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概要
『ガメラ対大悪獣ギロン』で登場した敵怪獣。
惑星テラで、バーバラ・フローベラ達宇宙人のペット兼用心棒として飼われており、惑星テラの「番犬怪獣」と紹介する書籍もある。
過去にテラで起こったという怪獣大量発生災害の折に誕生した怪獣の一種とされている。「大魔獣」であるジャイガーに対して、こちらは「大悪獣」という別称がある。
デザインは見ての通りで、ダイヤモンドの十倍の硬さを持つ刃状の頭部と包丁で言うしのぎの部分から放たれる手裏剣が武器である。ちなみに、この手裏剣は、なんと脳細胞が分裂して出来ている。
また、資料によっては、毒袋を持つとされる。
ご覧の通り、「包丁に手足が生えている」という思い切りの良いデザインのおかげか、大概の人は一度見ると忘れられない。
用心棒怪獣だけあって戦闘力は高く、特に頭部の切れ味は見た目どおりであり、宇宙ギャオスの体を容易く両断し、しつこく切りつけ続ければガメラの甲羅でさえ出血する。その包丁状の頭部は超音波メスを跳ね返すという性質も持っている。あと、何故か峰の部分の切れ味もいい。
小さな手足の割に跳躍力が高く(関連書籍によっては足の裏からジェット噴射を行えるという設定がある)、はるか上空を飛行する宇宙ギャオスにアクロバティックに飛び掛ってその翼を切り落としたりもした。一部の資料では、1.3kmも跳べるとされている。
また、同じく児童向け書籍などでは、掌に「マグネチック吸盤」を持ち、手に持つものを吸いつけたり、壁に吸い付いて登攀する事が可能……という記述もある。
宇宙ギャオスを殺害した後、死体を輪切りにしてその肉を食らおうとした。しかし臭かったらしく、臭いを嗅いだ後に捨ててしまった。惑星テラは食糧事情でも追い詰められたとされているので、ギロンがなにを常食しているかは不明である。
テラに飛来したガメラへの対抗手段として出撃し戦闘になる。手裏剣をガメラの顔面に放ち痛手を負わせるも、次に放った手裏剣を岩ではじき返されて自分にも手裏剣が刺さり、ガメラはテラの海に沈み、ギロンは退却、初戦は痛み分けとなった。
その後、宇宙人に捕らえられていた子供たちが脱走し、武器を求めて勝手に装置をいじったため敵もいないのに再出撃。あたりかまわず暴れだし、自分の飼い主である宇宙人の乗った円盤も真っ二つにしてしまう。やがてガメラが復活し再戦。手裏剣をガメラの手足に突き刺して引っ込めることが出来ないようにして飛行を封じることに成功する。
これで勝利したかと思われたものの、苦心の末にガメラは何とか手裏剣を抜いてしまい、飛行能力を取り戻したガメラに翻弄され形勢は逆転。空から逆さまに落とされたことで頭が地面に突き刺さって身動きが取れなくなる。それでも手裏剣を飛ばして悪あがきしていたが、最期は子供達が発射したミサイル(発射直後にギロンの刃に当たって真っ二つになったものの片方)をガメラに投げ返されてそれが弱点の手裏剣発射孔に突き刺さり、そこにガメラの火炎噴射を受けてミサイルが誘爆、何故か上半身と下半身に真っ二つになり倒された。
GAMERA-Rebirth-
→リバースギロンを参照。
その他の登場作品
- ノベライズ版の『小さな勇者たち~ガメラ~』にも、オリジナルギャオスの肉片を摂取して誕生したG-ギロンとして登場した。こちらは巻貝の一種がギャオス細胞を取り込んだ、という設定になっている。
- ちなみに、その映画版にもギロンそのものは登場しないものの、ギロンを知るファンであればニヤリとする演出が含まれている。
- パチンコの『CR GAMERA THE BATTLE PACHINKO』に登場したギロンは、頭部と脚部の形状が変更されているオリジナルのデザインになっている。概して目付きが鋭く体型がマッシブなものにアレンジされている。
- 海外のトイラインである「Trendmasters」版のデザインは、このCR版と頭部の形状と体全体に対する頭部の大きさが似ている。
余談
- 名前の由来は、おそらく「ギロギロした目」をして「ギラついた」「ギロチン」野郎だろうか。
