概要
江戸時代末期(弘化3年・1846年)に肥後の国(現・熊本県)にて現れたとされる妖怪。
毎晩の様に海中に光るところがあり、役人が赴いたところ出没した。その姿は人魚に似ていたが、嘴が有り、首から下は鱗で足は3本あったという。「この先6年間は豊作が続くが、もし疫病が流行することがあれば、私の姿を描いた絵を人々に早々に見せよ」と伝えて海中へ消えた。
似た妖怪として流行り病を予言する白沢やクタベ、災厄を予言する件が知られている。
目撃記録が一つしかなく、「アマビエ」という名前の意味も不明など謎の多い妖怪。ただし、同時代の瓦版や史料で「アマビコ(尼彦、あま彦、天彦)」と書かれた物が複数発見されている為、書き写されるうちに「コ」が「エ」と誤読・誤記され、これが一般化したと推測されている。
情報の乏しさゆえに長らくマイナーな存在だったが、水木しげるが瓦版の絵を元に一枚絵を描き、さらにその一枚絵を参考に可愛らしくリファインされたキャラクターとなってアニメゲゲゲの鬼太郎に登場。愛嬌あふれる活躍ぶりで人気者となり、21世紀に至って一気に知名度を高めた。
余談
コロナウイルスの流行とアマビエ
2020年初頭に新型コロナウイルス(COVID-19)が流行した際は、各自が描いたアマビエの絵をSNSにアップするネットミームが起きた。
この現象を受けるように厚生労働省も同年4月9日、アマビエを啓発アイコンとして起用。さらに大分の運送会社が、アマビエチャレンジとして投稿されたイラストレーター東京モノノケの作品をラッピングしたトラックを走らせる(本人許可済み)など、人々が病に立ち向かい、勇気づけあうための象徴としてアマビエが取り上げられることとなった。
海幸彦との関連
上述の通り、アマビエはアマビコの写し間違いから生まれたのではないかと推測されている。さらに「アマ」が「海」であるとすれば、アマビコはもともと「海彦」だった可能性があることから、アマビエと記紀(古事記・日本書紀)に登場する神、海幸彦との関連について考察する意見も見られる。
創作での登場
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」での活躍
5期鬼太郎のキャラクターとして
あにめたまえ!天声の巫女
上述の新型コロナウイルスの終息を願い、作者のRebis氏によって美少女化されている。
同じく上述のネットミームから、「自撮りとシェアが大好きなキラキラ黒ギャル人魚」としてアレンジされており、特徴的だったおちょぼ口は自撮りの際のアヒル口に落とし込まれている。
遊戯王OCG・遊戯王ラッシュデュエルでの活躍
あまびえさんを参照。
女神転生シリーズ
ゲームには登場していないが、Vのキャラデザを担当した土居政之氏がTwitterにてイラストを公開している。
アトラスのコピーライトが存在し、種族も秘神とされているので準公式の存在だと言える。
『真・女神転生V Vengeance』ではデザインと種族をそのままにシリーズに正式参戦。
自身をアイドルと称するのじゃロリ系のキャラになる模様。
固有スキルはアイドルポーズをキメる「良気の流布」。パーティのバステ回復+デバフ解除。
地獄先生ぬ~べ~NEO
36話にて登場。海辺の祠に封印されていたが、一人の生徒が祠を壊してご神体を海に蹴落としてしまったため封印がとけて生徒たちの前に現れた。作中では人前に現れ自分の姿を描かせるという妖怪だがその素顔はあまりにも恐ろしく不気味なため姿を見た者は恐怖で全身が氷ついてしまうという設定になっており、本来のアマビエの疫病退散という設定はない。
音楽
アマビエをモチーフにした楽曲を発表するミュージシャンもいる。
アニメ
特撮作品
『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』にアマビエをモチーフにしたカントクマイナソーが登場。
関連イラスト
関連タグ
アマビコ:名前が似ている妖怪。アマビコは、誤記による表記ゆれの可能性が指摘されている。
甘エビ︰よく間違えられる。