曖昧さ回避
- 有栖川有栖 - 日本の推理作家。本項で解説。
- 有栖川有栖(作家アリス) - 『学生アリス』『作家アリス』の登場人物
概要
大阪生まれ大阪育ちの推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾頭でもある。
作風は敬愛するエラリィ・クイーンの影響を色濃く受けた、ロジックの完成度に重きを置く本格ミステリ。
大阪育ちで同志社大学卒の為、著作の舞台は大阪と京都を中心にした関西圏であることが多い。
2019年 デビュー30周年
2022年 第26回日本ミステリー文学大賞受賞(賞の対象者:わが国のミステリー文学の発展に著しく寄与した作家および評論家)
2024年 デビュー35周年
2024年12月20日『第59回大阪市民表彰(文化功労)』受賞 大阪市HP
機械類が苦手。初Twitter 機械に弱い人あるある
主な著作
単発作品やエッセイ、他作家と共著のアンソロジー等幅広い執筆活動を行っているが、最も人気が高いのは、以下の2シリーズである。
学生アリスシリーズ
英都大学ミステリクラブ、通称EMCの面々が旅行先で必ず災害人災諸々に見舞われ、脱出不可能の舞台で不可思議な事件に立ち向かうクローズド・サークル物。
EMC所属の英都大生 有栖川有栖が語り部となり、EMCの部長である江神二郎が探偵役を務める。
ヒロインの有馬麻里亜とのもどかしい距離、カリスマ的存在である江神二郎の謎めいた過去、織田先輩と望月先輩の激論や馬鹿騒ぎ等、下記の作家アリスシリーズに比べて青臭く、文系的青春の香りが楽しめる。
孤島パズルは英訳書が出版されている /a fucking banger
作家アリスシリーズ
有栖川有栖の看板作品といえるシリーズ。
推理作家有栖川有栖が、親友である犯罪学者火村英生のフィールドワークに同行し、二人で刑事事件の謎を解くという形式の本格ミステリ。
四天王寺在住の推理作家有栖川有栖(30代前半~半ば)がワトスン役を務め、北白川在住の英都大学助教授(准教授)火村英生(同齢)が探偵役として活躍する。
刊行数が多い為、二人の性格、生活環境、サブキャラクター達が十分に掘り下げられ、魅力的な世界を形作っている。現実的な事件が多い。
この2大シリーズは、学生アリスが作家アリスシリーズを書き、作家アリスが学生アリスシリーズを書いているという入れ子構造になっている。
関連イラスト
users入り
users入りタグのうち、腐向け(BL)作品をマイナス検索した状態
既刊リスト
シリーズ物
ノンシリーズ(長編)
タイトル | 出版社 | 概要 |
---|---|---|
マジックミラー | 講談社文庫 | 作家アリスシリーズの片桐が、主人公の推理作家の担当編集として登場した最初の作品 |
幻想運河 | 講談社文庫/実業之日本社文庫 | バラバラ死体モノ |
幽霊刑事※ | 講談社文庫/幻冬舎文庫(新版) | 新装版は早川刑事のスピンオフ「幻の娘」も収録/ 宝塚歌劇団(月組)で舞台化 |
虹果て村の秘密 | 講談社文庫 | 小中学生向けジュブナイル |
折れた岬 | 日本経済新聞(夕刊) | 初の新聞連載。2024年6月21日開始。折れた岬 |
※1998年9月20日に大阪・万博博ホール/万博記念公園内お祭り広場で行われたイベントの為に提供した推理劇『幽霊刑事』の原案を小説化したもの。商品・賞金が懸かった犯人あてゲームというイベントの性格上、その芝居が上演されたのは約1500人を集めた当日の一度きりだった。
ノンシリーズ(中編)
タイトル | 出版社 | 概要 |
---|---|---|
まほろ市の殺人 冬 蜃気楼に手を振る | 祥伝社文庫 | 春夏秋は他の作家の作品 |
ノンシリーズ(短編集:推理小説他)
タイトル | 出版社 | 収録作 |
---|---|---|
山伏地蔵坊の放浪 | 創元推理文庫 | ローカル線とシンデレラ/仮装パーティーの館/崖の教祖/毒の晩餐会/死ぬ時はひとり/割れたガラス窓/天馬博士の昇天 |
ジュリエットの悲鳴 | 角川文庫/実業之日本社文庫 | 落とし穴/裏通る眼/遠い出張/危険な席/パテオ/多々良探偵の失策/登竜門が多すぎる/世紀のアリバイ/タイタンの殺人/幸運の女神/夜汽車は走る/ジュリエットの悲鳴 |
作家小説 | 幻冬舎文庫 | 書く機械/殺しにくるもの/締め切り二日前/奇骨先生/サイン会の憂鬱/作家漫才/書かないでくれます?/夢物語 |
壁抜け男の謎 | 角川文庫 | ガラスの檻の謎/下り「あさかぜ」/キンダイチ先生の推理/彼方にて/ミタテサツジン/天国と地獄/ざっくばらん/屈辱のかたち/猛虎館の惨劇/Cの妄想/迷宮書房/怪物画趣味/ジージーとの日々/震度四の秘密/恋人 |
