雨降小僧
あめふりこぞう
雨降り小僧とも表記される鳥山石燕著の妖怪画集『今昔画図続百鬼』や『黄表紙』に記載されている妖怪。
中骨を抜いた和傘を頭に被り、提灯を手にした小僧姿の妖怪で、中国の雨を司る神である雨師に使えているとされている。
また、近年の文献では彼の被っている傘を奪い取って被ると取れなくなってしまうとか、通り雨を降らせて人々が困っている様子を見て楽しむという悪戯好きな妖怪として紹介しているものもある。
大御所の解説ではありとあらゆる生物の営みに欠かせない雨を調節するという大役を担っている神様に近い存在とされており、『東北怪談の旅』という本では岩手県上閉伊郡の仙人峠で狐が結婚式を挙げるために雨を降らしてほしいと頼み、快く承諾した雨降小僧が提灯を揺らして雨を降らし、その中を狐の嫁入りが続いていったという話が紹介されている。
CV:大竹宏(1期)、塩屋翼(2期)、田中一成(4期)、小野坂昌也(5期)、田村奈央(6期)
和傘を被った男児姿の妖怪。伝承と同じく雨を自在に降らす力を持つ。
元々原作ではただのモブキャラだったが、アニメで弱気な性格をしているといったキャラ付けがされ、特に3期ではメキシコの雨の神・ユムチャックから日本の雨を司る神と見なされ理想郷の番人に任命されただけの事は有り、傘化けでも防げない程の豪雨や雷雨を降らせたりするなど、雨量を調整する事も可能という強大な力を有していた。
ただし、財宝を狙う悪徳教授に唆されて背任してしまうなど、その力故なのか、やや自分の力に慢心している一面を覗かせている。
4期では運動会を中止したい少年と雨を降らせる条件として彼の魂を奪おうと考えていたが、その前夜に行われた妖怪たちの運動会の最中に雨を降らせてしまい、妖怪たちの抗議や少年が対価について知らなかった事もあり、鬼太郎の仲介で約束を白紙へと戻していた。
5期では引っ込み思案な性格となっており、力を制御できないのか所かまわず雨を降らしてしまう為、運動会が好きで自分も参加したかったのだが、その力ゆえに妖怪運動会への傘下を自粛していが、鬼太郎たちのおかげで生まれて初めて無事に参加する事が出来た。
6期でも5期同様引っ込み思案な性格でねずみ男がプロデュースする遊園地のアトラクションで、着ぐるみを着て人型ロボット「ピグ」としてパフォーマンスを行っていた。
当初はその性格や口下手こともあった為人気が出なかったが、新たに雇われてやって来たたくろう火と友達になり、お互いに励まし合いながら切磋琢磨してアトラクションの練習をしていく内に上達して客たちを満足させる程の人気者へとなる。
しかし採算が合わないと判断したねずみ男がアトラクションを閉鎖し、着ぐるみもたくろう火の目の前でスクラップにされてしまう。
「ピグ」が本物のロボットだと思い込んでいたたくろう火は友達を壊されたと激怒し暴れ回る彼を止める為に雨を降らせて沈静化させるが、自分をロボットだったと思い込んでいたたくろう火になかなか本当のことを言い出せずに騙し続けていた事。そして雨を降らせて彼を苦しめてしまった事に負い目を感じてその場から逃げ出そうとするが、たくろう火から「君までいなくなったら、僕はまた一人ぼっちになってしまう」と引き留められ、改めて友達となり、本当の親友となった。