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MUTO

むーとー

MUTO(ムートー)とは、2014年に公開されたSF怪獣映画『GODZILLA-ゴジラ-』に登場する怪獣。
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DATA編集

全高(オス)200ft(約61m)
全高(メス)300ft(約91m)

概要編集

Massive Unidentified Terrestrial Organism (未確認巨大陸生生命体)の略で呼称される怪獣

シリーズ史上初となる、ハリウッドオリジナルゴジラ怪獣である。


前日譚にあたる漫画『GODZILLA AWAKENING』に登場する、同じくMUTOと呼称された怪獣シノムラ(Shinomura)についてはこちらを参照


その正体はゴジラと同じ時代(古生代ペルム紀)に生息していた放射能を餌とする古代の怪獣で、天然の原子炉であるゴジラの体内に卵を産み付ける寄生生物でもある。ゴジラもまた、自らの脅威となるMUTOを排除するために執拗にMUTOを追跡し攻撃を加える。古代からゴジラと戦うことを宿命付けられた、いわばゴジラの宿敵と言える怪獣である。


MUTOゴジラ 同人 2

三角形の頭部と顎、赤く輝く目、鍵爪型の長い腕を持っており、全体的な風貌は昆虫を思わせる(実際、繭の状態を経て変態する、一度に大量の卵を産卵する等、生態も昆虫のそれと似ている)。劇中では巨大な2対の腕で陸上戦を得意とするメス(上の画像右)と、やや小柄だが腕の1対が巨大な翼となり飛行能力を持つオス(上の画像左)のつがいが登場する。


性格は非常に凶暴。人間に全く興味を示さないゴジラとは対照的に、人間に対しても攻撃を仕掛ける。

これは劇中、オスが繭から羽化しようとした時、危険と判断した人間達から高圧電流で殺されかけたことから、人間をと認識し、メスにエコーでその事を伝えていた為と推測される。


生態編集

海底に棲息しながら天然の放射性物質で生き永らえてきたゴジラと違い、地上の人工的な放射能源(原子力発電所核弾頭原子力潜水艦原子力空母など)を積極的に狙うという性質を持つ。

ゴジラ見てきた


ゴジラの熱線のような遠距離攻撃は持たないが、爪から強力なEMP(電磁パルス)を放出してあらゆる電子機器を無力化してしまう能力を持つ。

お前らにムートーの恐ろしさをたっぷりと味あわせてやろう。

その規模は極めて大きく、一撃で大都市を丸ごと機能停止させ、米軍軍艦戦闘機を残らず戦闘不能に追い込んだほど。EMPを使用する際は腕の先端付近が赤い光を放つ。公式ノベライズ版では生体電気で点火するゴジラの熱線の機能に干渉し、使用不能に陥らせ無力化するという使い方も見せている。そのほかにも至近で浴びた田中康司という人物が内蔵をドロドロにされて即死する描写も存在する(ただし映画本編で同じく至近距離で浴びた米軍の捜索部隊は発生時の衝撃や機能停止したF-35の墜落、爆発で吹き飛ばされたものの死傷者はいなかった)。


また、その巨体に見合って力は非常に強い。劇中ではオスの個体が、排水量1万トン近い大きさを持つロシアのアクラ級原子力潜水艦ハワイの山奥へと持ち込んでいる。すなわち1万トン程度なら抱えて飛ぶことが出来るパワーの持ち主ということであり、実際にゴジラとの戦闘でも9万トンに達するゴジラを飛びながら掴み、持ち上げることはできないまでも大きく引きずってみせている。そのオスの個体ですらゴジラはもちろん、メスの個体よりもパワーでは大きく劣る。


戦闘では長大な腕から繰り出される爪や鋭い牙を主な武器としている。オス、メス共に単独ではゴジラに対抗できる力は持っていないが、最終決戦では2対1に持ち込むことで力の差を補い、オスが空中から奇襲して翻弄し、その隙にメスが格闘戦で攻めるという見事な連携攻撃でゴジラを苦戦に追い込んだ。


