概要
過去5度に渡り劇場公開されたアクション映画。
主演はいずれもブルース・ウィリスで、配給は20世紀フォックス。
最も不運な不死身の男
偽造された身分証明書を瞬時に見抜いたり、あるいは愛飲している煙草からその人の出身地を推察するなど、刑事としての技量の高さは疑う余地は無い。
が、最も不運なタイミングで最も危険な現場に居合わせてしまう、最も不運な男。いつも最終局面では傷だらけでボロボロになっている。でも死なない。この人もあの特殊能力持ちなんじゃなかろうか。
嫁と子供達とは上手くいっていないが、悪党・テロリストには滅法強く、ピンチを迎えると不敵なセリフを吐かずに弱々しくボヤくと、それまでのアクション映画に多かった超人的なヒーローとは一線を画す、新しいヒーロー像を作り出している。
ついでに彼が相手をする悪党は、最初は「崇高な目的」だの精神だの何だかんだ宣いつつも、スーパーヒーローが相手取るようなヴィランでは無い、結局は金が欲しいだけの小悪党ばかりなのも特徴である。そしてマクレーンは前述の通り「最も不運な男」と酷評されているが、彼という最大の計算外が事件に関わってしまった結果、どれだけ追っ手を差し向けても生き延びるマクレーンによって、悪党は当初完璧と思っていた計画が破綻するため、マクレーンは悪党どもに取っても不運の象徴である。
詳細はジョン・マクレーン
家族
ホリー・マクレーン(ジェネロ)*
日系企業のナカトミ商事に勤めるジョンの妻。1作目からすでにジョンとの関係がぎくしゃくしており事件を通して修復されるかと思いきや3作目では別居し、4.0時には離婚している。
尚、原作の小説では主人公の娘の設定だったが、映画化の際に変更された。
ルーシー・ジェネロ=マクレーン
ジョンの娘。
当初は離婚した父親を嫌がり、死んだと伝えたりジェネロ姓を名乗っていたが、後に巻き込まれた事件を機に氷解し、マクレーン性を名乗る。
ジョン・“ジャック”・マクレーン・Jr.
ジョンの息子。
成人後はCIAの一員となり、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』では父と共に事件へと立ち向かうことになる。
*村野武範氏の吹替版ではジェナーロ
ストーリー
ダイ・ハード
ニューヨーク市警察で11年間働いている刑事であり、最も不運なタイミングで、最も不運な場所に居合わせる、最も不運な男。またの名を簡単には死なない不死身の男。
クリスマス・イヴ、マクレーンは別居中の妻ホリー・ジェネロに会うために、妻が働くロサンゼルスの職場、ナカトミ・プラザを訪れていた。それと同時にプラザではテロリストによるビルを襲撃が決行された。
運が良かったのか悪かったのか、マクレーンは彼らの眼から逃れビルを駆け回り、テロリストの計画を単身阻んだ。
ダイ・ハード2
作中のテロ犯いわく「場違いな場所に、間違った時に来た男」。
『ダイ・ハード』の出来事の後、マクレーンはロサンゼルスに引っ越し、ロサンゼルス市警察で警部補として働いていた。この時のマクレーンは国中で有名になっており更に『ピープル・マガジン』で取り上げられたk事情が明らかになっている他、スチュアート大佐の発言では "ナカトミの人質を救った警察官の英雄" と言及されている。一方でこの作品でのマクレーンには相棒ポジションにあたる人物が明確にいないせいもあり、シリーズ中最も協力者に恵まれていない印象が強い。
今作では、例によってまたクリスマス・イヴにマクレーンがワシントンD.C.のダレス国際空港で事件に遭遇する。
テロリストが空港の管制機能を乗っ取り「要求に応じないと飛行機を墜落させる」と脅した。ホリーもその中の1機に乗っており、空中で旋回を繰り返していた。マクレーンはそのテロリストが、悪名高い独裁者を救出するためにやってきた事実に気づき、空港関係者達と共にテロリストに戦いを挑んだ。
ダイ・ハード3
マクレーンはニューヨークに戻って、妻とは再び別居し、停職中でありアルコール依存症になりかけていた。
"サイモン" とだけ名乗るテロリストが、マクレーンにサイモン・セッズをやらせようとし、断れば街が爆発すると脅迫する。指示通りにハーレムのど真ん中で「I hate Niggers(=黒ん坊は嫌いだ)」と記したカードを首から下げて立たされていたマクレーンは、黒人ギャングから助けてくれた家電修理店の店主ゼウス・カーヴァーを事件に巻き込んでしまう。
