概要
江戸時代中期にあたる元文2年(1737年)に描かれた妖怪絵巻で、奥書きの記述から同時代に活躍した、英一蝶の門人である画家・佐脇嵩之作であるといわれる。
かつては、風俗研究家でもあった日本画家・吉川観方の旧蔵品であったが、現在は福岡市博物館が所蔵している。
なお、奥書きには「本書、古法眼元信(室町時代の絵師・狩野元信)筆 阿部周防守正長写 元文第二丁巳冬日 佐嵩指写」と記載されており、狩野派に伝わる妖怪絵巻を代々模写したものであると考察されている。
この絵巻にある30種の妖怪画は、現在よく知られている姿のモデルとなったといわれており、特に鳥山石燕の『画図百鬼夜行』や、松井文庫の『百鬼夜行絵巻』との共通点がよく知られる。
掲載妖怪一覧
いつ頃名づけられたのかは不明だが、現在一般的に知られる呼称とは異なるものがいくつかある。
- 見越入道(見越し入道)
- しやうけら(しょうけら)
- へうすへ(ひょうすべ)
- ぬれ女(濡れ女/さら蛇)
- かわつは(河童)
- がごぜ(元興寺)
- ぬらりひょん
- 火車
- うぶめ(姑獲鳥)
- ぬつへつほう(ぬっぺふほふ)
- わいら
- おとろし
- 山びこ(山彦)
- ぬりぼとけ(塗仏)
- わうわう(苧うに)
- 夢のせいれい(夢の精霊)
- 山うは(山姥)
- 犬神
- ぬけくび(抜け首)
- 山わらう(山童)
- うわん
- あか口(赤舌)
- うし鬼(牛鬼)
- 目ひとつぼう(一つ目入道)
- ゆふれゐ(幽霊)
- ふらり火
- ゆき女(雪女)
- 野狐
- 猫また(猫又)
- かみきり(髪切り(妖怪))