キャラクター
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概要
『ガメラ対大魔獣ジャイガー』から登場した敵怪獣。
南太平洋上に存在する「ウエスター島」に眠っていたムー帝国の古代怪獣で、水牛、ワニ、魚類、角竜などを混ぜた姿をしている。そのキメラ的な姿だけでなく、常に半開きで眠そうな顔も特徴。昭和ガメラシリーズでも、ガラシャープの次に巨大な敵である。
- 『聖獣戦記 白い影』では、白い鱗に覆われた体を持つ、虎と竜のどちらをも思わせる姿とされており、「白虎」という立ち位置に合致した外見になっている。
同島に置かれている「悪魔の笛」と呼ばれる石像によって動きを封じられ、地中に閉じ込められていた。
しかし、人間達は当時日本で開催されていた大阪万博に展示するために「悪魔の笛」の発掘を開始した。そこに、同じ超古代文明のアトランティス出身とされるガメラも、この笛とジャイガーの存在を知っていたのか発掘作業の妨害に現れる。しかし、その最中に島の火山が噴火したことでガメラはそれに惹かれて火山の方に向かってしまい、その間に像は引き抜かれ、結局ジャイガーの復活を許すことになった。
主な武器は「マグネチューム光線」と「固形唾液ミサイル」。
マグネチューム光線(当時の図鑑によっては「オレンジ光線」とも表記)は、頭の一本角から発する超高周波光線で、曲線を描いて到達し、物質の分子構造を破壊する。
その威力は地上を焼き払い、人間を一瞬で白骨化させるほどで、実際に劇中では都市部で使用され、数百名(下手したら数千人単位)の市民が一瞬で白骨化するシーンが描かれている。『CR GAMERA THE BATTLE PACHINKO』では、通常の破壊光線として描写されている。
固形唾液ミサイルはその名の通り唾液を固めて作られた針で、鼻の両脇から生えている一対の角から発射する。
ガメラの皮膚を貫くほどの硬さと鋭さを誇り、ガメラの手足を串刺しにして甲羅に引き込めなくして動きを止めてしまった。
他にも尻尾の先端に針状の産卵管があり、それを用いてガメラの体内に卵を産み付けて、生まれた幼体に寄生吸血させる「吸血戦法」を有する(吸血されたガメラの頭部と左腕が透明化したため、「スケスケ戦法」という呼称も存在する)。
また、後両足の裏には特殊な吸盤「マグネチック吸盤」を具えており、名称から判断すればおそらく磁力によって離れたものを手元に引き寄せることができる。この能力を用い、ガメラの甲羅に張り付いてガメラの回転ジェットを利用して繰り出す「必殺空中回転投げ」という技を使う。
また、巨体ゆえに鈍重そうな印象を与えるが、吸い込んだ海水を頭部横のエラからジェット噴射させて海上を高速で滑走し、直撃すれば貨物船も真っ二つにへし折る。さらには、その勢いを用いて短時間なら飛行も可能である。また、海水ジェットを使わずとも驚異的なジャンプ力を持っており、大阪での戦闘や『CR GAMERA THE BATTLE PACHINKO』で披露している。
ウエスター島のガメラとの初戦では、唾液固形ミサイルで手足を貫いてその動きを封じ、その隙に悪魔の笛が運びこまれた日本に上陸した。
大坂城でのガメラとの再戦では、マグネチック吸盤を使ってガメラを拘束。尻尾の産卵管をガメラの首筋に突き刺し、卵を産み付けることで再びダウンさせている。
「大魔獣」の呼び名にふさわしい強さを持つ恐るべき怪獣で、二度に渡ってガメラに勝利を収めた強敵であり、『GAMERA-Rebirth-』の関連イベントでリバースジャイガーが発表された際にも「昭和版における最強の敵」と紹介されていた。
弱点は低周波。
悪魔の笛は、このジャイガーの弱点である低周波を発生させる仕掛けが施されており、それを用いて封じられていた。そのため、ジャイガーは悪魔の笛を恐れており、これを無効化しようと動いた。
最終決戦では、ガメラは電柱で耳栓をしてマグネチューム光線を無効化、尻尾の産卵管もガメラに叩き折られて弱体化する。
更に悪魔の笛をガメラに回収され、「サタン殺しの技」で笛を眉間に突き刺され、そのまま絶命した。その遺骸はガメラにウエスター島へと運び去られた。
ジャイガー二世
ジャイガーの幼体。
ジャイガーが、大阪城での戦いにて。ガメラの体内に産み付けた卵から誕生した。
