出版社・株式会社文藝春秋
芥川賞や直木賞をはじめ、多くの文芸賞を手がけている出版社。文春文庫は最大手の新潮文庫、講談社文庫、岩波文庫、角川文庫、中公文庫らと並ぶ名門であり、文芸誌「文學界」でも名高い。
一方で子雑誌の週刊誌『週刊文春』は「新聞・テレビが書かない記事」を書く週刊誌とうたっており、文春にスクープされた事により社会問題化した事件・不祥事の記事は「文春砲」と呼ばれ、インターネットスラングからテレビのワイドショーや報道番組、しまいには本誌の見出しに使用されるまで広まっている。
- ただし、文藝春秋も総理大臣田中角栄が関わった田中金脈問題を暴く等、文春砲の元祖とも言える取材活動を行っている。
- また、このようなリーク報道は必ずしも正しいとは限らない。たとえば、ゴッドハンド事件で考古学界が揺れるさなかに週刊文春によって同様の疑惑を報じられた賀川光夫は抗議の自殺を行い、のちに、記事内容は虚偽であったことが最高裁の判決で認定された。
1990年代は漫画雑誌「月刊コミックビンゴ」(BiNGO)を出版したが4年で休刊、漫画からは撤退していたが、文春オンラインの『BUNCOMI』で復活している。
一方で、スポーツ界隈では業界随一のスポーツ総合紙「Sports Graphic Number」の出版元であり、その硬派な内容から数多くの選手と信頼関係を築いており、特に野茂英雄や若い頃のイチローも同誌だけは信頼を置いていた。ちなみに江夏の21球のエピソードを生み出したのも同誌である。このジャンルでは集英社の「Sportiva」が競合関係にあたり、両誌ともWeb版があるが、Sportivaはライト向けの部分もある。
来歴
1923年(大正12年)1月、文藝春秋社として菊池寛が創業。
1946年(昭和21年)3月、「戦争協力」のため解散したが、有志により、株式会社文藝春秋新社が設立。
1966年(昭和41年)3月、現在の社名に改められる。
刊行物
雑誌
週刊文春(毎週木曜日発売)
Sports Graphic Number(隔週木曜日発売)
文藝春秋(毎月10日発売)
オール讀物(毎月22日発売)
文學界(毎月7日発売)
CREA(毎月7日発売)
CREA Traveller(3,6,9,12月の10日発売)
別册文藝春秋(電子版のみ)※ 2015年(平成27年)電子版に移行。
週刊文春WOMAN(ムック)
文藝春秋オピニオン(ムック)
書籍
文庫
文春文庫
文春文庫PLUS(2001年(平成13年)1月 - 2009年(平成21年)3月刊)
文春学藝ライブラリー(2013年(平成25年)10月 - 、不定期刊)
文春新書(1998年(平成10年)10月創刊
雑誌・文藝春秋
1923年(大正12年)1月、菊池寛が私財を投じて創刊。当初の発売元は春陽堂。
1930年代には、文芸雑誌から総合雑誌へと転身。
2月号で文藝春秋読者賞、3月号と9月号で芥川賞、6月号で大宅壮一ノンフィクション賞、7月号で松本清張賞、12月号で菊池寛賞の受賞者が発表される。
芥川賞受賞作は当誌に掲載される。
(因みに直木賞受賞作は「オール讀物」に掲載。「オール讀物」「文學界」も独自に文学賞を設けている。)