概要
江戸時代後期にあたる天保12年(1841年)に刊された、桃山人/桃花山人(桃花園三千麿)による文、竹原春泉(竹原春泉斎)画による奇談集。全五巻。
60年以上先行する鳥山石燕の妖怪画集『画図百鬼夜行』やその続刊と比較されることもあるが、多色刷りで躍動感のある挿絵や、百物語としての怪談・奇談である本文など、その内実は大きく異なっている。
なお『桃山人夜話』という名でも広く知られているが、これは各巻の冒頭にこの文があるためであり、正確には書籍としての題名ではないとされる。
ちなみに川崎市市民ミュージアム学芸員の湯本豪一氏によって、実は『絵本怪談揃』という書籍と同内容であることが確認されており、これ以前に刊行されていたと考えられるこの奇談集を再編集したものである可能性が考察されている。
掲載妖怪一覧
巻第一
巻第二
- 豆狸(まめだぬき)
- 山地々(やまちち)
- 柳おんな(やなぎおんな)
- 老人の火(ろうじんのひ)
- 讃岐の手洗い鬼(さぬきのてあらいおに)
- 出世ほら(しゅっせほら)
- 旧鼠(きゅうそ)
- ふた口おんな(ふたくちおんな)
- 溝出(みぞいだし)
巻第三
- 葛の葉(くずのは)
- 芝右衛門狸(しばえもんたぬき)
- 波山(ばさん)
- かたびらが辻(かたびらがつじ)
- 歯黒べったり(はぐろべったり)
- 赤ゑいの魚(あかえいのうお)
- 船幽霊(ふなゆうれい)
- 遺ごん幽霊 水乞ゆうれい(ゆいごんゆうれい みずごいゆうれい)