概要
京極夏彦による小説シリーズ。2011年から『怪』にて連載開始され、2018年に終了しているため、京極の作品でも最大の長編となっている。ゆうきまさみがショート漫画を提供している。
「妖怪大戦争シリーズ」と『帝都物語』シリーズをベースにしており、そこに京極自身の『豆富小僧』シリーズのエッセンスも加えられている。
最大の特徴は、なんと言ってもその異様にカオスなストーリー展開であり、(登場人物いわく)極めて節操がないほどの大規模なクロスオーバーが特徴。数多のキャラクターだけでなく、実在の人物たちが実名で登場している。水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆきなどの「水木ファミリー」はもちろん、KADOKAWA(旧大映・徳間書店)の面々など彼等との関わり合いが強い大映特撮の関連者に関する言及も目立つ。
上記の通り、妖怪大戦争シリーズ、水木しげる作品(大映の「妖怪シリーズ」も今では十分に「水木作品」である)、『帝都物語』を中心に扱い、そこに京極自身の『豆富小僧』や『京極堂』などのエッセンスも加えている。そのため、ダイモンと加藤保憲がメインの敵として登場し、豆腐小僧もナレーター的な役割を果たしており、終盤でカメオ出演しているキャラクター群でも特にガメラや大魔神や鬼太郎などへの言及が比較的に多い。
- そもそも、水木しげると楳図かずおと大映特撮の関わりのきっかけを作り、「第一次妖怪ブーム」の間接的な立役者となったのがガメラである(参照)。
- 山村貞子もKADOKAWA系列のキャラクターであり、たとえば仲間由紀恵の登用だけでなくこれまでも何度か『ガメラ3』や『貞子DX』など互いの製作面で影響し合ってきたことが判明しており、調布市(ガメラと大魔神と鬼太郎達が街のあちこちにいて時には並んでいる事もある)では、イベントで共演(?)したこともある(参照)。また、イリスも『虚実妖怪百物語』にて実名で言及されている。
- ガッパも、日活のキャラクターであるが、やはり調布市のマンホールの一部に描かれており、日活もガメラシリーズや妖怪大戦争シリーズの配給に協力してきた。
ストーリー
水木しげるの意味深な警告と共に、日本中で事件が多発し、社会情勢が混乱していく。
さらに、なぜか妖怪の目撃情報が多発し、事態はさらに悪化することとなる。そんな日本の様子は世界の注目の的となる。
そして、妖怪だけでなく、作家、政府、警察、自衛隊、宗教界、など様々な人物や組織が暗躍し、ついに大事件が起きてしまう・・・。
登場キャラクター
- 直接の登場がなくても、作中で実際に言及された実在人物や作品やキャラクターは数え切れないほど多い。
- 以下のリストは、ほとんどが実際にキャラクターとして役割を得た者に限定しており、キングコング、邪神イリス、怪獣オルガ、『刀剣男士』や『猿の惑星』のシーザーなど、実名で言及された数多のキャラクターは含んでいない。
- 終盤にて召喚が検討されたが却下されたキャラクターを含む。
実在の人物
およそ百名以上の実在の人物や実在の人物をモデルにしたキャラクターが登場する。
このリンクで挙げられているのも一部にすぎない。
- 水木しげる
- 京極夏彦
- 荒俣宏
- 宮部みゆき
- 村上健司
- 恩田陸
- ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
- オーガスト・ダーレス
- 多田克己
- 平山夢明
- 夢枕獏
- 郡司聡
- 東雅夫
- 木原浩勝
- 黒史郎
- 及川史朗
- 香川雅信
- 湯本豪一
- 山田五平
- レオ☆若葉
- 似田貝大介
- 似田貝大介
- 鳥井龍一
人間
妖怪・悪魔
- ダイモン(妖怪大戦争シリーズ)
- 加藤保憲(帝都物語および妖怪大戦争シリーズ)
- 豆腐小僧(豆富小僧シリーズ)
- 鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
- 一反木綿(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
- つるべ火(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
- 丸毛(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
- 青嵐(百鬼夜行抄)
- 犬夜叉(犬夜叉シリーズ)
- 殺生丸(犬夜叉シリーズ)
- 鬼灯(鬼灯の冷徹)
- とら(うしおととら)
- ニャンコ先生(夏目友人帳)
- 妖怪(妖怪ウォッチシリーズ)
- 深きもの(クトゥルフ神話)
- 塗壁・赤舌・大首・手洗い鬼・ぬっぺっぽう・しょうけら・化け狸などの日本妖怪
神仏系
悪霊系
怪獣・動物系
※召喚が検討されたが却下された
(登場人物がそれぞれ好みのゴジラのバージョンを列挙したが、どのゴジラを召喚するかで揉めて決着がつかず、結局は空を飛べるからという理由でラドンにされた)
ロボット系
- 學天則
- マジンガーZ(マジンガーZ)
- ジャイアントロボ(ジャイアントロボ)
- エヴァンゲリオン(新世紀エヴァンゲリオン)
(學天則以外は未登場:自律できないモノは召喚しても動けないという理由から却下された)