EMC(英都大学推理小説研究会)メンバー
現在五名在籍。入部順に記す。
江神二郎
- 1962年生まれ
- 文学部哲学科四回生(留年を重ねている)
- (大学入学は20歳で)26歳→27歳→28歳
- 本作の探偵役でEMC部長
- 喫煙者でキャビンを愛飲するチェーン・スモーカー。
- 下宿先は西陣(京都市上京区から北区にわたる地域の俗称)でキャンパスから徒歩15分ほど。エアコンも入っていない年代物で、部屋は二階の奥。
- 寝息をたてずに眠る。
- 船酔いしない。
- 歴史のある物(神社仏閣の門や柱など)を撫でさするのが癖。その手の動きは無造作なのに優雅に見える。(アルバイトに遺跡発掘作業を選んだことも)
- 興味がないことでも、やり始めたらベストを尽くさずにいられない。(アリスが江神さんを好きな理由の一つ)
- 軽くウェーブした長髪
- 一年中髪は切らない。髪には霊力が宿るから。(本心か冗談かは謎)
- 口笛が上手い。
- 肉体労働のバイトを好むので体格がいい。
- 柔和(穏やか)な目で、物静かで、穏やかな口調。
- 人を落ち着かせる雰囲気を漂わせている。
- 黙っている姿がナチュラルに男っぽい。
- 貫禄がある。
- 事件が起きた時、自分や後輩たちにアリバイが成立するのかしないのかも考慮して推理する。
- マリア曰く『推理研のスナフキン』
- 過去を明かすのは『双頭の悪魔』の後半1/3で。
- 達筆というには個性的すぎるが、水が流れるように滑らかな書きっぷりの字。
- 後輩達曰く『常に冷静で問題解決能力に秀でている』『頭脳明晰で器用でタフ』『泰然として長老めいているくせに、誰よりも子供っぽい一面を併せ持っている愛すべきキャラクター』
- 長風呂
- 早食い
- スキンシップを重んじる情緒派
望月周平
- 経済学部二回生→三回生→四回生
- 愛称は『モチ』
- 和歌山県南部出身(梅林が有名)で、父親は二回生の時点から数えて五年前に亡くなっており、母親が女手一つで大学に通わせてくれている。実家は雑貨屋。一人息子。母親は優しく色白な美人。
- ひょろりと背が高く(細長い)色白、散髪代節約で髪は少し長め。よく似合っている銀縁眼鏡。
- EMCの中で彼が一番ミステリを論じるのが好きで、文学作品の批評も好き。
- アリス曰く『楽しそうに話す人』
- 無邪気だが思慮深い面もある。
- 本格ミステリに関しては硬派。
- ミステリのコアなファンは日本中に二万人しかいないという説を固辞している。
- エラリー・クイーンはカリスマ
- 下宿は、烏丸今出川のキャンパスから歩いて10分とかからない所。大学に接した相国寺の裏手で、木造モルタル二階建て(安下宿風)の瑠璃荘。モチの部屋は二階の右手の奥で、部屋は片付いている。
- 月光ゲームの時点では喫煙者だったが、それ以降喫煙描写が無い。
- アルバイトは家庭教師・塾講師・通信教育の添削指導など頭脳労働系。
- 一日一食はカレー
- 免許取得は三回生の夏休み
- テーマソングは中森明菜『北ウイング』
- 納豆は『悪魔の朝食』
- 将棋はできない。
- 臆病な楽天家
- アリス曰く『ここという時に脆さを発揮する人』
- 酔うとポスターを剥がして持ち帰る悪癖がある。
- 警官嫌い(コップヘイター)
- モチと信長は親友で相棒、そのやり取りは台本のある漫才みたいに絶妙。アリス曰く『三途の川でも鬼を集めて寄席を開くのではなかろうか』『彼らの掛け合いが好き』
織田光次郎
- 経済学部二回生→三回生→四回生
- 愛称は『信長』。尾張名古屋の出身だからで子孫だからでは無い。
- 名古屋出身だがすっかり関西弁に染まっている。関西が好き。
- 順応力がある。
- 両親と、信長が三回生の夏に姉が結婚(出来婚なので信長はこの時点で叔父さんに)。
