溝出
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みぞいだし
江戸時代の奇談集『絵本百物語』に記載される死者を疎かにしたことによる死霊譚。
江戸時代の奇談集『絵本百物語』に記載される、死者を疎かにしたものが報いを受ける怪談。
とある貧乏人が死んだところ、死体の始末に困ったので葛篭(くずかご)に入れて捨てられてしまった。
すると亡骸の皮が剥けて白骨の姿となり、歌いながら踊り出したのだという。
同様な怪異としてこのような話が伝わる。
鎌倉時代末期の北条高時治世の時代、鎌倉に「戸根の八郎」という武士がおり、家来が死んだ際に櫃に入れて由比ヶ浜の海に捨ててしまった。
その後、岸に打ち上げられた櫃の中から奇妙な歌声が聞こえてきたので、寺の僧が調べたところ海水に晒されて白骨化した亡骸が出てきたので供養されることになった。
時が過ぎ新田義貞が鎌倉へ攻め入った際に、北条時行の軍は由比ヶ浜に軍勢を敷いたが、例の戸根の八郎は別の場所に敵軍が現れたとの報告から移動することになった際に何故か追いつくことができず、格好の弓矢の的となり討ち取られて果てたのだという。
その場所は某八郎が櫃を流した場所であったといい、家来の悪霊に憑り殺されたからだと人々は噂した。
どのような身分や立場の者であっても、死者は敬って供養しないと悪霊となり怪異を引き起こすことを戒めたという怪談であるとされる。
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