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概要編集

特撮時代劇『大魔神』における神の名前。

作品ごとに細かな設定は異なるが、正式名称がこの名前であることは共通している。


怪獣でも無ければ妖怪の類でも無く、正真正銘の「であり、第一作では悪人の左馬之助を殺してもその怒りはおさまることなく無抵抗な村人にまでその怒りをぶつけるなど、まさに人知を超えた大自然の化身である。


しかし第二作以降は信心深い者、わが身を犠牲にしてでも誰かを救おうとする者には理解を示し、悪人を殺せば怒りがおさまることもある。

大女神(だいめじん)その3

普段はをまとった埴輪のような石像として各地で眠っており、穏やかな顔つきをしているが、ひとたび怒るとまるで生物であるかのように立ち上がり、腕で顔を拭い憤怒の形相をした青黒い顔へと変わる。


物語における最大かつ中心的な悪人を捕えて、己の手で直接止めを刺す事が多い。第一作では、己の額に打ちこまれた杭を、自らが掴んだ左馬之助の体に直接打ち込んで殺害した。第二作では、御子柴弾正の乗った船を、自身の眼力から生じた火炎で焼き殺し、第三作では、荒川飛騨守を宝剣で突き刺し止めを刺した。


大きさ編集

身長や体重は初期設定では4.5m 体重不明だが、資料によっては5m や 6m や 15m/ 6t や 50t や250t になっているなど異なり、作中の描写を見ても一定していない模様である。


妖怪大戦争ガーディアンズ』では9.8m、『大魔神カノン』では20mになっている。


能力編集

その身にまとった鎧は非常に頑丈で、鉄砲や大砲、爆弾でもびくともしない。

武器は怪力と、腰に下げている宝剣。その他に超常的な力を有している。


怪力は、一撃で城門をも突き崩し、城砦を叩き潰す事ができる。過去の児童向け書籍では、五千人力という記載がある。


三作目には、使者の大鷹が登場。魔神の山に登る子供達を、追手の悪人たちから守っていた。自身もその爪で戦う事が可能。


怒りがおさまると全身が風化し、朽ち果ててしまう。一作目では土塊となり、二作目では液化し、三作目では吹雪となって消えた。だがそれでも死んだわけではなく、何処かで人間たちを見守っている事には変わりない。


宝剣編集

腰に下げた宝剣は、第三作で初めて鞘から抜かれた。悪人を串刺しにして、止めを刺すのに用いられている。『妖怪大戦争ガーディアンズ』では、かなりの威力を持つ伸縮性の火炎を宿す剣として描かれた。


超能力編集

念力で火炎を発生させることが出来、たとえ火責めにあっても念力で炎を消し飛ばしてしまう。


歩行速度は遅いが、逃げ出した悪代官の前に先回りしていた事もあった。そこから瞬間移動も可能な模様。


光の玉となって空を飛ぶ事もできる。


資料によっても異なるが、他にも様々な超能力を有しているとされ、幻覚、変身、嵐の発生、天候や自然の操作、手や足から発射する火球や火炎、兜から発射する電撃等も能力に含まれる。


また、出現するとどんなに快晴でも空に黒雲が発生し、大嵐となる。


第二作『大魔神怒る』では、湖を割って出現した。


上記の大鷹も、劇中では敵の手にかかり一度死ぬが、大魔神の力で蘇った


リメイク編集

大魔神カノン編集

2010年放送のTVドラマ『大魔神カノン』では「ブジンサマ」と呼ばれる存在として登場。


銅鐸から変化した巨大オンバケ(精霊)とされ、半裸の筋骨隆々の巨人のような姿を持つが、顔は目しかなく、その表情を窺い知ることは難しい。


古来には人助けを積極的に行うなど、オリジナルと違って元より人間に寄り添った非常に穏やかな存在だったが、精神的には繊細な所があり、過去に起こった人間との軋轢で心を閉ざし、現代まで眠りについていた。


身長設定は約20mであり、歴代大魔神の中では最大級の巨体を有する。


妖怪大戦争ガーディアンズ編集

2021年公開の角川製作の特撮映画『妖怪大戦争ガーディアンズ』にて登場。

大魔神の登場は1966年の『大魔神逆襲』以来50年ぶり、リメイクも含めれば2010年の『大魔神カノン』以来11年ぶりとなる。また、妖怪大戦争シリーズ最初の敵である吸血妖怪ダイモンも、大魔神にルーツがあるため、ある意味では念願のコラボレーションとも言える。


アレンジが加えられているが、シルエット自体はそれほど変化はない。身長は9.8mと昭和期(の設定の一部)よりは大きいが、『カノン』のブジンと比べるとかなり小柄である。


作中では「武神様」と呼ばれており埼玉県所沢市の将軍塚に眠っている。妖怪獣を止めるため妖怪たちが蘇らせようとするが制御することは困難らしい。


ガメラとの関係編集

大魔神は当初、「宇宙氷人」という昭和ガメラの最初の敵になる予定だった。そして、氷の属性というテーマはバルゴンに引き継がれた。


また、吸血妖怪ダイモンが登場する妖怪大戦争シリーズは、昭和ガメラとタイアップで放映される事が度々あった。


その後、2005年の『妖怪大戦争』でガメラと共に言及されていたり、『妖怪大戦争 ガーディアンズ:平安百鬼譚』ではガメラと共に悪の軍勢から世界を守る存在として召喚され、京都を守った玄武(ガメラ)と東国を守った大魔神として活躍している。


虚実妖怪百物語』でも、共に実体のない存在ではあるが、ガメラと共演している。


なお、藤谷文子平成ガメラシリーズに因んでか、同時期に藤谷の父であるスティーブン・セガールを主役とした大魔神のリメイクが企画されていた。この企画は実現しなかったが、この脚本は後に小説として出版されている。


余談編集

  • 動く石像という発想は、1936年のチェコスロバキアの映画『巨人ゴーレム』に登場するゴーレムが元ネタである。
  • 吸血妖怪ダイモンのキャラクター性は、大魔神の影響が大きい。当該項目を参照。
  • 大映特撮と水木しげるの関係は深い。上記の『虚実妖怪百物語』でも、ガメラと大魔神とダイモンは鬼太郎達と共演している。
    • 悪魔くん』にも同名のキャラクターが登場する。『悪魔くん』に登場する大魔神は見た目が阿羅羯磨とはかなり異なる。
    • 3期鬼太郎に登場した埴輪武者の外見も、「静」のモードの大魔神によく似ている。
    • その他にも、小中千昭氏が両シリーズと関係があったり、大海獣が『鯨神』に影響を受けていたり、マンモスフラワー草体の関わりが見られたり、野槌牛鬼の声にガメラの声が流用されていたこともある。
  • かつて横浜ベイスターズシアトル・マリナーズ等で活躍した元プロ野球選手佐々木主浩のニックネームである「ハマの大魔神」は、この大魔神こと阿羅羯磨である。由来は、その抜群のリリーフ力を大魔神の強さに例えられたから…ではなく、単純に風貌が大魔神に似ていたため。

関連項目編集

大魔神

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