- 二回生の時点で既に車の免許を持っているし上手い(いつ免許取ったかは不明)。
- バイクとハードボイルドを愛する。
- ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズがお気に入り。
- 実家との往復はバイク。
- ヤマハ『SRX400』か『TZR』が欲しいが手が出ない。
- 短躯でガッシリ体型で短髪
- アリス曰く『男らしくさっぱりしながらも乙女も怯むほど繊細な気遣いをしてくれる人』
- アルバイトは土方などの肉体労働系。
- 一日一食はカレー
- 日本茶が大好き
- 将棋ができる
- せっかちで腰が軽い。
- 信長以外のメンバーは酒に飲まれてしまう質。
- 鬼ごっこは自信があるが、かくれんぼは苦手。
- 下宿先は、南禅寺にほど近い疎水べりの、哲学の道から外れたところ。広すぎる家を二部屋学生に貸している70代男性の自宅という好物件。
有栖川有栖(学生アリス)
- 1969年生まれ
- 作中での語り手1
- 法学部法律学科一回生→二回生→三回生
- 有栖と息子に名付けたのは父親で『名前というのは覚えやすいのが第一の条件だ』という持論から。そのせいで子供の時は名前のせいでイジメられることもあった。父親の名前は『一』と書いて『はじめ』
- 大阪の自宅から京都の英都大学に通っている。
- 幼い頃兄と死別し、江神に兄の面影を見ている(月光ゲームより)
- 船酔いする
- 蛇が大の苦手で昆虫全般も苦手。
- 他人の頭髪のことをとやかく言う人間は好きじゃない。
- 泳げるけどスピードは遅い。
- 報道の自由、言論の自由という弱い者にしか向かっていかないこの言葉を口にするのを聞く時、心底不快になる。
- 江神さん以上に信頼できる人はいない。
- 将棋ができない
- 推理作家になるのが夢で『臨床犯罪学者』の肩書を持つ探偵が登場する話をあたためている。
- 一回生の年末にはまだ一枚も書いていないが、二回生の夏前には既にマリアに少し読んでもらっているので(夏の事件後だとそんな時間が無い)その間の期間のどこかで執筆した模様。
- 三回生の春に運転免許取得。
- 淋しがり屋。
- 何かを待ち焦がれてみたい。
- 入学試験の成績は、高校の先生曰く上位だった。
- 入学した後の席次はちょうど真ん中あたり。
- アルバイトは皿洗い、弁当の盛り付け、百貨店のディスプレイ、家庭教師等々
- 好きな音楽はヘヴィーなロック
- 『黄色い部屋はいかに改装されたか?』は座右の書の一つ
有馬麻里亜
- 初登場は二作目の『孤島パズル』から
- 作中の語り手2(双頭の悪魔と女王国の城でアリスがいない場面)
- 法学部法律学科二回生→三回生
- 誕生日は1969年9月8日
- 名付け親は父方の祖父(聖母マリアと同じ誕生日という建て前で、回文になるようにした。)
- 文房具メーカー『アリマ』の専務令嬢(一人娘)
- 父親は四十代半ば
- 東京生まれの東京(成城)育ち
- 赤毛のセミロング
- モチ曰く『正真正銘の美少女』
- 東京の大学は全部落ちて、旅行のついでに受けた英都大学だけ受かったので上洛し下宿生活
- 元々京都に憧れがあった。
- 下宿先は白亜の築三年も経っていない低層マンションで、女子大生専用の瀟洒な建物。男子禁制で父親といえど中に入ることは出来ない。
- 二回生から本屋でバイトして生活費を稼ぐようになる。
- 東京の大学には落ちたが英都大学での成績は極めて優秀。
- 船酔いしない
- 江神曰く『女の子みたいに内気な少年っぽい女の子』
- 愛読書は『少年探偵団』『赤毛のアン』
- 女の子はどうして少年探偵団に入れないんだろうと口惜しかったので、江神さんに『少女探偵』と呼ばれるのが好き。
- 不思議なマチ(町/街)が出てくる小説が好き。
- 普通に歩いているつもりなのに真っすぐ歩けない。
