概要
前作『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』が観客の中心だった子供に向けられた作品ではなかったことを不満に思った監督の湯浅憲明が、第1作目でガメラが子供を救う場面が好評だったことやスタッフの反省会で出た「大人向けのドラマは子供は飽きてしまう」・「怪獣の登場を引きずりすぎると子供が集中できない」と言った意見を取り入れ、「高速道路の用地買収」といったアダルトな要素を入れつつも完全に子供向けに割り切る中性的な方向性で制作された。
また公開時期も東宝特撮路線との競合を避けるため春休み期間に移され、『少年ジャックと魔法使い』・『サイボーグ009怪獣戦争』をメインとした『東映こどもまつり』との対決となったが共に善戦奮闘した(本作の併映は、都市圏でのロードショーで先行公開され一般国内枠に振り分けられた日ソ合作の『小さい逃亡者』)。
社団法人・映画輸出振興協会の融資で制作されたが、通常の映画の三倍の予算をかける、いわゆる超!高額予算は今作が最後となった。そのため、前作や同時期の東宝特撮路線にも劣らぬパワフルな映像と中性的なドラマ展開が炸裂した最高傑作となった。
今作で登場したギャオスはその後、『ガメラ対大悪獣ギロン』(亜種)、『ガメラ大怪獣空中決戦』、『GAMERA』と、2010年代に至るまでシリーズに登場し続け、ガメラシリーズを代表する敵怪獣としての立ち位置を確立している。
あらすじ
富士火山帯に属する明神礁・三宅山雄山、そして富士山が大噴火し、熱に引き寄せられたガメラが再び日本に現れる。日本政府の要請で調査のために科学者や報道陣を乗せたヘリコプターが飛来するが、突如発生した黄色い光線で撃墜されてしまった。
一方、二子山の麓にある山村では、高速道路建設を行おうとする作業員とそれに反対する村人たちの間でにらみ合いが起こっていた。しかし村人たちの建設反対は建前で、にらみ合いを長引かせる事での用地賠償金つり上げが目的だった。
村長の孫の英一は、ヘリの墜落と謎の光線の取材に来た記者に頼まれ、二子山の案内をしたが洞窟に入った時謎の地震が発生。英一を見捨てて逃げ出した記者は天罰同然に謎のコウモリのような怪獣に捕食されてしまった。
作業員や村人たちが駆け付けた時には英一も怪獣に襲われていたが、そこにガメラが出現。英一は助かったものの、戦いで負傷したガメラは海へと潜ってしまった。
ギャオスと名付けられたこの怪獣を迎撃するため、自衛隊が出撃する。これによって二子山の村人達の生活は一変してしまった。
関連タグ
大怪獣決闘ガメラ対バルゴン←大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス→ガメラ対宇宙怪獣バイラス