概要
江戸時代後期にあたる文政3年(1820年)頃に描かれた、数種の妖怪と名が紹介された妖怪絵巻物と呼ばれるものの一つで作者は不詳。
現在、川崎市市民ミュージアム学芸員湯本豪一氏が所蔵している。
この絵巻に描かれている妖怪は全部で12種で、狐火を除いた11種は、先行する妖怪画や有名な『百鬼夜行絵巻』『百怪図巻』などの妖怪絵巻物に類例が見られない独自のものであり、何をする妖怪かは名と姿形から考察するしか無い。
傾向として水妖とされるものが複数見られ、名前の多くは言葉遊びから名づけられており、それを連想させる姿形で描かれている。
掲載妖怪一覧
- 汐吹(しほふき)
- 馬肝入道(ばつかんにうどう)
- 有夜宇屋志(うやうやし)
- 狐火
- 真平(まつぴら)
- 充面(じうめん)
- 飛代路理(びよろり)
- 蟹鬼(かにおに)
- 波蛇(なみじや)
- 滅法貝(めつほうかい)
- 為憎(にくらし)
- 為何歟(なんじやか)