桂男
かつらおとこ
唐の時代に書かれた古書『西陽雑俎』によれば、元々は西河出身の呉剛(ウー・カン Wu Gang)という名の人間で、当時禁じられていた仙法を学んだ罪で月にあるとされる大宮殿“月宮殿”で高さが500丈(約1500m)の巨大な桂の木(木犀の事)を刈る刑罰を受けているとされている。
雲で出来た巨人の様な姿をしており、江戸時代の奇談集『絵本百物語』や、和歌山県の東牟婁郡下里村(現・那智勝浦町)に伝わる伝承によれば月に潜んでおり、満月でない時に月を長い間見ていると出現し、手を招いて(月を)見ている者の寿命を縮めて、最悪命を落としてしまう事になってしまうという。
ゲゲゲの鬼太郎
初登場は原作「月の妖怪桂男」。
霧のような体をした月に住んでいる妖怪で、体内に取り込んだ物体の大きさを自在に変える事ができる力を持つ。
静に月で暮らしていたが、人間たちが月面探査などで月を荒らし始めた事に怒り、その報復として地球を荒らし返す目的で眷族である霊兎と共にやって来た。
なお、宇宙空間を移動する際は“フワフワロケット”というものを使って移動する。
地球へと降り立つと虫や小動物たちを巨大化させ暴れさせ、自分たちを邪魔してくる可能性のある鬼太郎は小さくして餅に入れて食べようとするが、駆けつけたひでり神に熱気を浴びせられて体の水分を失い、体が縮んで力を失ってしまい降参。
その後、鬼太郎たちに人間を説得してもらう事となったものの、力を失っていた為に自力月に変える事ができなくなっていた為、一反木綿に月まで送ってもらう事となった。
アニメ第4期では地球にやって来た理由が異なっており、主人の月女が地球に滞在できる最後の夜になっても光害が原因で月へ船を飛ばす為に必要な量の月光を集めることができないという切羽詰まった状況に追い込まれ、主人を助ける為に何としても月光を集めようと月光を集めるのを妨げている人間たちの照明を破壊する目的で巨大化させた虫たちを使役していた。
最終的には鬼太郎たちの協力で月女だけ返せる月光を集める事に成功し、自分自身も地球に残れば消えてしまう運命が待ち構えていたが「月女様を無事帰せれば十分だ」といって彼女を見送ると静かに消えていった。
霊兎(れいと)
桂男の眷族を務める月に住んでいる二人組の兎。いわゆる月の兎で、臼と杵で餅を搗いてそれを桂男に捧げる役目を担っている。
普段は特別な時でないと見る事ができない存在だが、月まで荒らすようになった人間たちに怒り、桂男と共に地球へとやって来た。最後は桂男と共に鬼太郎たちと和解し、一緒に月へと帰っていった。
月女(つきめ)
CV:久川綾
アニメ第4期に登場する桂男の女主人。その正体は800年前に月を愛でる地球人たちの為に渡来した月からの使者で、地球では800年以上生きられず、それまでに月に帰らないと消えてしまう運命が待ち構えている。
人間たちの文明の発展による弊害で、地球に滞在できる最後の夜になっても、月へと帰れないという状況に追い込まれていたが、鬼太郎たちの協力と自身に献身的に尽くしてくれる桂男の力により、無事に月へと帰る事ができた。
地獄先生ぬ~べ~
『NEO』の第8巻にて初登場。
白いタキシードに身を包んだ美男子として描かれているが、性格に関しては冷酷そのもので、「世界一の色男」を自称するナルシスト。
恋に悩む女性が月を眺めていると姿を現し、その女性を魅了して虜にしては月に連れ去っており、連れ去られた女性は生命エネルギーを吸い尽くされて死亡してしまう。自らが住む月には、犠牲になった女性達の躯が山の様に築かれている。
作中では、新米教師となっていた稲葉郷子が、恋人である立野広との愛を引き裂く存在として描かれる。
広との関係に思い悩んでいた郷子の前に現れ、彼女を誘惑して連れ去ろうとするが、そこにぬ~べ~と北健斗が現れ、更に郷子が広との電話で愛を再確認した結果、力が弱まってしまう事になり、その隙を突く形で鬼の手による強烈なパンチを左顔面に食らわされ、倒された。
しかし、意外にもしぶとく生き延びており、第14巻にて再登場。
前回の時に強力な霊体である鬼の手でぶん殴られた影響か、殴られた左顔面は歪んでしまっており、醜いアンバランスな顔となっている。
この顔は桂男自身にもコンプレックスになっている様で、素顔が見えないようフードで隠しており、一人称が「僕」から「俺」に代わっている等、言動も荒っぽくなっている。
特にぬ~べ~への恨みは強い様で、「ゲジマユ霊能力者」と罵っている。
自分の顔を歪ませたぬ~べ~と自分を振った郷子の二人を逆恨みし、復讐すべく、アデリーナを愛人と勘違い(実際は広のサッカーチームの秘書)して傷ついていた郷子を再び連れ去り、ぬ~べ~と広の前で彼女を自殺させようとしたが、広の決死の行動で郷子の自殺は防がれ、自身もまたぬ~べ~の鬼の手で完全浄滅させられた。
ちなみに、浄滅時の顔は更に歪んでしまった。