスクな舌はある種の狂気を感じさせる造型となっており、ガメラ怪獣の中でもとりわけ恐怖を煽る存在である。その甲高い鳴き声も、狂気を感じさせる恐ろし気なもの。
- 四足獣同士の対決という意味でも、当時だけでなく現代の観点から見ても珍しい対戦カードであった。
- 劇中でバルゴンが孵化するシーンでは、手を入れて操るマペットの人形(制作はエキスプロ)を用いて撮影。本作で特技監督も兼ねていた湯浅監督も、このバルゴン誕生シーンは個人的に気に入っているとの事。実際、粘液のネバネバなども相まって、非常にリアルに仕上がっている。
- 誘導に用いたダイヤをバルゴンが奪った人間ごと飲み込むシーンでは、実物大の巨大なバルゴンの口のセットを作り、それを用いて撮影されている。
- なお、劇中のガメラ及び自衛隊との戦いでは、『ガメラとは、初戦に冷凍液で火炎を無効化し身体を凍結』、『自衛隊の戦闘機及び戦車隊の攻撃は、冷凍液で無効化』、『遠距離からのミサイル攻撃は、先に察知し虹を用いて先制攻撃』『バックミラー作戦では負傷したものの、以後は虹を二度と出さない』と、そのことごとくに勝利している。『宝石で誘導し湖に沈ませる』『水に浸かると溶ける』という弱点を用いねば、ガメラ及び日本自衛隊はバルゴンを撃退できなかった可能性も高い。それだけバルゴンは強敵だったとも言える。
- 2006年の『小さき勇者たち~ GAMERA ~』では、限定的に公開されていた敵怪獣の情報からバルゴンの復活ではないか(?)と期待されていた時期もあった。完成作品に実際に登場したジーダスは、海から現れる爬虫類型怪獣であることに加え、武器になる長い舌とその先端から発する武器となる液体を持つ、人を食べる場面がある、ジャンプ力に優れている、などバルゴンに近いとも言える特徴を備えていた。
- 『GAMERA-Rebirth-』では昭和ガメラの敵怪獣の中で唯一登場しなかった。これはRebirthが子ども達に焦点が当てた作品の為、高年齢層を意識した『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』の登場怪獣であるバルゴンは登場しなかった、または同じ四足歩行型のジャイガーと被るからではという考察がある。
ただし、監督の瀬下寛之氏は決して嫌いでリストラした訳では無く、加えて既に続編の構想があるとしておりインタビューでも続編での登場を匂わせている。また公式設定資料集ではジャイガーの系統(爬虫類、両生類型)にバルゴンの名前が確認でき、10万年前の出来事が描かれるスピンオフ漫画『GAMERA-Rebirth-コードテルソス』も発表されている為、ファンからはそれらの作品での登場を期待されている。
なお、別会社のとある怪獣とは名前が非常に似ており紛らわしい。ただし、先に登場したのは向こうの方である。鼻先に角を持ち、四足歩行ながら高い跳躍力を持ち、目的こそ違えど人を食べる描写も類似している。平成ガメラの関係者が携わっていたり、関連シリーズにも登場している。
なお、『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』のドイツ語版では「ゴジラ」と呼ばれていた(この手の事例は、とくに昭和期の怪獣映画には度々見られた)。
関連イラスト
関連タグ
ガメラ 昭和ガメラ 大怪獣決闘ガメラ対バルゴン ガメラ怪獣 冷凍怪獣 虹
トトガメラ:コミックス版でのバルゴンの「魂」の生成とそれによる成長が、トトの「赤いエネルギー」とそれに関連する描写とかなり似ている。
Shimo(モンスターバース):バルゴンが影響を与えたと判明している(参照)。