乳の親とは、沖縄県の国頭村や大宜味村、今帰仁村に伝わる女妖怪である。
概要
洗いざらしの如き黒髪を長く垂らした柔和な顔つきの女性の姿をしており、乳房が特別に大きい。
死児を供養する為の童墓(わらべばか/わらびーばか)の周辺や、鏡のように清らかな水面を湛えた水辺に出没し、まだ生きている子供を“あの世”に引き込むと非常に恐れられている(その為今帰仁村等では幼児に鏡を見せると「水面を鏡と思って水面に行きたがり、果てに乳の親に引き込まれる」として、幼児に鏡を見せる行為は禁忌とされている)
一方で、国頭村や大宜味村ではこの妖怪が童墓の中で葬られた子供の霊に乳を飲ませて養うと信じられており、子供が死ぬと乳の親に重箱を盛って、亡き子の冥福を祈ると言う。