キャラクター
別称 | 大悪獣 |
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身長 | 85m |
重量 | 110t |
『ガメラ対大悪獣ギロン』で登場した敵怪獣。
惑星テラで、バーバラ・フローベラ達宇宙人のペット兼用心棒として飼われている(惑星テラの番犬怪獣と紹介する書籍もある)。
過去にテラで起こったという怪獣大量発生災害の折に誕生した怪獣の一種とされている。
名前の由来は、おそらく「ギロギロした目」をして「ギラついた」「ギロチン」野郎。
デザインは見ての通りで、ダイヤモンドの十倍の硬さを持つ刃状の頭部と包丁で言うしのぎの部分から放たれる手裏剣が武器である。
ちなみにこの手裏剣は、なんと脳細胞が分裂して出来ている。
ご覧の通り、“包丁に手足が生えている”という思い切りの良いデザインのおかげか、大概の人は一度見ると忘れられない。
用心棒怪獣だけあって戦闘力は高く、特に頭部の切れ味は見た目どおりであり、宇宙ギャオスの体を容易く両断し、しつこく切りつけ続ければガメラの甲羅でさえ出血する。その包丁状の頭部は超音波メスを跳ね返すという性質も持っている。あと、何故か峰の部分の切れ味もいい。
小さな手足の割に跳躍力が高く(関連書籍によっては足の裏からジェット噴射を行えるという設定がある)、はるか上空を飛行する宇宙ギャオスにアクロバティックに飛び掛ってその翼を切り落としたりもした。
宇宙ギャオスを殺害した後、死体を輪切りにしてその肉を食らおうとした。しかし臭かったらしく、臭いを嗅いだ後に捨ててしまった(なお、なにを常食しているかは不明)。
テラに飛来したガメラへの対抗手段として出撃し戦闘になる。手裏剣をガメラの顔面に放ち痛手を負わせるも、次に放った手裏剣を岩ではじき返されて自分にも手裏剣が刺さり、ガメラはテラの海に沈み、ギロンは退却、初戦は痛み分けとなった。
その後、宇宙人に捕らえられていた子供たちが脱走し、武器を求めて勝手に装置をいじったため敵もいないのに再出撃。あたりかまわず暴れだし、自分の飼い主である宇宙人の乗った円盤も真っ二つにしてしまう。やがてガメラが復活し再戦。手裏剣をガメラの手足に突き刺して引っ込めることが出来ないようにして飛行を封じることに成功する。
これで勝利したかと思われたものの、苦心の末にガメラは何とか手裏剣を抜いてしまい、飛行能力を取り戻したガメラに翻弄され形勢は逆転。空から逆さまに落とされたことで頭が地面に突き刺さって身動きが取れなくなる。それでも手裏剣を飛ばして悪あがきしていたが、最期は子供達が発射したミサイル(発射直後にギロンの刃に当たって真っ二つになったものの片方)をガメラに投げ返されてそれが弱点の手裏剣発射孔に突き刺さり、そこにガメラの火炎噴射を受けてミサイルが誘爆、何故か上半身と下半身に真っ二つになり倒された。
レギオンとの関連?
平成シリーズ第二作『ガメラ2』のレギオンについて、「尖った頭が特徴的な宇宙怪獣で、ガメラを苦戦させた強敵であり、しかも名前が似ている」というところから「ギロンがモデルではないか」という俗説がファンの間でまことしやかに囁かれていたが、この説はガメラ2の監督であった金子修介監督によって否定されている。『平成ガメラパーフェクション』によると、ギロンではなくてジグラとギララのイメージが投影されているとされる。
2作目の対戦怪獣としてギロンの名前が挙がったのは事実であるものの、金子監督の回想によれば「最初のミーティングで2の対戦怪獣どうするという話題から始まり、まさかギロンという訳にはいかないよね」という程度の話であり、そこで脚本の伊藤和典氏が「新怪獣でいきましょう」とサラっと言って以後話は戻らなかったという。
また伊藤氏も、平成ガメラ三部作を構想したきっかけについて、「一作目の試写で金子監督に「次回作はギロンという噂が流れている」という話を聞かされたところから宇宙怪獣という設定を漠然と考え、ひいては三部作に繋がった」という旨の発言をしているものの、同じ記事で「いくらなんでもギロンは問題だけれど」とギロンの登場自体は否定している。
ギロンという怪獣が持つ、インパクトの強さを窺い知れるエピソードである。
余談
- デザインの段階では、二足歩行したり背びれを発射できる予定だった。二足歩行は、後に CR版 で再現された。資料によっては、毒袋を持つとされる。また、一部の媒体では、手裏剣の代わりにビームを発射しているものもある。
- ノベライズ版の『小さな勇者たち~ガメラ~』にも、オリジナルギャオスの肉片を摂取して誕生したG-ギロンとして登場した。こちらは巻貝の一種がギャオス細胞を取り込んだ、という設定になっている。
- ちなみに、その映画版にもギロンそのものは登場しないものの、ギロンを知るファンであればニヤリとする演出が含まれている。
- 『パシフィック・リム』に登場したナイフヘッドはギロンと姿が似ている。『パシフィック・リム:アップライジング』にてガメラ怪獣などがイースターエッグとして演出されていることからも、ナイフヘッドはギロンに影響を受けた可能性が大きい。
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