ガメラマーチ

がめらまーち

『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』から、永田ラッパ期の旧・大映東京作の昭和『ガメラ』シリーズで使われていた主題歌である。

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目次 [非表示]

1 データ

2 概要

3 復活

4 シリーズの有名な曲の例

5 余談

6 関連タグ

「いかすぞガメラ」

「がんばれガメラ」

「強いぞガメラ」

データ

作詞：永田秀雅
作曲・編曲：広瀬健次郎
歌：大映児童合唱団
演奏：大映レコーディングオーケストラ

概要

広瀬が劇伴も担当した、『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』の主題歌であり、その後は山内正～木下忠司～広瀬と続き菊池俊輔が担当した最後期の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』まで使われた。その後に大映の倒産によってシリーズが中断したため、次に予定されていたガラシャープ戦が映画化されていれば本曲がまた使用された可能性もある。

『ガメラの歌』より後に作られたが、「ガメラと言えばこの歌」と思うファンも多いほどに知名度が高く、人間を守るガメラを応援する子供達の心情が歌詞に込められている。

上記の関係者は、B面曲の『ぼくらのガメラ』も並行製作した。

歌唱している「大映児童合唱団」というのは存在せず、湯浅憲明監督によれば「そこらへんの子供を集めてきて歌わせたもの」という寄せ集めのド素人集団らしい。しかし「その割には結構上手い」と評判である。

歌詞には『ガメラの歌』からの再利用された部分がある他にも、それぞれバルゴン、ギャオス、バイラスを意識した部分が取り入れられており、それぞれの惑星や曜日に該当した表現も含まれている。

作詞担当の永田秀雅とは、当時の大映の社長で「ラッパ」とあだ名された永田雅一の息子で専務を担当していた人物。かつては『透明人間と蝿男』のプロデュースもしていた。

同じく永田の作詞による前作『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』の『ガメラの歌』に続き「映画を観に来る子供たちをいい子に育てたい」という思いから、「ガメラを全くのお友達…ぼくらのガメラ」にしたかったと語り、湯浅によると、歌が完成した際には大映の会議室から飛び出してきて「おい！またガメラの歌が出来たから、みんな聞け」とスタッフの前で歌詞を朗読。

専務の前ということで全員拍手したところが「湯浅君、みんなが感激していいと言ってくれたから、これ使ってくれ」ということになり、広瀬に作曲を依頼しレコーディングとなった。

復活

大映が倒産して昭和シリーズが終焉し、徳間書店時代にも『宇宙怪獣ガメラ』では使用されず、後述の通り『大怪獣空中決戦』でも湯浅憲明が望んだにもかかわらず本曲は導入されなかった。その後に徳間書店も経営破綻に陥り、平成ガメラが打ち切りになってシリーズ自体が再度の沈下を迎えたことで本曲の復活も叶わなかった。

徳間書店とKADOKAWAは東宝に何度か『ゴジラvsガメラ』のオファーをしたが実現しなかった。
- 2000年に死去した徳間康快が徳間書店の経営破綻前の1990年代後半にオファーをし、大映を受け継いだKADOKAWAは2002年に大魔神の新規プロジェクトと共にクロスオーバーの製作を発表していた。

しかし、KADOKAWA時代には『小さき勇者たち』の小説版で軽く触れられたり、『CR GAMERA THE BATTLE PACHINKO』でJAM_Projectによるハードロック調のバージョンが登場したり、『妖怪大戦争ガーディアンズ：平安百鬼譚』では、妖怪が京都を守る「玄武」を賛美する為に替え歌を歌っていた（参照）。その際には『ガメラの歌』と『神話』と『ゲゲゲの鬼太郎の歌』の3曲を意識した描写があった。

大映特撮と水木しげる作品は様々な部分で縁があり、『虚実妖怪百物語』では実際にガメラと大魔神と鬼太郎たちが間接的な共演を果たしている。

『小さき勇者たち』が打ち切りになってしまい、カートゥーンネットワーク作品、『牙滅羅』、『ガメラ3D』、2010年代の企画などの後発企画もキャンセルされてしまい、シリーズは3度目の沈下を迎えたためにやはり本曲の復活の機会も奪われてしまった。

しかし、2023年の『GAMERA-Rebirth-』にてアレンジバージョンがサウンドトラックの一つとして使用されており、これが52年ぶりの本編への復帰となった。

また、『ネズラ1964』ではマッハ文朱による『ネズラマーチ』が登場した。マッハ文朱は『宇宙怪獣ガメラ』でも主題歌を担当している。

シリーズの有名な曲の例

ぼくらのガメラ（大映児童合唱団）
ガメラの歌（ひばり児童合唱団）
神話（爆風スランプ）
そら（ウルフルズ）
もういちど教えてほしい（ユリアーナ・シャノー）
Eternal_Love(mink)（mink）
夏暁（WANIMA）
ガメラのテーマ（大谷幸）
ガメラ出現&ギャオス逃げ去る（大谷幸）
- 大泉洋のトラウマ

余談

『ガメラ対深海怪獣ジグラ』では、ジグラが止めを刺される直前に「動けなくなった場面で背びれを使って本曲を演奏されて挙句の果てにガメラが踊り出す」という屈辱的な仕打ちを受けている。ただし『宇宙怪獣ガメラ』にも映像が流用された時は、まったくの別物にされた。
ある意味ではガメラの親戚とも言えるヨンガリ（ヤンガリー）も、伝統民謡の『アリラン』を聞くと踊りだすという描写がされており、ガメラの影響がうかがえる。
湯浅憲明は『ガメラ大怪獣空中決戦』で本曲が使用される事を望んだため、当初のプロットのバリエーションの一つでは、クライマックスに本曲が流れる予定だった。
- ギャオスを倒したガメラを見送った子供たちがこの曲を歌ってエンディングという構想だったらしい。
- 結局未使用に終わったことから湯浅は「どこかに流してほしかった」とコメントしている。
映画公開に合わせてこの曲と「ぼくらのガメラ」、ミニボイスドラマ「迫力ドラマ」を収録したソノシートが発売された。
本曲のレコードは、前年に発足した「大映レコード」にてリリースされた。現在は『CINEMA-KAN Label』において、キングレコードと徳間ジャパンの協力の元で「東宝レコード」のLP盤をCD増強復刻させた『大怪獣ガメラ＋』（CINK-103）にて本曲を含む昭和ガメラシリーズ全てのガメラソングがシングルヴァージョンで収録されている。
- そのため、コアなファンに限らず、ビギナーにもお勧め出来る盤である。