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  1. お菊という女性の怨念が虫と化した妖怪。本項で説明
  2. アゲハチョウ類、特にジャコウアゲハのさなぎの俗称。その姿が後ろ手に縛られた人の様なので、上記のお菊になぞらえてつけられた。

概要

怨念がの姿をして現れたお菊虫譚の源流となったのは、「播州皿屋敷」とされる。

話自体のバリエーションは多いが説話のあらすじは、

永正年間(1500年ころ)、姫路城城主小寺則職の家臣・青山鉄山が謀反を画策する。これを家臣の一人・衣笠元信が察知し、お菊を女中として鉄山の下に送り込みその計略を探らせた。そして、鉄山が花見の席で則職を毒殺しようとしていることを突き止めた。衣笠は則職を救い出し、家島に隠れさせ再起を図った。

鉄山はお菊が内通者であることを感知し、町坪弾四朗に彼女の身辺を探らせた。お菊に恋慕していた町坪は、自身の妾になるよう彼女に言い寄るが拒否された。そこで町坪はお菊が預かっていた小寺の家宝である10枚の皿のうち1枚を隠して、その咎を彼女に擦りつけて責め殺し、死体を城内の井戸に捨てた。以来、井戸からは夜な夜なお菊の皿を数える声が聞こえたという。

後に威勢を返した小寺一党は青山鉄山を討ち、則職によってお菊は「於菊大明神」として十二所神社に祀られた。

そして時代が下り、寛政七年(1795年)に姫路城二ノ丸にあるお菊井戸の周辺から、女が後ろ手に縛られたような形の虫が大量発生し、城下の人々はお菊の怨霊が年忌ごとに現れるのだと恐れたという。

全国に分布する皿屋敷の怪談でお菊虫が現れる話は姫路城以外に、尼崎、大阪府岸和田、彦根市馬場町にみられるとされ、皿屋敷系の話以外でお菊という女性と虫が現れる話が奈良県に存在する。

北葛城郡磐城村竹ノ内(現在の当麻町竹内)に貧しい櫛屋があり、そこの娘にお菊という者がいた。ある時、お菊は米を盗もうとして倉に忍び入るが村人に見つかり、殺されてしまう。以来、春先になると殺された場所から川下にかけて、の様に光を放つ虫が現れるようになった。虫は『お菊虫』と呼ばれ、の様な形なので櫛屋の妄念だと言われた。

なお、皿屋敷の怪談で常に登場する『お菊』という名前自体の考察がされており、

・非業の死を遂げる下女に対する通称(柳田国男)

の声を聞く巫女として“聞く”を意味する(宮田登)

と結びつき、菊理媛と関連している(永久保貴一)

などの説が挙げられている。

女神転生シリーズのオキクムシ

初出作品は「真・女神転生デビルサマナー」で、怪談同様に種族は“妖虫”。

序盤から中盤にかけて登場する悪魔で、「デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団」や「アバドン王」では、呪殺属性スキルを実装する外法属オキクムシという厄介な相手として登場している。

デザインは裸の上半身に芋虫状の下半身を持ち、緊縛され吊り下げられた格好をしているという原典の陰惨さを漂わせる姿である。

無実の女性が殺されて生まれたという暗い背景を持つ悪魔だが、上述の「超力兵団」で忠実に3Dデザイン化され、チュートリアル戦闘でゲーム開始早々ボスとして登場、通常攻撃時にアグレッシブなアクションの披露、「真・女神転生Ⅳ」ではピクシーナパイアを相手にヒロインの座を競うなど、メガテン世界では楽しげに過ごす姿が見られる。

なおpixivに投稿されているオキクムシの作品は、多くの場合R-18R-18Gタグが付されている。

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