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概要編集

『笑うマトリョーシカ』は早見和真による日本の小説およびテレビドラマ。


2024年6月28日より水川あさみ主演でTBS系「金曜ドラマ」枠でテレビドラマが放送。



ストーリー編集

官房長官に出世した青年代議士とその秘書。そんな彼らに違和感を抱いた女性記者が隠された過去を暴くために奮闘する姿を描いた政治サスペンス。


登場人物編集

主要人物編集

演 - 水川あさみ/松岡夏輝(幼少期)

東都新聞記者。元は社会部の敏腕記者だったものの、1年前に取材対象者がスクープを理由に自殺未遂をしたことでバッシングを受けてしまい、家庭を守るために離婚。また、その責任を取って文芸部に異動させられた。ドラマでは主人公となっている。

謎の不審死を遂げた父親の遺志を継ぎ、真相を追求する。

その過程で政府から圧力をかけられ、会社からも上層部から圧力をかけられたことで退職し、フリージャーナリストとなる。後に山中とともに新たに「報新社」を起業した。

その後、清家から「ブレーンにならないか」と誘われたことで清家の裏に存在する黒幕(=ハヌッセン)を探るため、その立場を利用し有識者として彼にアドバイスしながら情報収集を行うことになった。しかし、一向に情報が出てこないためブレーンとしての任を降りるべきか苦悩するが、山中の「お前はブレーンである前に、一人のジャーナリストだろ。」と諭され、自身に憧れる息子の姿を見て、ブレーンを辞めて改めてBG株事件に関する記事と証拠の公表を決行した。

5年後も変わらず清家の本質を求めて著書や記事を積極的に執筆している。


演 - 玉山鉄二/西山潤(学生時代)

清家の政務秘書官。清家の高校時代の同級生。元々経済産業省の官僚だったが、清家が議員となったことを機に秘書に転身した。

旧姓は「宇野」であり、父親・耕介はBG株事件で全ての責任を負い逮捕された末自殺。その後、母方の性である「鈴木」に改め、縁もゆかりも無い松山へと移住。転校先の高校で清家と出会い、親友になる。

自身もまた政治家になる夢を持っていたが、父親が犯罪者である以上まともな政治家になれないと思っており、佐々木の提案で彼のブレーンになる決意を固めた。

交通事故に巻き込まれ腰椎の一部を損傷する大怪我を負うものの幸い生命に別状はなかった。

道上からはその言動をアドルフ・ヒトラーのフィクサー・エリック・ヤン・ハヌッセンに例えられている。

学生時代に、清家の母親・浩子から、亜梨沙の排除を頼まれており、彼女とは肉体関係を持っていた。

しかし、週刊誌に自身の過去が暴露されたことで清家から断腸の思いで絶縁を言い渡され、謹慎処分を喰らい事実上クビとなってしまった。

その後、親友に裏切られたショックから意気消沈していたが、妻の言葉を受けて改めて過去と向き合う決意を固め、BG株事件の真相を道上と協力しながら追及しようとする。

その後、道上がBG株事件に関する記事を世に出したことで全てに決着がつき、妻の由紀に「田舎で二人一緒にゆっくり暮らそう」と提案するが、「あなたにはやりたいことがあるんじゃないの?」と返されたことで自身の夢をもう一度叶えるべきかどうか悩むようになるが、覚悟を決め区議会議員選挙に立候補し、「宇野俊哉」としてありのままの姿で政治家になる決意を固めた。


厚生労働大臣。未来の総理候補ともいわれる人気政治家。詳しくは該当記事参照。





道上の関係者編集

  • 山中尊志(やまなか たかし)

演 - 丸山智己

東都新聞の記者。道上の先輩。元々、独立して出版社を立ち上げることを夢見ており、道上がフリージャーナリストとなったことを機に自身も覚悟を決め、退職。フリージャーナリストとして壁にぶち当たっていた道上を自身の起業する出版社「報新社」に誘った。


  • 青山直樹(あおやま なおき)