一方、耐久力は雌雄で異なり、雄雌共に米軍のアサルトライフルの射撃や戦車の砲撃等には平気で耐えることができるものの、雄は小柄な体格故か、ゴジラの尻尾の一撃を受け、ビルに叩きつけられ死亡。(繭の中にいたためか、前述の高圧電流を浴びた際はすぐに復活し暴れまわった)が、雌の個体は(ダメージこそ受けたものの)ゴジラの放った最初の放射火炎には耐え抜いている。


劇中での活躍編集

【ネタバレあり・閲覧注意】GODZILLA2014


15年前の1999年フィリピンの鉱山で発見されたゴジラの祖先の化石に寄生していた繭から覚醒したオスの個体が、日本の雀路羅(ジャンジラ)市の原発を襲撃。原発は崩壊し、一帯は立ち入り禁止区域となり、主人公フォード大尉の母親サンドラもこの時犠牲となっている。この事件は政府および特別研究機関MONARCHによって地震による原発事故として隠蔽された。


その後、MONARCHの監視の元、原発崩壊の際に流出した放射能を吸収しながら、繭の状態で生きながらえていたが、十分に放射能を吸収しつくしたために繭から羽化し、雀路羅市の研究施設を破壊して脱走する(この時、フォード大尉の父親であるジョーが死亡)。

その後太平洋上でロシアのアクラ級原子力潜水艦を襲った後東へ移動し、ハワイへと上陸(この時山中で原潜の核弾頭を貪っていた)。発見した米軍に向け発した電磁パルスでホノルルを停電させたのち、米軍と激しい戦いを繰り広げる。さらに、そこへMUTOを追跡してきたゴジラも出現し、三つ巴の戦いになるも、結局決着はつかず、MUTOは飛び去り、ゴジラもMUTOを追って海へと消えた。


その頃、回収後ネバダ州ユッカマウンテン放射性廃棄物処分場に保管されていた雌の繭が羽化し、施設から脱走。ラスベガスなどの大都市を襲撃した後、アメリカ軍が移送中だった核弾頭(ゴジラとMUTOを海上に誘導し、三者諸共爆破する作戦の囮として用意されたものだった)を奪い去り、回収された起爆用の爆弾を奪った雄とサンフランシスコで合流すると巨大な巣を作り、卵を産み付ける。


やがてゴジラが上陸してきたため、巣と卵を守るべく戦闘に突入。当初は連係プレーでゴジラを苦戦させたが、フォード大尉が巣を卵ごと爆破したの気を取られた一瞬の隙を突かれて反撃されてしまい、まず雄が不用意な接近をしたためにテールスマッシュの直撃を受けビルに激突。ビルの破片が体を貫いた上に衝撃で右の歩脚が脱落し、絶命してしまう。

雌は巣から核弾頭が運び出されたことに気づき、米軍に襲い掛かるが、背後からゴジラに急襲されて口を無理矢理こじ開けられ、そこへ体内に直接放射火炎を注ぎ込まれたことで遂に倒されたのだった。

先輩から学ぼう!


なお、小説版ではトドメが口内への熱線ではなく腕の一振りになっている。タイタンの首を一撃で切断するチョップとは一体…


以降の作品に登場したMUTO編集

キングコング 髑髏島の巨神編集

名前のみ登場しており、同作の登場人物の1人で、MONARCHの中心的存在であるビル・ランダはMUTOを探しているという設定になっている(上記の通り、MUTOとは未確認巨大陸生生命体の略であるため、こちらと同族を指しているのかは不明。実際資料には巨大な亀とあり、おそらく別の存在である可能性が高い)。


GODZILLA: Aftershock編集

グラフィックノベル『Godzilla: Aftershock』にはムートー・プライム(MUTO PRIME)という原種個体(というか親)が登場。

通常の雌のMUTOよりも外殻や剛腕が極端に発達しており、ここまでの変異の理由については「交尾を終えた雌が雄を捕食して変態を遂げた」という説や、「他の怪獣の脅威に対抗するために同族争いを繰り広げた結果進化した」という説がある。


