概要
古代バビロニヤのウル遺跡に、4000年にわたり封印されていた吸血妖怪。
その姿は、恐ろしげな赤い双眸を持つ緑色の顔に、猛禽類を思わせる手足、脇に翼を持ち、自在に空を飛べる。20尺(約6.06m)に巨大化する事も可能。
牛の頭を模した4尺(1.212m)ほどの長さの錫杖「魔笏」からは、炎と突風を放つ。また、自身も分身能力を持ち、分身体を作り出しては敵を翻弄する。
人間を殺害し、その生き血をすするほか、殺した後の身体に憑依して成りすます事も可能。権力者などを殺害して憑依する事で、その立場や権力を利用したりもする。本隊のみならず、分身体にも憑依能力がある。
異国の妖怪なので、油すましの持つ「妖怪紳士録」や「日本妖怪大図鑑」にも載っていない。
劇中の活躍
古代バビロニヤの遺跡にて、4000年前より封じられていたが、そこを遺跡荒らしが盗掘したことで復活。
そのまま近隣の中東諸国ではなく、遠く離れた日本の江戸に飛来。代官・磯辺兵庫を殺害し乗り移る。
それまで慈悲深いと領民に慕われていた磯辺兵庫だったが、ダイモンが乗り移ってからは仏神の威光をすべて拒み、神棚仏壇の類をすべて壊してしまった。
そして、代官の立場を利用し、領地の若い娘や子どもを屋敷奉公の名目で呼びつけて生き血をすすり、逆らう者はすべて処刑、人々を恐怖のどん底に陥れてゆく。
のちに、磯部の重臣達も殺害して分身を乗り移らせている。
兵庫の屋敷内の池をねぐらにしていた河童は、ダイモンの存在に危機感を覚え、単身ダイモンに挑むも敗れてしまった。
仲間の妖怪達に助力を求めるも、「そんな妖怪は知らない」と袖にされる(上記にあるように、油すましの持つ資料にも掲載されていなかった事も、存在を信じてもらえなかった理由の一つ)。
しかし、妖怪のねぐらに逃げてきた子ども達の話と、後からやってきた古株の妖怪、青坊主と雲外鏡によってようやく他の妖怪達にも認知され、日本妖怪たちも立ち向かう事に。
まず村娘に化けたろくろ首に拘束されるが、あっさりと撃退。
次に油すまし・雲外鏡・青坊主の攻撃を受け、更に唐傘お化けも加勢。しかし、やはり歯牙にもかけず、逃走する彼らを突風攻撃で撃退する。
その後、代官の家来だった真山新八郎に正体がばれてしまい、御札を貼られかける。
しかしこれも反撃。吹き飛ばし、逆に河童たち妖怪たちを壺の中に封じ込めてしまう。
新八郎に左目を矢で射抜かれたが、代官の体を捨て、今度は新任の代官伊織に憑依。そこから新八郎を処刑しようとするも、磯辺兵庫の娘・千絵によって妖怪たちの封印が解かれてしまった。
ここに来て、日本妖怪たちはダイモンを倒すべく結集する。
河童との再戦では炎を放ち、油すましらとの再戦では5体に分身して追い詰める。だが、日本中の妖怪たちが集結し、逆に多勢に無勢で徐々に追い詰められていった。
油すましによって分身の右目を潰されるが倒れず、そこから「本体の目を潰さなければ倒せない」と知られてしまった。最後の手段として巨大化するが、天狗と、唐傘お化けにつかまった油すまし達が空から強襲。油すましの竹槍に本体の右目を潰され、悲鳴と共に何処かへ逃走していった。
余談
- 演じたのは、『大魔神シリーズ』で大魔神を演じた巨漢俳優の橋本力。『大魔神』での「眼の演技」に惚れ込んだ黒田監督直々の指名を受けて登板となり、ダ大魔神の際の演技の複数の構図がダイモンの演技に応用されたとされる。
- 橋本は大魔神では戸惑いの多かったスーツアクターとしての演技が、本作では楽しんで演じられるほどになり、様々なアイディアを演技に盛り込んだという。大魔神と同様に、「目瞬きをせずに演じた、橋本の真っ赤に充血した双眼の迫力・眼力」は、内外でも評判となった。
- ぬいぐるみのほか、巨大化後の実物大の手や足が制作され、効果を上げた。ぬいぐるみは八木功によると、2000年ごろまでエキスプロに保管されていたが、社屋移転の際に廃棄されたという。
関連項目
小さき勇者たち~GAMERA~:ダイモンの人形が置かれている場面がある。