- これまでのガメラ怪獣のモデリングは「エキスプロダクション」が担当していたが、ギロンの場合は、当時は「エキスプロダクション」が韓国でヨンガリ(ガメラシリーズの制作陣が大いに携わっている)のモデリングを担当していたため、開米栄三の「開米プロダクション」がギロンのモデリングを担当した。
- デザインの段階では、二足歩行したり背びれを弾丸として発射できる予定だった。二足歩行は、後に CR版 で再現された。また、一部の媒体では、手裏剣の代わりにビームを発射しているものもある。
- バルゴン、ギャオス、ジャイガーと共に、明確に「ガメラのライバル」という意匠が込められたキャラクターである。バルゴンとジャイガーとギロンは、四足歩行ながら、高い跳躍力やジェット噴射に該当する能力を持つ点も似ている。
- 「ガメラの火炎で起爆された爆薬で倒される」という結末は、後にガラシャープでも踏襲される予定だった。
- 当時の児童向け書籍にて。湯浅監督は「怪獣に言葉をしゃべらせるわけではないが、ただの効果音でなく、鳴き声で(怪獣の)感情を表現できたら」と考えていた。ギロンが宇宙ギャオスの肉を捕食しようとしたシーンでは、ギロンの鳴き声を細工する事で、悪臭のするギャオスの肉を「くせぇ、くせぇ」と言わせてみたとの事。
- 平成シリーズ第二作『ガメラ2』のレギオンについて、「尖った頭が特徴的な宇宙怪獣で、ガメラを苦戦させた強敵であり、しかも名前が似ている」というところから「ギロンがモデルではないか」という俗説がファンの間でまことしやかに囁かれていたが、この説はガメラ2の監督であった金子修介監督によって否定されている。『平成ガメラパーフェクション』によると、ギロンではなくてジグラとギララのイメージが投影されているとされる。さらにモチーフにしたのがシャコのような甲殻類であったり顔がヘラクレスオオツノカブトムシだったり、様々な関係者の意見も加わっている。無数の検討ラフの存在が明かされているなど、そもそもレギオンは一つの決まりきったモチーフがいないタイプと言える。
- 2作目の対戦怪獣としてギロンの名前が挙がったのは事実であるものの、金子監督の回想によれば「最初のミーティングで2の対戦怪獣どうするという話題から始まり、まさかギロンという訳にはいかないよね」という程度の話であり、そこで脚本の伊藤和典氏が「新怪獣でいきましょう」とサラっと言って以後話は戻らなかったという。
- また伊藤氏も、平成ガメラ三部作を構想したきっかけについて、「一作目の試写で金子監督に「次回作はギロンという噂が流れている」という話を聞かされたところから宇宙怪獣という設定を漠然と考え、ひいては三部作に繋がった」という旨の発言をしているものの、同じ記事で「いくらなんでもギロンは問題だけれど」とギロンの登場自体は否定している。
- この説が生まれた可能性の一つとしては見た目等だけでなく、前述の検討ラフの中にギロンらしきイラストもあったからと言う説もある。
- 『パシフィック・リム』に登場したナイフヘッドはギロンと姿が似ている。このことについてインタビューされたギレルモ・デル・トロは「並べていると似ていない」、「デザインしたウェイン・バロウはギロンを知らなかった」としてモチーフであることは否定している。なお、ナイフヘッドのモチーフはミツクリザメ。インタビュー記事
- デル・トロ自身は前述のインタビューで好きな怪獣と発言しており、『大怪獣ガメラ』を特にお気に入りの5つの怪獣映画の一つとしている(参照)。どちらも『パシフィック・リム』の公開時のインタビューである。
- 彼のように、ギロン自体は海外マニアも知る範囲らしく、『パシフィック・リム:アップライジング』にてガメラ怪獣などがイースターエッグとして演出されていて、ギロンも討伐された怪獣のリストに含まれている。
- このようにレギオンやナイフヘッドもギロンがモチーフであることは早期に否定されているが、両者共にソースが日本国内であまり広がっていなかったことからか、かつての本記事のように半ば真実のように広まっていたこともあり、説としても現在も支持されていたりする。良くも悪くもギロンという怪獣が持つ、インパクトの強さの影響だろう。
- ミツクリザメはジグラのモチーフでもあり、一応両者ともギロンモチーフ以外にはジグラモチーフというファンの説も存在した。レギオンはイメージ元の一つ、ナイフヘッドはモチーフが共通しているだけなのでこれもやや誤りと言えるが。