概要
ショキショキと音をたてて川で小豆を洗う妖怪。「小豆洗おか、人取って喰おか」とつぶやく。気を取られると川に落とされる。
同様の怪異が日本全国で伝えられているが、いずれにせよ「音の怪異」であり、本来、具体的な姿はない。 そのためキツネ、ムジナ、ガマガエルなどの仕業ともされる。
江戸時代に書かれた『絵本百物語』では、以下の物語がこの妖怪の由来として語られている。
新潟県の法華寺にいた日顕という小僧は、障害があったものの数えるのが得意だった。見ただけで小豆の数を言い当てることができ、和尚にも可愛がられ次期住職かといわれていた。
しかし、それに嫉妬した円海という僧に、井戸に投げ込まれて殺されてしまい、化けては夜に雨戸に小豆を投げつけ、夕暮れには川で小豆を洗いながら数えたという。
その後円海は死罪となり、二人の霊は井戸で言い争うようになったという。
長面妖女に近い七尋女房/七尋女の伝承にも、小豆を洗うバージョンがある。
別名
別名 | 地域 |
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小豆研ぎ | 広島県世羅郡、山口県美祢郡(現・美祢市)、宇部市、愛媛県広見町(現・鬼北町) |
小豆アゲ | 岩手県雫石村(現・雫石町) |
小豆ごしゃごしゃ | 長野県長野市川中島 |
小豆削ぎ | 山梨県北巨魔郡 |
小豆こし | 鳥取県因幡地方 |
小豆さらさら | 岡山県都窪郡、阿哲郡(現・新見市) |
小豆ヤロ | 香川県坂出地方 |
砂洗い | 愛媛県広見町 |
創作での扱い
ゲゲゲの女房
(CV:泉谷しげる)
水木しげるの人生を扱った連続テレビ小説。終盤に漫画家水木しげること村井茂の前に登場し、水木を啓発した。
ゲゲゲの鬼太郎
(CV:1期・はせさん治、3期・平野正人 / 田中和実(代役)、4期・西村知道、5期・小西克幸、6期・宮澤正)
小豆婆、小豆はかりと一緒に「小豆連合軍」として工場排水で汚染された小豆畑の報復に訪れた。工場の機械を壊し、人間の顔から栄養を小豆に変え絞り出す妖術を使う。
第3期ではダム建設による不作の報復。
第5期では妖怪横丁でまんじゅう屋を営む準レギュラーとして登場し、40話、83話でメイン回を獲得した。40話での釣瓶落としとの張り合い等は、つるべ落としにも小豆洗いに似た伝承があることと何か関係があるのかは不明。83話では暴走した小豆婆、小豆はかりを止めようと奮闘した後に山梨県代表の妖怪四十七士となった。
第6期では、第5期に似たデザインであり、7話「幽霊電車」ではモブキャラとして、31話「小豆洗い小豆はかり小豆婆」では動画サイトを活用し小豆の人気UPを図ったのだが…
また各シリーズでもモブキャラとして登場している。
『墓場鬼太郎』の「鬼太郎夜話」編では、物の怪(CV:塩屋浩三)のデザインモチーフともなった。
妖怪大戦争(2005年版)
魔人加藤と戦う主人公稲生タダシの仲間の妖怪だが、本人は小豆を数えることしか能がなく戦う気はない。足がしびれて逃げられなくなり、なし崩し的に最終決戦に巻き込まれてしまう。しかし今作の真のテーマを体現したキャラクターで、最後にとんでもないことが…
巷説百物語
「小豆洗い」。京極夏彦の小説。
忍者戦隊カクレンジャー
妖怪軍団アズキアライとして登場。オボログルマなどの序盤の妖怪の親分で警察官に化けている。正体は茸の傘のようにゴミ箱の蓋を被った、尻尾がある青い妖怪。詳しくは当該記事を参照。
ぐるぐるメダマン
(演:古賀泉(現カズンの古賀いずみ))
メダマンの友達の少女妖怪アズキアライ。どちらかというと河童のような姿で、バレエの様な動きが特徴。きれい好きなため小豆を洗うだけではなく、透明になり学校を掃除することもある。
モンスト
金色のロボット族、「小豆あらい【極】奇怪仕掛けの圧倒的洗浄力」、「驚きの洗浄力小豆あらい」として登場。
地獄先生ぬ~べ~
リツコ先生のクラスの村田正和の前に現れ「洗え」と脅し手を洗わせる凶悪な人相の妖怪。
このせいで正和は強迫観念じみた潔癖症に囚われ、ケガまでしてしまった……
……と思っていたのは過去のトラウマから来る思い込みであり、姿も幻影。
本物は心優しい妖怪で山奥に済んでおり、ぬ~べ~が話をつけて正和の心を洗ってトラウマを浄化してくれた。
実写ドラマ版
(演:鈴木拓(ドランクドラゴン)、親:上島竜兵(ダチョウ倶楽部))
ドラマ版に登場した親子。小豆を洗う音ががうざいと、ゆきめの部屋から追い出されたことも。
関連イラスト
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岡村隆史…実写映画の『妖怪大戦争』で小豆洗いを演じ、2018年6月放送の『東野・岡村の旅猿13』では、水木しげる記念館にて感動の対面を果たした。