体長2メートルほどで、角が未発達な事を除けば親ジャイガーとほぼ同じ形態をしている。頭部の一本角も短く、鼻の両脇の(唾液固形ミサイルを発射する)角も未熟。唾液をまだ固めることが出来ないためか、代わりに粘着力の高い液体(固形唾液ミサイルの不完全な物)を飛ばす。
孵化後はガメラの肺に巣食って吸血し、そのためガメラは頭部と左前足が透明化して仮死状態に陥っていた。
弱点は親と同じく低周波。ガメラを助けに小型潜水艇で体内に入り込んだ弘少年が投げつけたトランシーバーからの雑音=低周波を浴びせられ、もがき苦しんだ挙句絶命した。
GAMERA-Rebirth-
その他の作品
- 『宇宙怪獣ガメラ』および世界観が繋がっている漫画作品『大怪獣ガメラ』(破李拳竜作画)に敵として登場している(その際には「自分はムー大陸出身だが」と、アトランティス生まれのガメラと異なる出自を口にしていた)。
- 近藤和久の漫画『大怪獣激闘ガメラ対バルゴン-COMIC VERSION-』にて平成ガメラの世界観に合わせて「超古代文明の生体兵器の一つ」という設定でカメオ登場している。
- 同様に、平成ガメラの設定を引き継いだ井上伸一郎の小説『聖獣戦記 白い影』では、白虎に相当する怪獣として登場し、聖なる存在とも言えるが、召喚者の行動によってはこの世に害悪を及ぼすとされている。対馬小太郎によって勾玉で操られ、元寇時の北九州で青龍(バルゴン)と死闘を繰り広げた。本作では元軍に同行していたヨーロッパ人から「ジャイガンティス」と呼ばれたことが名前の由来になっている。
- 『小さき勇者たち』の小説版では、オリジナルギャオスのDNAによって誕生したG-ジャイガーと、ギャオス細胞を利用して培養されたジャイガー二世と宇宙ギャオスが登場した。
- ダークホースコミックスによるアメコミ『ガメラ:宇宙の守護神』では、名前だけ言及されている。
- 『CR GAMERA THE BATTLE PACHINKO』では、鼻先が肥大化していて、牙の形状も大きく変更されている。
余談
- 命名の所以は不明だが、「ジャイアント」または「ギガンテック」をもじったほか、ジャガイモに似ているからという噂もある。
- アメリカでテレビ放送された際には「モンスターX」と呼ばれていた。
- コンセプトアートでは、より「猛牛」の様な見た目をしていた。
- マンモスネズラのデザインは、ジャイガーとチタノザウルスに由来しているとされる。
- 海外のトイラインである「Trendmasters」版のジャイガーは、かなり大胆に見た目がアレンジされていることで知られる。
- 冷凍怪獣であるバルゴン、ガメラの甲羅へのアンチテーゼである頭部を持つギロン、同じく古代文明と関係があるジャイガーと、昭和ガメラには「ガメラの宿敵」として明確にデザインされた怪獣たちが登場する。
- 『パシフィック・リム:アップライジング』では、イースターエッグとして、討伐されてきた Kaiju のリストにガメラ、ヨンガリ、ギャオス、ジグラ、ギロン、HAKAISHA、バラゴン、バラン、アンギラス(を捩った怪獣)、バトラ、ガイガン、MUTOなどと共に名前付きで含まれている(参照)。
- ジャイガー二世がガメラの体内に寄生している事を科学者が解説するシーンでは、ジャイガーが『幼体を別の動物の体内に産み付け、寄生させる』生態を有する仮説を立てていた。
- その際に科学者は、「アフリカの国際熱帯動物研究所」に在籍中に発見した「象の鼻に幼虫を寄生させる(架空の)昆虫『リノ・エストラス・エラス』」の記録映像を引用している。
- 件の昆虫は、象の鼻に卵を産み付け、幼虫を内部で大量に誕生させるが、そのために象は鼻が膨れ上がってしまい、呼吸困難に陥ってしまう。劇中でその様子は記録映像に残されており、切開手術を行って象の鼻の内部から大量の幼虫が取り出されるシーンが映っていた。
- この映像は多摩動物園の協力で撮影されたもので、膨れ上がった鼻は本物の象にメイクしたもの。手術シーンに大量に登場する内部の幼虫は、生きた豚の回虫を使って撮影している。
- 非常にリアルに仕上がり、「気味が悪い」と評判だったというが、湯浅も「撮ってる僕も気味悪かった」との事。実際、あまりにグロテクスなためにそのまま映すのははばかられ、フィルターをかけて白黒に処理してある。
- あまりのリアルさに、当時にこれを見た視聴者の中には、長年本物だと思っていた者も少なくないらしい。