演 - 曽田陵介

記者。道上の後輩。


  • 道上香織(みちうえ かおり)

演 - 筒井真理子

道上の母。小料理屋の店主。ドラマオリジナルキャラクター。


  • 道上兼高(みちうえ かねたか)

演 - 渡辺いっけい

道上の父。故人。大手新聞社社会部の元記者。ドラマオリジナルキャラクター。

清家を追って取材を続けていたが、自家用車に突如トラックが追突し帰らぬ人となる。

その後、彼を殺害した実行犯が富樫の部下である村井輝夫だと判明、それを富樫に指示させた黒幕が諸橋であることも判明した。


  • 旗手健太郎(はたで けんたろう)

演 - 和田正人

道上の元夫。公務員。息子がおり、自身が引き取って育てている。

体調が悪化し急性膵炎を患ったことでしばらく入院することとなった。

これまでにも何とか復縁と同居について模索していたが、入院を機に本格的に進めていく決意を固めた。


  • 旗手勇気(はたで ゆうき)

演 - 森優理斗

道上と健太郎の息子。小学2年生。母の記者としての姿に憧れ、仕事を続けてほしいと思っている。


  • 柏木宗男(かしわぎ むねお)

演 - 高松克弥

的場修一郎議員の公設秘書。議員が再生エネ企業「エネキュア」から不正に6800万円受領していたことを道上香苗の取材で告発する。しかしその後自殺未遂した。

何とか一命を取り留め、別の仕事に就いた。その後、病気が発覚したものの早期発見のおかげで快方に向かっている。

道上と久しぶりに再会した際には自身の告発を記事として世に出してくれた感謝を伝えており、「あなたがいなければ今頃私は良心の呵責に苛まれていました。」と回顧していた。


  • 凛々(りんりん)

演 - 咲耶

道上の実家・小料理屋「らんか」のアルバイト。中国人。

インド人の友達と、新宿区高場町の店にモーモーチャーチャーを食べに行ったと道上に話す。高場町には友人がNPO法人「在留外国人支援機構」に用事があり、一度行っただけである。


清家の関係者編集


  • 三好美和子(みよし みわこ)

演 - 和田光沙/田辺桃子(学生時代)

清家の嘗ての彼女。ドラマの脚本家を志望していた。清家の回顧録には「美恵子」という仮名で登場している。「若いうちに自分の人生に"生きた証"を残す」ことに拘っており、清家を27歳のうちに政治家にさせると武智に宣言していた。彼女との出会いによって清家は自身の人生観を意識するようになる。道上は鈴木の他に居る協力者として彼女の関与を疑っている。

後に「三好美和子」は偽名(幼なじみの名前)で本名は「真中亜梨沙」であることが判明した。また、本名名義で「最後に笑うマトリョーシカ」というタイトルの脚本をテレビ局に提出していたことも判明した。

また、母親からの証言により現在は結婚して姓が変わっている模様。

清家の家に入り浸り、様子を心配した清家の母親・浩子が清家の自宅に引っ越して同居を開始した後も我が物顔で振る舞うなど横柄な態度を取っていたため、浩子からも危険視され、鈴木に二人の仲を引き裂くよう頼み込む程だった。

その後の取材で、浩子のホステス時代の源氏名が「劉麗蘭」であることが発覚。彼女のペンネームも同じ名前だったため、彼女が恨んでいた浩子の源氏名を当てつけのようにペンネームとして使用していた可能性が高い。

その後、道上の取材により現在は顔を整形して浩子の現在の夫である小松のヘルパー「田所礼子」として身分を隠していたことが判明。そして、彼女こそが清家のハヌッセンだったことが判明した。武智を殺害した実行犯も彼女だった。しかし、3年前に彼に捨てられ、ハヌッセンとしての立場を失ったことも判明。鈴木の事故も彼女が犯人ではなかった。

ちなみに、「田所礼子」は母親の名前と旧姓を元に作り上げた偽名である。



  • 佐々木光一(ささき こういち)

