小豆婆
あずきばばあ
宮城県から関東地方の伝承に伝わる妖怪。地域によっては小豆そぎ婆、小豆洗い婆、小豆磨き婆という名前で呼ばれる事もある。
小豆洗いと同様に小豆を研ぐ音を立てる老婆姿の妖怪だが、地域によって伝承が異なっており、例えば埼玉県の川越市、下小坂村では雨の降りそうな夕方に廃寺で小豆の音を立てる妖怪とされ、群馬県では夜の高崎城近くのとある子川に出現し、「小豆を洗おうか、人を食おうか」と歌いながら小豆の音を立てて、近くを通るものを明るい光の中へ飲み込んでしまうとされる。
なお、これを回避するには手の親指を握って気を静めるとよいとされる。
また、山梨県の北巨摩郡清春村中丸柿木平(現在の北社市)では諏訪神社近くのアマンドウの大木の上に住んでおり、夜、近くを通る者に「小豆おあんなすって(小豆と食べて行きなされ)」と呼び止め、声を聞いた主が驚いて狼狽えている隙に大きな笊で木の上から人を掬い上げてしまうとされている。
なお、一説にはその正体は地域によって貉や鼬、あるいは狐とされているほか、小豆洗いの正体を地域によって婆としてこの名前で呼んだという説も存在している。
CV:青木和代(3期)、宇和川恵美(4期)、上村典子(5期)、斉藤貴美子(6期)
初出は原作『小豆連合軍』。小豆妖怪三トリオ・“小豆連合軍”の紅一点。
3期と4期では連合軍のリーダー格を務めており、原作などでは工場廃液などで自分たちの小豆畑が不作に陥った為、その報復や小豆を収穫する為に仲間の小豆洗いと小豆はかりらと共に“妖怪小豆”を人間たちに食べさせて無理やり小豆を収穫しようと画策していた。また、3期では鍬を武器として鬼太郎と対決している。
6期では人間たちが小豆の事を忘れつつあることを憂いた小豆洗いに協力して仲間たちと共に動画配信を行っていたが、小豆洗いと小豆はかりが喧嘩別れをしたのを切っ掛けに、何か思う事があったらしく、自分も独り立ちして歌手「小豆グランマ」としてソロ活動を始めた。
当初は小豆のことなど忘れて人気者になった事を楽しんでいるだけだと思われていたが、実際には歌手活動を通して小豆の素晴らしさを人々に伝えようとしていただけであり、その後、小豆洗いが騒動を起こした際にその真意を明かして小豆洗いを諭すと再び“小豆連合軍”を再結成した。
騒動終結から暫く経つと、歌手人気もブームが過ぎ去り下火になるが悔いは無く、仲間の2人と共に現在は街のとある鯛焼き屋で小豆の仕込みを手伝っているようだ。
なお、6期の設定では普段は「あずき~」としか話さない為に喋れないかと思われていたが、実は普通に話せる。この事は何百年も一緒にいた小豆洗いと小豆はかりも知らなかったようで、上記の自分の真意を伝える時に初めてこの事実を知り驚いていた。