説明分岐
もしかして:迷家-マヨイガ-(2016年4月から放送開始したオリジナルアニメ)
1の概要
マヨヒガ(まよいが、迷い家)は、山中に突然現れる無人の屋敷、あるいはその屋敷を訪れた者についての伝承の名である。この伝承は、民俗学者・柳田國男が現在の岩手県土淵村(現・遠野市)出身の佐々木喜善から聞き書きした話を『遠野物語』(1910)の「六三」「六四」で紹介したことにより広く知られるところとなった。
『遠野物語』によれば、この家は決して廃屋ではなく、無人だが「奥の坐敷には火鉢ありて鉄瓶の湯のたぎれるを見たり。」など、つい今しがたまで人がいたような生活感のある状態で現れる。
訪れた者はその家から什器や家畜など何か物品を持ち出してよいことになっており、持ち帰るとお金持ちになれるという。
しかし誰もがその恩恵に与れるわけではなく、「六三」と「六四」では結末が異なっている。前者の訪問者である三浦家の妻は、無欲ゆえに何も持たず帰ったため、後日山に繋がる川の流れに乗ってお椀が届けられている。彼女はこのお椀を米櫃の米を量る器に使ったが、それ以来米が減らず、村の長者になったという。一方後者の山崎の聟は欲をもった村人を案内したせいで、マヨヒガを再び見つけることは叶わず、富を授かれなかった。
以上の柳田の報告から現代ではファンタジーファン、ミステリーファンからの興味を呼び、以下のような新たな設定や解釈、または類話が生み出されている。
・マヨヒガは一種の山の神からのプレゼントをもらえるチャンスである。
・「何かを持ち帰らせるため」に出現するため、謹んで茶碗なりを戴いて帰るといいらしい。
・マヨヒガは一人の人間は一度しか遭遇することはなく、一度遭遇すれば二度と遭うことはない。
・「ある男がマヨヒガから持ち帰った瓶の中に子供たちのおやつの水飴を入れていた。いくら食べても水飴は減らず、6人の子供を立派に育てあげたという。」
ちなみに、柳田自身はこのマヨヒガを「伝説の系統及び分類」(1910)、『山島民譚集』(1914)や『一つ目小僧その他』(1934)で「椀貸伝説」の一種とみなしている。またマヨヒガについてではないが、異界に迷いこむ人間にはその者の「気質」が関係しており、迷い込みやすい家系などもあるのだろうと『山の人生』(1926)で推測している。
2の概要
1が元ネタであり、東方妖々夢2面の舞台になっている。
八雲紫と八雲藍が暮らしている屋敷とマヨヒガは同一ではないのだが、二次創作では「八雲一家が暮らしている家(場所)」=「マヨヒガ」、という設定であることが多い。
3の概要
こちらも1が元ネタで、妖怪がはびこる屋敷に連れて来られた少女が、影小僧の助けを借りて脱出する和風AVG。制作ツールはRPGツクール2000。即死要素はあるものの、ホラーゲームではない。EDは5種類。
作者の次回作である和風脱出ゲーム『オシチヤ』は、本作の直接的な続編ではないが、同じ屋敷が舞台の作品と見られる。