演 - 渡辺大/濱尾ノリタカ(学生時代)

清家の後援会の会長。松山にある日本料理店「春吉」の経営者。清家と鈴木の高校時代の同級生、学生時代は生徒会副会長。

道上に対しては、料亭での清家への取材の様子から何かと友好的に接している。

清家が鈴木を辞職に追い込んだことで彼に理由を問い詰めても要領を得ない返答だったため納得できず後援会長を辞任している。


  • 和田島芳孝(わだじま よしたか)

演 - 加藤雅也

清家の父親。故人。代議士。清家とは実の親子だが、長きに渡ってその事実が伏せられていた。

後に彼もまた清家と同じく主体性のない空っぽの人間だったことが判明。母親を亡くし精神的支柱を無くしていたところを浩子に付け込まれる。

その後、羽生の証言で彼もBG株事件に関与し証拠を揉み消していたこと、息子の一郎とは生前から交流があったこと、首相公選制は彼の悲願だったことが判明した。

そして、彼こそが真の黒幕(=ハヌッセン)だったことが判明した。とはいえ、息子・一郎は「同志」と否定しており、実際、息子に対して和田島は「(この先お前を操ろうとする者が居ても)それはそれで利用すればいい。」とアドバイスしている。


  • 武智和宏(たけち かずひろ)

演 - 小木茂光

愛媛出身の代議士。故人。清家たちと同じ福音学園出身。次期官房長官とまで言われたが、16年前に原因不明の自動車事故で急逝。道上は鈴木、もしくは三好が事件に関与しているのではないかと疑っている。


  • 藤田則永(ふじた のりなが)

演 - 国広富之

武智の元政策担当秘書。武智の死後、清家の秘書になろうとしたが本人の意向で断られた。引退後は、老人ホームで療養しており、メディアからの取材を一切断っていたが、道上が清家の背後にいる存在について示唆する言葉を投げかけたことで、清家の過去について自身の知りうる限りの情報を提供した。


  • 清家(劉)浩子(せいけ/りゅう ひろこ)

演 - 高岡早紀

清家の母親。日本人の父親と中国人の母親のハーフ。清家の自叙伝「悲願」では、若い頃ホステス(後に源氏名が「劉麗蘭」と判明)として勤務し、そこで和田島と出会い息子を身ごもったとされる。現在は小松政重という元医師の人物と再婚している。

過保護な面があり、息子を利用しようとしていた元カノの美和子…もとい亜梨沙を排除しようとしていた。

道上からは鈴木に続く清家にとってのエリック・ヤン・ハヌッセン的立ち位置の人間だと認識されている。

在日外国人や移民などに対して関心があり、ヘイトスピーチにも強い嫌悪感を示している。それが息子の政治理念に影響を及ぼすことになる。

学生時代から清家を理想の息子にするために暗躍しており、当時の担任であった一色と関係を持っていた。

道上と互いの素性がわかった上で再び愛媛で対面した際には道上に対して「私の事を嗅ぎ回るのはいいけど、その前に身の回りの心配をしたらどう?」と半ば脅迫のような形で彼女の取材をあしらった。

しかし、改めて道上が取材に来たことで覚悟を決めたのか、自身の過去を語り始めた。

元々和田島と交際していたが、一郎を身ごもったことで彼を心配して息子の存在を告げずに別れを告げた。その後、嘉和と結婚したものの嘉和は和田島への嫉妬により暴力を振るうようになったため、殺意が芽生え始めていた。そんな中、事故で死亡したため、「せいせいした」とのこと。

しかし、BG株事件の隠蔽関与及び証拠の所在については明かさなかった。

その後、清家とは彼が代議士になった直後に縁を切られていたことが判明。その結果、精神を病み現在の夫である精神科医の小松の元で治療を受けていた。

また、小松の口からある病を患い余命幾ばくもないことが判明している。

その後、道上に自身の心境と後悔を吐露し、BG株事件の証拠となる録音テープを託して「彼を救ってあげて。」と頼んでいた。


  • 清家嘉和(せいけ よしかず)

