概要
KADOKAWAによる2021年公開の『妖怪大戦争シリーズ』の最新作であり、スピンオフとも言える京極夏彦の『虚実妖怪百物語』を除けば16年ぶりの新作である。
水木しげるの死後に初めて製作された「妖怪シリーズ」の作品であるため、現状では水木しげるが携わっていない唯一の『妖怪大戦争』作品ではあるが、荒俣宏などの関係者は全員ではないが続投しており、荒俣は小説版の原作も務めている。
監督は平成版と同様に三池崇史が続投。主演は寺田心。岡村隆史や遠藤憲一などの俳優陣も続投している。なお、平成版で水木しげるが妖怪役として登場したのと同様に、こちらでは荒俣宏も雨降小僧役として登場している。
平成版の流れを汲むがストーリー上の続編ではない。そのため、前作の主人公を演じた神木隆之介がなんと加藤保憲として登場した。
特別ゲストとして、吸血妖怪ダイモンのルーツでもある大魔神が、実に55年ぶりに映画作品に復活した。これも、三池崇史が本来は『小さき勇者たち~GAMERA~』と同時期(2007年頃)に大魔神を復活させようとしていたが叶わなかったことに由来している。
- ガメラと同時期に大魔神を復活させようとする試みはこれまでも何度かあったとされる。その中のいくつかは、『小さき勇者たち』の前身である『ゴジラvsガメラ』との同時進行プロジェクトだったり、ケビン・コスナーによる物だったり、藤谷文子とスティーブン・セガールの親子でのタイアップが考慮された物だった。
- 大魔神がガメラよりも復活が難しいのは、親会社の経済状況によって生じたブランクにより知名度が落ちて予算やスポンサーが付きにくいなどの部分は共通するが、大魔神は概して人間と直接やり取りをする大きさ(身長4.5~20m前後)であるため、ミニチュアとは異なる大規模な造形物やセットが多数必要になるため、十分な予算を確保できないことが大きいとされている。
- 三池の大魔神企画は『大魔神カノン』に引き継がれたとされる。
また、スピンオフのノベライズ作品である『平安百鬼譚』では「玄武」ことガメラも登場した(参照)。こちらでは、鬼太郎ファミリーや朱の盆などの『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの常連や、アマビエや鵺やヤトノカミや虎人など、5期鬼太郎でデビューしたキャラクターも登場している他、安倍晴明の異名として「DAIMON」が言及された。
- 昭和の『妖怪大戦争シリーズ』と『大魔神』自体がガメラシリーズの影響で製作され、製作や配給面でも大きく影響を受けていて、タイアップして公開される場合もあった。
- 2005年版でも映画版でヨモツモノが「ガメラ」と呼ばれたりガメラの鳴き声のエフェクトが一部使用されていたり、小説版でガメラと大魔神と『ゲゲゲの鬼太郎』が言及されていたが、ガメラと大魔神が「直接」キャラクターとして参戦したのは今回が初めてである。また、『ガメラマーチ』と『ガメラの歌』と『神話』と『ゲゲゲの鬼太郎の歌』の歌詞も挿入されている。
前作同様に荒俣宏が小説版を書き下ろした。また『月刊少年エース』で鈴木小波による漫画版が連載されていた。
なお、HIKAKINは本作で「妖チューバー」として登場し、本作の後にも『ゲゲゲの鬼太郎』に本人役で登場している。
配給は前作(松竹)とは異なり東宝が担っており、平成ガメラと共通している。大映が倒産して以降は、ガメラシリーズも妖怪大戦争シリーズも全て他会社との共同配給になっているが、これは大映が持っていた配給チェーンが失われたためだとされている。
キャスト
渡辺兄 | 寺田心 |
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渡辺大 | 猪股怜生 |
狐面の女 | 杉咲花 |
隠神刑部 | 大沢たかお |
ぬらりひょん | 大森南朋 |
姑獲鳥 | 安藤サクラ |
猩猩 | 大倉孝二 |
天狗 | 三浦貴大 |
雪女 | 大島優子 |
天邪鬼 | 赤楚衛二 |
茨木童子 | SUMIRE |
小豆洗い | 岡村隆史 |
夜道怪 | 遠藤憲一 |
大首 | 石橋蓮司 |
雨降小僧 | 荒俣宏 |
妖怪ひかきん | HIKAKIN |
渡辺綱 | 北村一輝 |
渡辺礼香 | 松嶋菜々子 |
老人 | 柄本明 |
加藤先生 | 神木隆之介 |
太字は平成版と同じ配役。
スタッフ・データ
関連動画
関連タグ
青鬼オンライン:コラボレーションが行われたが、これが2023年の『GAMERA-Rebirth-』とのコラボレーションに影響を与えたと思われる。『青鬼オンライン』はHikakinが創設者であり重役を務めるUUUMの商品であるためか、本作(妖怪大戦争ガーディアンズ)にも登場しているHikakinや、デカキンとのコラボレーションも行っている。