※この項目では、「遠野物語」に散見される妖怪の「山男」を中心に、山に関係する職業について記述する。
遠野物語の山男
山人の一種ではないかと言われている。
山女とセットで取り扱われることが多く、専ら人間の女を攫い、山の住人にして帰れなくするものもあれば、山に入った人物が目撃し、大きな体躯を持っているという記述がある。
前者は神隠しの類と扱われるためか、攫われた女の口からその発言があるのみで、攫った男の方は姿を現さない。ちなみに「山男」と呼ぶ記述は九二の話にある。内容は後者。
作者である柳田國男が民俗学の研究をしていて、この物語を書く上で、北上山地などの山の付近の生活を取り扱っているためか、その生活圏にあるマタギやサンカの記述もある。
サンカ(山窩)
古い時代から記述がある、存在したとされる放浪民の集団のことである。
定住することなく狩猟採集によって生活したり、箕を生産することをしていた。
交易のために村々を訪れることもあったので、日本語を話していたが、サンカ言葉という独自のものも使っていたという記録が残っている。
定義は諸説があるが、現在では差別用語として扱われることがあるため、あまり現在では使われない表現。民俗学などの研究者の間では、専らカタカナ表記で扱われる。
前述の通り、定義の仕方が様々なため漢字の表現は一定のものがないが、山窩とするのは警察をはじめ、行政関係では盗伐などの犯罪者、住所不定の者を防ぐためにこのように扱われていたことがあるらしい。
記述としては、今のところ古いものだと、幕末の探検家の松浦武四郎の著書に「サンカに命を救われた」という旨のものがある。ちなみに民族的な呼称ではないため、この呼び方はこれ以前に口語として存在したと思われる。
その他、山に関する仕事
林業を扱う杣人(木こり)、生活必需品だった木炭をつくる炭焼き、動物などを狩って生活するマタギ(猟師)など、山にさまざまな目的で入る男性は多い。
また前者の杣人、炭焼きに関しては山子(やまこ/ヤマコ)と呼ばれることもある。
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