概要
原作はミラン・トレンツが1993年に刊行した絵本。
タイトルを直訳すると「夜の博物館」で、その通りに真夜中の博物館を舞台にしている。
夜になるとティラノサウルスやトリケラトプスの化石、偉人の蝋人形、考える人等と言った歴史的工芸品、更には絵画といった展示物たちが魔法の石版の力によって命を吹き込まれ、動き出す。主人公の警備員はそれらを守りきる事ができるのか、という物語。
2009年にはアメリカのスミソニアン博物館を舞台とした続編『ナイト ミュージアム2』が公開。
『STARWARS』のダース・ベイダーと『セサミストリート』のオスカーがカメオ出演している。
2014年(日本では2015年)にはイギリスの大英博物館を舞台とした、最終章にあたる『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』が公開。ヒュー・ジャックマンとアリス・イヴが本人役でカメオ出演している。
2022年にはDisney+限定でアニメ「カームンラーの大脱走」が配信された。
なお、映画3作についても2019年の20世紀フォックスのディズニーへの買収に伴いDisney+にて配信がなされている。
登場キャラクター
本作の主人公。仕事が長続きせず失業中だったが、職業斡旋所の紹介で自然史博物館の夜の警備員の仕事に就く。初めは動き出す展示品達に驚き、振り回されていくが、次第に彼等と心を通じ合わせていく。
「3」で一旦は夜警の仕事を離れたようだが、アニメでは再び夜警の仕事に戻っている。
ニック・デイリー/ニッキー(日本語吹替:千葉翔也)
ラリーの一人息子。両親の離婚に伴い、母親と再婚相手の元で暮らしている。再婚相手と仲良くしているが、実父のラリーのことも気にかけている。
アニメでは16歳に成長しており、何やってもうまくいかない自分に悶々としていることと父ラリーが夏休みに日本に出張しなければならないことから、急遽夜警のバイトを請け負うことになる。早い話がアニメ版の主人公。
マクフィー博士(日本語吹替:佐藤晴男)
ニューヨーク自然史博物館の館長。「マクフィー館長」とも。
何気に映画3作とアニメ皆勤賞。ずっと自然史博物館に勤務しているが日没前にさっさと帰ってしまうため夜の博物館の実情を知らない。ラリーに対して嫌味ったらしく接するが、博物館が盛況になると渋々ながら彼を褒めるなどなぜか憎めないキャラ。「3」では色々あってクビになってしまったが、ラリーたちの大英博物館行きのため協力してくれた。その後ラリーが責任を取ったことで復職した。
セシル・フレデリックス(日本語吹替:中村正)
レジナルド(日本語吹替:坂口芳貞)
ラリーの前任の自然史博物館の警備員トリオ。ラリーに引き継ぎをした後、魔法の石板や展示物を盗もうとして阻止された。その後、警察に通報される代わりとして清掃員になった。「3」では引退して老人ホームで暮らしている。
ティリー(日本語吹替:渡辺直美)
「3」にて登場する大英博物館の警備員。
肥満体の女性で、警備の仕事に退屈していたが成り行きでラリー一行に付き従うことに。その後、アクメンラーと魔法の石板をラリーから託され、3年後大英博物館の収蔵品たちとニューヨーク自然史博物館を訪れ夜の博物館の真実を館長に話す。
アメリカ自然史博物館の展示物達
展示品の一つである古代エジプトの王子アクメンラーの「魔法の石板」の影響で、日没から日の出までの間、あらゆる展示品が命を与えられる。骨格標本は骨のまま生前と同じような行動をするが、ミイラは生前の姿に戻る。額縁に固定された剥製や胸像などは欠損している部分による行動の制限を食らう(胸像は腕がないので鼻が痒くてもかけないなど)。なお日の出までに博物館に戻らないと展示品は灰になってしまう。
ちなみに新人が来るたびに「新人をビビらせて何分で追い出せるか」という競技を行っている様子。アニメでは2分23秒という新記録を叩き出した。
セオドア・ルーズベルト/テディ(日本語吹替:岩崎ひろし)
エントランスホールに飾られた第26代アメリカ合衆国大統領の蝋人形。展示品達の中で最もラリーと心を通じ合わせ、様々なアドバイスで彼を諭す。サカジャヴィアに密かな想いを寄せている。スミソニアン博物館には胸像が展示されている。ラリーを「フローレンス」、ニッキーを「ニコラウス」と、愛称ではなく元となった名前で呼ぶ癖がある。
なお、映画版では3作品とも名優にして名コメディアンとして知られるロビン・ウィリアムズが演じていたが、「3」公開直前にこの世を去ったため、この作品が遺作となった。また「3」のエンドクレジットには彼への弔辞が掲載された。
サカジャヴィア(日本語吹替:本田貴子)