- ギターが弾ける
- 世の中の仕組みに全く無知だから法学部に入った。一冊の書物(六法全書)から全てが始まりそして終わるところも好み。
- ペーシェンスが嫌い。
- 雨が好き。一番好きなのは雨上がり。
- お風呂で独り言を連発するのが癖。
- 衝動で動くのも癖。
- 江神さんが一番信頼できる。
- 茸類に目がない。
- どうしても眠れない夜があるから旅行時には睡眠薬も持って行く。
- 鬼ごっこもかくれんぼも苦手。
- 木登りが得意。
- まだEMCに入っていない二回生の始めの頃、用事で出られなかった授業のノートをアリスに借りたが、その講義内容は『親族相続法』
- 未成年で飲酒している。
石黒操
- 登場話は、長編『女王国の城』短編『桜川のオフィーリア』
- 英都大学文学部卒業生でEMCの創設者(江神ともう一人と三人で作った。)
- 専攻は新聞学で、現在はフリーランスのライター
- ミステリの『偽の手掛かり』を嫌っている。
活動場所・内容
- 部室は無く、学生会館の二階のラウンジに集まる。
- 機関紙も出したことがない。
作中で名前が出てくる作家・著書・映画
中井英夫『虚無への供物』/エドガー・アラン・ポー『マリー・ロジェの謎』『モルグ街の殺人』/アガサ・クリスティー『誰がやったか』『そして誰もいなくなった』/土屋隆夫『影の告発』/ヴァン・ダイン/エラリー・クイーン『シャム双子の謎』『チャイナ橙の謎』『第八の日』『エジプト十字架の謎』『ギリシア棺の謎』『Xの悲劇』『Yの悲劇』/鮎川哲也『白の恐怖』/アルベール・カミュ『異邦人』/ポール・デルヴォー/マイクル・イネス『ハムレット復讐せよ』/澁澤龍彦/ドロシー・L・セイヤーズ『ナイン・テイラーズ』『大学祭の夜』/ホルヘ・ルイス・ボルヘス/ルース・レンデル/コリン・デクスター/クレイトン・ロースン『首のない女』/オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』/ガストン・ルルー『黄色い部屋の謎』/オー・ヘンリ/ジェイムズ・ジョイス『ゴールデン・ヘア』/SF映画『赤ちゃんよ永遠に』/筒井康隆『緑魔の町』/ジャック・フィニイ『盗まれた街』/映画『ボディ・スナッチャー』/連続ドラマ『プリズナーNO.6』/カリンティ・フェレンツ『エペペ』/ピーター・ディッキンソン/ハリィ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』/松本清張『点と線』/『棠陰比事』/イーデン・フィルポッツ『誰が駒鳥を殺したか?』/鷲尾三郎『酒蔵に棲む狐』/リチャード・オースチン・フリーマン『オシリスの眼』/
哲学
志度晶
- 『双頭の悪魔』でのみ登場
- 詩人
- 長身痩躯(長すぎるくらいの手脚)
- 25歳
- 乾燥したワカメのような蓬髪
- 不健康そうな血色の悪さ、品の無さ
- ↑のマイナス要素を全て打ち消すパッチリ開いたきらきらとよく光る目
- マリアは一目で彼に魅了された(恋ではなく)
- 労働が嫌いなわけではなく、働く時は鼻歌まじりに人の倍働くが、その日の気分によっては働くことが苦痛になる。
- 東京都のはずれの青梅市のはずれの農家生まれ。(彼の過去は前半1/4ほど読んだところ)
- 何でも戸惑いなく決めつける。
- 躁鬱気質(情緒不安定)
- 喫煙者でキャビンを愛飲。
- マリア曰く『不謹慎なタイミングで頭を掻くのは、もしかすると緊張した動物が落ち着きを取り戻そうとする時に行う毛繕いのようなものなのかも?』
- 御大は、志度をモデルに火村英生を創作した。(『双頭の悪魔』あとがきより)
- 作家アリスは学生のアリスが書いている、という裏設定があるので、アリスが『双頭の悪魔』の事件で出会った彼をモデルに火村を産み出した、と考えるのも面白いかもしれない。