概要
妖怪の笑い女
「勝賀瀬の赤頭」「本山の白姥」と並ぶ「土佐の3大妖魔」の1つ。
江戸末期~明治初期作の『土佐化物絵本』に掲載されている高知県香南市に伝わる女の妖怪で、 地元では“毎月1、9、17日に山に入ると遭遇してしまい恐ろしい目に遭ってしまう” と伝承されており、皆その言い伝えを守って暮らしていた。
ある時、樋口関太夫なる男が言い伝えを無視し、家来達と共に山に入ったところ、若い女が現れ関太夫を指さし笑い始めた。
すると周囲のもの全てが笑い出したような声が響き渡るや否や、家来達は麓で気絶した。なんとか逃げ帰った関太夫の耳には、一生その時の笑い声が残ってしまったと伝わっている。
その他の伝承
- 夜中に女の笑い声が聞こえる。
- 2人の老婆が山菜取りの際に出会い、思わずつられ笑いをすると笑いが止まらなくなり、何日も熱病におかされた。
- 土居城跡地に祀られる〈ツルギ様〉は、退治に使った刀を祀ったものである。
- 「山女郎」が笑いかけてきて、一緒に笑うと食われる。
- 「狸」が化けたものである。
- 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に掲載されている「倩兮女(けらけらおんな)」は同様の妖怪であるとされる。
- 同じく土佐で文化時代に書かれた『南路志』には同じ筋の「笑い男」が掲載されている。
都市伝説の笑い女
近所に住む「いひゃっいひゃっいひゃっ」といつも笑っている腰まで髪を伸ばした奇妙な女。
酔った勢いでちょっかいを出した先輩の末路とは……
創作での扱い
上記の「笑い男」の話が脚色された『東光山の笑い男』として放映された。腕まで伸びるし、笑い対決に負けると半殺しにされるらしい。
一応はハッピーエンドなのか、笑い男と人間側が笑い対決の末に仲直りする話になっている。
マイナーな妖怪達が通う四国の学校が舞台の漫画で、末裔ではあるのだがとある夢のため、普段は笑わない嗤村咲笑(しむらさえ)が登場する。
また同作者の読切『嗤村さんのゲラ事情』には、姉と思わしき嗤村花笑(しむらかえ)が登場している。笑い声を聞いた者は正気を失ってしまうために……
99話で春日琴子に憑りつき爆笑させた女妖怪。オカッパ頭で笑い顔の、見た目は花子さんをモデルにした姿で登場した。
人が集まる場所で急に笑いだし、それに釣られ笑いすると祟られて何日も笑いが止まらなくなり、衰弱して病気になってしまう女妖怪として登場。