ガラス越しに展示されたポリウレタンの人形。当時未開だった西部を旅する探検家の案内にかって出たアメリカ先住民の娘。追跡者として傑出した才能を有している。
アクメンラー(日本語吹替:小森創介)
古代エジプトの王子。魔法の石板の持ち主で、実際の歴史上には存在しない映画オリジナルキャラクター。ラリーに解放されるまではミイラの姿で展示され、毎晩棺の中で喚き続けていたが、包帯を取ると腐敗もなく生前の姿のまま。あらゆる国の博物館に所蔵されてきたため、博識でダンスが上手い。
ジェデダイア/ジェド(日本語吹替:森川智之)
オクタヴィウス(日本語吹替:水野龍司(映画版)→木下浩之(アニメ))
西部開拓時代のカウボーイと古代ローマの将軍のミニチュア人形。最初は常にいがみ合い、衝突を繰り返していたが、石板奪還作戦をきっかけに強い友情が芽生え、無二の親友になる。
小さいことを気にしているが、逆にその体躯を生かして危機を打開することも多い。
T-REX/レクシー
エントランスホールに展示された恐竜の全身骨格。展示品達の中で最初にラリーの眼前で動いた。外見と裏腹に人懐っこく、犬のように尻尾を振るう愛嬌ある性格。
デクスター
オマキザルの剥製。悪戯好きで、度々ラリーを困らせている。館内説明によると、猿の中でも最も知的とされている。
イースター島のモアイ像を再現したレプリカの石像。ガムガム(チューインガム)が好物で、何故か警備員を「ボケボケ」と呼んでいる。
フン族の暴君。敵対する者は八つ裂きにする主義だが、マジックや奇術に興味を示す。終盤でラリーと和解し、涙を流す。
クリストファー・コロンブスの銅像。古い人物でラテン語で話す。ラリーはニッキーに教えられるまで、何度も名前を間違えていた。
自分達の展示スペースに火をつけようとする4人組の原始人。騒動の渦中、一人が朝日の光を浴びて灰と化してしまうが、消火器の泡が好物になる。
ラー(日本語吹替:小山力也)
最終章で新しく加わったネアンデルタール人。館長によってラリーそっくりに作られたため、ラリーをパパと呼び懐くが、彼の実子であるニッキーには敵意を向ける。
アニメ版で再び登場するが、ニッキーとは普通に仲良くやっているほか変な方向に頭が回る面白キャラに。ちなみに設定としては人類で初めて火起こしに成功した人物らしい。
ルイスとクラーク
サカジャヴィアの案内で当時未開とされていた西部を旅した探検家で、彼女と共にガラス越しに展示されている人形。彼女の隣でよく言い争っている。未公開シーンでは市バスに乗って太平洋に行こうとしていた。
南北戦争の兵士達
顔なしの人形。最初は争いを繰り返していたが、ラリーに諭され和解する。
アニメ版から追加されたキャラクター。「未来を幻視できる」と自称するがなんかフワッとした未来しか見えない様子。なお生前の火刑がトラウマになっている。
なんでフランス人のジャンヌがニューヨークの博物館にいるんだとか突っ込んじゃいけない。おそらく「イギリスに立ち向かった偉人」とかのコーナーがあるんだろう。多分。
スミソニアン博物館の展示物達
ワシントンD.C.にある16の博物館からなる超巨大博物館。ニューヨーク自然史博物館の展示品の一部が移送されたがその際にデクスターが魔法の石板を持ち出したことでスミソニアン側の展示物が動き出す事態に。しかも悪いことに、スミソニアンにはアクメンラーの実兄で王位なき王族カームンラーが収蔵されていたため、事態は偉い方向に傾くこととなる。
アメリア・イアハート(日本語吹替:佐古真弓)
「2」のヒロイン。自然史博物館の仲間達を助けるためにラリーに協力する女性パイロット。史実では女性としてはじめて大西洋を無着陸横断したパイロットとして知られている。どんな危険や困難にも自ら飛び込む冒険好きな性格。
カスター将軍(日本語吹替:小森創介)
南北戦争で活躍したアメリカ陸軍将軍(最終階級は中佐)。サカジャヴィアの名前を何度も間違えたり、頭をぶつけたりと愛すべき馬鹿キャラ。『まず行動、考えるのは後で』がモットー。さすがに南北戦争における自分の最大の「やらかし」には思うところがある様子。
カームンラー(日本語吹替:立川三貴)
「2」の黒幕。アクメンラーの兄で、彼と同じく映画オリジナルキャラクター。石板の力で復活し、仲間を率いて世界征服を企む。ヴィランとしては色々と残念な部分が見え隠れしている。
「2」でのラリーとの対決で退場したと思いきや、アニメで再登場…したのだが残念っぷりに磨きがかかった。そもそも企画展(?)の題名自体が「カームンラー:残念な長男」とか、もう笑えるを通り越して同情ものである。
