概要
ある宇宙飛行士が謎の惑星で見た光景。それは言葉を話す猿と、それに支配される人類だった――
フランス人の著者が第二次世界大戦中にインドシナでアジア人を労働力として使っていたところ、日本軍が侵攻。逆に日本人の捕虜となった経験を基に書かれたとされるが真意は不明。
その後アメリカ合衆国で映画化されると、さまざまな人種の問題を反映。多種多様な視点から人類社会を批判するというスタイルが「猿の惑星」という作品の特徴となった。
映画
1968年に20世紀フォックス製作で映画化。原作にさらに一ひねり加え、衝撃のラストを用意した。
興行は世界中で大ヒットし、一大ブームを巻き起こす。日本人に侮蔑的と取られかねない作品にもかかわらず日本でも公開されたため、驚いた関係者もいたという。
数々の亜流作品を生み出し、日本でもかの円谷プロが『猿の軍団』というキワドイものを製作している。
ラストの大オチについては、以後の続編がそれを踏まえた話になっていることも含め、世界一有名な映画のネタバレというレベルで知られたところになってしまっている。公式も開き直っており、ソフトのパッケージには謎の惑星の正体を表すアレが思いっきり出てしまっている。
初期シリーズ
タイトル(原題) | 製作年 | 監督 |
---|---|---|
猿の惑星(Planet of the Apes) | 1968年 | フランクリン・J・シャフナー |
続・猿の惑星(Beneath the Planet of the Apes) | 1970年 | テッド・ポスト |
新・猿の惑星(Escape from the Planet of the Apes) | 1971年 | ドン・テイラー |
猿の惑星・征服(Conquest of the Planet of the Apes) | 1972年 | J・リー・トンプソン |
最後の猿の惑星(Battle for the Planet of the Apes) | 1973年 | J・リー・トンプソン |
ヒットを受けて次々に続編が製作されたが、当時の20世紀フォックスは経営危機に瀕していたため、全体的に低予算である。劇中に登場する猿は、人間が特殊メイクをして演じている。人間と猿の中間をいくその造形は、当時としては特筆に価するもので、メイク担当のジョン・チェンバーズがアカデミー賞を受賞した。
同年に公開された『2001年宇宙の旅』にも猿人が登場するが、こちらはリアルな類人猿そのものである。
PLANET OF THE APES/猿の惑星
2001年にティム・バートン監督の手でリメイクされた作品。原題は『Planet of the Apes』。これ1作で完結。
結末が従来のものと異なるが、これはどちらかというと原作小説に近いものとなった。猿の躍動をワイヤーアクションで表現している他、猿人のメイクも格段に進化している。
新シリーズ
タイトル(原題) | 製作年 | 監督 |
---|---|---|
猿の惑星:創世記(ジェネシス) (Rise of the Planet of the Apes) | 2011年 | ルパート・ワイアット |
猿の惑星:新世紀(ライジング) (Dawn of the Planet of the Apes) | 2014年 | マット・リーヴス |
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) (War for the Planet of the Apes) | 2017年 | マット・リーヴス |
猿の惑星/キングダム (Kingdom of the Planet of the Apes) | 2024年 | ウェス・ボール |
2010年代に入ってからシリーズとして新たにリメイクされた。
ストーリーは時系列順で、猿のシーザーを主人公に、猿と人間の立場が逆転する発端から描かれた。そしてシーザーの物語は3部作でもって完結し、4作目以降は300年後の未来を舞台とした新章となっている。
今作の猿は特殊メイクでなく、人間の演技にCGをかぶせる新技術パフォーマンス・キャプチャーを使用している。
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