概要
惑星テラで大量繁殖したギャオスの亜種。
体色が銀色、血液が紫色なのを除けば地球のギャオスとは何ら変わりはない。また、初めて複数の個体が出現したギャオスでもある。
地球産のギャオスとは違い、昼間でも活動できる(銀色の体色で紫外線を反射しているという説がある)。
惑星テラの原子力を基準とした文明が仇となり、ある時点で爆発とメルトダウンが発生して宇宙ギャオスが発生したとされる。テラの文明を崩壊したあとの食糧事情は不明であり、そもそもなぜテラに棲息しているのかも不明瞭である。
- 当時の児童向けガメラの書籍では、「ギャオス自体が元は宇宙怪獣だったのでは」という考察の記述が一部あった。
劇中、ある個体がギロンと戦闘をした。上記の歴史を考慮すると、ギロンはギャオスへの対抗手段の「番犬」として飼育されていたと思わしいため、まるで徳間ガメラの設定にも通じる部分があるのかもしれない。
得意の超音波メスを放つものの、包丁のようなその頭部で反射されてしまい、右足を切断してしまう。
今度は空中から背後に迫るが、ギロンの背面斬りで左翼を切断され、墜落。
さらに右翼も切断され、身動きが取れなくなったところで首を切断され、ついに死亡した。
ちなみに宇宙ギャオスの肉は非常に臭く、輪切りにして食べようとしたギロンはその悪臭のせいで食べるのを断念している。
- このため、宇宙ギャオスを食料とすることもできないために惑星テラが食糧難で追い込まれたともされている。
二体目はテラの居住区に近づくも、ギロンが出てくるなり逃げ去った。
また、劇中では惑星テラの居住区近くに存在する谷に、多数棲息している事が示唆された。バーベラとフローベラがモニターにその地を映しており、多数の宇宙ギャオスが棲息している様子が確認できる。
なお、バーベラとフローベラは、地球から来た明夫少年の記憶を読んで、ガメラがギャオスと戦った事を知り、「地球にもギャオスが居るのか」と訊ねている。
その他の作品
『小さき勇者たち』の小説版では、他の昭和の敵怪獣がオリジナルギャオスのDNAによってG-怪獣として誕生した一方で、ギャオス細胞を利用して培養されたジャイガー二世と宇宙ギャオスが登場した。
余談
- 宇宙ギャオスの命名は、劇中で惑星テラに辿り着いた直後にトム少年が目撃して「(宇宙のギャオスだから)宇宙ギャオスだ」と発言した事から。
- 古代文明の事故によりギャオスが大量発生して文明を崩壊させたのは、後のスーパーギャオスにも通じる設定である。
- 超音波メスが宇宙空間でも機能するのかは不明である。また、オリジナルのギャオスが持つ消火液も、有しているかは不明(劇中では使う機会がないため用いなかった。単に出さなかっただけか、あるいは能力を有していないのかは不明)。
- 着ぐるみは『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』で使用した物を塗り替えて使用した。(ギャオスの着ぐるみが残っていたため使用したらしい。また、着ぐるみは、腹の溝が目立たないNG版を使用したという説もある。
- 登場経緯は、特撮に予算をかけられないのと、尺稼ぎの関係である。
- 映画公開当時のパンフレットなどには、ギロンのみならずガメラと一緒に載っているものもあるが、劇中ではガメラと同じ画面に出ることは無い。
- 当然、ガメラと対戦してもいない。なので、ガメラ映画に登場した怪獣であるが、ガメラと戦ってないという、珍しい存在でもある。
- 海外公開版では、一体目がとどめを刺されるシーンは残酷ということでカットされている。
- 後年の作品、および平成シリーズには(作風が異なるので致し方ないが)登場しないが、ギャオスが宇宙空間に到達できる可能性は一作目で描写されている。