こうして誰もいなくなった | 角川文庫 | 館の一夜/線路の国のアリス/名探偵Qのオフ/まぶしい名前/妖術師/怪獣の夢/劇的な幕切れ/出口を探して/未来人F/盗まれた恋文/本と謎の日々/謎のアナウンス/矢/こうして誰もいなくなった |
ノンシリーズ(短編集:怪談)
タイトル | 出版社 | 収録作 |
---|---|---|
赤い月、廃駅の上に | 角川文庫 | 夢の国行きの列車/密林の奥へ/テツの百物語/貴婦人にハンカチを/黒い車掌/海原にて/シグナルの宵/最果ての鉄橋/赤い月、廃駅の上に/途中下車 |
幻坂 | 角川文庫 | 天王寺七坂がモチーフ。第五回大阪ほんま本大賞受賞 |
エッセイ集
タイトル | 出版社 | 概要 |
---|---|---|
有栖の乱読 | メディアファクトリー | 読書遍歴と好きな本を順にあげて紹介したエッセイ |
作家の犯行現場 | 新潮文庫 | 紀行エッセイ。写真:川口宗道 |
迷宮逍遥 有栖のミステリ・ウォーク | 角川文庫 | これまでに執筆した他の作家作品の解説、評論をまとめた本 |
赤い鳥は館に帰る | 講談社 | |
謎は解ける方が魅力的 | 講談社 | |
正しく時代に遅れるために | 講談社 | |
鏡の向こうに落ちてみよう | 講談社 | |
有栖川有栖の鉄道ミステリー旅 | 光文社文庫 | |
本格ミステリの王国 | 講談社 | 有栖川有栖デビュー20周年記念出版 |
ミステリ国の人々 | 日本経済新聞出版社 | 本格ミステリ紹介書 |
論理仕掛けの奇談 有栖川有栖解説集 | 角川文庫 | これまでに執筆した他の作家作品の解説、評論をまとめた本 |
共著
タイトル | 出版社 | 概要 |
---|---|---|
有栖川有栖の密室大図鑑 | 新潮文庫/創元推理文庫 | 磯田和一・画 |
新本格謎夜会 | 講談社ノベルズ | 新本格誕生15周年記念謎解きイベント&トークショー |
大阪探偵団 対談 有栖川有栖VS河内厚郎 | 沖積舎 | 河内厚郎との対談 |
密室入門! | メディアファクトリー新書 | 安井俊夫との共著 |
綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー(1~3) | 講談社 | 対談&アンソロジー |
怪談えほんおろしてください | 岩崎書店 | 市川友章との絵本 |
編著(収録作は他の作家作品)
タイトル | 出版社 | 著者名・収録作 |
---|---|---|
有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー | 角川文庫 | 巽昌章『埋もれた悪意』/白峰良介『逃げる車』/つのだじろう『金色犬』/ロバ-ト・ア-サ-(宇野利泰訳)『五十一番目の密室』/W.ハイデンフェルト(高見浩訳)『<引立て倶楽部>の不快な事件』/ビル・プロンジ-ニ(森愼一訳)『アロ-モント監獄の謎』/余心樂(松田京子訳)『生死線上』/上田廣『水の柱』/海渡英祐『「わたくし」は犯人…』/ジョン・スラデック(風見潤訳)『見えざる手によって』 |
有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー | 角川文庫 | オースチン・フリーマン『青いスパンコール』/フィリップ・K・ディック『地図にない町』/A.J.ドイッチュ『メビウスという名の地下鉄』/ウィリアム・アイリッシュ『高架殺人』/アメリア・B.エドワーズ『4時15分発急行列車』/雨宮雨彦『泥棒』/西岸良平『江ノ電沿線殺人事件』/江坂遊『0号車』『臨時列車』『魔法』/小池滋『田園を憂鬱にした汽車の音は何か』/上田信彦・有栖川有栖『箱の中の殺意』(推理イベントの脚本) |
小説乃湯 | 角川文庫 | 式亭三馬『浮世風呂』/谷崎潤一郎『柳湯の事件』/梶井基次郎『泥濘』/海野十三『電気風呂の怪死事件』/尾崎一雄『玄関風呂』/太宰治『美少女』/筒井康隆『エロチック街道』/辻真先『ああ世は夢かサウナの汗か』/清水義範『秘湯中の秘湯』/北村薫『水に眠る』/長野まゆみ『花も嵐も春のうち』/原田マハ『旅をあきらめた友と、その母への手紙』 |
大阪ラビリンス | 新潮文庫 | 宇野浩二『橋の上』/横溝正史『面影双紙』/織田作之助『大阪の女』/小松左京『大阪の穴』/掘晃『梅田地下オデッセイ』/田辺聖子『コンニャク八兵衛』/有明夏夫『川に消えた賊』/岩阪恵子『おたふく』/芦辺拓『天幕と銀幕の見える場所』/柴崎友香『火花Ⅰ』『火花Ⅱ』 |