カームンラー一味の一人。実は『イワン雷帝』という異名を気に入っておらず、『イワン賢王(日本版ではイワンあっぱれ帝)』を自称する。鎧に斧を武装した部下を従える。
ナポレオン・ボナパルト(日本語吹替:佐々木睦)
カームンラー一味の一人。短気かつ身長が低いことをスゴい気にしている。フランス国旗をモチーフにした軍服で、銃剣つきの銃を武装した部下を従える。
カームンラー一味の一人。他の展示物達と違い、自分や部下達は等身大の白黒写真なためモノクロで、マシンガンを武装する(弾は出ない)。
スミソニアン博物館の付近にあるリンカーン記念館の巨大な石像。一時的に記念館にラリーとアメリアが逃げ込んだことで命が吹き込まれる。その巨体でカームンラーの死の軍団を一網打尽にした。
宇宙ザル・エイブル
デクスターと同じオマキザルで悪戯好きだが、礼儀正しい性格。最初こそはデクスターとの関係は険悪だったが、共闘したことをきっかけに友情が芽生えた。小説版ではデクスターと従兄弟という設定だった。
ライト兄弟、タスキーギ航空部隊
航空博物館の展示物達。タスキーギ航空部隊はアメリカ初の黒人部隊で、同じように女性初の大西洋横断を成し遂げたアメリアを尊敬している。
アインシュタイン(日本語吹替:岩崎ひろし)
航空博物館の首振り人形達。石板のパスワードの解読を手伝った。
考える人(日本語吹替:岩崎ひろし)
銅像。ただ考えるだけで特に賢くなく、白い大理石の女性像にマッチョを見せつけナンパする愛すべき馬鹿キャラ2。
噴水の像。ラリーとアメリアの仲を冷やかすようによく2人の周りで歌を歌う3人の天使。
ジャイアント・オクトパス
序盤に登場した巨大タコ(何故か日本版ではダイオウイカになっている)。本来は大人しい性格だが、水がないため大暴れする。水を与えてくれたラリーに懐く。
『STARWARS』シリーズの彼。カームンラーの部下になろうとするが却下された。
オスカー(日本語吹替:大川透)
『セサミストリート』のマペット。カームンラーの部下になろうとするが却下された。
大英博物館の展示物達
世界にその名を知られるイギリスの大博物館。魔法の石板の魔力が途切れ展示品たちがおかしな行動をとりつつあることから、石板を作り出したアクメンラーの両親のマレンカレとシェップスハレットに真相と解決方法を聞くためラリーと自然史博物館一行が向かうこととなった。
アーサー王のために戦った騎士。アーサー王の王妃・グィネヴィアと恋に落ちた。自分が展示物であることを自覚しておらず、色んな意味で残念なイケメン。
マレンカレ(日本語吹替:佐々木勝彦)
シェップスハレット(日本語吹替:山崎紘菜)
アクメンラーの両親。古代エジプトのファラオと王妃。父・マレンカレは魔法の石板を作った張本人。母・シェップスハレットは「9つの王国の輝く宝石」と称されるほどの美しさの持つ。
聡明な次男アクメンラーを寵愛し、「残念な長男」であるカームンラーを蔑ろにした点も合わせると「ナイトミュージアム」シリーズの全ての元凶とも言える。
アニメではマレンカレが肖像画や胸像として何度か登場。相変わらず弟と父親へのコンプレックスを拗らせて悪の道を爆走する長男に「死んでも捻じ曲がった性根は治らなかったか」と嘆いた。
トリケラトプス/トリクシー
トリケラトプスの全身骨格。レクシーと正反対に凶暴な性格だったが、終盤ではランスロットに調教されてレクシーと同じ性格になり、名前も与えられた。レクシーとも意気投合した。
ソウリュウ(相柳)
古代中国に伝わる怪物で、複数の頭を持つ巨大な蛇のような姿をしている。
ガルーダ
インド神話に登場する神鳥を模した黄金の置物。ラリー達の前に現れ、通せんぼをする。
スタッフ
監督:ショーン・レヴィ
脚本・原案:ロバート・ベン・ガラント/トーマス・レノン
製作:ショーン・レヴィ/クリス・コロンバス/マイケル・バーナサン/スティーヴン・ソマーズ(2)
製作総指揮:マーク・ラドクリフ/トーマス・M・ハーメル/アイラ・シューマン
主演:ベン・スティラー (ラリー・デイリー役)
音楽:アラン・シルヴェストリ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
編集:ドン・ジマーマン
製作会社:1492ピクチャーズ / Ingenious Film Partners / 21 Laps Entertainment / Sun Canada Productions
配給:20世紀フォックス
予告編
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トイ・ストーリー:あちらは自分の意思で動きだすが、動き出す点は共通している。