概要
お歯黒を付けたかのように真っ黒な歯を剥き出しにし、三本指の両手を振り上げるような姿で描かれている妖怪。原作となる百怪図巻や画図百鬼夜行ではこの妖怪に対する説明文が存在しないので、どのような妖怪なのかは詳細は不明とされている。しかし、お化けや怪物の類を熊本県の阿蘇郡では「ワンワン」、鹿児島県の鹿児島市では「ワン」と呼称していた事から、その系統の妖怪ではないかという説もある。他には、名前の由来は阿吽から来ているという意見もあるが個人的な見解に過ぎない。また、画図百鬼夜行では塀の裏から飛び出している姿で描かれている事から、廃屋に住み着く妖怪という説も。
三本指は鬼の特徴を表現しているともされ、一説では鬼の仲間とも言われている。
この他、江戸時代末期における青森県の怪談にもうわんが登場する。とある夫婦が古い屋敷を買ってそこに引っ越したが、夜になると「うわん!」という大声が朝まで続いて一睡もできなかった。しかし、近所の者達はそんな大声など聞こえもしなかったと話す。それどころか、夫婦が眠れないのは二人が一晩中抱き合っていたからではという良からぬ噂も流れ始めた。しかし、とある老人がこの話を聞くと、「古い屋敷にはうわんという怪物が住んでいる」と話すのであった。
また、古びた寺にも現れるとされ、誰かが通りかかった時に突然「うわん!」と大声を出して通行人を驚かせ、その隙に命を奪ってしまう。しかし、気を抜かずにこちらも「うわん!」と叫び返せば追い払う事ができるという話もある。
……が、これら二つの怪談は元となる話が見つかっておらず、近年のオカルト作家による創作話だという指摘の声もある。
創作作品におけるうわん
水木しげる作品
ゲゲゲの鬼太郎・5期では、一転して黒坊主に対抗する、いたずら好きだが正義の存在として描写された。
仮面ライダー響鬼
仮面ライダー響鬼では、セミのような魔化魍「ウワン」として登場。幼虫のときは地面に潜っているので、正体不明という伝承になったという設定であった。
侍戦隊シンケンジャー
侍戦隊シンケンジャーでは、作中世界で『うわん』伝承のルーツになったという設定の、口のついた赤い球体が集まったような外見のアヤカシ「ウタカサネ」が登場する。大きな口から放つ聞き取れない不思議な音で人の魂を抜いて喰ってしまい、この音と人の魂を抜いて喰うという行動が伝聞された結果、『うわん』という名前と上記した人を驚かせて命を奪うという伝承が生まれた。
美少女ゲームなのでツインドリルの金髪でマイクと巨大なスピーカーを装備した少女となっている。妖術は初登場となる「一定時間行動不能になるがダメージが通りづらくなる」もの。
ゲーム初となる高難易度クエスト「奇譚・刻参りの呪術姫」に合わせてガチャに登場し、このクエストのボス滝夜叉姫が初の「溜め攻撃」をするボスとして告知されており、属性がボスに有利な「木」とあっていかにもボス対策として有効な妖怪に見えていた。しかし、「妖術が溜まるのが遅いので溜まるまでに倒される」、「そもそも使えたとしても自パーティの進行が遅れるだけで次の溜め攻撃に妖術が間に合わない」、「ゲーム全体でも防御系妖術が不遇なのに本人も殴りあいで特別強いわけでもない」と使いづらさの方が目立ち、鳴り物入りしたのにいきなり産廃扱いされるというかわいそうな結果となった。せめてステータスぐらい上方修正してもよかったのでは…。
後に衣装替えとしてクリスマス版とメイド版が限定で追加された。こちらはまた妖術が違うものとなっている。
指定暴力団「炎魔会直系宇椀組」のトップとして登場。人間態は金メッシュの男。
1話で主人公にワンパンで倒された所詮「噛ませ」である。