清張の迷宮 | 文春文庫 | 北村薫とそれぞれの松本清張短編ベスト5を持ち寄り編集した、松本清張短編ベスト10 |
作家デビュー35周年を記念トリビュート作品集 | 参加作家「作品名」 | |
---|---|---|
有栖川有栖に捧げる七つの謎 | 文春文庫 | 一穂ミチ「クローズド・クローズ」/青崎有吾「縄・綱・ロープ」/阿津川辰海「山伏地蔵坊の狼狽」/白井智之「ブラックミラー」/織守きょうや「火村英生に捧げる怪談」/夕木春央「有栖川有栖嫌いの謎」/今村昌弘「型取られた死体は語る」 |
監修(収録作は他の作家作品)
タイトル | 出版社 | 概要 |
---|---|---|
図説 密室ミステリの迷宮 | 洋泉社MOOK | 監修 |
北村薫と有栖川有栖の名作ミステリーきっかけ大図鑑(全3巻) | 日本図書センター | 北村薫との共同監修 |
※現代ミステリー短編集 動物園の暗号(2006年12月岩崎書店)は↓古本屋で高額になっているが、それぞれの作品で文庫に収録されている。
収録作品:やけた線路の上の死体(江神二郎の洞察)/ローカル線とシンデレラ(山伏地蔵坊の放浪)/動物園の暗号(ロシア紅茶の謎)/落とし穴(ジュリエットの悲鳴)
※Smoker's View 名探偵Q氏 紫煙をくゆらす(メディアファクトリー『ダ・ヴィンチ』2011年9月号)Nosmoker's View 名探偵Q氏 ついに求婚す(メディアファクトリー『ダ・ヴィンチ』2011年10月号)の二作は『名探偵Q氏のオフ』のタイトルでまとめたかたちで『こうして誰もいなくなった』に収録。
関連タグ
有栖川有栖(作家アリス) 有栖川有栖(学生アリス) 火村英生 江神二郎 作家アリスシリーズ登場人物一覧 学生アリスシリーズ登場人物一覧 ソラシリーズ 濱地健三郎シリーズ 幻坂 怪談えほん 黄泉比良坂 探偵役とワトソン役
外部リンク
朗読ドラマ『おろしてください』ロケ地自家焙煎コーヒー専門店・パペルブルグ(東京八王子)
X(Twitter)/まとめ記事など
- 最初の数行
- 例の「(図書館で借りたor古本屋で買ったということを)わざわざ作者に言わなくてもいいのに」問題
- 「古本で買った=あなたの本は誰かに売られてましたよ」と取れるから作家が不快に思うのでは、と推測している方がいるようですが
- 雑誌『CLASSY.』閉ざされた雪の山荘で発生した事件を解決するアラサー女子の着回しコーデを展開→ミステリ作家の皆さんが続々反応
- 「太閤はん」は間違いで、正しくは「太閤さん」―有栖川有栖先生による大阪弁(関西弁)の「〜さん」と「〜はん」の法則解説
- 大阪弁で小説を書く場合
- 近鉄に寄稿した『人間往来(江戸川乱歩)』
- ディーノ・ブッツァーティ
- 東海道新幹線60周年特別企画寄稿エッセイ
- ネコメンタリー 猫も、杓子も。「有栖川有栖といくとたま」
- 「太閤なにわの夢募金」サポーター
- 創元推理文庫・有栖川有栖が選んだベスト5
史上最年少(当時23歳)で江戸川乱歩賞を受賞した荒木あかねさんは、作家アリスシリーズの『探偵・青の時代』を読んだことがきっかけで推理小説に興味を持ち、中学生の時小説を書き始めた。記事 RT
有栖川有栖・創作塾
有栖川有栖・創作塾OBでデビューした作家
2015年以降
名前 | デビュー作 | 概要 |
---|---|---|
野々宮ちさ | 黄昏のまぼろし 華族探偵と書生助手 | |
大津光央 | たまらなくグッドバイ | 第14回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞 |
伊丹央 | ヒーローは眠らない | 第1回カクヨムWeb小説コンテスト現代ドラマ部門大賞受賞 |
高代亜樹 | 勾玉の巫女と乱世の覇王 | |
鵜林伸也 | ネクスト・ギグ | |
犬塚理人 | 人間狩り | 第38回横溝正史ミステリ大賞優秀賞 |
小松亜由美 | 誰そ彼の殺人 | |
夕木春央 | 絞首商會 | 第60回メフィスト賞受賞作 |
佐久そるん | 氷と蜜 | 第一回日本おいしい小説大賞最終候補作 |
大谷睦 | クラウドの城 | 第25回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞 |
愁堂れな | ||
山口未桜 | 禁忌の子 | 第34回鮎川哲也賞受賞 |
[[]] |
2023年のアレに関すること
六甲おろし/2023年9月14日/特番を観ながら/道頓堀/セとパ/2023年10月20日①/②/③/スポーツ新聞/←記事/記事になっちゃった/綾辻行人さんの反応/近本選手/感謝/2023年の日本シリーズ