ゴジラ種に対する優位性はさらに増しており、かつては2014年の個体と同じ体格を持つダゴンと称された個体を含むゴジラ族を何頭も倒して卵を体内に産み付けて殺害し、2014年に出現した現代のゴジラをも苦しめた強敵。


ゴジラ族を地表に引きずり出すほどの強力な地震を起こしたり(それ故か別名はJishin-Mushi (地震虫)Dragon Beetle (龍虫))、脚音は何キロも遠くから聞こえ、ゴジラを一撃でノックダウンさせたり、ゴジラでさえ負ける速度で泳ぎ、ゴジラの背びれを粉砕するほどの威力を持つ音波砲(咆哮)を発する。しかし、今までのように卵を産みつけようとするが、皮肉にも自らが粉砕した背中から放たれた膨大な量の熱線で吹き飛ばされ、トドメに顔面を踏み潰され倒された。


後述のKOMのゴジラは2014年のものと同一個体であるため、この一件がゴジラの背びれのデザインが初代ゴジラのものに近くなった(再生して変異、進化した)理由だという説もある。このAftershockの一件について質問された際にはドハティ監督は映画のパンフレットやツイッターでゴジラの背びれは鹿の角のように生え代り、形を変えて成長していくと答えている(ムートープライムの存在に関しては否定も肯定もしていない)。


GODZILLA: King of the Monsters編集

前作『GOZILLA』における回想シーンの他に、上記のMUTOの雌雄がイチャつくシーンが「怪獣の貴重な生殖行動」として冗談混じりにモザイク修正されて紹介されていた(字幕などではモザイク処理した理由も語られている)ほか、ゴジラの監視をするため建設されたMONARCHの基地「キャッスル・ブラボー」内部に前作で熱線で焼き切られた雌のMUTOの生首が保管されている(これは上述した作品でも描写されている)。


また、同作では“New MUTO”という名称の雌の別個体らしき怪獣も登場しているが、キングギドラに打ち勝ち、怪獣の王として君臨することになった上記のゴジラには最早逆らうことなく素直に跪いていた(現代においては人工の放射能源が大量にある以上、態々危険を冒してまで敵対する理由がないのも理由の一つであろう)。


なお、Aftershockを読んだ読者からはこの個体がゴジラに跪いたのはムートープライムを倒されたショックのためではないかという説も出ているが、前述の通りAftershockは映画とはパラレルで映画時空ではゴジラとムートープライムの戦いは起こっていないと考えられるため(そもそも映画時空にムートープライムが存在するかどうかも明らかになっていない)純粋にゴジラの強さに平伏したとも考えられる。