演 - 梨本謙次郎

清家の父親。生粋の遊び人であり、晩年になって浩子と出会い、実家の愛媛県へ戻ってきた。しかし、その1~2年後に交通事故で謎の死を遂げる。


  • 劉英華

演 - 小松萌子

浩子の母親であり、中国人。清家の祖母にあたる。戦時中に満州国で貿易商の日本人と出会い、結婚。日本に来たものの、相手の両親の反対により夫からも見捨てられ本国に帰れなくなり、生活のためにホステスとして勤務。その中で客に無理やり関係を迫られ浩子を身ごもった。

その後も男に虐げられる人生を送っていたためストレスが溜まり、酒に溺れるようになる。しかし、浩子の結婚により生活は改善していった。

だが、彼女がうわ言のように呟いていた「フーチョウ」(復讐)が浩子の心を蝕んでいく…。


  • 一色清彦(いっしき きよひこ)

演 - 東根作寿英

私立福音学園高等学校の学園長。清家たちの福音学園時代の元担任。

清家が高校入学してから浩子と関係を持つ。中島から寮に住む鈴木宛の封筒を手にするが、鈴木には渡さず開封する。内容は聞かなかったが、中に入っていたカセットテープを浩子に渡す。清家が高校を卒業してからは浩子と関係がなくなる。

清家が生徒会長選に出ることになったと鈴木から声をかけられる。政治家の演説を参考にしようと思うが誰が良いかと質問を受けて、和田島芳孝だと答えた。

佐々木の実家の店で酒を飲んでいると聞き覚えのある声がして、清家、鈴木、佐々木が作戦会議をしている部屋に入る。会議の内容を聞き、歴代の生徒会長の演説原稿を3人に見せて、様々なアドバイスをしている。当時生徒会顧問で、清家が有利になるよう演説の順番をクラス順から抽選に変更する不正を行った。

鈴木の週刊誌報道後に、宇野の息子だったことを知る。


  • 羽生雅文(はぶ まさふみ)

演 - 大鷹明良

内閣総理大臣で民和党総裁。清家に対しては友好的に接しており、彼の将来を期待している。

しかし、首相公選制に関しては消極的で清家には懐疑的な目を向けている。

道上からは清家の背後にいる黒幕(=ハヌッセン)として疑われているが、一向に動きがないため予想から外された。


  • 諸橋育夫(もろはし いくお)

演 - 矢島健一

外務大臣。与党のナンバー2。実質的には羽生総理よりも権力を握っている存在。

しかし、富樫の部下である村井輝夫の証言で兼高殺害への関与を疑われ糾弾されている。


  • 富樫稜(とがし りょう)

演 - 吉岡睦雄

諸橋大臣の元秘書。諸橋の指示により裏で証拠隠滅や偽装工作を中心に行っていた。1994年に失踪しており、長らく行方不明だったが、裏社会に潜伏し生き延びていることが判明した。道上達にマークされるが察知して逃走。しかし、その翌日溺死体となって発見された。


  • 小松政重(こまつ まさしげ)

演 - 堀内正美

浩子の現在の夫。元医師。足が悪い。



鈴木の関係者編集

  • 鈴木由紀(すずき ゆみ)

演 - 真飛聖

俊哉の妻。元新日本新聞の新聞記者。夫・俊哉の身を案じており、夫が事故に遭った際に彼が「浩子に殺される」とうなされていたため、清家の母・浩子が鈴木と過去に何らかの関係を持って夫に危害を加えようとしていると思い、真実追求のために道上との接触を図った。道上に清家の論文を送ったのは彼女である。


  • 宇野耕介(うの こうすけ)

演 - 河野達郎

故人。不動産開発会社「ビッグガリバー」の社長。28年前、会社の未公開株を政治家および官僚に賄賂としてばらまいたと逮捕起訴されたが、保釈中に自宅で死亡。自殺とされている。




















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