マクレーンは FBI から "サイモン" の本名はサイモン・ピーター・グルーバーであり、第1作のテロリストリーダー、ハンス・グルーバーの兄であると知らされ、復讐のためにマクレーンが狙われていると聞く。その後マクレーンは、復讐が本当の目的を隠すための手段であることに気付き、警察が爆弾に気を取られている間、テロリストたちは爆破で警備システムに穴が生じたニューヨークの連邦準備銀行の地下金庫に押し入って金塊を奪っていった。
ダイ・ハード4.0
独立記念日にマクレーンは娘のルーシーを訪ねるが、すげなくあしらわれる。
娘と別れた後、マクレーンはハッカーのマシュー・ファレルの身柄をFBIへ届けるよう命令を受ける。その後すぐに、国内のインフラ(発電、信号、交通、金融市場を含む)を掌握する "ファイヤー・セール(=投げ売り)" を狙うトーマス・ガブリエル(ティモシー・オリファント)の陰謀を知る。
ダイ・ハード/ラスト・デイ
今作は、成長した息子のジャックがロシアで逮捕されるところから始まる。
マクレーンはジャックが出廷する裁判所へ向かうが、突然そこが謎の武装集団に襲撃される。ジャックは同日に政府の高官チャガーリンに不利な証言をするはずだったコマロフと共に、逃げ出そうとしているところをマクレーンに発見される。武装集団から逃走したマクレーン達。ジャックは「自分がCIAに所属し、コマロフの保護と国外への移送のためわざと逮捕された」真相を明かす。息子がスパイになった事態に驚くマクレーン。3人はチャガーリンに不利な証拠が隠してあるホテルに向かうが、待ち伏せていた武装集団にコマロフを奪われる。2人は助かるものの、ジャックは任務の失敗で途方に暮れる。しかしマクレーンの叱咤により、ジャックは奮起。コマロフが連れ去られたと思しきプリピャチへ向かう。
ダイ・ハーデスト (Die Hardest)
6作目として制作が予定されていたが、2022年3月31日に主演のブルース・ウィリスが失語症により俳優引退を発表。後に認知症と診断されて復帰も絶望的となった。主演を変えて制作するのか、あるいは5作目で事実上の完結とするのかは今のところ未定である。
物語の舞台
ダイ・ハード
ロサンゼルスのナカトミビル。
ダイ・ハード2
ワシントン・ダレス国際空港。
ダイ・ハード3
ニューヨーク市全域
ダイ・ハード4.0
アメリカ合衆国東部ほぼ全域
ダイ・ハード/ラスト・デイ
舞台が明らかに大きくなっている。
この勢いだと「仮に6作目が作られたとしたら北南米大陸全域か?」とも囁かれていたが、6作目のDie Hardestでは「日本が舞台になる」旨が脚本家により明かされた(この手の話は実現するとは限らないので期待して待とう)。
舞台となるのは「1」の舞台だったナカトミ・プラザの東京本社ビルで、マクレーンの妻のホリーや、「3」でマクレーンの相棒を務めたゼウスも登場すると報じられた。
また、これとは別に6作目は本作の前日譚となり、若き日のマクレーンが主人公になるとも報じられている。
ただし、上記にある通りジョン・マクレーン役のブルース・ウィリスが元妻のデミ・ムーアと共に俳優業を引退しているため、仮に6作目が制作された場合のマクレーン刑事役は新俳優への交替がほぼ確実になる。
原作
実は、1作目と2作目には原作が存在している。
- 1:Nothing Lasts Forever / ロデリック・ソープ著
- 2:58 Minutes (邦題:ケネディ空港着陸不能) / ウォルター・ウェイジャー著
いずれも主人公はジョン・マクレーンではなく、初老の元刑事の探偵で、展開も映画版と比べると異なる(特に1作目の原作は映画版とは比べ物にならないほどの暗い展開であり、結末も完全なハッピーエンドとは言い難い内容)。また、原作となった小説2作の間には特に関連性はない。
尚、一部ファンから「ダイ・ハードはコマンドー2用に準備された脚本を加筆修正したもの」なる噂がまことしやかに囁かれているが、これに関しては脚本を書いたスティーヴン・E・デ・スーザが否定している。厳密には「コマンドー2を作ろうとしていたが、シュワルツェネッガーが乗り気にならなかったので企画が流れ、代わりの企画としてダイ・ハードが立ち上がった」流れではあった模様。
ゲーム化作品
1990年9月28日にパック・イン・ビデオから発売。当初は無実の罪で投獄された主人公が、刑務所から脱獄して復讐を果たすアクションSTGとして日本物産で開発されていたが、キャラと設定をダイ・ハードに置き換えたタイアップものとして発売されるに至った。
関連動画
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ダイナマイト刑事 一応ダイ・ハードが原作である。