今作にて「怪獣=タイタン」という名称が作中世界に浸透したことで、MUTOという名前が実質的に彼らを示すものとなっている。


余談編集

  • 2012年の段階では雄は「Hokmuto」、雌は「Femuto」と呼ばれていた。これは雄の場合は当初の舞台がジャンジラ市ではなくて北海道の積丹半島近辺だったことから「北海道+MUTO」に、雌は「Female+MUTO」に由来している。こちらでは身長182mのゴジラと共に雄雌が凍り付けで発見され、EMPは雌だけの能力とされるがゴジラの放射火炎を問答無用で抑える出力を持ち、雄は蛹化を経て四本の翼を備え、雄には「オーロラのような発光現象を起こす雷のような衝撃波のようなもの」を発射する能力がある。この雄の能力は後のモスラの能力と似ているかもしれない。また、雄のMUTOの飛行する姿は、東宝のモスラの企画段階の飛行する姿とにている。
  • 共に企画が頓挫してしまったため日の目を見る機会はなかったが、ヤンデボン版の敵「グリフォン」はストーリー上の立ち位置が、エメリッヒ版ゴジラの続編のボスクイーン・ビッチは「ゴジラという種族による捕食 or 撃破が唯一の対抗手段」、「卵を破壊されて激怒、主人公を襲うところをゴジラが助ける」など、MUTOに設定上の生態などが非常によく似ていることが海外では指摘されている。
  • これまでにない斬新なデザインの怪獣だが、ギャレス監督曰く、「観客に既視感を抱かせないために、角ばった、直線的なものにしようと考えた」とのことで、「『機動戦士ガンダム』を見ていて思いついた」とのこと。また、電磁パルスを放出したり光を反射してカモフラージュしたりすることができるのはステルス機を意識したためらしい。
    • ただし、海外のゴジラファンであるAVGNはその造形がクローバーフィールドの怪獣とほとんど同じであるという批判を述べており、「アメリカ人には巨大怪獣をデザインする才能が足りない」と酷評した。
  • 無機質な見た目とは裏腹に非常に感情表現が豊かであり、雄と雌が合流した際には思わずリア充爆発しろと言いたくなるほどのイチャイチャぶりを披露したり、卵が巣ごと爆破された際にはゴジラとの戦闘を放り出して巣に駆けつけ、観ているこちらも思わず同情してしまうほどの悲痛な叫び声を上げたりしている。人によっては『劇中ほぼ家族から離れ、一人でいたフォードよりも裏テーマの「家族愛」を感じる』なんて声も。
  • さらに雌は雄が生殖可能となるまで休眠し待ち続けていたということから日本のファンの間ではおねショタ説が浮上し、それに触発された擬人化絵もなかなか多く見られる。

センシティブな作品センシティブな作品

  • オスはゴジラに飛びかかったところを狙い澄ました尻尾の一撃で迎撃されて絶命し、メスは巣を爆破されたことで子供を失い、近くにいた主人公を敵と認識して執拗に追跡するなど、エメゴジZILLAへのオマージュと思われる描写がある。

GODZILLA 日本公開&興収1位打ち上げ

  • ZILLAとMUTOどっちが強いかという議論もあり、ZILLAの場合はエメゴジとは別の存在であり、ファイナルウォーズにてゴジラに飛びかかったところを狙い澄ました尻尾の一撃で吹き飛ばされ、直後歴代最強クラスの威力を持つだろうFWゴジラ放射熱線で断末魔の叫びをあげ爆死、秒殺されている。ただし、ゴジラが来るまでは光線兵器も大量に装備しているだろう人類の軍隊を無傷で退けていた。MUTOの場合は電磁パルスにて人間の兵器類を無効化できる。また、ヘリなどからのミサイル攻撃を受けているシーンがあるがダメージを受けた様子はほぼなかった。しかし、オスはゴジラに飛びかかったところを狙い澄ました尻尾の一撃で迎撃され絶命したことや、対象物を破壊するほどの火力がないゴジラの放射熱線(ただし、後の作品では普通に建造物を破壊できる威力になっている)で体を焼かれて死んでいるため、ZILLAのほうが強い可能性が高いとする意見もある。もっとも口の中に直接放射熱戦をぶち込まれれば死ぬのも当然ではあり、議論は尽きないかもしれない。
  • 「ムートー」という名前から、日本の一部のファンからは「武藤さん」というあだ名で呼ばれている。間違ってもこの方ではない。

Godzilla vs Muto【にがおえ】武藤敬司

  • そのMUTOという名前は上記を見ればわかる通り、モンスターバースにおける名前の決まっていない怪獣の総称であり、この種単体での呼び名はではないが、今後、モンスターバースの物語の中で新規に名前が付けられるのか、それとも彼らだけ今後もMUTOと呼ばれることで逆に彼らの個性となるのかは『キング・オブ・モンスターズ』になるまで不明であった。ちなみにこの映画に登場した個体は『バーブ』という名前があるらしい。

関連イラスト編集

Let Them Fightゴジラ

二億年越しのラブコールムートーさん


関連動画編集

Official Asia Trailer


関連タグ編集

ムートー:表記揺れ。


モンスターバースの怪獣一覧


ゴジラ GODZILLA モンスターバースシリーズ


GODZILLA-ゴジラ- 髑髏島の巨神 キング・オブ・モンスターズ


GODZILLA(モンスターバース) シノムラ


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