概要
高校卒業後一般企業でOLとして働き始め、法律事務所、東京ガス集金課(集金係)に勤務する。
法律事務所に勤めていた1984年から講談社主催の「講談社フェーマススクール・エンタテイメント小説作法教室」に通い、教室の仲間の勧めで86年に文藝春秋の「オール讀物推理小説新人賞」に応募、候補となる。翌87年に『我らが隣人の犯罪』で受賞し、そのままデビューとなった。
なお、OL時代に速記検定一級を取得している。
『火車』(山本周五郎賞受賞)や『理由』(直木賞受賞)や『模倣犯』、など人間の闇を描いた硬質なサスペンスを書く一方、『ドリームバスター』や『ブレイブストーリー』などのジュブナイルやファンタジーまで作風は幅広く、映像化された作品も多い。一部の作品は海外でも発売され、多言語に翻訳されている。
時代小説も短編を中心に多数執筆しており、いくつかのシリーズがNHKでドラマ化されている。
直木賞受賞に至っては6度目の候補での受賞だったため、「直木賞のあげ遅れ」という批判が多かった。
執筆ジャンルが広く、多作であることから、人によって好きな作品が異なるのも特徴的である。
京極夏彦による『虚実妖怪百物語』には、他の多数の作家や有名キャラクターたちと共にカメオ出演している。
テレビゲームとの関わり
ヘビーゲーマーとしても知られており、365日中360日はコントローラーを握っているという。
ゲーマーになったきっかけは、売れっ子作家となって精神的に疲労がたまっている時に盟友である綾辻行人氏から薦められたことから。
PS2で発売されたICOのノベライズを手掛けているが、これは体験版をプレイした宮部が内容を気に入り、編集部を通してメーカーに話を持ちかけたことがきっかけとなっている。
『メトロイド』シリーズや『タクティクスオウガ』、『幻想水滸伝』が特にお気に入り。ファンタジーやSF作品を手がける時には、設定などにゲームから影響が見られ、本人もその影響を公言している。
特に『ブレイブストーリー』や『ここはボツコニアン』などはファンタジー系のRPGに着想を得た作品となっている。
一方で『ローグギャラクシー』のシナリオを作家としての視点から酷評したり、FEシリーズに不満の声をぶちまけたりと、ゲームの批評もかなり表立ってやっている。
Q21 宮部先生的に史上最強のクソゲーとは?(ひそか)
A21 そりゃもう「FF8」ですよ。「バカおんな」万歳!
(大沢事務所のHPで公開された質問コーナーより)
当人は「廃人化して仕事が手につかなくなるからやめてくれ」と編集部からオンラインゲーム(MMORPGなど)のプレイを固く禁じられている。しかし、自作と大航海時代Onlineのコラボイベントの際にはシナリオを監修している。
その他の活動
ハードボイルド作家の大沢在昌氏の主宰する事務所に京極夏彦氏とともに所属。
映画『妖怪大戦争』の共同プロデュースを行い、劇中に国語教師役として特別出演している。また、小説家としても数々の文学賞の選考委員を務めている。
作品一覧
『パーフェクト・ブルー』…長編デビュー作
『魔術はささやく』
『我らが隣人の犯罪』
『東京 ウォーター・フロント殺人暮色』
『レベル7』
『龍は眠る』
『本所深川ふしぎ草紙』
『返事はいらない』
『かまいたち』
『今夜は眠れない』
『スナーク狩り』
『火車』
『長い長い殺人』
『とり残されて』
『震える岩 霊験お初捕物控』
『淋しい狩人』
『地下街の雨』
『幻色江戸ごよみ』
『夢にも思わない』
『初ものがたり』
『鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで』
『人質カノン』
『蒲生邸事件』
『堪忍箱』
『天狗風 霊験お初捕物控2』
『心とろかすような マサの事件簿』
『理由』
『クロスファイア』
『ぼんくら』
『あやし』
『模倣犯』
『R.P.G.』
『ドリームバスター』
『あかんべえ』
『ドリームバスター2』
『誰か Somebody』
『ICO -霧の城-』
『日暮らし』
『孤宿の人』
『ドリームバスター3』
『名もなき毒』
『ドリームバスター4』
『楽園』
『三島屋変調百物語』
『英雄の書』
『小暮写眞館』
『ばんば憑き』
『チヨ子』
『おまえさん』
『ここはボツコニアン』
『荒神』
『ソロモンの偽証』
他多数